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アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

中国四国地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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瀬戸内海国立公園 高松

256件の記事があります。

2013年03月15日季節のクラフト教室【お正月あそびを楽しもう】

瀬戸内海国立公園 高松 大林めぐみ

タイトルをみて「もう3月なのに??」と思った方がほとんどだと思います。
実はこのイベントは1月に開催予定でしたが、降雪のため中止。
しかし参加希望者が多かったことから(有り難い!)順延開催となりました。
5日前から一気に春めいた気候になり、この日も午前中は薄手上着で十分なくらい。
そんなお天気も一変、集合時間近くになると冷たい雨と風に・・・。
しかも雷まで鳴り出す始末・・・。
そんなスタッフの不安をよそに、参加者達はいそいそと集まってくれました。

まずお正月あそび・羽根突きとは一体?その由来など知りましょう。
羽根突きに使う「羽根」。羽根の先には黒くて丸い物が付いていますね。
これは「無患子(ムクロジ)」の実です。秋にギンナンのようなオレンジ色の実が落ちて、これを割ると中から黒い種が出てきます。


     ムクロジの実

黒い種は羽根に使いますが、オレンジ色の実はその昔、石けんとして使用されていたそうです。
ペットボトルにオレンジ色の部分だけ入れて、水を足して振ると・・・


一目瞭然の泡立ち

石けんの他にも、この実にはサポニンという有毒成分が含まれており、昔の人はこれを川に流して魚を捕っていたとも言われています。

羽根突きのいろいろを知った後でマイ羽子板づくり。
こちらで絵のサンプルも用意していましたが、半数の方が見本を持参していました。


描くものが決まっているのか、みなさん作業が早い!

好きなアニメのキャラクターやゆるキャラ、干支など描くものはさまざま。
色塗りができたら、モールを使って立体的な羽子板にしていきます。
モールに付けたボンドが安定するまでの間、この後食べるお雑煮の器を作ります。
もちろん五色台定番の竹です。


底のになる節を切り落とさないように注意


これも側面に穴を開けないように切り落として

口を付ける部分は、小刀でささくれを落としましょう。
リピーターの子供達は、少し馴れた手つきでノコギリやナタを扱えるようになりました。
器作りが終わった人からお雑煮づくりのお手伝いを。
大根、金時人参の皮むきをして、イチョウ切りをします。


親御さんがサポートするから包丁も挑戦

お雑煮は「あん餅雑煮」讃岐の郷土料理です。これって香川だけですかね?
具材は大根、金時人参の2つが主で、白味噌ベースに餡入り丸餅を焼かずに煮るタイプ。
この組み合わせ、県外人には「あり得ない!」とよく言われますが、白味噌とあんこ、意外と合います。
と言っても私も子供の頃は嫌いで食べませんでしたが。

具材を煮ている間に羽根突きの練習。
打つ面積が小さいこと、羽根の黒いとこに当てないと飛ばないなどなかなか難しいようです。


     そーれっ!

羽根突きをすると競い合うように打ち合う風景をよく見ますが、本来は長く続けるもの。
これは羽根に付いている「無患子(むくろじ)」の字の通り、「子供に患いが起きないように」と願いを込めて、長く打ち続けるのだそう。
墨を塗るのは羽根を落とすと鬼(災い)がやってくるため、鬼が嫌う墨の匂いや黒色を付けて避けるため。
今回は黒テープを代用して、鬼除けとしました。

そして練習に熱が入り出した頃、お待ちかねのお雑煮ができあがりました。
餅が溶けない内に「いただきま~す」


    おいしそう~☆

お雑煮を食べ終わると、またすぐ羽根突きを始めだした参加者たち。
練習の成果か、ラリーが長く続いています。
羽根を落とすと鬼がやってきますからね!
子供ばかりか大人も熱中する昔ながらの遊びは、年代を問いません。
その遊びのルーツも知ることで、本来の意味合いを持つ遊びになりますね。

五色台ビジターセンターには、竹馬や蔓輪投げなど昔遊びも充実しています。
テレビゲームより体を動かす昔遊びをご家族一緒にどうぞ!






