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アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

中国四国地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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大山隠岐国立公園 米子

239件の記事があります。

2010年06月21日大山に夏山シーズン到来!

大山隠岐国立公園 米子 米田美里

全国的に梅雨入りを果たした今日この頃。
山陰ではじめじめした日が続いています。
さて梅雨入り前の6月の5日、6日に大山夏山開き祭が行われました!
ちょっと遅くなりましたが今回はそのときの様子をご紹介します。

今回で64回目を迎える夏山開き祭。今年も多くの人が参加されました。
今年は天候が良かったせいか、前夜祭、山頂祭ともに昨年に比べ多くの人が参加しているように感じました。

恒例となった前夜祭でのたいまつ行列では
約2000人による幻想的な火の川が浮かび上がりとても綺麗でした!
みなさん行進しつつ写真を撮っていました。


◎炎に照らされ浮かび上がる大神山神社奥宮

◎石の鳥居も朱塗りの鳥居のように朱く見えました。

二日目の山頂祭では朝10時から始まる神事に間に合うよう
約500人の人々が山頂へと向かいました。
さすがに、一年で大山が一番賑わう日ということで
登山道は渋滞状態。いつもに比べてゆっくりと風景を楽しみながら登りました。


◎休憩所のある6合目の出発地点。すごい渋滞です。。

◎新緑がすごく綺麗でした!登山中は日本語はもちろん、いたるところで英語、韓国語と様々な言語で挨拶が交わされていました。

山頂につくと弓浜半島や島根半島はもちろん隠岐の島まですっきりと見渡せ、
夏山開きにふさわしいすがすがしい光景を見下ろすことができました!

◎大山山頂から。右側の真ん中ぐらいに隠岐の島が島前・島後ともに空に浮かんでいるように見えるんですが、わかりますか??

神事では、関係機関の方々や一般登山者代表として高知から来られた方が玉串を奉納し、今シーズンの大山の登山利用者の安全を祈願しました。
その後、大山町長より今月の初めに起きた滑落事故のお話しがあり、
絶対に旧縦走路へは立ち入らないように、という呼びかけがありました。

いよいよ本格的な夏山登山シーズンを迎えた大山。
みなさん安全に楽しく大山の自然を満喫して下さいね!

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2010年06月04日マムシに注意!

大山隠岐国立公園 米子 米田美里

明日は大山夏山開き前夜祭です。
環境省の直轄施設である下山野営場は
例年、2日目の夏山開き山頂祭への参加者のみなさんが多く利用されます。
先日、その下山野営場でマムシが目撃されたと言うことで、
自然公園財団の方と注意看板を設置してきました。


◎注意!!

設置する間、野鳥のさえずりが聞こえていた野営場内は
コーン、コーンと木を打ち付ける音が響いていました。
設置場所は野営場の入口と人の多い炊事棟の前です。
マムシは変温動物ということで、アスファルトなど暖まったところに出没します。猛毒がありますのでご注意ください!

ところでこの注意看板、見ておわかり(?)の通り事務所の手作りです。
学生時代に美術の時間にレタリングという授業内容があったなぁ。と
文字を書いている最中、思い出していました。


◎着々と夏山開き祭の準備が進む大山博労座駐車場。
 大山の夏山開き前夜祭といえば2000人のたいまつ行列!一見の価値有りですよ!

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2010年06月03日大山登山道整備

大山隠岐国立公園 米子 米田美里

6月になりました。
いよいよ大山も今週末、夏山開きが行われます。
それに先駆け、先月の25日に大山の主要登山道である夏山登山道とユートピア登山道の登山道整備が地元の方々や関係機関によって行われました。

当日は登山口付近のお天気は曇りでしたが、
3合目を過ぎたあたりからは雨に打たれながらの作業となりました。
6合目を過ぎると雲の中に入り強風+視界も真っ白。
朝早く大山登山に挑んだ中学校は強風のため8合目で引き返してきたとか。
大山蒜山地域のARとなって今年で3年目になりますが
このような状況の大山登山は初めてです。

登山道には先日からの強風でブナなどの風倒木も多数あり
小規模なものは取り除き、規模の大きな倒木は処理方針を確認しました。
その他には、色の薄くなった注意看板などの修繕を行いました。


