ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

中国四国地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2021年12月02日【体験教室】地質を見るっておもしろい!

瀬戸内海国立公園 辻優子

今回ご紹介する五色台体験教室は、「五色台の地質を観察しよう-長谷川先生と歩く秋の五色台-」と題し、香川大学特任教授である長谷川修一先生に五色台の地質について教えていただいたものです。

さて、香川県には、おむすび型の山や台形のように上面が平らになった山が数多くあります。

おむすび山の代表は、飯野山(いいのやま)。

飯野山

台形山の代表は、屋島。

「五色台は、山頂の平らな面と緩い斜面とが急斜面に囲まれた台形型の地形をしているので、屋島に近いです。ただし、屋島ほどはっきりとはしていませんが」という先生のお話から体験教室は始まりました。

五色台の地形を確かめるには、会場の展示物が便利です。

次に、会場である五色台ビジターセンターの2階の展望台から、讃岐平野の山々や瀬戸内海の島々の様子を観察。ここからは、飯野山はじめ大小様々なおむすび型の山を見ることができます。

2階から降りてきたら、会場の展示を使って、どうしてそんな地形ができたのかの説明です。会場では、五色台や飯野山の地質を説明した模型や、実物の岩石も手に取れる形で展示しています。

この特徴的な地形を作り出すキーワードは「安山岩の風化」

外に出て、歩道沿いに安山岩を捜します。山頂には風化して柔らかくなった安山岩があります。この安山岩の風化の具合によって、おむすび山や台形山ができるそうです。

自然観察路に入って、先生から「谷はどうしてできるのでしょう?」「水が削るだけでなく石も流れて、水と石(土)で削っていくんですね。その流れのことが土石流ですよ。谷がたくさんある山というのは土石流が多い、ということでもあります」

イチョウの黄葉が美しい谷沿いでお聞きしたお話です。

イチョウの下の観察会

自然観察路を出て自然体験施設(クラフトハウス)近くに出ます。

「この建物の壁に利用されているのは由良石。高松市の由良山で取れる石です。」

「この建物近くの広場にある石は五色台産。よく見ると、割れ目に筋の入る流理(りゅうり)、板状に割れる板状節理(ばんじょうせつり)を確認することができます。」

 板状節理がよくわかる石

「山歩きの楽しみが増えました」と参加者のお一人から感想をいただきました。

専門家と一緒に歩くと普段気にもとめてなかったことに気がつき、世界が広がってきます。今後も、五色台体験教室では専門家に自然のことを教えていただく教室を開催いたします。ぜひ、ご参加ください。

次回の五色台体験教室

「樹木とのつきあいかたを学ぼう-自然の樹木から学ぶ、いろいろなお手入れのしかた-」

12月8日(土)9:30から12:00

詳細は五色台ビジターセンターのホームページをご覧ください。

https://goshikivc.jp/

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2021年11月22日どんぐり拾って自然観察会

瀬戸内海国立公園 辻優子

AR日記をご覧のみなさま、こんにちは

今回は、徳島県の鳴門公園内で行われた森林自然観察会の様子をお知らせします。

この観察会の参加者は、地元、鳴門市の小学校3年生です。引率の先生方や保護者の皆様と一緒に大型バス2台で鳴門公園にやってきました。

まずは、楽しいドングリ拾い。ウバメガシのドングリが道ばたにたくさん落ちています。今年は大勢が一生懸命拾っても、拾いきれないほどの大豊作です。

どんぐり拾いをする子どもたち

最初の展望台に着いたら、徳島県植物誌研究会会長の木下先生からのお話しです。先生が配ってくれたのは鳴門ウチノ海総合公園で拾ってきた「食べられるドングリ」。マテバシイ、スダジイ、ツブラジイ。「食べられる!」ということで興味津々の子どもたち。焙烙で煎る方法の他、紙の封筒に入れてレンジでチン、というやりかたでもおいしいとのことでした。

あと、ホルトノキ、ムクロジの実についても教えていただきました。

子どもたちに説明をする木下先生

後半は、徳島県立佐那河内いきものふれあいの里の自然観察指導員である市原先生の生き物のお話しです。「何が入っているのかな?」代表の児童は箱の横から手を入れてみます。見ているみんなは箱の窓から見えるので何かわかっています。その反応を見てこわごわ手を入れると・・・

1回目は鹿の角、2回目はスズメバチの巣が入っていました!

