三徳山(標高899.7メートル)は標高ごとに変化に富んだ植生が残り、山岳信仰の聖地としても知られている山です。山麓にある三佛寺は706年に修行者のためのお堂として建てられました。ここでは、一般の登山者も三佛寺から投入堂までの急な登山道を登ることができ、六根清浄の修行をしながら、自然や途中に残された文化財を楽しむことができます。
原生林に囲まれた三佛寺の奥院「投入堂」は、垂直に切り立った断崖絶壁の窪みに張り付くように建てられた他に類を見ない建築物で、国宝に指定されています。寺院の撮影で世界的写真家として知られる土門拳は、投入堂を国内でもっとも素晴らしい建物として賞賛しました。修験道の開祖とされる役行者が、山のふもとにお堂をつくり、法力でお堂を小さくして絶壁の岩窟に投げいれたという伝承が語り継がれています。
信仰の対象である三徳山の自然は大切に保護され、手つかずの自然林がそのままの状態で残されています。イヌワシやブッポウソウ、アカショウビンのような様々な鳥が見られます。