瀬戸内海国立公園
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2015年02月26日【体験教室】 竹のバウムクーヘン&焼きリンゴづくり
瀬戸内海国立公園 大林めぐみ
昨年に続いて2回目の大人気プログラムは、まだHPに予定日時しか掲載していないにも関わらず、チラシができあがる前に続々と申込が!あとは毎年頭を悩ませる積雪がないことを祈るのみ・・・でしたが、そんな心配もなく良い天候の中開催することができました。そして、今回の参加者は過去最高の15組53名と大所帯!
バウムクーヘンを作るのにちょうどよい太さ、長さの竹は予めスタッフが用意。どこにバウムクーヘンの生地を付けるのかなど、作業を始める前に簡単にコツをレクチャーします。
このプログラムでは、食材加工斑と火おこし斑に分かれて、同時に作業を行っていきます。
まずは、食材加工斑。
バウムクーヘン生地は、簡単お手軽にホットケーキミックスを使います。生地が少し固いかなと思ったら、牛乳を少しずつ加えて、少し粘りのある位まで調整しましょう。ちょっと大人の味にしたいな、と思ったら洋酒を入れてもいいですし、ココアパウダーを入れてチョコバウムクーヘンにしてもいいですね。
そして、焼きリンゴは芯くり抜き器を貫通しない程度までグリグリと通して、芯を抜き取ります。
その穴に、シナモンと砂糖を混ぜたシナモンシュガー→バター→シナモンシュガーを入れて、最後にバターで蓋をします。焦げ付かないようリンゴの下側にアルミカップを敷いて、アルミホイルでリンゴをくるみます。
【混ぜたり、詰めたりと簡単な作業は小さなお子さんでもお手伝いできます】
さて、こちらは主にお父さんが活躍する、火おこし斑。
下から紙→ワラや枯れ葉のような点火しやすいもの→枝→木と立体三角(円すい状)に組んで、紙に点火します。火は上に伸びていくので上に燃やしたい物がある方が○。また酸素がないと燃えないので、びっちりと組まないようにしましょう。うちわなどで下から風を起こしたり、ワラや枝を少し加えながら火を安定させます。木を組むのが難しい、という方は、バーベキューコンロのように側がついているものならその壁にもたれかけるように組んでもいいですよ。火が安定してからコンロの真ん中に徐々に移動させ、炭を入れ、おこしていきます。
【左下のように炭がおこせればOKです】
火が安定してきたら、バウムクーヘンを巻く竹に各節1~2つ程度ドリルで穴を開けます。これは、節内の空気が熱されて竹が割れるのを防ぎます。(←必ず行いましょう)
そして、生地を巻く部分の竹を炙って、アブラが出てきたら布で拭き取る作業を繰り返し、青竹が薄茶色になれば下準備完了。
この火おこしは意外と時間がかかるのですが、今回参加されたお父さん方はキャンプ経験が豊富なのか、すぐに炭が安定し、食材斑を待つくらいスムーズに作業が終わりました。
さぁ、生地もできたし、竹と火の準備も完了したら、バウムクーヘンを焼いていきますよ!
生地をのせる前に竹を熱して、バターをつけて、熱いうちに生地をのせます。バターをつけると生地が滑るんじゃない?と思うかもしれませんが、バターをつけることでできあがった時に竹から外しやすくなります。
バウムクーヘンを上手く、生地を無駄なく焼くコツは、、、
・竹が熱いうちに生地をつける(ぬるいと生地がつきづらいです)
・竹をクルクル回しながら焼き目がつくまでしっかり焼く(クルクル回すと遠心力で生地が落ちないです)
・時間が経ち、生地が粘ってきたら、適宜牛乳を入れて水っぽくならない程度までのばす
最初は左上のように薄くまばらな生地がだんだんと厚く、ふっくらしだしました。バウムクーヘンづくりは耐久戦になるので、小さな子どもは少し飽きてきますが、親やスタッフの目が届く広場があるので思いきって遊び、またバウムクーヘンづくりに参加したりと楽しんでいました。耐久戦であるが故に、このバウムクーヘンづくりは大人の方が夢中に、そして本気になってきます。(特にお父さんは職人さながら)
焼き始めて早い組で40分程度で完成。(生地の量や火の加減などで変わります)
できあがったら、バウムクーヘンと節の間をノコギリで切り落として、生地の端に包丁を入れ隙間をつくり、外しやすくします。バウムクーヘンに新聞紙を巻き、全体をしっかりと持ち、竹を引き抜く方は竹を回しながらゆっくり抜いていきます。後は包丁で適当な大きさに切れば完成です!