子どもたちに話をする市原先生

話が終わって移動中、生き物を見つけて披露する市原先生。子どもたちの「ギャー」という叫び声が聞こえたので何かな?と近づくと・・・

生き物を見せる市原先生

おなかの大きなジョロウグモ。卵を今から産むのかな。

ジョロウグモ

移動先は鳴門山展望台。鳴門公園の中で一番高いところにあるので見晴らしは最高です。

また、ここは、野鳥観察に最適な場所。「鳴門大橋の鉄塔にハヤブサがいることがあるよ」と市原先生に教えていただき、単眼鏡を目に捜してみますが、この日は見ることができませんでした。見えるのは優雅に風に乗るトビたちばかりです。

「鳴門には何度も来ているのに、こんないいところがあるなんて知らなかった」とは保護者の方の感想です。せっかくの高台の展望台がもったいない!

鳥を探す子どもたち

この展望台までの道は、小学生たちが通った道とは違いますが、駐車場近くの階段を上がって、高速道路を横切る橋の手前から上るコースがわかりやすいです。鳴門公園には展望台があちこちにあるのですが、ここは「鳴門山展望台」を目指してください。

右は渦の道、左は鳴門山展望台

階段をがんばって上ったご褒美はこの景色に出会えること。

展望台からの眺め

さて、この日に拾ったドングリは小学校に持ち帰り、3年間大切に育て、卒業記念として生長した苗木を鳴門公園内の裸地等に植樹する予定です。

鳴門公園の自然にふれあい、自然保護の大切さを学ぶ行事でした。

どうぞ、ドングリが元気に育ちますように。

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2021年11月19日探検ウォークin東かがわ

瀬戸内海国立公園 高松 湯淺和美

AR日記をご覧のみなさま、こんにちは!

10月31日に開催された香川県主催の大人気ツアー「かがわの自然探検ウォーク」のレポートをお届けします。

今回ご紹介するのは「森林散策コース」全行程 約8kmです。

白と黒の横縞がダイナミックなランプロファイア岩脈や(かぶら)(ごし)狼煙場(のろしば)(あと)安戸(あど)(いけ)など、東かがわ市を代表する自然と歴史を、ジオガイド・里山ガイドの方々の解説を受けながら約4時間かけてめぐります。

 かがわの自然探検ウォークコース説明

【デイサイト岩脈】

1400万年前に噴出した花崗岩(かこうがん)黒雲母(くろうんも)が混じった大きな岩がそそり立っています。

砂粒ほどの小さな柘榴(ざくろ)(いし)(ガーネット)が、小さいながらも赤く結晶しているのが見られます。

岩の中に埋まった石榴石

鹿()(ぶら)(ごし)のランプロファイヤ岩脈】

ランプロファイアとは火成岩(マグマが冷え固まってできた岩石)のひとつで、鹿浦越岬では、およそ8000万年前、恐竜の生きていた時代、後期白亜紀に形成された花崗岩(白色)が冷え固まる際に収縮してできた節理(せつり)(亀裂が入った隙間)に、後からランプロファイア岩脈(黒色)が貫入してできた縞模様が見られます。

昭和17年に国指定天然記念物に指定されています。

鹿浦越のランプロファイヤ岩脈を見る参加者たち

参加者の方は、地質名ランプロファイア(lamprophyre)と、登記名称は鹿浦越のランプロファイヤの違いや、アルファベット表記について熱心に尋ねておられました。

ランプロファイアの綴りを書き留める参加者

(かぶら)(ごし)狼煙場(のろしば)(あと)

江戸時代末期、外国船の来航を知らせるため狼煙があげられました。当時、長く高く煙を立ち上げるための材料に何を使ったのでしょう?

よもぎが使われたのでは?乾燥して保存したのでは?常駐していたらしいけど、食料とかどうしていたのかしら?

