瀬戸内海国立公園
136件の記事があります。
2015年08月14日第23回瀬戸内エコツアー開催!
瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵
休暇村大久野島と共催で実施している瀬戸内エコツアーも今回で23回目を迎えました。
例年夏は海、秋か冬には山で実施していますが、
今年は初めて大久野島で"夏の夜に光るウミホタルと星空"をテーマにエコツアーを開催しました。
17時50分に竹原市忠海港に集合し、
夕暮れ時の瀬戸内海をクルージング。
晴れた瀬戸内海もきれいですが、
夕暮れの淡い色に包まれた瀬戸内海も違った美しさを持っています。
大久野島に着港し、ビジターセンターでウミホタルの発光実験を行います。
講師は忠海歴史民俗研究会の森川和彦さんです。
ウミホタルがどうやって光るのかを学びました。
薄暗くなったところで星空観察です。
最初に見えたものは星ではなく、なんとISS(宇宙ステーション)!
一見星のようですが、あそこに人がいるのかと思うと何とも不思議です。
90分で地球を一周回っているため、実は毎日どこでも見ることができます。
※何時頃どこを通るかはstar2009.jp/iss/から確認できます。
[星空観察の様子]
[真ん中で光るのがISS]
19時半を過ぎると、
一番星、土星、そして月が出てきました。
広島市内では山に囲まれているため、
月は高く昇らないと見えませんが、
島では海面近いところからぼんやり見えてきます。
その色はなんと白でも黄でもなく赤!
夕日と同じ原理で(長いので原理ははしょります。)
大気を通過する光は青い光は届きにくく赤い光が目に届きやすいため、
太陽も月も低い位置にある時は赤っぽく見えることが多いです。
月の模様は国によってウサギに見えたりカニに見えたりと様々。
皆さんは何に見えるでしょうか?
[海面近くでは赤色]
[少し昇ると黄色]
[高くなると白っぽくなります。]
天体望遠鏡を使って土星のリングを観察したり、
肉眼ではうしかい座の一等星アンクトゥルスや夏の大三角形などを観察しました。
最後に大久野島周辺で捕獲したウミホタルを1人ずつ掬って海に放流しました。
日頃夜の海に出かけることは少ないと思いますが、
夜ならではの瀬戸内海の自然に触れるよい機会だったのではないかと思います。
[波打ち際で光るウミホタル]
2015年08月05日夏の自然体験教室「夏だ!干潟だ!カニ釣り大作戦」開催
瀬戸内海国立公園 大髙下理恵
7月25日(土)に自然体験教室を開催しました。
夏といえば、干潟!
干潟といえば、カニ!
ということで、3歳以上のお子さんを含むご家族を対象にカニ釣り体験を企画したところ、
なんと80名以上の方からご応募いただきました。
スタッフの数や安全管理上、全員はお受けできませんでしたが、
保護者を含む33名の方にカニ釣り体験、カニの生態について学んでいただきました。
初企画、初対面の皆さんということもあり、
本日の目標やルール、日程を確認し、アイスブレイクを行いました。
カニを釣るにはカニの気持ちがわからないと釣れません!
そこで、チーム対抗カニ歩き合戦を行いました。
カニの気持ちがわかったところでいざ干潟へ向かいます。
瀬戸内海は干満の差が大きく、
広島は河川が多いため、河口干潟が多数存在します。
干潟には数種類のカニが生息していますが、
入り交じっているわけではなく、
砂地、泥地、葦原(よしはら)など"すみ分け"をしています。
じーっとみると、「何か動いとる!」「カニじゃ!」とカニを発見。
保護色なので見えにくいですが、
大きなハサミを振りかざしているハクセンシオマネキは皆発見できました。
何の為にハサミを振っているのか?という質問に、
「体操してる!」という意見には
なるほどそういう考えもあるのかと感心してしまいました。
(シオマネキに聞かないと分かりませんが、求愛ダンスとされています。)
[右が葦原、左が河口干潟。カニが見えるでしょうか?]
[ハクセンシオマネキ]
カニ釣りに入る前にまずは釣り竿作りです。
葦にたこ糸をくくり、重りとエサをつけて、いざカニ釣り場へ!
今回は葦原にすむ雑食性のアシハラガニやハマガニを狙います。
そろ~っと釣り糸を下ろすと...
きたきた!
釣れた~!!
エサはさきいか、たくあん、きゅうりを用意し、どれがたくさん釣れるか予想してもらいましたが、意外にもたくあんの食いつきがよかったようです。
大人も子どもも夢中になって釣りまくりました。
釣果は一家族数十匹。全員で数百匹は釣れました。
[本日の釣果!]