バウムクーヘンに夢中になりすぎてリンゴを忘れがちですが、直火が当たらないよう、また火が均等に入るよう時々回しながらじっくり焼いていきます。ジュワーっと音がして、柔らかくなっていたら食べ頃!
【アツアツできたてのバウムクーヘンはお店ではなかなか味わえません】
そして、今回は炭があるので何か焼きたい物があれば持ってきて下さい、とお知らせしたところ・・・
焼き芋に焼きおにぎり、バナナ、マシュマロ、ポップコーンとおやつどころかお腹いっぱいになるくらい色んな食材を持ってきてくれていました。ピクニックシートを広げて、外で食べると自然とみんな笑顔に。
冬は寒くて外に出たくないなぁ、と思う方も、暖が取れて、美味しく楽しく過ごせるならやってみようかな、と思うでしょう。また、キャンプに行った時、こんなアウトドア料理ができれば、みんなから注目されること間違いなしです!
最近では「火をおこす」ことが減ってきています。こうした火おこしを一度体験し、知っておくと災害時にも役立ちます。電化生活になってきて、火を見る機会の少ない現在の子どもには特に大切な体験だと思います。
※3月の体験教室「五色台カフェ・春の野草ランチ」は現在キャンセル待ち中
******************************4月の体験教室******************************
「音で楽しむ森歩き」
昨年10月に台風襲来でなくなく中止となったプログラムを春に。ポカポカ陽気に誘われて森歩き。
時に聞こえてくるのは・・・?こえびカンダダンによる演奏、そして青空ライブをお楽しみに★
日 時:2015年4月29日(水・祝)9:00~12:00
場 所:五色台クラフトハウス(五色台ビジターセンター前駐車場から歩いて木道下りて2分)
参加費:300円/人(保険代込み)
持ち物:歩きやすい服装(雨上がりの後は長靴もあれば便利)、飲み物
2015年02月16日ミヤジマトンボ幼虫調査を実施しました!
瀬戸内海国立公園 大髙下理恵
環境省では、ミヤジマトンボ成虫の現存数調査をするとともに、
ミヤジマトンボ保護管理連絡協議会で整備した生息地において幼虫調査を実施しています。
今年は10月と1月に調査しました。
調査方法は25cm四方の枠を十数カ所に設置し、
枠中の土壌にいる幼虫を目視で探し出すというもの。
泥は水で洗い流して調べますが、
中には数ミリの幼虫もおり、
同色の朽ちた草木の中から探し出すのはなかなか大変な作業です。
[この中から幼虫を探します]
[調査の様子:中腰での作業は地味に大変!]
幼虫の同定は種類によっては似ていて難しいのですが、
ミヤジマトンボの幼虫はとても特徴的で
他の幼虫には見られない腹部の背中にある背棘(はいし)というトゲが2~9節にあり、識別が容易です。
※他の幼虫には背棘はなかったり、数が少なかったりします。
[ミヤジマトンボの幼虫:背中に竜のようなトゲがあります。]
小さいものから終齢の幼虫まで様々なサイズが確認され、
違った個体が違う時期に産卵したことがわかりました。
この幼虫たちが来年の夏になると、
また無事に羽化してくれることを願うばかりです。
2015年01月30日環境学習「私たちの生活と環境」
瀬戸内海国立公園 大髙下理恵
広島大学附属小5年生を対象に宮島で
「私たちの生活と環境ー私たちにできることってどんなこと?ー」をテーマに環境学習を行いました。
題材は湿地と漂着ゴミです。
子どもたちはラムサール条約湿地やミヤジマトンボについては事前学習していましたが、
実際に湿地を見るのは初めて!という人が殆ど。
見学する前に「湿地ってどんな場所だろう?」と聞いてみると、
水があり湿っている、緑がたくさんある、生き物がたくさんいるなどの意見が出ました。
そして湿地へ向けて出発!