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2013年03月05日【自然観察会】 鳴門山に緑を増やそう!

瀬戸内海国立公園 高松 大林めぐみ

毎年卒業間近のこの時期、鳴門山では緑を増やす行事が行われています。
鳴門市立桑島小学校6年生によるウバメガシの植樹です。
元々鳴門山には多くの松がありましたが、マツクイムシの影響で徐々に枯れ、緑が少なくなってきました。
そこで17年前から桑島小学校児童の手で地元の緑を増やそう!と始めたのが
この植樹と自然観察会。
同じく毎年11月に3年生がドングリ拾いをしていますが、この拾ったドングリを3年間大事に育てて苗木にし、また鳴門山に戻します。
夏の暑さで苗木が弱りそうになっても、児童達は一生懸命水やりをして、植樹できるまでの大きさに育てたそうです。

駐車場から鳴門山までの道すがらには何だか楽しいモノが。

見たことあるもの、ないもの、みんな分かったかな?

講師:市原さん(徳島県立佐那河内いきものふれあいの里)が予め仕掛けたクイズ。
ただ植樹場所まで歩くのではなく、こんな仕掛けがあると楽しくなりますね。

鳴門大橋の見える広場に着いたら、もう一人の講師:木下さん(徳島県植物研究会長)から苗木の植え方をレクチャー。


「こうやってポットから外して」

レクチャー後は自分たちの苗木を持って植樹です!
ポットからやさしく取り出して、財団スタッフが開けてくれている穴に植えていきます。
苗木を入れたら土を被せ、スコップでペタペタと締めていきます。



きちんと土を締めたら、水をあげて完了!
近くには昨年植樹したウバメガシもありました。
目を見張る程の成長は見られませんが、少しずつ大きくなっているのは分かります。

山頂展望台では春と秋に野鳥の渡りが見られ、大きなスコープやカメラを持った人達が観察をしています。
この日は日本野鳥の会徳島支部・三宅さんが渡りの観察に来ていました。


     鳴門で見られる渡り鳥を説明

市原さんはイラストを使って野鳥を説明

展望台でいる間には、サシバ3羽の渡りを見ることができました。
猛禽類は格好いいのか、あまり見ることがないのか児童達に人気のよう。
トビが争い事をしている様子や近くまで滑空してくる様子に「あっ!」「でかい!」など双眼鏡を使って見たりと夢中でした。

展望台から千畳敷へ向かう途中にも、なにやら発見が。
腐った木の幹には何がいるかな~。


「え~、なになに・・・」

木を剥ぐとクワガタムシの幼虫が出てきました。そう、白くて大きい幼虫です。
昆虫好きなのか1人の女子がすぐに手を伸ばして幼虫を観察し一言「かわいい~」
意外と男子の方が「気持ち悪い」と言っていました。
幼虫や成虫も店頭で購入できますが、こんなふうに自然に転がっている腐ったクヌギの中で幼虫を見ることは最近の子供達にはあまりないんでしょうね。
そんな腐ったクヌギには、天然のシイタケが2つ生えていました。
シイタケがこんなふうに生えているのも、もしかしたら初めて見たのかも?
一度好奇心を突かれると、何か見つける度に講師たちに質問!
6年生になって少し大人びたかなぁと思いましたが、やはりそこは小学生。
大人になってもその気持ちは大事です☆

この児童たちが卒業して、高校~大学、そして家族ができる頃には植樹したウバメガシも大きくなっているはず。
自分たちの成長と一緒にこの鳴門山のウバメガシも成長し、そしてまた児童達がここへ戻り「わたしたちが増やした緑の山!」と自慢する日が待ち遠しいです。


「また会いに来てね」ウバメガシたちもそう言っているようです。

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2013年03月01日【アクティブレンジャー国立公園写真展】番外編 開催です!