最後に今日釣ったアシハラガニがどうやって大人になるのか?
実際に赤ちゃんガニになって模擬体験するアクティビティを行いました。
波打ち際で放出した卵はゾエア→メガロパ→稚ガニという順に少しずつ大きくなりながら数ヶ月間海を漂います。魚に見つかると食べられますが、藻場にいるときは安全。稚ガニになると干潟に戻り、葦原で大きくなりますが、葦原までは天敵の鳥に食べられることもあります。
天敵の魚や鳥は親御さんになってもらい、
さて、何人が生き残って葦原に戻って来られるか!?スタート!!!
[にげろにげろ~!]
19人のカニたちが一斉に藻場を目指し、6人が無事生還しました。
実際には一個体約5万個の卵を放ち、大人になれるのは数匹です。
たくさん釣れたカニたちですが、
実は試練を乗り越えて奇跡的に生き残った強者たちだったんですね。
海での遊びは楽しいな!
海っていろんな生きものがいるんだな!
生きものは皆一生懸命生きてるんだな!ということが
今回の自然体験教室で少しでも伝わっているといいなと思います。
釣ったカニを持って記念撮影!
暑い中お疲れさまでした!!
※釣ったカニたちは放流しました。2015年06月10日【体験教室】 わくわく発見!エコ・アカデミーに出展
瀬戸内海国立公園 大林めぐみ
1週間ほど前に四国も梅雨入りしました。これから少しの間は雨ばかりが続きますね。
さて、先日6月7日にサンポートで行われた「わくわく発見!エコ・アカデミー!」に、五色台ビジターセンター(以下VC)からはクラフト体験教室を出展させていただきました。
これは毎年環境月間である6月に開催され、ワークショップやパネル展示、ショーなど自然物を材料にものづくりや、節電や節水などできることから始めようなど環境について学べるイベントとなっています。
五色台ビジターセンターの他にもいくつかの団体が参加しており、また他のイベントとの相乗効果で多くの方が来場されました。
<早い時間帯からお客さんが来てくれました>
VCからは五色台で採れるドングリなどを中心とした「ドングリの置物づくり」を出展。
11:00スタートだったのですが、準備をしている段階で何人かの方から「何時に来ればできますか?」など嬉しいお声がけを頂き、少し早めにスタートしました。
受付で置物の台座となるサクラ、アカメガシワ、ヒノキなど枝の丸太を選び、スタッフから道具の使い方や作り方の説明を受けたら好き好きにドングリを選んで付けていきます。
<どれをつけようかな~>
ドングリや木の枝は個々に違う形をしているので、作り手の個性が出ます。
二手に分かれた枝、「これ台座に立てるの?」という位太い枝を選ぶ子、また木の実を割って付けたりと子どもの独創性には毎度脱帽させられます。
そして、つくり出すと夢中になるのは子どもだけではありません。付き添いだった保護者の方も「これ、いいんじゃない?」など、一緒になって楽しめるのが簡単クラフト教室の醍醐味です。
<サンプルを参考にしたり、お兄ちゃんのを参考にしたり・・・>
写真左下の真剣に制作している男の子の背後に、実は・・・
未来環境防衛隊ドラゴンレッドと歌のお姉さんが影ながら応援中。
しかし、男の子は制作に集中していて気が付きません(笑)その集中力にも脱帽です。
この日はVC体験教室の隣のブースで、ドラゴンレッドと歌のお姉さんによる、リサイクルや省エネルギーなど環境について学べるショーが行われ、その後には参加者と一緒に撮影したりと終始賑やかでした。
<ショーでは映像やパネルを使って環境について知ってもらいました>
また、他にも香川県みどり整備課による香川県産ヒノキの間伐材を使った子どもイスの制作ワークショップや、徳島文理大学理工学部による干潟の生き物生態観察や科学実験が行われていました。
4時間で約50名と多くの方に置物づくりを体験してもらい、完成した作品の一部がコチラ↓↓
<完成した子ども達の笑顔は格別です★秀逸な作品が出揃いました!>
VCでは、ドングリの置物づくりのように、簡単・短時間でできるクラフト教室を午前9:00~11:00・午後14:00~16:00の間で随時受け付けています。
クラフト体験は屋内できるので雨の日でも楽しめます。ご興味のある方はぜひご利用くださいね。
子ども会など10名以上でのご利用の場合は、予めご予約して頂けるとスムーズです。
********************6月の体験教室******************
『ミサゴ観察会in五色台』
ミサゴは五色台で見られる魚が大好きな鷹の仲間。
巣立ちを迎えるヒナの様子など望遠鏡を使って観察してみましょう。
日 時:6月20日(土)9:00~12:00
場 所:五色台ビジターセンター
参加費:100円/1人(保険込)
持ち物:活動しやすい服装、飲み物、あれば双眼鏡や野鳥図鑑
問合せ:http://goshikivc.web.fc2.com/
※6月14日開催「磯の生き物観察会」は現在キャンセル待ち中です。
2015年06月09日春の自然体験教室「あつまれ!いもむし探検隊」を開催しました!
瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵
5月24日(日)に宮島でいもむし・けむし観察会を開催しました。
できるだけ小さな時から自然に触れてほしいという思いから
3歳~小学生を対象とし、保護者の方もふくめ総勢38名の方が参加くださいました。
桟橋前に集合し、まずはオリエンテーション。
本日の目標はいもむし観察の大前提「いもむしを見つけること!」
そして、「いもむしの大事な役割を知ること」です。
本日の目標やルールを共有した後はチーム対抗いもむしパズルです。
10ピースに分かれたパズルをどのチームが早く完成させられるか!?
頭をひねって完成したのは珍しい"イシカゲチョウ"の幼虫・蛹・成虫です。
今日は見つけられるでしょうか??
今回の講師は自然公園指導員の菊間先生とチョウにお詳しい花見堂先生です。
広い森でいもむしを探すには
食跡や下に落ちたフンなどいもむしサインを見つけるのが近道。
見つけ方、採集の仕方を教わって、いざ宮島の森へ出発です。
「ちょっと耳を澄ましてみよう。」
鳥の鳴き声があちこちで聞こえます。
今は鳥たちの子育てシーズン。
いもむしがたくさんいるこの季節は子育てしやすいんですね。
[いもむしサイン発見!]
葉っぱがないのはいもむしの食痕(食事の跡)。
こういうところを探すといもむしが見つかりやすい。
...と指導したのは最初だけ。
「あ、いた!」「黄色いのがおるよ!」と見つけるわ見つけるわ。
子どもたちの目の良さ、勘の鋭さには驚かされました。
時間が経つと葉についているいもむしだけではなく、
巻いている葉の中にいる虫や落ち葉の下に隠れているゴキブリが気になる子も続出。
中にはイシカゲチョウの成虫を見つけた子もいました。
[今日一番の大型いもむし"イボタガ"発見!]
[葉の中身は何が出てくるか怖いので先生に開けてもらいました。]
公民館では、自分で採ったいもむしをルーペでのぞいて観察です。
目だと思っていたら模様だったり、
足の数、歩き方なんかを見ることができました。
最後に今日の気づきを皆でふりかえり。
人に嫌われがちのいもむし・けむしですが、
実はかわいかったり動きが面白かったり、
葉っぱを食べたり鳥に食べられたりと
色々な生きものとつながりがあることがわかりました。
家に帰っても友達といもむし探しをして、
いもむしファンが増えてほしいなと思います。
[今日見つかったいもむしたち]
2015年05月01日【お知らせ】 パネル展のご案内
瀬戸内海国立公園 大林めぐみ
明日から5連休のゴールデンウィークですね。
皆さんはどこかお出かけでしょうか。
先日のAR日記で五色台はヤマフジやキリ、色とりどりのツツジなどが咲いて花見頃ですので、ぜひ五色台に足をお運びください、とお伝えしましたが、遠くまで行けないなぁと言う方やお天気が悪くて遠出は・・・という方にこちらをご案内。
『瀬戸内海国立公園パネル展』
会 期:現在展示中~5月10日(日)
場 所:高松市生涯学習センターまなびCAN(3階市民ギャラリー)
高松市片原町11-1(琴電片原町駅から徒歩2分)
開 館:平日 9:00~22:00 休日・祝日 9:00~17:00
<休館:毎週月曜(月曜が祝日の場合は翌平日)>
入場料:無料
昨年7月にサンポートで開催された瀬戸内海国立公園指定80周年記念式典で展示したパネル16点と、瀬戸内海国立公園の変遷パネル5点を展示しています。
当展では、瀬戸内の四季や風景、動植物の特徴、アクティブ・レンジャーがおすすめする見どころや旅プランなど瀬戸内海国立公園が一体どんな所なのかが分かるパネルをご紹介しています。
また、会場には「おっ」というパネルもありますので、そちらもぜひご覧ください。
少しではありますがパンフレットもありますので、ご興味ある方はお持ち帰り下さい。
(閲覧用は皆さんでご覧いただくものですので、持ち帰らないで下さいね)
この機会に、意外と暮らしの近くにある瀬戸内海国立公園を知っていただければと思います。
みなさん、楽しいゴールデンウィークをお過ごし下さい★
2015年04月30日【体験教室】 音で楽しむ森歩き
瀬戸内海国立公園 大林めぐみ
4月の五色台体験教室は、いつもの自然観察に音楽が加わったコラボレーション企画。
音楽と自然観察??不思議な組み合わせに一体どんなことが行われるのでしょう。
今回、音楽を担当してくれるのは、瀬戸内国際芸術祭ボランティアサポーターこえび隊の音楽好きが集まってできた「こえびカンダダン」。学生時代に吹奏学部に所属していたり、楽器をやってみたいと集まったグループで、島でのお祭りを始め、さまざまなイベントに引っ張りだこの愉快な楽団です。
