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アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

中国四国地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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瀬戸内海国立公園 広島

160件の記事があります。

2016年09月29日JPR事業~さがせ!「宮島子ども自然遺産」ふしぎ?びっくり!自然のすごさ伝えよう♪~(2・3日目)

瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵

2日目】

朝から見事に雨!でしたが、レンジャーには晴も雨も関係ありません!

お昼のおにぎりを皆で作って、自然発見ハイキングにでかけました。

キノコやカエル、シーボルトミミズなど雨の日ならではの生き物との出会いや、

瀬戸内海国立公園の特徴である多島美が見渡せるポイント、

安全に登山道を利用するためのレンジャーとしてのチェックポイントも発見しました。

   

お弁当を食べた後は干潟の生き物実験と調査です。

大元休憩所ではヤドカリの宿移りやフジツボの食事の様子などを観察し、干潟の生き物の生態を学びました。

干潟が出現した後はどんな生き物がいるか徹底調査!

カニや貝類、アナジャコやハゼなどが見つかりました。

また、塩を使ったマテガイ採りや潮干狩りにも挑戦しました。

[アサリの水質浄化実験]            [潮干狩り]

   

夜はウミホタルの生態について学びました。

夜の浜辺へ行ってわなを仕掛けて捕獲する予定でしたが生憎の大雨・・

事前に捕獲したウミホタルを水槽に入れて発行実験を行いました。

危険を感じると青白い発光物質ルシフェリンを放出する様子に皆釘付けでした。

   

3日目】

最終日は自分たちで採ったアサリで朝食作りです。

メニューは味噌汁、バター蒸し、しょうが煮の3品。

自分たちで採った海の幸を美味しくいただきました。

朝食後は最終ミッションである「宮島子ども自然遺産」のPR大作戦のための準備に取りかかります。

イチオシしたい「宮島子ども自然遺産」の選定、

フリップ作り、レンジャーの替え歌と発表の練習です。

2日間同じ体験をしましたが、それぞれ皆に知って欲しい!と思うポイントは違うようで

力作ができました。

[フリップ作り]               [桟橋前広場で発表!]

雨で足早の人も多い中、

観光客の方に「宮島の自然の魅力を発表しています!見て行ってください!」と声を掛け、

自分たちの見つけた「宮島子ども自然遺産」を発表しました。

   

最初は期待半分不安半分の表情だった子どもたちが

徐々に打ち解け友達を作ったり、

自然調査を通して宮島の新たな魅力を発見したり、

何よりそれを他の人に伝えることで

子どもたちにとって大きな自信になったのではないかと思います。

  

瀬戸内海の魅力はまだまだたくさんあります!

今回培った子どもパークレンジャーとしての視点を忘れず、

これからも新たな自然の魅力を発見し伝えていってもらえたらなと思います。

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2016年09月29日JPR事業~さがせ!「宮島子ども自然遺産」ふしぎ?びっくり!自然のすごさ伝えよう♪~(1日目)

瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵

環境省では、子どもたちにレンジャー(自然保護官)の仕事を体験し、
自然保護への興味や理解を深めてもらおうと
子どもパークレンジャー(以下、JPR)事業を実施しています。
広島事務所では~
さがせ!「宮島子ども自然遺産」ふしぎ?びっくり!自然のすごさ伝えよう♪~をテーマに9月1719日(23日)に宮島で実施しました。

 

1日目】

宮島口に集合し任命式を行った後、

宮島市民センターに移動しオリエンテーションを行いました。

今回の任務はJPRとして自然調査を遂行すること、

そして、自分が伝えたい「宮島子ども自然遺産」を見つけ広く周知するというものです。

まずは国立公園やレンジャーの仕事について学習し、班での目標を決めました。

  

最初のミッションはシカのフィールド調査です。

一見何の変哲もない芝地、そして植物ですが

ここからもシカと植物のつながりが見えてきます。

  

近づいてよーく見ると、芝地にはシカに食べられまいと小型化した何種類もの植物が見られました。

一方で、大きく成長している植物はシカが全く食べない種類であることが分かりました。

毒やトゲで身を守っている植物もあれば、何もないのに食べられていない植物もあります。

なぜでしょうか??

