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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

【海の夏祭り】庵治(あじ)の船祭り(ふなまつり)

2023年08月03日
高松 辻優子
アクティブ・レンジャー日記をご覧のみなさま、こんにちは。
今回は、香川県指定無形民俗文化財に指定されている高松市庵治町皇子神社(おうじじんじゃ)の船祭りを紹介します。
 
瀬戸内海に面した神社の、この祭りの特徴は「船渡御(ふなとぎょ)」。これは、皇子神社から約2㎞はなれた御旅所(おたびしょ)までの道のりを、だんじり・獅子舞・神輿(みこし)が船に乗って移動することです。
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3双の漁船を横に並べ、その上に屋台を組み、旗やちょうちんで飾り立てて一組の船にします。同じような他の3組の船も明るいうちに港に入り、その役目を果たすのを待ちます。。
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夜の船渡御を前に、まず1組目はだんじりが乗ります。
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これは、神輿が神輿船に向かって歩いているところ。奥では同日に行われたふれあい祭りの花火が上がっています。
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神輿が船に乗ると、他の船の上で獅子舞が始まります。
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もう一組の船の上でも、別の獅子舞が演じられます。この2組の獅子舞は隣り合う船で行われ、太鼓のリズムを合わせて同じ時間に舞います。
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獅子舞が終わり、満潮になると4組の船が御旅所を目指して海に出ます。
この後は、御旅所で神事を行った後、再び船に乗って港まで戻り、丘の上にある皇子神社まで戻ります。
午前2時ごろ、これで祭りは終わります。
 
紹介したいもう一つの見どころは、勇壮なだんじり(太鼓台)です。
 
前日の夜の宵宮。だんじりが階段を上って皇子神社まで来ます。
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大人たちに担がれただんじりに乗るのは小学生。太鼓を休みなくたたきます。
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屋根を外すのが暴れる合図。まずは、勢いよく横方向に回します。その後、だんじりを垂直に立てます。周りの人々は盛んにはやし立て、太鼓台の子どもたちは、この姿勢でも途切れることなくリズムを取ります。
今回、だんじりを奉納したのは3地区。神社の前の広場では、交代でだんじりを練るので、長時間にわたって太鼓の音やはやし声が響きます。
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普段は静かな港に夜店が立ち並び、子どもたちの元気な声が響き渡り、祭りに合わせて帰省した若者が増える船祭り。そのにぎやかさを屋島が対岸から見守っているように見えました。