湿地を見た第一印象を聞くと、
汚い、思ったより水がない、自然が壊れているように見える、生き物がいる気配がないなどでした。
別の時期に撮影した同じ場所の写真を見せると、お~!と歓声があがりました。
というのも、湿地性植物で希少種のハンゲショウが一面を覆い尽くし、いかにも賑やかな生き物の雰囲気です。
冬は動植物も春が来るのを辛抱強く待っている状態というわけですね。
また、湿地の土にも触れてもらいました。
弾力がある、スポンジにように踏むと水が出る、しっとりしている、田んぼと似ているなどの感想がありました。
触ってみることで"湿地には保水力があること"がわかり、
動植物にとっては生活の場であると同時に、
私たちの生活にとっても貯水や洪水防止につながることもわかりました。
湿地から海側へ向かうとこなきり浜に出ます。
毎年パークボランティアで清掃しているにもかかわらず、大量の海ゴミが漂着します。
[生活用品や発泡スチロールが目立ちます]
ここで1人1点人工物を拾い、
残りの時間は自然環境に流れ着いた海ゴミと私たちとの生活について考えました。
[これは何だ?どこから来たのかなぁ?]
それぞれが拾った海ゴミは元を辿れば私たちの生活で使われていたもの。
どんな旅路を送ってこなきり浜にたどり着いたのでしょうか?
家で使われた後海にポイ捨てされた、道路に捨てられたものが川を辿ってきた、という意見のほかにも釣りで浮きが外れた、漁で使われた網が破れたなど、陸からだけでなく、海から、そして故意に捨てられたものだけでないことが分かりました。
[回収後は室内でグループワーク]
さらに、海ゴミの何が問題がなのか?
海ゴミを減らすために何ができるのか?
それぞれ班ごとに意見を共有し、発表しました。
最後に今回の環境学習を終えて、様々な気づきや学び、感想が出ました。
・神の島なのにこんなにゴミがあることに驚いた
・ゴミを捨てることで動植物に悪影響が出ることがわかった
・1つでもゴミを拾えば助かる命がある
・海の生き物や植物が人間とつながっていることがわかった
・再利用、ゴミは持ち帰り捨てない、ゴミを拾う大切さがわかった ...etc
2時間という短い時間でしたが湿地や自然海岸のありのままの姿を観察し、
そこから自分たちの考えをみんなで共有することで様々な気づきがありました。
今日の気づきを大切に、
また今後の生活にもつなげていってほしいと思います。
2015年01月29日【体験教室】 竹の食器でうどんを食べよう
瀬戸内海国立公園 大林めぐみ
「温暖な気候」とよくうたわれる瀬戸内ですが、転勤で降雪地域から来られた方には「冬、暖かくない!寒い!」とよく言われます。
その理由は瀬戸内を囲む地形にあります。日本海側からの湿った空気は中国山地に、太平洋側からの湿った空気は四国山地にぶつかり、そこで冷やされた空気は雲になり、そして雨や雪となります。日本海、太平洋側で湿気を取られ、乾燥した空気はそのまま瀬戸内に入り、夏は少雨、乾燥した冬となります。
では、なぜ乾燥すると寒く感じるのでしょう?
人の体温調整は体からの気化熱の発生によって行われています。湿度が低いと体から水分が蒸発しやすくなり、その分気化熱が発生するため、体から熱が奪われていきます。多湿な降雪地域よりも同じ気温でも瀬戸内が寒く感じるのはこのためです。夏も同じ気温なのに湿度の高低によって感じる暑さが変わってきますよね。
そんな意外と寒い香川県で冬に食べられる郷土料理といえば、温かいしっぽくうどんや打ち込みうどん。
今月の体験教室は、みんなでうどんを作り、そして食べるための器とお箸も手作りしちゃおう!です。
まずは、竹の食器を作る前にスタッフから道具の使い方や切り出すコツなどをレクチャー。
正しい道具の使い方は、ケガ防止や上手く切り出すことができるだけでなく、道具の長持ちにもなります。
ノコギリはまっすぐに、引く時に力を入れて、を合い言葉にみんな作業開始!