参加者みんなで意見を交換し想像を巡らせました。

蕪越狼煙場跡の説明を聞く参加者たち

道中の涼しい木立が続く道端には、赤く色づく実をつけた樹や蔓、秋を代表する花萩が咲き、目を楽しませてくれます。

木立のトンネルを歩く参加者たち

花の盛りを迎えた萩

もう、フユイチゴがおいしそうな実をつけていました。

おいしそうなフユイチゴの赤い実

   

【女郎島】

東かがわのモンサンミッシェルといわれています。

潮が引くと道ができ、歩いて島まで渡れます。

指さした先に女郎島 陸から少し離れて海中に小さな三角の島が浮かぶのが女郎島

【魚つき保安林】

豊かな水資源を守る林。崖下の海は透明度が高く底まで透けて見えます。

魚つき保安林を説明する看板 崖下には美しい海

安戸(あど)池】

安戸池が見えてきました。

水深の浅い安戸池は、水鏡のように山や空を映します。

風景を写した大きな安戸池の畔を歩く参加者

安戸池のほとりで、香川のハマチ・ブリ養殖の過去と現在について教えていただきました。

安戸池は昭和3年に日本で初めて、ハマチ養殖に成功した海水池です。

現在は、安戸池を利用した管理釣り場や体験学習館、お食事処を併設した複合施設としてファミリーに人気のスポットとなっています。

また、引田沖の大いけす(25m四方×深さ20m以上)で、天然に近い環境を遊泳させて育てるブランド魚「ひけた(ぶり)」も有名で、これから旬を迎えます。

瀬戸内海国立公園の美しい海、赤や黄色に色づく木々、旬の味覚など、魅力あふれる東かがわの深まる秋を目と舌で楽しんでみませんか?

開催日 令和3年10月31日

主催 香川県

後援 環境省中国四国地方環境事務所四国事務所、東かがわ市教育委員会

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2021年11月04日【11月10日 放映予定】レンジャーのお仕事見せて

瀬戸内海国立公園 辻優子

AR日記をご覧のみなさま、こんにちは。

ARは「Active Ranger(アクティブ レンジャー)」の略。日本語では「自然保護官補佐」となります。この「レンジャー」=「自然保護官」なので、ARは「レンジャーを補佐している人」ってことになります。では、レンジャーってどんなお仕事をしているのでしょう?

あまり知られていないレンジャーの仕事に注目!レンジャーの子どもたちも知っているのかな?

仕事をしているお母さんの姿を、子どもたちに見てもらおう、というテレビ番組「おしごとみせて」が撮影されました。ARも撮影に同行し、撮影の様子を撮影してきたので、紹介します。

撮影は、高松自然保護官事務所から。事務仕事をする戸来(へらい)レンジャーを密着取材です。

電話を掛けているレンジャー

その後は、瀬戸内海国立公園・屋島に移動。

「国立公園内の景観を守るために、駐車場の柵や街路灯の柱は茶色にしてもらっています」

屋島駐車場でのレンジャー

屋島の北嶺を歩き、遊鶴亭に到着。多島美をバックにこれからのことも話します。

「瀬戸内海国立公園の穏やかな海と多くの島々が紡ぎ出す美しさをこれからも残していけるよう、みなさんと協力していきたいです。」

瀬戸内海の絶景を前に話をするレンジャー

お弁当を食べたら、五色台に移動。ビジターハウスで、行事の打合せ。

机の上に乗っている水槽は、地震の際の液状化現象をモデル化したもの。次の体験教室で使います。

ビジターセンターでの打合せの様子

日を改めて。最後は、お母さんでもあるレンジャーの仕事を見てきた3人の子どもたちが、順番にお手紙を読みます。

「お母さんはいろいろな植物の名前を知っているから、これからも自然を守るお仕事がんばってください」

温かい家庭の様子が伝わってきて、撮影の様子をのぞいていた職員もついほろっ。

子どもたちがお手紙を読む様子

放映は11月10日(水)。18:15からの番組「News Park KSB」の中の1コーナーです。KSB瀬戸内海テレビは岡山県、香川県が放送エリアですが、11月20日20時からは、YouTubeでも公開されます。ぜひ、ご覧ください。

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