瀬戸内海国立公園 高松 大林めぐみ

3月に入りました!
そして、高松では中四国アクティブレンジャー(以下AR)による国立公園写真展を開催します。
これは昨年5月中旬から始まり6地区を巡回し、今年度より新たに隠岐ARが加わりその後巡回展示会場と違う施設で展示をしています。
巡回展終了後~次年度巡回展スタートまでの谷間期間に写真を眠らせておくのも勿体ない、また違う場所で展示することでより皆さんに国立公園やARの活動など知ってもらえる機会を増やそうと思い行っています。

高松では下記の場所にて開催します!

開催期間 : 平成25年3月2日(土)~3月21日(木)
会  場 : 高松市生涯学習センターまなびCAN
       (高松市片原町 むうぶ片原町ビル内)
開館時間 : 9:00~22:00(日、休日は17:00まで開館)
       毎週月曜休館
アクセス : 琴電片原町駅から片原商店街へ徒歩2分
       お車は近隣の有料駐車場へお停め下さい。
入 場 料 : 無料

展示会場は3階ロビーになります。
階段から上がると・・・



エレベーター側から行くと・・・



展示のようす



中四国地方の国立公園の自然風景や、その中での活動と体験など、写真家とは違ったARの目線での写真展です。
また「国立公園とは?」「その利用と保護」「環境省の組織とは?」などを説明したパネルや閲覧用パンフレットもあります。

展示内容は前回5月中旬から五色台ビジターセンターで開催した時と同じ内容ですが、
「前回行きたかったけど都合が・・・」「交通手段がなくって・・・」という方、
また広報をみて興味を持った方、是非足を運んでご覧ください。

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2013年02月27日近くで見られる野鳥たち

瀬戸内海国立公園 高松 大林めぐみ

今年の冬は例年より寒く、早朝の気温が氷点下になる日も多々。
そして例年に比べ、今年は多いなぁと感じるのが野鳥たち。
今回は身近に見られ、特徴も分かりやすい野鳥をご紹介。

まずは冬になるとよく見られるのがコチラ。


【ジョウビタキ(雄)】ツグミ科

額~後頸までが灰白色もしくは見え方によっては銀色にも見えます。
この写真では少し青味がかったようにも見えますね。
腹部は橙色で羽根と顔~前首元が黒く、白斑があります。
鳴き声は自転車のブレーキ音を短くしたような「ヒッ」「キッ」や「カッ」という打撃音のような声がします。この甲高い鳴き声と打撃音のような鳴き声から火打ち石を叩く音が連想され「火焚き(ヒタキ)」、そして「尉(ジョウ)」は銀髪を意味し、後頸部の銀色に例えられたようです。
人間も男女で見た目が違うように、鳥にも雄と雌とで違うものもいます。
クジャクもそうですね。大きく派手な羽根を持つ雄と違い、雌は結構地味。
このジョウビタキも雄と雌とで色合いが変わります。


【ジョウビタキ(雌)】

雌は、腹部が薄い橙色、頭部、羽根は暗褐色で羽根には白班があります。
見た目は雄より控えめですが、その可愛らしい姿が好きという方も多いです。
ジョウビタキは繁殖期は中国東北部辺りで過ごし、それ以外の秋季~春季には日本~インドシナ半島北部辺りで越冬する冬鳥です。
市街地~農地~低山など開けた場所で見られ、警戒心が薄いのか意外と近くまで寄ってくる身近な野鳥のひとつです。

屋島だと山頂南端・冠ヶ嶽へ向かう途中や北嶺遊歩道を歩いていると
何やら音が聞こえてきます。
その音が聞こえてくる場所を探すと・・・


【コゲラ】キツツキ科

「タラララッ」と木を突く音が聞こえたら、それはコゲラかもしれません。
翼の黒褐色と白の縞模様と「ギィーッ」という鳴き声が特徴。
留鳥で平地や山林、最近では都市公園でも見られる場所もあるようです。
枯れた木や枝に穴を開けて巣を作ったり、樹木の表面から餌をついばんだりしています。
雌雄の識別は頭頂部に赤斑点があるのが雄ですが、なかなか頭頂部を見せてはくれません。
またコゲラは日本に9種類もの亜種がおり、羽根の黒褐色の濃淡で識別するそうですがよーく見ないと区別がつきません。