クラフトハウスは暖房設備がないため、初めはみんな厚着だったのが竹を切り出す内に暑くなり、アウター→セーターとどんどん脱いで最終的に長袖シャツ1枚になるほど。
子ども達も親御さんやスタッフに手ほどきを受けながら、自分たちの食器をつくりました。
だんだん道具に慣れてくると、無駄な力も入らず、楽に早く切り出せるようになりました。
切り出した竹の器は、口をつけやすいように1ヶ所だけナタを使って厚さを半分程度にします。ナタは重く、切れ味が抜群のため、道具に触るのは大人だけ。ですが、子どもにはナタを叩くという重大なミッションが与えられました。
親御さんが「OK」の合図を出したら、丸太でナタを叩いて竹を割っていきます。
ナタが竹に入ったら、ナタの両側を交互に、躊躇なく叩いていくとスパーンと割れますよ。
一方、器の切り出し待ちのグループはお箸づくり。
予め箸サイズに切り出した竹から選んでもらい、小刀を使って持ってちょうどよい太さまで削ります。
小刀も力の加減が難しいので、親御さんに支えてもらいながら、焦らず削り出します。仲良し家族同士で参加したグループは、器斑、お箸斑と分けて作成していました。チームワークで効率的に進めていますね。
器とお箸が完成したら、キレイに水洗いして干しておきます。
そして、お待ちかねうどんづくりです。
うどんは最初から作るとかなり時間がかかるので(我が家はうどん玉を前日の晩につくってました)
麓のうどん屋さんで購入したうどん玉を使います。
まずは、踏んでうどん玉を延ばします。
うどん玉の真ん中にかかとを置いて、かかとを中心に自分が回りながら延ばしていくのがコツです。生地は真ん中が厚くなりがちなので、均等になるようにしっかり踏んで延ばしておくと麺棒での作業が楽になります。
ビニール袋からうどん玉を取り出して、麺棒を転がしてある程度延ばします。その後、麺棒に生地を巻き付けて、生地の真ん中から端へ延ばすようにしながら麺棒を押し転がします。数回延ばして生地を広げたら、90°回して短手方向を延ばすという工程を繰り返します。
厚さが3㎜程度になったら生地を3つにおりたたんで切っていきます。
包丁はまっすぐに下ろして、少し倒すときれいに切れます。
太麺、細麺はそれぞれお好みですが、だいたい3~5㎜が平均的なうどんの太さになりますね。
中には「太い麺が食べたい!」と言って、「え、ワンタン??」と思うくらい太麺を作っている子どももいました。太く残ったうどんの端っこって美味しいんですよね~。子どもの食べてみたい気持ちも分かるのでそっとしていましたが、後でお母さんに「もっと細くして!」って言われてました(笑)
さぁさぁ、切れたら茹でていきますよ~。
たっぷりの湯の中にバラバラにしながら入れて、うどんがくっつかないように菜箸でかき回しながら約15分。
最初は沈んでいた麺も湯がグラグラしてくると、徐々に浮いてきました。麺ももっちり、ツヤが出てきたら、太め麺を選んで食べて生っぽくなければOK!