 

宮島には宮島ならではのシカの痕跡が多数見られ、

中でも代表的なのが「ディアライン(deer line)」。

シカの口が届くのは2m前後のため、宮島には2m以下に殆ど植物が残っていません。

また、シカのフンがあちらこちらにあるため、フンチュウの仲間も確認できました。

[ディアライン:見事に植物の線ができています][フンチュウを発見!]

   

夕食後には宮島のシカが抱える問題と私たちとの関係について考えました。

シカは胃袋が4つに分かれており、バクテリアの力を借りて植物をタンパク質に変えていること、人からエサをもらうことに慣れたシカはビニール等を誤飲食しお腹にゴミが溜まっていることなどを学びました。

シカと人が共生するために自分たちにできることは何でしょうか?

[シカのお腹に溜まった3キロものゴミの塊]  [シカの胃袋(実物)]

その後、小雨が降る中ではありましたが夜の森へナイトハイクにでかけました。

真っ暗闇の中、言葉を発さず夜の時間を味わいました。

初めての体験に「真っ暗で怖かった」「虫や川の自然の音が聞こえた」「眼が慣れて木の枝や葉が見えた」など様々な感じ方があったようです。

   

朝から夜まで盛りだくさんの1日目がこれで終了しました。[つづく]

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2016年08月26日夏休み自然体験教室「ぬけがらで分類できる!?セミのおきみやげ調査と標本作り」開催!

瀬戸内海国立公園 大髙下理恵

夏休みももう終盤。

小学生の皆さんは夏休みの宿題は終わったでしょうか?

夏休みといえば自由研究。ということで、

今年は小学生を対象に自由研究向きの自然体験教室を行いました。

題材は夏を代表する昆虫"セミ"!

ではなく、"セミのぬけがら"です。

 

オリエンテーションの後は

全員がアブラゼミ、クマゼミ、ツクツクボウシ、ミンミンゼミのいずれかのセミに成りきって、鳴き声だけで仲間を集めるというアイスブレイクを行いました。

大人も子どもも「ジージリジリジリ...」「ミーンミンミン...」と鳴いている光景は何とも愉快で、初対面の場が和みました。

セミの鳴き声もわかったところで元宇品の森にぬけがら探しへ!

 

「ここにもあった!」

「小さいのがある!」

10分もしないうちに続々ぬけがらがみつかりました。

高さはどのくらいか、付いている場所は幹か枝か葉か、角度はどうなっているかなどを

調査シートに書き留めながら集めました。

 

ぬけがらを集めたあとは分類(同定)作業です。

たくさんのふしぎ傑作集「セミのおきみやげ」という絵本を元にした検索図を使って、

体長や触角の節の数や長さなどを見て分類しました。

触角は第3節が第2節より長いとか細いとか、かなり細かい分類でしたが、

難しいながらも種類やオスメスを分類。

皆の調査結果は...なんと5195匹も見つかりました。

 

お昼休憩の後はいよいよ標本作りです。

ここからの作業は子どもたちだけで、

保護者の方には別途自然散策プログラムを用意しました。

生体を標本にする場合は防腐処理や乾燥させるなど1日ではできませんが、

ぬけがらならそのまま虫ピンとラベルを刺して記録に残すことができます。

大事な触角や脚が壊れないように標本箱に固定し、完成!!

それぞれ個性的な標本箱ができました。

最後のふりかえりでは、

ニイニイゼミの泥は乾燥しないように自分の尿をつけていることや、

オスメスは同じ数だけいたこと、

元宇品の自然は豊か!ということなど色々な発見があったようです。

 

是非家の周辺でもぬけがら調査をして、

さらに生きものへの関心や知識を深めてもらえたら嬉しいです。

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2016年06月15日ミヤジマトンボ生息地の水路復旧作業 

瀬戸内海国立公園 大髙下理恵

国内では広島の宮島だけに生息する

絶滅危惧種ミヤジマトンボの生息環境を保全するため、

ミヤジマトンボ保護管理連絡協議会では生息地の環境整備を行っています。

昨年度は近年増加しているイノシシが生息地に生育するヒトモトススキを食害するため、

防護柵を設置しました。

その甲斐あって今は獣害被害が止まり、元の湿地の状態に戻りつつあります。

http://chushikoku.env.go.jp/blog/2015/08/post-45.html

 

