中国四国地方のアイコン

中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

中国四国地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。
アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、瀬戸内海、大山隠岐、足摺宇和海国立公園があります。

剣山山系国指定鳥獣保護区巡視同行① 野鳥編

2023年05月23日
高松 湯淺和美

AR日記をご覧の皆様、こんにちは!
4月24日、野生生物課専門員の福田さんと一緒に、国指定鳥獣保護区管理員の三宅さんが行う剣山山系調査コース巡視に同行させて頂きました。
この調査は環境省で行う委嘱事業のひとつで、毎月、密猟防止のための巡回や利用者への鳥獣保護に関する指導、鳥獣の生息状況の調査などを行っています。

この日は寒気が戻り、雪が舞い、つららや残雪、霜柱など、冬の風物詩が楽しめました。
三宅さんは日本野鳥の会徳島県支部の支部長さんです。
木立の隙間からチラリ見えた姿や、たくさんのさえずりの中から、どんどん小鳥の種類を特定して教えてくれます。

とても美しい声でさえずるミソサザイ。想像以上に小さい体で、その声量に驚かされます。

ミソサザイ
さえずるミソサザイ
ミソサザイ
ちいさなミソサザイ
素早く小枝から小枝へ移るシジュウカラ。なかなかカメラで捉えられません。
シジュウカラ
木立の中のシジュウカラ
シジュウカラ
さえずり合うシジュウカラ
母鹿とその子鹿たち。こちらが気になって仕方が無い様子です。
ニホンジカ
子鹿
ニホンジカ
様子をうかがうニホンジカ
ニホンジカ
群れで駆けるニホンジカ
秘境感漂う岩場のくぼみにはつらら、道の傍らには残雪、立派な霜柱もありました。
つらら
残雪
登山道脇の残雪
霜柱
しもばしら
山頂に着くと、360度の大パノラマが眼前に広がります。
クマタカが1羽、山の谷間へ飛んでいくのが見られました。
山頂ヒュッテはちょうどその週末4月28日のオープンに向けて準備中でした。
山頂
山頂のパノラマ
山頂
山頂の白骨林
この日、調査コースで出会えた鳥は、三宅さんの報告書によると17種52羽!
その種類は、ヒガラ、ミソサザイ、コガラ、ウグイス、ゴジュウカラ、キビタキ、コゲラ、エナガ、キセキレイ、ハシブトガラス、アオバト、オオルリ、モズ、リュウキュウサンショウクイ、シジュウカラ、オオアカゲラ、ヤマガラでした。(クマタカは調査コース外のためカウントされていません)
よく似た小鳥のさえずりの聞き分け、特徴や違い、長年にわたる調査観察で感じている変化など、いろんなお話をしていただき、剣山の豊かさと大切さを再認識した時間でした。

今、見られる鳥は夏鳥に変わってきているそうです。
5月10日の調査では、アマツバメの渡りの報告もあり、確認された種が22種合計156羽と、さらに増えています。
鳥のさえずりを聞いて季節の移ろいを感じられる、そんな豊かな環境をこれからも大切にしていきたいですね。