<管楽器に太鼓、ピアニカなどなんだか楽しそうな雰囲気>
会場に到着した時から聞こえてくる音楽に、参加者もわくわくしていました。
今回は音楽ということで、耳慣らしのアイスブレイクを。
中身の見えない筒を振って聞こえてくる音の仲間探し、そしてみんなで中身を当ててみましょう。
<声に出さず、聞こえてくる音とジェスチャーで仲間探し>
中身は砂、水、ドングリと身近にあるものでした。フィルムケースを使いましたが、別の入れ物を使っても少し聞こえてくる音が違うかもしれません。
耳慣らしが終わった後は、森歩きに際しての危険生物への注意点や服装などレクチャーを受けたら、さぁ森歩きへと出かけましょう。
さっそく広場から下りた所では、野鳥の鳴き声が聞こえてきます。
<みんな目を閉じて、聞こえてくる音に耳を澄ませます>
"森のピッコロ"と呼ばれるキビタキの声や分かりやすいウグイス、メジロなど聞こえてきます。
・・・すると、聞き覚えのある音楽が。トトロ!野鳥の鳴き声を合わさり、みなさんすごくリラックスした雰囲気。このまま数分いると、大人はきっと寝てしまいそうになるくらい。
出発すると、子ども達は生き物探しに夢中です。地面をじっと見ながら少しでも動く物があれば、集中的に探して、捕まえられたらスタッフに質問攻め。中でも見つけやすく、可愛らしい姿のダンゴムシは人気でした。
上写真:匂いを嗅いでみよう!
→答えはホンザンショウ(ミカン科)。いい香りがします。葉を見て「寿司にのってる」と答えた子も。
下写真:沢ではどんな生き物が見られるか?演奏される音楽がヒント!
→みんな手が挙がり、答えはそう、トンボ。竹でウッドブロックを模した楽器や空き容器を使ったマラカスを持って、みんなで合奏しました。
この日は気温が上がらず、沢ではカワトンボは見られませんでしたが、ガガンボを捕まえたり、コクサギの匂いを嗅いだり、ヒサカキの葉で草笛を作って吹いたりしました。沢の近くでは薄紫の花のシャガ(アヤメ科)や白い花が茎下に垂れ下がるホウチャクソウ(ユリ科)が見られますよ。
テニスコートでは・・・?"ふるさと"が聞こえてきて、歌詞の中にある「うさぎ」からウサギの痕跡探しです。
痕跡って何かというと。。。
ウサギの糞です。各自旗と目印の洗濯ばさみを使って、見つけたらドンドン差していきます。広さはテニスコート1面あるかないか程度ですが、30本程あった旗はあっという間になくなりました。
<左:ここにもあったよ!> <右:引いて見ると・・・、広場は旗で埋め尽くされる程たくさんの痕跡>
日中は姿を見せにくいノウサギですが、夜になると落ち着ける場所で用を足していきます。
五色台ビジターセンター周辺の広場では、こういった糞がたくさん見られます。また他にもタヌキやイタチも姿を見せることがありますよ~。ただ、日没~早朝はイノシシも活動中なので、十分注意してくださいね。
魚の池に到着すると、子ども達の目は大群のオタマジャクシに釘付け。
ここでも見られる生き物のヒントは音楽で。演奏し始めると・・・。
<左上:「ハイハイッ!」一斉に手が挙がりました!答えは・・・カエルの唄とメダカの学校>
知っている童謡だと思わず口ずさむ子ども達。
歌った後は、網にオタマジャクシをすくって水槽に移し入れて、手で触ってみたり、じっくり見たり。
また魚の池で見られるフタスジサナエは羽化し始めたばかり。羽根やカラダがまだ乾ききっていないので、そっと持って近くで様相を観察。さすがにクロスジギンヤンマは速すぎて捕れませんでしたが、男児がヤゴの抜け殻を見つけてくれました。しかも保存状態は抜群です。
<左上:イトトンボのヤゴ 右上:フタスジサナエであろうヤゴ>
<左下:オニヤンマのヤゴ 右上:帽子に止まったフタスジサナエ>
ヤゴの抜け殻をよく見ると、その独特なアゴをじっくり見ると折りたたまれていることが分かります。ヤゴは捕食する時に下あごがグンッと伸びてワシャッと食べてるのです。映像でみると圧巻です。
魚の池ではメダカもいます。このメダカによく似たカダヤシという外来生物は、他の地域で在来のメダカと交配して雑種が生まれている問題も起こっています。
簡単な見分け方はこちら↓
たっぷり2時間30分歩いた後は、日焼けの後のビタミン補給にぴったりのイチゴと塩分補給のドリンクを飲みながら青空ライブ。
<最初は聞いていただけでしたが、後半は各々楽器を持って合奏>
終始、普段見慣れないフルートやホルン、チューバなどに興味津々な子ども達。自然観察同様、ただ見るだけより実際手に取ってみんなで一緒に演奏する方が断然楽しい!