今回の環境整備は湿地と海をつなぐ水路の復旧作業です。

ミヤジマトンボは満潮時には海水が入り、

干潮時には干潟になる潮汐湿地でないと生存できないため

湿地と海をつなぐ水路が不可欠です。

ですが、この水路が砂で埋まり、

干潟が淡水化・プール化してしまう課題が十数年前から度々起きています。

干満差が大きく海の影響を受けやすい瀬戸内海ならではの課題です。

 

建設機械が入れない自然海岸のため、

ひたすらスコップで土砂を掻き出すという人力作業です。

また、過去に土留めとして設置した土嚢も除去しました。

[作業の様子]

水を含む砂や土嚢は重く、かなりの重労働ですが、

協議会メンバー総勢22名で頑張りました!

[復旧作業前:プール化しています]

 

[復旧作業後:干潟になった湿地]

 

ミヤジマトンボは今のところ順調に発生しています。

この日は天気もよく、たくさんのトンボが縄張りを張っていました。

今年も安定した発生数に期待です!

[調査でナンバリングされた成熟♂]

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2016年05月24日自然観察会「新緑の宮島 歴史散策と自然観察」を開催しました。 

瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵

新緑萌ゆる季節となりました。

宮島地区パークボランティアの会で昨年企画した新緑の自然観察会が雨で中止となったため、今年はリベンジ再企画いたしました。

植物観察するにも気候的にも山歩きにはもってこいの季節。

抽選が必要なほど大勢の方にお申込みいただき、

当日は46名の方にご参加いただきました。

 

今回のコースは大元公園に集まり、

北側道路の最終地点である室浜までの広島大学植物実験所園路です。

5班に分かれ、各リーダーの解説を聞きながら約4キロを歩きました。

 

5月は開花が多い時期なので、観察できた花をご紹介します。

[サカキカズラ:種子も変わってますが、花も花びらがねじれて特徴的です。]

[ヤマボウシ:ハナミズキの近縁種。白い部分は花びらではなく総苞(そうほう)になります。]

[ホウロクイチゴ:この辺りでは宮島と元宇品でしか見られません。開花後は美味しい実をつけますが、シカとの競争になります。]

[エゴノキ:庭木としてもメジャーな樹木。垂れたかわいらしい花が印象的です。]

[セッコク:満開!いい香りがします。希少な植物ですので自然界から持ち帰ることは絶対にしないでください!]

[イワタイゲキ:今日のお目当て。希少な海浜植物で広島では宮島のみに生育しています。一見花に見える黄緑の部分は葉で、大きなめしべが出ている根元にある黄色い部分が花です。]

 

こうして見ると春は白い花が多いですね。

植物も花に色をつけるにはエネルギーが必要なため、

小さな目立たない花や花粉を運んでくれる虫が少ない季節に咲く花は色づく傾向があるようです。

虫の多い春は目立たせる必要がないというわけですね。

 

最終地点の室浜では、日露戦争に備えて整備された弾薬庫や砲台跡を見学しました。

100年以上前に建造されたものとは思えない緻密で堅固な造りです。

結局大砲を撃つ機会は一度もなかったようですが...

往復8キロ(桟橋から歩くと10キロ)という長い行程でしたが、

離脱者も怪我もなく無事観察会を終えることができました。

 

開花の最盛期はこれからです。

大元から室浜のコースは舗装道路で殆どが日陰です。

これからの季節でも歩きやすいコースですので

弥山以外の宮島山歩きも楽しみたい方は是非足を運んでみてください。

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2016年04月14日毎年恒例!こなきり海岸清掃を実施しました

瀬戸内海国立公園 大髙下理恵

新年度となりました!

宮島地区パークボランティアの会(以下、PV)で

年度最初の行事はPV総会です。

今年度は更新時期にあたり、48名のメンバーでのスタートとなりました。

会員の殆どが同時に顔を合わせる機会はなかなかないため、

自己紹介と今年度の意気込みを一言ずついただきました。

今年度も清掃に補修作業、観察会など盛りだくさんの活動計画が策定されました。

PV総会]

 

午後は毎年恒例こなきり海岸清掃です。

こなきり海岸は桟橋から徒歩10分。

ハンゲショウ(県準絶滅危惧)が生育する湿地や

ハマゴウが生育する美しい自然海岸があります。

しかし、ここには風や波、地形の関係で大量のゴミが漂着するため、

PVでは毎年清掃をしています。

[清掃の様子]

 

ゴミの多くはペットボトル、食品袋などの生活用品や

カキの養殖に使用されるパイプ、釣り糸などの漁具ですが、

一番の問題は粉々になって回収困難な発泡スチロール!