そして、もうひとつ分かりやすい野鳥を。


【メジロ】メジロ科

喉~上胸が黄色、胸~腹部は白色であとは暗黄緑色をしており、その名前とおり目の周りに白くアイラインが入っている野鳥です。
色がウグイス色ですが、実はウグイスはそんな色じゃないんですよ。
また写真があればご紹介しますね。
メジロは「チー、チー」と鳴き交わす声がよく聞こえ、比較的警戒心が薄く近くまで寄ってきてくれるのでよく観察できます。
江戸時代より鳴き声を競わせる「鳴き合わせ」という道楽が流行り、最近まで一世帯一羽まで飼養できる野鳥でしたが、2011年より禁止となりました。
これは、囀りを習わせるために巣立つ直前のヒナを網で違法に捕獲したり、囀る雄のみ残し雌は処分してしまうなどの問題が多く発生したことが大きな要因のようです。また国外から輸入した亜種と日本産を掛け合わし、国外産と偽っている良からぬ業者などもいるようです。

【環境省HP 野生鳥獣の保護管理】
http://www.env.go.jp/nature/choju/effort/effort3/index.html

野鳥は少し離れた所から邪魔しないようこっそりと観察しましょう。
そうすると次第に鳥たちから寄ってくることもあるかも!?
またその季節にしか見られない野鳥はまさに旬のもの。
そして五色台ビジターセンターでは来月、季節のクラフト教室で野鳥観察会を行います!
詳細は以下の通りです。興味のある方はぜひ申込ください。

*************3月の季節のクラフト教室*************
        『野鳥観察&巣箱づくり』
初めてさんでも大丈夫!みんなでバードウォッチングをしましょう。
その後は巣箱を手作りし、自宅の庭にかけて小鳥を呼ぼう!
日 時 : 3月24日(日)9:00~12:00
場 所 : 五色台クラフトハウス
     (ビジターセンター前駐車場から木道を通ってきて下さい)
参加費 : 500円/セット(保険料込)
持ち物 : 汚れてもいい服装、温かい飲み物やカイロなど防寒対策
※安全管理上、遅刻された方は参加をお断りする場合があります。

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2013年02月25日冬化粧の寒霞渓

瀬戸内海国立公園 高松 大林めぐみ

先週前半に降り積もった雪。
雪国じゃないのですぐ溶けるだろうと、その2日後に小豆島・寒霞渓に年4回行っている定点観測4回目に行ってきました。

小豆島東海岸線で現地調査を終え、福田港から寒霞渓へ上るとまだまだ雪が残っていました。日中も日陰になっている場所は、前日溶けた雪が朝の冷え込みでまた凍り、お昼になってもなお凍結したまま。
途中にある星ヶ城東峰に行こうと思いましたが、駐車場までの車道は除雪されていなかったので断念・・・。
そして、定点観測地の山頂も雪化粧したまま。
駐車場には小さなかまくらも作られており、ロープウェーの従業員さんたちは屋根や通路の雪かきに追われていました。
山頂展望地の定点観測を終え、そこから徒歩3分ほどの鷹取展望台へ。


【鷹取展望地】内海湾を望む

雲ってきたので少しガスがかったようになっていますが、奇岩景勝の残雪、谷の間を抜けるように見える瀬戸内もまたいいもの。
そして、この鷹取展望地は映画「八日目の蝉」で使われた場所でもあります。季節は違えど、映画と同じ風景を楽しんでみてください。
また鷹取展望地までは少し急な坂になっていますので、凍結した所に十分注意して下さい。通行した跡はカチンカチンに凍っていました。

もう一つの定点観測地・四望頂へ。
遊歩道はすっかり雪に埋まり、新雪のままでした。


  足跡もなく、こんなに真っ白

誰も歩いてないんだなぁと思いきや、よーく見ると・・・


何の足跡か分かりますか??