五感のうち、得る情報のほとんどが視覚ですが、耳を使って、また手で感じること、匂いを嗅ぐことで1つの生き物や植物からいろいろな情報が得られます。そうすると、好奇心もぐんぐん出てくると子ども達の目は2時間前よりもぐっと変わってきますし、まして大人の方が夢中になることも。
五色台は、高松市、坂出市中心部から車で約40分程度と気軽に行ける里山の自然がたくさん感じられます。
このGWの予定がまだの方、ぜひ五色台へお越し下さい。
今は薄紫の花をつけたヤマフジやキリ、まだ見頃のオンツツジやヤマツツジ、園地には色鮮やかなオオムラサキなど園芸種のツツジもお目見えです。
********************5月 GW特別プログラム*************************
『簡単スモークチーズづくり&プチロープワーク』
そろそろキャンプシーズン到来!アウトドアに役立つロープワークや新聞紙で作る生ゴミ入れの紹介、
そして、アウトドア料理に加えると自慢できるスモークチーズづくりを行います!
ただし、各回限定5人、先着順となっております。お早めに事前予約ください。
日 時;5月3日(火・祝)①10:00~ ②11:00~ ③13:00~ ④14:00~
場 所;五色台ビジターセンター(詳細の集合場所は申込・お問い合わせ下さい)
参加費;300円/人
持ち物;汚れてもいい服装、飲み物など
2015年03月31日【体験教室】 春の野草ランチ
瀬戸内海国立公園 大林めぐみ
今年度最後の体験教室は、春の恵みを味わう「五色台カフェ・春の野草ランチ」。
一昨年も野草試食会を開催して天ぷらやおひたしを作り、みんなで試食会をしましたが、今回は料理数がかなりバージョンアップ!そして、タイトルも女性心をくすぐるオシャレ感を出してみました。
さぁ、どんなランチができあがるのか楽しみです。
<↑このラインナップだけでも十分な料理数です>
講師は、五色台体験教室で草木染めなどでも活躍の角田さんご夫婦と三豊市でパン屋を営んでいる片山さん。
野草はクラフトハウス周辺で採取しますが、まずはどんな野草があるのかなどお話を受けました。小学校で習うのか、子どもさんの方が野草の名前を知っているようでした。
その後、雨具の準備をして、採取へと出かけましょう。
前日までは良いお天気だったのですが、開催日はあいにくの雨。。。幸い参加者の皆さんの日頃の行いが良いおかげか採取の時は少し小降りになりました。広場や木道下の歩道では出始めた新芽や最初にお話のあった野草が見つけられました。
<どれだ、どれだ~?> <スイバの味は・・・?>
広場で出始めた新芽は参加者も「どこどこ?」と見つけにくかったようですが、遊歩道沿いにある花が付いている野草だと比較的分かりやすそうでした。
講師やスタッフに「これはホトケノザ?」など聞きながら採取していくと、徐々に見分けがつくようになってきました。野草は調理しても美味しいのですが、中にはそのままをかじって楽しむことができるのもあります。スイバもその一つ。大人も子どもも興味津々にかじって、独特な酸味を感じ、なつかしむ人もいれば初めて!と言う方など感想も様々。また、参加者の中にはタンポポを見つけて、「セイヨウタンポポと日本のタンポポは味が違うのか?」という疑問も出てきて、「セイヨウはコンソメ風味で、ダシがきいているのが日本のタンポポじゃない?(笑)」など冗談を交えながら楽しく採取。タンポポの花が出てきたら、ぜひ味比べをして欲しいですね~。
短時間でしたが、みんなでハコベ、ホトケノザ、カラスノエンドウ、タンポポの葉(花はまだでした)、ヨモギ、スイバ、オオイヌノフグリ、ヒメオドリコソウが採取できました。
戻ってみんなで仕分けをして、講師とスタッフが予め集めた野草を加えたものの一部がコチラ。
左上:ヒメオドリコソウ、タンポポ 右上:ノビル
左下:ツバキ 左下:ユキノシタ
左上:スギナ 右上:ヤブカンゾウ
左下:ヨメナ、ハコベ 右下:ビワの葉
では、いよいよ料理を始めていきましょう。
まずは、炊きたてごはんを講師お手製のハコベ塩を使ってみんなでおにぎり握り。アツアツおにぎりが食べたい人は熱いうちにどうぞ。ハコベ塩はみなさんから絶賛でした。そして、片山さんが予め用意してくれたピザ生地を伸ばしてピザづくり。トッピングは好きな野草を載せてみましょう。
調理場では着々とスタッフが他の料理下準備。
消し炭に火を付けて、うちわであおいで火をおこせたら、ピザを焼く準備はOK!