手で回収できる発泡スチロールはいいのですが、

紫外線や風で劣化すると

写真のように植物の間に入り込み

砂と一体化し回収が困難です。

回収しても砂が付着しているため、

リサイクルはもちろん処分が難しい場合もあります。

[粉々になった発泡スチロール]

こういった細かくなったゴミを

生き物が誤飲食してしまうため

生態系への影響も懸念されています。

  

取っても取っても終わりのない漂着ゴミですが、

こなきりで15年清掃し続けているPVさんは随分ゴミが減ったとおっしゃってました。

地道な作業ですが、

「ゴミになるものを増やさない」「野外でゴミを捨てない」「ゴミを拾う」ことが

漂着ゴミを減らしているのだと思います。

20袋のゴミを回収しました!]

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2016年02月09日【出前講座】瀬戸内海ってどんなとこ?~瀬戸内海と私たちのつながりについて考えよう!~

瀬戸内海国立公園 大髙下理恵

古田台小学校6年生を対象に出前講座を実施しました。

テーマは「瀬戸内海ってどんなとこ?~瀬戸内海と私たちのつながりについて考えよう!~」です。

まずは国立公園とは?レンジャーとは?瀬戸内海とは?の概要をPPTにて解説。


続いて、実際に瀬戸内海の生き物に触れてもらおうと

ヤドカリの殻出し実験と二枚貝の浄化実験を行いました。

ヤドカリは誰でも知っている磯の定番生物です。

ですがその体がどうなっているか見たことがあるでしょうか?

脚が何本あるか?という質問には

6本、8本...と聞いて最高14本!という子までいました。

どうやったら貝から出るか?という質問には、

「お気に入りの貝を置いて出てくるのを待つ」「火で貝を炙る」など出てきました。

皆さん、なかなか勘が鋭いです。

多分これらの方法でも出る可能性はありますが、

今回は紙コップにお湯を入れて貝の頭を温めて出す方法でトライしてみました。


1~2分待つと熱さに絶えかねてスルリと出てきました。

体は思ったよりどうなっていたでしょうか?

「脚はカニと同じ10本」

「触覚みたいなのが赤い」

「エビやサソリみたい!」

「体が右巻きになってる!」など、色々な発見がありました。


二枚貝の浄化実験はカキとムラサキイガイで実験しました。

授業開始に汚した海水を作り、こちらもどうなっているか予測してみました。

「貝がバラバラになってる」「水が減ってる」「水がきれいになってる」など

様々な意見が出ました。

結果は・・・

わずか40分程度でしたが、左の白い汚れた水が澄んだ透明な海水になっていました。

これには皆もお~~~っと歓声があがりました。

カキは1リットル/1時間もの海水を濾過していると言われています。

ただし、二枚貝が多すぎてもエサが足りない。

有機物が多すぎると水が汚れる。

あくまでそのバランスがとても大事なんですね。



次にそのバランスを体感してもらおうと

「つながり発見!瀬戸内海」というアクティビティを行いました。

人間を含む生き物が生きるために必要なもの、

それは「食料」「すみか」「水」「空気」「土壌」「日光」です。

そこで、一人一人がカニ(生き物)-有機物(エサ)-干潟(すみか)-水-空気などの役割になり、もたれあいの丸い円を作りました。

[1、2、3の掛け声で全員後ろの人の膝に座ります]


お互いがお互いを支え合っているこの状態がバランスがとれた瀬戸内海の生態系です。

生活排水が流れ込み、水の人が輪から外れると...

干潟が埋立てられて、干潟がなくなると...どうなるでしょうか?