まずは釜揚げでいただこうと、水でしめる前に器に少し入れて・・・「美味しー!」
釜揚げはちょうどいい塩気が残るので、生醤油を少し垂らすだけでも十分。鍋からあげたうどんは一旦水でしめて玉にします。うどん1玉を取って湯に通して温めて、そこへ予め作っておいたしっぽく出汁をかけたら・・・
完成です!!お昼は陽射しも暖かいので外に出て食べました。
今回のしっぽくの具は9種も入っており、これだけで十分お腹いっぱい。
森林整備のために切った竹を使って食器をつくり、そして郷土料理に親しむことができた体験教室。
1からうどんを作ってみたいという方もぜひお家に帰ってチャレンジしてみてください。コシを出すポイントは、時期に合った塩水の塩加減とツルッとした生地になるまでの踏む→たたむ→踏むの工程の繰り返し。(あまり捏ねすぎると固くなってしまうので要注意です)
またもう一つの冬の郷土料理、打ち込みうどんも寒い日にはもってこいですよ。
次月、2月の体験教室はすでに満員御礼となっておりますので、3月のおしらせ↓↓
*************************3月の五色台体験教室*************************
五色台カフェ『春の野草ランチ』
春先に出てくる柔らかい新芽や若草など食べられる野草を採取して、ピザなど作ります。
日 時;2015年3月29日(日)9:00~13:30
場 所;五色台クラフトハウス(ビジターセンター前駐車場から木道下りて徒歩約2分)
参加費;500円/人(保険代込み)
持ち物;活動しやすく調整できる服装、飲み物、エプロン
問合せ;五色台ビジターセンター(毎週月曜休館(月曜が祝日の場合は翌平日))
2015年01月15日【体験教室】 サザンカの花びら染め
瀬戸内海国立公園 高松 大林めぐみ
10月の体験教室が台風直撃のため、やむなく中止となり、今回その代替プログラムとして室内で行える「花びら染め」を開催することになりました。
11月に開催した草木染めは煮出して染液を作ったりと工程に5時間ほど要しますが、今回の花びら染めは約2時間程度とお気軽にできる染め物教室。講師は五色台ではおなじみ、あそ美工房より角田眞理子さん。
染める布は角田さんが用意してくれた中から仕上がり具合や使い方など聞きながら、好きなサイズ、素材を選びます。
花びらは予めスタッフが用意していますが、やはり自分たちでも少しは採集しましょう、ということでクラフトハウス敷地内にある終わりかけの花びらを摘みました。ここではよく似ているツバキとサザンカの違いを繁里インタープリターから教わりました。ヒントは落ちた花を見ると・・・
ツバキは花丸ごと落ち、サザンカは花びらがバラバラになって落ちていることから、ツバキは花びらが全て繋がっている・サザンカは花びらが1枚1枚分かれているのです。また開花時期もサザンカは12月頃~1月、ツバキは晩冬~初春まで咲くものが多いです。
室内に戻ったら、きれいに染め上がるようサザンカを花びらだけに仕分けします。
1人で作業すると気が遠くなるのですが、参加者みんなで行うと会話も弾み楽しくできます。
染色は均一に染まるのもいいですが、オリジナルの模様があると手作り感があり、より愛着も沸くもの。
講師から身近にある道具を使った模様付けの仕方を教えてもらいました。
ビー玉にビーズ、洗濯はさみに割り箸、輪ゴム、タコ糸など。
みんなで「どんなふうにしよう?」「もうちょっとここに模様付けたら?」など講師や参加者同士でアドバイスしながら、みんなで楽しく(時に爆笑しながら)作業しているとあっという間。
さぁ、どんな模様ができあがるのでしょうか。
模様付けができたら、布に染液が入りやすいよう揉みながら十分に水に浸します。(ポイント!)
その間に染液を作ります。
サザンカの花びらを目の細かいネットに入れて口をしばります。
50℃くらいの湯が右上写真のようにヒタヒタになるまで入れ、上から酢を加えます。割合は湯:酢が1~2:1程度。計量せずざっくりでOKだそうです。酢は穀物酢、米酢どちらでも可能。草木染めの場合はみょうばんが媒染(色が繊維に定着する)役割をしますが、花びら染めではこの酢が媒染の役割をします。
そして、花びらをよーく揉み込んでいくのですが・・・
違いが分かりますか?
赤丸部分にご注目。そう、泡立ちが全然違うのです!