ピザを段ボールオーブンに入れたら、あとは他の料理を同時進行でどんどんと作っていきます。
天ぷらやおひたし、炒め物に和え物などどんどんできあがっていきます。子どもたちも下ごしらえに大活躍。
作っている最中は、お母さんたちも「これはどうやって作るの?」「コツは?」「分量は?」など講師たちにいろいろ質問。料理はある程度できあがったら、熱いうちに召し上がりましょう。
<ビュッフェ式にいただきましょう>
左上:焼き揚げ+ノリ+ふきみそカナッペ 右上:ヤブカンゾウのベーコン巻き(焼く前)
左中:海苔巻き(ハコベかレンゲだったと) 右中:野草いろいろピザ
左下:レンゲの白和え・セリの炒め物 左下:天ぷら10種
他にも、ヤブカンゾウと卵のオリーブオイル炒め、ノビルのふきみそ和え、レンゲの胡麻和えと酢の物、ミツバの味噌汁などこの量を1時間程度で仕上げた参加者の手際の良さに脱帽です!
<いただきま~す! おいし~い!>
みなさん、パクパクと箸が止まりません(笑)
おかわりも続出して、あっという間にお皿はからっぽ、そしてお腹は大満足!
雨もあがり、子ども達は広場で走り回り鬼ごっこ。その間にスタッフもランチを頂きました。
そして、お腹がこなれてきたところでデザートタイム。食べる前に子ども達に作ってもらったビワ茶。以前作ったヒサカキ茶は葉を炙って煮出すのですが、ビワ茶は生葉のままちぎってお湯に入れて煮出します。少し苦みと酸味のあるお茶は大人の味。
<ビワ茶づくり> <デザートのヨーグルトの上には?>
ヨーグルトの上に載ったジャムはなんと!イタドリのジャム(真ん中の緑)とスイバのジャム(周りの赤と薄緑)なんです。片山さんにレシピを聞いたところ、茎の部分を砂糖と一緒に煮詰めればできる簡単ジャムなんだそうです。スイバの色は時期によって茎が赤や緑になっているので、これを分けて煮詰めるときれいな色合いのジャムができるのだそう。デザートも皆さんおかわり。お母さん達はレシピを聞いて「美味しいし、作ってみよう」と言って下さりました。こんな言葉を聞くと嬉しいですね。
講師の角田さんと片山さんは「野草だから不味いと思われたくない。ハムなど食べやすい素材を加えれば彩りもいいし、美味しい。アレンジの方法一つでいろんなバリエーションが広がるし、何より美味しいと感じてもらえれば、次に山野に出た時は"どれが食べられるだろう"と目線が変わってくるはず」
野草は美味しく食べられること以外に、野菜や魚に旬があるように山菜や野草にも旬があり、またそれによって季節を感じられることが分かりました。ただ、野草には有毒成分を含むものもありますので、何か分からない野草には手を出さない方が無難です。また、山に入る場合は土地所有者の許可や、採取してよい場所かどうか確認して採って下さい。
五感で楽しむ春はこれからです。ぜひ、外に出ていろんな野草に目を向けて下さいね。
====================4月の五色台体験教室======================
『音で楽しむ森歩き』
森を歩いて生き物や植物を観察していると、池から・・・?森の中では・・・?何だか音楽が聞こえてくる!