◎道を塞ぐ倒木を除去しました。

◎注意看板の補修

◎雲の中の大山頂上避難小屋。視界が悪く、近くに行くまで全く見えませんでした。風雨に晒され寒かったです。。

☆☆☆

6月2日に大山山頂の旧縦走路で滑落死亡事故が起きました。
この旧縦走路は歩道は元より尾根筋全体の崩壊が激しく大変危険なため、
昭和57年には環境省の公園計画の歩道から削除されています。
毎年の登山道整備や頂上保全作業の際には、立入禁止のロープを補修しています。
しかしその後も旧縦走路に立ち入る人は後を絶たず、多くの事故が起きてきました。

ここ最近、大山では頻繁に崩落の音が響いており、
登山道整備の際も雷鳴かと聞き間違うほどの崩落音が鳴り響いていました。
大山は日々、崩壊が進んでいます。
運良く縦走が出来たからといって、次も無事に通れるとは限りません。後戻りさえ出来なくなる可能性だってあります。
弥山頂上碑から三角点までの区間は植生回復のためということもありますが、
旧縦走路(弥山→ラクダの背→剣ヶ峰→天狗ヶ峰→ユートピア)は、大変危険であるために使用禁止になっているのです。

☆☆☆

6月5日、6日に行われる大山夏山開き祭により
大山は本格的な夏山シーズンを迎えます。
今回、登山道整備に参加した関係機関、地元の人たちの思いは一つです。
みなさん安全に、マナーを守って楽しい大山登山を満喫して下さい。

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2010年05月20日大山・中海制札板点検

大山隠岐国立公園 米子 米田美里

みなさん鳥獣保護区という言葉を知っていますか?
鳥獣保護区とは野生生物の保護・管理を目的とした規制区域です。
鳥獣保護区の中では鳥獣の捕獲が禁止されるほか、鳥獣の保護事業が行われています。国指定と都道府県指定の2種類があり、特に重要な地域は特別鳥獣保護区に指定されます。

米子自然環境事務所の管轄には鳥類等の大規模生息地である国指定大山鳥獣保護区、水鳥の集団渡来地である国指定中海鳥獣保護区(中海鳥獣保護区の特別保護地区はラムサール条約湿地に指定されています。)があります。
鳥獣保護区にはその範囲を知らせる制札板があるのですが、
大山の雪も消えたということで、5月に入ってから当所では
大山と中海の制札板の点検・修繕作業を行っています。
入り組んだ場所にあったり、大雪で壊れていたりと
広い鳥獣保護区の中、数多くある制札板を1本1本調査していくのはなかなか大変です。


◎制札板の立て替え作業

ところで下の写真何か気づくところありますか??

◎左が中海、右が大山の制札板です。

よく見ると中海と大山の制札板では材質が違います。
大山の制札板はスチール製ですが、中海ではスチールでは錆びてしまうということで、支柱・板ともに木材でできています。

みなさんも自然豊かなところに行くと、制札板を目にするかもしれませんね。

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2010年05月19日花いっぱい 鏡ヶ成

大山隠岐国立公園 米子 米田美里

先日、鏡ヶ成へ現地調査に行ってきました。
鏡ヶ成は草原・湿原・樹林と様々な自然環境を一度に見ることの出来る
大変貴重な場所です。
今回は擬宝珠山と象山の登山道、鏡ヶ成湿原の植生変化を見てまわりました。
鏡ヶ成は標高約900mの地点に位置しますが、湿地が形成されるだけあって
雨や霧などが多い場所です。
調査を行ったこの日も鏡ヶ成に到着時は(??雨が降るかも・・・)というお天気。
しかし、擬宝珠山を登っている途中にだんだんとお天気が良くなり、
象山に登る時にはカンカン照りになっていました。


◎登っているうちにすっかり雲が無くなりました。

前回ご紹介した毛無山同様、擬宝珠山にもカタクリの群落があり、
カタクリの他にもイワナシやタムシバ、サンカヨウ、エンレイソウなどのたくさんの花が見ることが出来ました。
いま挙げた花はすでに時期がほぼ終わっていますが、
これからの時期イワカガミやアカモノの花が見ることが出来ます。
是非見に行ってみて下さい!