この泡が出るほど染める(布に色が浸透する)力があり、出てないとまだまだ揉み足りない証拠。さすがベテラン主婦チームは泡出しが早い!その様子を見ながら若手チームも見よう見まねでやっていくと、徐々に泡が出てきました。染色に差が出ないよう2つを合わせ、一旦ザルで濾します。
いよいよ、染色です。水に浸しておいた自分の布を軽く絞って待機。
というのも、シルク素材よりもガーゼ素材の方が色を吸う力が圧倒的に強く、また同じ素材でも先に染液に付けた布に色を取られてしまい、数秒でも後から入れた布には色が入りにくくなってしまうのです。他で染色体験をしたことのある参加者は、「だから染まらなかったのか~」とその時上手く染まらなかった理由に納得。
そして、今回も講師のサプライズとして、用意したフリージア&黄花コスモスの花びらからも染色をしました。(写真右)サザンカは布重量に対して3~4倍もの花びら重量が必要になりますが、フリージアと黄花コスモスは30枚程度あれば、スカーフ3~4枚は染められるくらい色がよく出ます。
染液に浸け、布を突かず万遍なく染まるよう箸でまわしながら、(できれば40℃に保ったまま)約20分。
染液から引き上げ、ドキドキ、ワクワクしながら模様付けのビーズなどを外していきます。
これを水洗い(お湯でもいいそう)して絞り、広げると・・・
光の加減で少し分かりづらいかもしれませんが、同じサザンカの染液でもシルク素材は可愛らしいピンクに、ガーゼ素材だと落ち着いたピンクベージュに染め上がります。フリージアも同じくシルク素材は明るい黄色に、ガーゼ素材だとシルク素材より濃黄色に染まります。
花びらを集めるのに少し苦労しますが、採集後はすぐに仕分けして冷凍庫に入れれば保存も可能。できれば保存袋は野菜用冷凍ジップロック、花びらはギュッと詰めてもいいそうです。
講師からは「気軽にできて、自然素材の優しい色合いでできる染色を家でも試して欲しい。また色落ちしても繰り返し染め直せるのが草木・花びら染めの良いところ」と言われていました。ただ、ヒガンバナやヨウシュヤマゴボウなど一部でも毒をもつ植物は避けた方がよい、とのこと。また所有地以外での採集には、必ず土地所有者や木々を管理している人に了承を得て下さい。花びらはできれば見頃を終える頃がいいですね。
少し草木を見る目が変わった染色体験。ぜひ、みなさんもお友達やご家族と一緒にお試し下さい。
******************1・2月の体験教室******************
1月25日(日)開催「竹の食器でうどんを食べよう」
2月15日(日)開催「竹のバウムクーヘン&焼きリンゴづくり」
以上2つのプログラムは、只今キャンセル待ちとなっております。下記へお問い合わせ下さい。
お問合せ:五色台ビジターセンター TEL:0877-47-2479(月曜休館)
==========================余談==============================
成田空港から出ている2015年版カレンダーは「心惹かれる導きの極彩(いろどり)」というコンセプトで世界各地の絶景写真が掲載されています。その12ヶ月の中でなんと!4月は香川県・紫雲出山からの桜霞、9月は広島県・宮島の写真が使われています!これを知ったのは年明けの新聞記事だったため、残念ながらすでに販売は終了・・・。見かけた方は是非チェックしてみてください★
昭和9年3月16日に日本で最初の国立公園として指定された瀬戸内海国立公園。その指定日に毎年香川県・高松市が主催となり開催されている屋島ウォークに参加してきました。1月中旬に県広報誌に掲載したところ、1週間もしないうちに定員の100名を超える人数となり、あっという間に募集停止!