愉快な楽団・こえびカンダダンによる演奏と最後はお茶をしながら青空ライブを楽しみましょう。
日 時:2015年4月29日(水・祝)9:00~12:00 ※8:50までに受付をお済ませください
場 所:五色台クラフトハウス(五色台ビジターセンター駐車場から木道下りて徒歩2分)
参加費:300円/人〔保険代込み)
持ち物:歩きやすい服装(スニーカーや帽子など)、飲み物
問合せ:五色台ビジターセンター TEL:0877-47-2479
2015年03月30日宮島に新しい自然散策案内標識ができました!
瀬戸内海国立公園 大髙下理恵
今月、宮島に新たな標識が設置されました!
宮島には歴史文化もさることながら、
豊かな自然が残されており、
本土側では殆ど見られない自然海岸や海浜湿地、
また希少な動植物を見ることができます。
しかし、今までの標識やHPに掲載されている自然散策ルートは
弥山登山道のみの紹介で
他にどんなルートがあるのか?時間がどれくらいかかるのか?
どんなものが見られるのか?などあまり知られていませんでした。
そこで今回設置された標識では、
自然散策をしたい方、動植物を観察したい方、歴史探訪をしたい方、地形地質を観察したい方など普段の観光ルートとは違う目的に合わせたルートをご紹介しています。
弥山や紅葉谷公園以外の宮島を満喫したい方、
自然の中でハイキングしたい方など是非参考にして
自然散策を楽しんでいただければと思います。
場所は包ヶ浦自然公園、大元公園、紅葉谷公園、弥山展望台、紅葉谷登山道とロープウエーの分岐点に設置されていますが、事前に登山計画を立てたいという方は、HPでも閲覧できます。
中国四国地方環境事務所HP「宮島の自然散策」:http://chushikoku.env.go.jp/nature/miyajima_guide_map/index.html
[大元公園]
[弥山展望台]
また、コースは約5時間程度となっていますが、あくまで目安です。
個人差がありますので、初めてという方は
まずは紹介されている半分くらいのコース
(例えば、包ヶ浦自然歩道~紅葉谷や大聖院~弥山~片道ロープウエーなど)を
ゆっくり歩いてみるのがいいかと思います。
これから新緑の季節。
是非ハイキングに訪れてみてください。
【お知らせ】
宮島では、5月になると白いクロバイが咲き乱れ、とてもきれいです。
宮島地区パークボランティアでは、5月9日(土)
大元公園から室浜砲台跡まで往復8キロを歩くウォーキングイベントを行います。
道中は植物観察をしながら、そして室浜では歴史遺構について解説を行います。
ご興味のある方は是非ご参加ください。
問合せ・申込先:環境省広島事務所 082-223-7450
[クロバイ]
2015年03月27日【屋島】 春はそろそろと
瀬戸内海国立公園 大林めぐみ
暖かくなってきたかと思いきや、急に朝晩が冷え込んだりとまだまだ冬物は片付けられませんね。
さて、先日は瀬戸内海国立公園指定記念日・3月16日に開催された屋島ウォークについて掲載しましたが、今回は屋島の季節情報のお知らせです。
香川県でも先日、栗林公園で桜(ソメイヨシノ)が開花したというニュースが流れましたが、市内中心をはしる中央通り沿いでは一足早く咲くヒカンザクラが濃いピンクの花を彩っています。
そんな中、屋島はというと・・・。
つぼみも膨らみ、日当たりのよいドライブウェイ沿いではいくつか開花したサクラの木もありました。
見頃は4月上旬ですかね。そろそろ地方新聞にも各地のサクラ開花情報が掲載されると思いますので、逐一チェックしながらベストなお花見時期を計画してくださいね。
サクラ以外にも春を感じさせてくれるものがいっぱい見つかりました。
【ナガバタチツボスミレ】
南嶺~北嶺へと続く遊歩道脇で見つけました。スミレは小さくかわいらしい花、という印象ですが、花を一つ一つよく見ると上品で凛とした雰囲気に感じます。
スミレは大きく有茎類と無茎類の2種分かれます。有茎類は地上茎が伸びて葉が互生(互い違いに付く)するもの、無茎類は地上茎が発達せず葉や花柄が根元から付くものです。日本産のスミレは約70種あり、また平地から山地、高山にまで幅広く分布します。春の訪れが遅い山地~高山では平地よりも遅い開花を迎えるので、時期を追うごとに標高を徐々に上げて行くと桜前線ならぬスミレ前線を追うことができます。
登山が趣味の方は、ぜひ足下にも目を向けて下さいね。(ただし安全優先でお願いします)
【アセビ(馬酔木)】
山上駐車場から北嶺への歩道途中にある展望地近くで白とピンクの花を咲かせていました。
可愛らしい壺形の花が垂れ下がって咲くアセビは、庭園などでも見られる樹木。
アセビについた漢字のごとく、馬が葉を食べると毒に当たり、酔うようにフラフラする、ということが語源のようです。実際、アセビは全株、葉、茎、樹皮、花とほぼ全ての部位が有毒のため、草食動物も食べないので相対的にアセビが多くなる地域があるようで、シカのいる奈良公園もその例の一つだそうです。
北嶺の千間広場にある池では、オタマジャクシがいっぱい!