実際に水の人と抜いてみると、円が崩れてしまいました。

魚介類を食べる私たち人間もこの円の一員であることは言うまでもありません。


今回の講座で「学んだこと」「気づいたこと」を一人一人書き出してみました。

「一つ一つが大切」「バランスが大事」などの気づきが多く、

生物多様性の大切さが伝わったのではないかと思います。

最後に、こんな身近にある瀬戸内海がかかえる問題にも触れました。

自然海岸が7割消失していること、

きれいな宮島でも漂着ゴミが山積していること、

実験で使ったムラサキイガイなど外来種が侵入していること(水をきれいにしてるがいいことだけなのか?何が悪いのか?)など伝え、終えました。

[拡大:発泡スチロールの粉で埋まった宮島の湿地]

きれいで豊かな瀬戸内海を残していくために何ができるのか、

いろんな視点を持ち、取り組んでいってほしいと思います。

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2015年11月10日JPR事業~ぼくのわたしの「宮島子ども自然遺産」さがし~(2・3日目)

瀬戸内海国立公園 大髙下理恵

2日目の調査はシカのフィールド調査です。

宮島の市街地周辺には推定約600頭の野生のシカが生息していますが、

住民や観光客からエサをもらうことで人慣れしています。

現在はエサやりが禁止されていますが、

今も人とシカとの距離が非常に近く、

市街地にはシカの生活痕が多く見られます。


生活痕とはどんなものがあるでしょうか?

まずは2メートルの計測棒を持って樹木の葉の高さを測っていきます。

すると、どこも大体150~160㎝以上に葉があることに気づきます。

シカの口が届く高さの植物はきれいに食べられてしまうため、

宮島には至る所にこの「ディアライン」が見られます。

[壁につたうツタにもきれいにディアラインができています。]


ですが植物も食べられまいと必死です。

シカの口が届かない金網の中や石の隙間で生き残っていたり、

普通の大きさよりも葉を小さくして食べられないように工夫している植物もあります。

[石の隙間にシカが食べられる植物発見!][右が宮島で見られる小さくなったチドメグサ]

市街地から山道をのぼると、

山頂には盆栽型のアカマツが多数...

シカの痕跡調査をしてきたJPRなら

これもシカの影響であることは一目瞭然です!

痛そうなマツの葉も柔らかい新芽の時に食べられると

枝を伸ばせずこんな形になってしまうようです。

宮島には豊かな自然が残っていますが、

シカとの共存生活が植物に影響を与えていることがうかがえます。


そして、シカの角が生えるこの時期はシカにとって繁殖期。

角を持ったオスジカや角研ぎ跡、繁殖期ならではの鳴き声、

また臭いを身体につけるためのヌタ場も見られました。

しかも!ヌタ場で泥をつける場面にも偶然出くわしました。


[ヌタ場でおしっこをした泥を首元につける様子]


シカのライフスタイルを調査したところで、

シカの身体の仕組みやシカが抱える問題について学びました。

シカは植物をタンパク質に変えるバクテリアや原生動物が胃の中に居ること、

人の食べ物をあげることでバクテリアや原生動物がいなくなったり、

ビニールなども間違えて食べてしまうこと、

結果栄養がとれなくなり自力で生きていけなくなったり、

栄養失調で死んでしまうシカもいること...

かわいいと思ってエサをあげてしまう行為がシカにとってはどうなのか...?

人間目線だけではなく、動物目線で見ると色々なことが見えてきたと思います。

[死んだシカの胃から出てきた3㎏ものビニールの塊]



最終日は二日間の自然調査を踏まえて

自分が伝えたい「宮島子ども自然遺産」を選定し俳画を作りました。

干潟の生き物やウミホタル、シカに星空、夜景など印象に残ったこと、

未来に残したいもの、人に伝えたいものは人それぞれ。

完成後は桟橋前で保護者や観光客の皆さんに街頭PRを行いました!

[五七五とイラストを描いた俳画作品]   [街頭PR大作戦の様子]

クラスでの発表と違い、大人に伝えるのは恥ずかしかったかもしれませんが、

みんな自分の言葉で「宮島子ども自然遺産」を伝えることができました。


自然や動物を正しく知ること、気づくこと、そして伝えることが

自然を守ることにつながります。

今後もJPRとして、たくさんの人に伝えて言ってもらいたいと思います。

3日間のJPR任務、ホームシックにも負けずお疲れさまでした!