開催当日は濃霧が発生したため、参加キャンセルが出ましたが、約120名の方が参加されました。
屋島の麓である出発地点からでも屋島がどこにあるのやら、といったくらい景色が見えません。。。せめて山頂に登る間に晴れてくれればいいのですが。。。スタッフはそんな不安を抱えたまま出発。前日に降雨があったため、当初予定していた浦生古道は避け、西古道から登り始めることにしました。
【森と霧の中を歩くので晴れた日よりも幻想的です】
最初は踏み固められた土道も場所によっては石が露出していたり、木の根が張りだしたりとちょっとした登山といった雰囲気になってきました。普段歩き慣れていない方はペースについて行けるか少し不安??先導する里山ボランティアガイドさんが参加者のペースをみながら合わせてくれるので、さほど早歩きではありません。ただ、普段全く歩かないご年配の方には少々キツイ登りですので、「ついて行けない!」となっても後方からゆっくりマイペースに登ってきて頂ければ大丈夫。無理しないことが1番です。
ボランティアさんの「ここに足掛けるといいよ」「あと○○分」などの声かけのおかげで約1時間かけて屋島南嶺に到着。そして、景色はどうなったかというと・・・。
【全く晴れず!!】
景色も見えないので休憩した後は、2組分かれて屋嶋城と冠ヶ嶽に向かいます。
現在復元中の屋嶋城城壁では、高松市文化財課・渡邉さんより「屋嶋城とは?」「その歴史は?」など高松市民でも意外と知らない山城・屋嶋城について説明がありました。
説明後も参加者からは「石の色の違いは?」など質問が飛び交いました。赤茶色の石は発掘された屋嶋城のもの。黒い石は他から持ってきた石でどちらも同じ安山岩。赤茶色の石も少し削ると黒い部分が出てくるので年月によってこのような色に変化したそう。復旧工事はあと1年はかかるそうで、工事中は重機が入るため普段開放していません。ただ、もっと詳しく知りたい!という方は、高松市文化財課もしくは高松市埋蔵文化財センターに連絡して頂き、渡邉さんと日程調整した上で対応することが可能だそうです。ご興味ある方はぜひ!
その後行った冠ヶ嶽もまだ霧の中で真っ白。参加者の方には晴れた日に来てみて下さいと伝え、その日を楽しみに待ってもらうことにしました。
そして、標高292mの山頂三角点では、里山ボランティアガイド組合・林顧問よりお話。
ちょっとした裏話も交えながら、屋島について語って頂きました。終えて林を抜けて遊歩道へ出ると・・・
【「お~っ!!」歓声があがった先に現れていたのは雲海に浮かぶ五剣山】
普段屋島を利用している方でもなかなか見られない景色ではないでしょうか。頭頂部しか見えていないので、まるで雲海に島が浮かんでいるよう。これは遊鶴亭からの景色も期待できるかもしれません。
南嶺から北嶺へと歩き、千間広場へ到着。ここでお昼休憩し、出発前には林顧問より備讃瀬戸の景色やどうして国立公園に指定されたのか、などお話。
【いつも熱の入った、郷土愛溢れるお話に感心しきりです】
千間堂跡を抜け、常緑樹に囲まれた中道を抜けると遊鶴亭展望地が見えてきました。
比較的霞がかることが多く、少しぼんやりした景色となってしまう瀬戸内ですが、この日は気温が上昇したことで水分蒸発が起こり、それによって海岸部分が霞み、けれど上空では晴れて青空、と様々な現象が合わさって幻想的な風景が創り上げられていました。
遊鶴亭からの景色を堪能した後は、先に見える長崎ノ鼻まで一気に下ります。途中の洞窟に少し立ち寄ったり、鯨大明神でお参りなど寄り道しながら長崎ノ鼻に到着。ここでは元気YASHIMAを創ろう会から飴湯のお接待を頂きました。疲れた体にほどよい甘さとしょうがの香りがすっと染みいります。
頂いた後は海岸清掃です。
大きな発泡スチロールや漁具、またお菓子の袋やペットボトルなどさまざまな漂着ゴミがたくさん落ちており、大きなゴミ袋はあっという間にパンパンになりました。これらは全て故意の有無関係なく人が出したゴミです。ゴミは必ず持ち帰って適切に処分する、ふたのないゴミ箱には捨てないなど1人1人が考えて行動すれば減らせる問題です。またゴミを増やさない、再資源として回収するなども行動の第一歩です。
20分という短時間でも大人数で行うと、あっという間にキレイな浜に甦りました。
あまり知られていない登山道や歴史文化、自然環境に長けた屋島の魅力再発見だけでなく、漂着ゴミが流れ着きやすい現状なども知って頂けたのではないかと思います。これをきっかけにまた皆さんには屋島を訪れていただき、さまざまな四季の屋島、動植物や風景など楽しんでもらいたいですね。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!
そして、何度かイベントに参加いただき今回もお会いした方、またぜひご参加くださいね~!