733年に編纂された日本最古の歴史書の1つ「出雲国風土記」では、大山は神々が住む山と記されています。718年に金蓮上人がこの山に地蔵権現を祀り、大山寺を創建しました。その後、大山寺は山岳信仰の地として栄え、一時期は西日本最大級と言われるほどの仏教の一大勢力となりました。平安時代には基好(きこう)上人が牛馬の安全を祈願し「牛馬信仰」を広め、人々は牛馬をひき連れて大山寺に参詣するようになりました。次第に大山寺での牛馬の取引が盛んになり、日本の三大牛馬市の一つにまで発展しました。その後市場は1937年に廃止されています。
大山寺へ向かう参道は、今も昔のままの雰囲気が残り、宿坊や史跡などが立ち並んでいます。日本最大級の権現造りの建造物である大神山神社奥宮へと通じている自然石の石畳みの参道は700mあり、その長さは日本最長です。晴れた日には、このエリアから大山の北壁、日本海、島根半島、弓ヶ浜半島、隠岐諸島などの絶景が見渡せます。