出雲日御碕灯台は、100年以上の歴史をもつ高さ約44メートルの白い塔で、その高さは石造りの灯台としては日本一の高さを誇ります。灯台には有料でのぼることができ、最上部からは雄大な海岸線の眺めを楽しむことができます。この灯台の周辺を含む日御碕周辺の海岸は「柱状節理」と呼ばれる火山性溶岩からなる四~六角形の形の規則的な断面をもつ岩が広がっています。岩が連なる入り組んだ海岸や入江は人が簡単には近づくことができないため、この地特有の自然環境が広い範囲で手つかずのまま残っています。中でも経島は、古来より重要な聖地とされ、人の立ち入りが禁じられているほか、ウミネコの重要な繁殖地でもあり、11月下旬から12月上旬にやって来て、7月中旬までこの島に留まります。
日御碕では夕日は神聖なものと考えられています。鮮やかな朱色に彩られている日御碕神社の社殿の1つ「日沉宮(ひしずみのみや)」には、天照大御神が祀られており、夕日を象徴する社殿とされています。毎月8月7日に行われる御幸(みゆき)神事は夕日の祭りとも言われ、日本海に沈む美しい夕日を背景に、社殿や経島で行われる神事を見学することができます。