◎サンカヨウの花と烏ヶ山

ところで、鏡ヶ成のスキーリフトの下にバイケイソウの群落がありました。
このバイケイソウ、食べることのできるオオバギボウシと葉っぱがよく似ているといわれるのですが、
バイケイソウには毒性の強いアルカロイドが含まれており重傷の場合は死に至ります。
鏡ヶ成は国立公園内なのでもちろん植物採取をする人はいないと思いますが、
みなさん公園外でオオバギボウシ(ウルイ)を採取する際には十分注意して下さい。


◎バイケイソウ

◎オオバギボウシとバイケイソウの簡単な見分け方。オオバギボウシはバイケイソウよりも遅く葉が出るということで、実際に実物を同時期に見比べるのは困難とか。

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2010年04月30日カタクリの山・毛無山

大山隠岐国立公園 米子 米田美里

すでに大型連休にはいられた方も多いのでしょうか?
今日は大山隠岐国立公園の中でGWにお勧めの山を紹介したいと思います。
その名も「毛無山」。毛無山の稜線が岡山県と鳥取県の県境となっています。
鳥取県側の登山道入口は、江府町俣野・大きなタンクが目印。岡山県側は、
新庄村の田浪野営場から登ります。どちらも1時間半程度で山頂まで登れる軽登山には手頃な山です。

この山はこの時期、多くの人々があることを目当てに訪れます。
それがこのカタクリの花です。
29日に島根県と盗掘防止パトロールを合同で行った船通山もカタクリで有名な山ですが、
この毛無山も船通山に負けないくらい多くの人がカタクリを目当てに登っています。


◎カタクリの花

カタクリの開花時期は例年4月の終わりからGWの終わりまで、という
本当に短い期間しか見ることが出来ません。

今日、毛無山に巡視に行ってきたのですが
今年のカタクリの花は寒かったせいか例年に比べやや少なめの様子。
ただ、鳥取県側から登ると4合目を過ぎたあたりからカタクリの花があり、
もう少しすればショウジョウバカマ、イワカガミの花なども見れそうです。
おそらくGWの中ごろが見頃だと思われます。
是非みなさんカタクリの花を見に毛無山に訪れてくださいね!


◎カタクリの群落
 もう少しで満開でしょうか。

ところで今日の巡視、毛無山の頂上ではもうすぐ5月であるにもかかわらず
雪がちらほら降っていました。
山麓と山頂では気温差は激しく、天候も変わりやすいものです。
みなさん登山の際には防寒着、雨具などを準備してください!

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2010年04月30日鳥取県・島根県動植物違法採取防止合同パトロール

大山隠岐国立公園 米子 米田美里

以前の日記(こちら)にも書きましたが
4月29日~5月31日は鳥取県と島根県の野生動植物違法採取防止強化月間です。
月間初日にあたる29日に鳥取県と島根県の県境に位置する船通山で
両県合同パトロールが行われましたので今回はその様子についてご紹介します。

船通山は比婆道後帝釈国定公園内にある山です。
29日は大型連休の初日と、
船通山も見どころの一つであるカタクリの花の時期ということもあり、
山頂には多くの登山客の方々がいました。
船通山には初めて登ったのですが、1時間程度で登れ
いろいろと珍しい花も道中見ることができ、楽しい山でした。

鳥取県側は日南町からの登山道、島根県側は奥出雲町からの登山道を
各県の関係機関やボランティアの方々がそれぞれ登り、
山頂で合流して一般登山者の方々に
違法採取防止のチラシ配布などの啓発活動を行いました。


◎チラシ配り中

◎紙芝居で啓発

これからのグリーンシーズン、大山隠岐国立公園にもたくさんの花が咲き始めます。
あとから来る人たちのために
景色や花の姿は胸や写真に納めて、思い出とゴミをしっかり持ち帰るようお願いします。

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2010年04月26日登山者カウンター☆設置位置調査

大山隠岐国立公園 米子 米田美里

少し前のことですが、4月15日に大山に現地調査に行ってきました。
今回、何を調査したかというと、
今年度から大山の登山道に設置予定の登山者カウンターの設置位置です。
今回はこの様子をご紹介したいと思います。

4月15日といえば、それまで春めいていた大山が一気に冬に逆戻りした日・・・。
通勤途中、白く雪化粧をしている大山を見上げた際
(今日の調査どうなるの・・・)と思いましたが
雪にも負けずに調査へ出発しました。

