加賀や周辺の海岸には、加賀の潜戸や多古の七つ穴といった、船でしか訪れることが出来ない数々の海食洞窟があります。加賀の潜戸は「新潜戸」と「旧潜戸」の2つの洞窟からなり、「新潜戸」は3つの入り口を持つ高さ40m、長さ200mの大洞窟で、波の静かな日には船で洞窟内を通ることができます。この洞窟は奈良時代に完成した歴史書の1つである「出雲国風土記」に登場します。この神話では、出雲の神の1人である佐太大神の母が佐太大神を産む際、洞窟の中が暗すぎるため、金の弓で洞窟に穴を開けたと記されています。「旧潜戸」は幅約5mの洞窟で、幼くして亡くなった子どもの霊を弔う賽の磧があります。加賀の近くの多古鼻岬には、1500万年前の海底火山の溶岩ドームである桂島や、高さ50mの断崖に海食洞窟が連なる多古の七つ穴など、他にも多くの見どころがあります。また加賀は、江戸時代から明治時代の中期かけて日本海上で物資を運んでいた北前船の要港として栄えたところです。