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2015年11月04日JPR事業~ぼくのわたしの「宮島子ども自然遺産」さがし~(1日目)

瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵

環境省では、子どもたちにレンジャー(自然保護官)の仕事を体験し、
自然保護への興味や理解を深めてもらおうと
子どもパークレンジャー(以下、JPR)事業を実施しています。
広島事務所では~ぼくのわたしの「宮島子ども自然遺産さがし」~をテーマに
10月10~12日(2泊3日)に宮島で実施しました。


宮島口に集合し、船で宮島へ渡って大元公園に移動後、

オリエンテーションを行いました。

今回の任務は学ぶだけではなく、

JPRとして自然調査を遂行し、

自分が伝えたい「宮島子ども自然遺産」を広く周知するというもの。

まずは国立公園てどんなところなのか?

レンジャーとはどんな仕事をしているのか?を学習しました。


最初のミッションは干潟のいきもの調査です。

干潟では場所によってハクセンシオマネキやコメツキガニなどカニが、

岩場では潮位によってカサガイやカメノテなどの生き物がすみ分けをしていることが分かりました。

また、今ではチヌや南方系のエイ・ナルトビエイの増加により数が少なくなっているアサリですが、保護ネットをしている干潟でグループ対抗潮干狩り対決も行いました。

時間制限はわずか10分。

各グループの採取数はなんと400個以上、全部で1800個以上を採取しました!


自分たちでアサリを調理してアサリの味噌汁にして美味しくいただきました。


夕食をすませた後は楽しみにしている子が多かったナイトハイクです!

夜ならではの時間を過ごそうと海の浜辺へ出かけました。

瀬戸内海の夜の生き物といえば、ウミホタル!

昼間は砂の中で眠っていますが、夜にはエサを食べに活動を始めます。

魚のアラを瓶に入れて仕掛けを投入し、30分ほど待ちます。

その間は1人1人が離れて浜辺へ座り、一言も話をせずに静かに過ごす時間を持ちました。

テレビや車など人工的な音や明かりがない代わりに、

瀬戸内海の波の音や繁殖期のシカの鳴き声、対岸の明かりや風の感触など

普段味わえない時間を体験しました。

[1人の時間に感じたことを皆でシェア]

いよいよ、ウミホタルの仕掛けを引き上げます。

数が減る秋で満潮時だったこともあり捕れるか心配でしたが、

全グループたくさん捕獲できました。

ウミホタルは2~3㎜と肉眼で見えますが、顕微鏡を使って観察したり、

発光させたりしてウミホタル観察を終えました。


こうして、初めての仲間と盛りだくさんの体験をして、1日目のJPRを終了しました!

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2015年08月17日ミヤジマトンボの生息地に防護柵を設置しました 

瀬戸内海国立公園 大髙下理恵

近年、瀬戸内海の島々ではイノシシが海を渡って畑などを荒らす被害が増えています。

宮島でも以前はたまに掘り返した跡を見かける程度でしたが、

今は市街地の至る所で見られ、

その被害は絶滅危惧種ミヤジマトンボの生息地にも及んでいます。

[ヒトモトススキがなくなった潮汐湿地]


イノシシが直接ヤゴを食べることはありませんが、

ミヤジマトンボが羽化したり隠れたりするのに利用している

ヒトモトススキが食べられる被害などが発生しています。

数年前から徐々に食害や掘り返しがあり、

殆どなくなってしまった生息地もあります。

今のところミヤジマトンボの生息数に影響は出ていませんが、

ヒトモトススキがなくなれば生息数減少につながりかねないことから、

ミヤジマトンボ保護管理連絡協議会(以下、協議会)で

イノシシの防護柵を設置することになりました。


3月に環境省で1箇所、

7,8月に県、協議会で2箇所に設置。

協議会で造成した生息地においては協議会メンバー自ら柵を設置しました。

といっても場所は潮が入り石が堆積した自然海岸。

面積は狭いものの、地面に高低差があったり、

小石が多く支柱がささらないなど

畑に防護柵を設置するより数倍大変でした。

[支柱一本に打ち込み100回以上必要なことも...!]

[支柱の後は柵とアンカーを打ち込みます。]

それでもメンバー一丸となって何とか防護柵を設置することができました。

[防護柵完成!]


大きなヒトモトススキはほぼ壊滅状態ですが、

若芽が少し生え始めていました。

防護柵の甲斐あって

以前のようなヒトモトススキが茂る潮汐湿地に戻ってくれればと思います。

[ヒトモトススキの若芽]

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