蒜山高原は、蒜山三座(上蒜山、中蒜山、下蒜山) の裾野に広がる標高500~600メートルの高原です。蒜山三座をのぞむ牧草地ではジャージー牛が草を食み、高原の登山道沿いにはカタクリやイワカガミなどのたくさんの野の花が咲き、牧歌的な景観が広がっています。毎年春になると、豊かな草原を守るための伝統行事「山焼き」が行われます。山の斜面に火をつけて、燃えた草木で豊かな土壌をつくり、また新たに草木を芽吹かせる、蒜山に長年続く草原を維持するための伝統行事です。家畜の飼料を採ることを目的に始まりましたが、草原を好む生き物からなるこの地域の生態系を維持することにも役立っています。山焼きをやめると焼かれなくなった土地には木々が生え森になり、草原を好む生き物は徐々に姿を消してしまいます。岡山県と鳥取県の県境にある鬼女台展望休憩所では、蒜山高原から大山までの壮大なパノラマ景観を楽しめます。