まずは行者登山道の入口のある元谷まで行ったのですが
ただでさえ石がゴロゴロして滑りやすい元谷が
雪に覆われてさらに滑りやすく・・・。


◎雪に覆われた大山元谷

カウンターの設置位置を決め
次は大山の登山客のほとんどが使用する大山夏山登山道へ。

夏山登山道は、1合目までには阿弥陀堂へ続く道や散策コースなど
いろいろな道が交差しているため、散策を楽しむ人と登山客を判別するために
少し登ったところに付けよう!ということで
1合目~2合目の日当たりの良さそうなところを探して登ったのですが
現在、大山夏山登山道ではまだ樹木は開葉しておらず、
夏に果たしてこの場所に日が差すのか・・・という問題もあり
倒木などで日当たりの良くなっているところを探すのは、なかなか大変な作業でした。
しかしなんとか条件にぴったりな場所を見つけることができました!


◎ここなら夏でも日が差すはず・・・



おまけ◎元谷からの大山。冬山って感じですね~

・・・お知らせ・・・

修理のため使用禁止だった下山公衆トイレの修理が
修理完了のため使用可能になりました。

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2010年04月23日大山春の一斉清掃

大山隠岐国立公園 米子 米田美里

4月18日に大山春の一斉清掃が行われました。
この一斉清掃は「大山の美化を推進する会」が
毎年春のグリーンシーズンと秋の行楽シーズン前に実施しており、
今回で春・秋あわせて66回目を迎えました。

朝9時、大山の博労座駐車場を含む6地域には関係機関やボランティア等たくさんの人々が集まり一斉清掃が開始されました。
当所もみなさんに交じって大神山神社参道~金門周辺の清掃を行いました。
参道の周辺は例年満開になっているミヤマカタバミ、オウレンの花やタチツボスミレなどの可憐な花たちが、咲き始め、という感じ。
やはり4月中旬の雪のせいでしょうか。少し花の開花状況が遅く感じられます。

下を注意深く見ながら参道を進んでいくと、参道の石畳の隙間には煙草の吸い殻などのゴミがちらほらと・・・。


◎一斉清掃へ出発!

◎大人も子どもも協力して拾います。

参道周辺は比較的ゴミの少ない箇所でしたが、
他の清掃地点と合わせると中身がいっぱいに詰まったゴミ袋が約350袋もありました。
ここ数年減少傾向にあったゴミですが今年は昨年より多い1トンを超すゴミがありました。
その中には、今年もタイヤや家電製品などの不法投棄が行われていた箇所があったようです。

何はともあれ、これからのグリーンシーズン綺麗になった大山に是非来てくださいね!



◎下山神社で見つけたダイセンキスミレ。今年は初めてみました!

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2010年04月22日ちょっと一休み・・・オオソリハシシギ

大山隠岐国立公園 米子 米田美里

先日、業務の打合せで米子水鳥公園に行ったときのことです。
園内のつばさ池に凄い鳥が飛来したよ、と水鳥公園の解説員の方に教えてもらいました。

スコープを覗くとつばさ池の縁に、くちばしの長いシギがいます。
その名も「オオソリハシシギ」!
名前の由来は大きく反り返ったくちばしから、ということですが
この鳥の凄いところは、なんと言ってもその長距離飛行です!


◎オオソリハシシギ

なんと確認されている中で一番長い無着陸飛行距離は1万1000キロ!
渡りを行う野鳥の中では1番の移動距離といえるのではないでしょうか。

オオソリハシシギは南半球の大陸沿岸で越冬し、
春になると北半球の北極沿岸で繁殖をするそうです。
降下や上昇によるエネルギー消費を抑えるためにノンストップで飛行を続けるそうですが・・・。
渡りの前には栄養をたくさんとり太っていたオオソリハシシギですが
目的地に着いた頃には体重は半減しているそうです。

越冬に向かう際には越冬地までノンストップで進むオオソリアシシギも
繁殖地へ向かう際には休憩を取りながら帰るそうです。
やはり休憩を取りつつ帰った方が繁殖に有利なのでしょうか?


◎水鳥公園の観察窓のすぐ下にいました。

・・・ちなみに・・・

水鳥公園で野鳥の観察をしていると、水面を我が物顔で泳いでいるいきものが・・・。

「あっ!ヌートリア!!」

害獣として外来種駆除の対象となっているヌートリアですが
水鳥公園では子どもたちの人気者とのこと。
なにやらいろいろと考えさせられてしまいました。

◎泳ぐヌートリア

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