黒くて小さめなのがヒキガエル、真ん中ほどにいる薄い色のやや大きめのがアカガエルです。水中にあるスイレンの葉の上に乗っかっていたり、石影に写真のように団体でいたりとこの時期の池は大賑わい!降雨がしばらくなく、池の水が澄んだ日にはヒキガエルの卵塊痕(長い管状のもの)もまだ見られると思います。
・・・ですが、そんな中、ヤツがいたのです。
どーんと大きなオタマジャクシがいるのが分かりますか?
これ、ウシガエルのオタマジャクシなんです。これまでに鳴き声を聞いたことがなかったのでいるとは思わず。。
ウシガエルは成体になると、昆虫やザリガニの他、小型の哺乳類や鳥類、爬虫類、魚類まで何でもござれといわんばかりに貪欲に捕食します。これの何がいけないのかというと、ウシガエルが定着した池などでは、本来そこにいた在来生物がいなくなったという事例がいくつかあるほど食べるのです。地域の自然環境の中で大きな影響を及ぼし、また生態系を脅かす侵略的な外来生物ということでウシガエルは特定外来生物に指定されています。
子どもの頃、ウシガエルが苦手なのにも関わらず、大きなオタマジャクシがウシガエルだとは知らずに、むしろ当たりだと思って、見つけては喜んで捕まえて、友達が飼っていたアヒルにあげていたなぁと。今思えばあれは拡散を防止していたのか。。。
【外来種について】
http://www.env.go.jp/nature/intro/1outline/basic.html
と、話題が春から少しずれたりしましたが、屋島は少しずつ賑やかになってきています。
北嶺を散策すれば、ウグイスがさえずりの練習をしていたり、タララララッと木を叩く音が聞こえたら近くにはコゲラがいたり、またホオジロやヤマガラ、シジュウカラ、黄色い大きなくちばしのイカルの姿や鳴き声も聞こえてきました。
暖かくなって、春を感じるにはゆっくり歩いて、五感で楽しむのが1番です。
春休みのお子さんを連れて、またご夫婦、友人たちと一緒に春を探しに出かけてみてはいかがでしょう。
【遊鶴亭からの多島海景観をぜひ眺めて下さい】
近年、瀬戸内海の島々ではイノシシが海を渡って畑などを荒らす被害が増えています。
宮島でも以前はたまに掘り返した跡を見かける程度でしたが、
今は市街地の至る所で見られ、
その被害は絶滅危惧種ミヤジマトンボの生息地にも及んでいます。
[ヒトモトススキがなくなった潮汐湿地]イノシシが直接ヤゴを食べることはありませんが、
ミヤジマトンボが羽化したり隠れたりするのに利用している
ヒトモトススキが食べられる被害などが発生しています。
数年前から徐々に食害や掘り返しがあり、
殆どなくなってしまった生息地もあります。
今のところミヤジマトンボの生息数に影響は出ていませんが、
ヒトモトススキがなくなれば生息数減少につながりかねないことから、
ミヤジマトンボ保護管理連絡協議会(以下、協議会)で
イノシシの防護柵を設置することになりました。
3月に環境省で1箇所、
7,8月に県、協議会で2箇所に設置。
協議会で造成した生息地においては協議会メンバー自ら柵を設置しました。
といっても場所は潮が入り石が堆積した自然海岸。
面積は狭いものの、地面に高低差があったり、
小石が多く支柱がささらないなど
畑に防護柵を設置するより数倍大変でした。
[支柱一本に打ち込み100回以上必要なことも...!] [支柱の後は柵とアンカーを打ち込みます。]それでもメンバー一丸となって何とか防護柵を設置することができました。
[防護柵完成!]大きなヒトモトススキはほぼ壊滅状態ですが、
若芽が少し生え始めていました。
防護柵の甲斐あって
以前のようなヒトモトススキが茂る潮汐湿地に戻ってくれればと思います。
[ヒトモトススキの若芽]