左がノウサギ、右が大きさ的にカラス?のようでした。
遊歩道に沿って歩く姿を想像すると可愛らしいですね、と油断していると
雪で見えなくなっている深さ5㎝ほどの雨水溝に足を取られるので、
足跡探しは自分の足下にもご注意。

四望頂近くには小豆島固有種・ショウドシマレンギョウがあります。
普段見るヤマトレンギョウと同じように見えますが、開花時期や花の色が少ーし違うので、そのポイントを知っていると分かります。冬芽が見られ、こんなに寒くても徐々に春への準備を進めてるんだなと思いました。


ショウドシマレンギョウ冬芽

四望頂からは遊歩道を通らず、あえて車道を通って山頂駐車場まで帰りました。
普段、車道を通ることはないのですが、足下も雪まみれになり、ふとこんなにも雪が積もっているんなら何か見つかるんじゃないかと思い歩くと・・・
それはすぐに発見できました。


車道脇の石垣 何が見えますか?
拡大すると・・・

そう!つらら!

四望頂から山頂までの車道沿いには、約30mものつららの壁ができていました。
香川でこんなにもつららができているのを初めて見ました。
標本のようにつららの中に草木が混じっているもの、落ちて雪に刺さったままのもの、滝がそのまま凍ったようなものまで、いろんなつららが見られました。

瀬戸内沿岸部は中国山地と四国山地に挟まれるため、乾燥した冬を過ごすことが多いです。こんなにも雪のある風景は滅多に見られません。
ちょっとした好奇心や思いっきり季節を満喫したい!と感じたら外へ出てみましょう!
いつもと違う何かが見つかるかもしれませんよ。

ただし、安全を最優先に考えた上で行動してくださいね。

山頂から裏神懸遊歩道入口

足下の見えない段差のある場所や少しでも滑るなと思ったら、すぐ引き返して下さい。
「ケガなく、事故なく」が外遊びを楽しむ一番の近道です。

※寒霞渓エリアは、瀬戸内島嶼部でも最も標高が高い場所です。
 観光の際は、スタッドレスタイヤ装着(レンタカーの場合も確認してください)や、暖かくなったお昼過ぎから登頂するなど余裕を持った行程を組んで下さい。

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2013年02月20日季節のクラフト教室 【竹の食器でうどんを食べよう】

瀬戸内海国立公園 高松 大林めぐみ

今月のクラフト教室は降雪もなく、寒波の緩んだ晴天の中行われました。
五色台では定番の竹を使って器とお箸を自分達で切り出して、ナタや小刀で形を作っていきます。

今回の参加者はみなさんクラフト教室初参加!
もちろん普段ノコギリやナタ、小刀など使うことはないのでスタッフからしっかりレクチャー。軍手を付けたらノコギリを持って実践!


小さな子もお母さんと一緒にしっかり挽いています

初参加の方ばかりなので竹の切り出しに苦戦するかと思いきや、なかなかのノコギリさばき。レクチャーとおり、押す時は力を抜いて、引くときは大きくしっかりとを意識しながら挽くことで意外と早く切ることができていました。
クラフト先生曰わく、「素直に」が一番のポイントなんだそう。
モウソウ竹は身が厚く口を付けるには少し食べづらい。。。
そこで切り出せたら口を付ける面だけナタで削って薄くし、器として使いやすいようにします。

そしてお箸がないことにはうどんも食べられません。
1㎝角の竹を小刀を使って持ちやすい太さまで削ります。


こうすると安定してまっすぐ削れるよ

竹を台に付けて小刀をスッと下ろすとキレイに切れます。
力のない子供達は床で行うことで体重を掛けられるのでスムーズに削れます。
竹と小刀両方手持ちだとどちらも安定せず、小刀も勢いで大きく前に出るため周りの人にも危険。自分のやり方で、と言う方もいますが、客観的に見ている方は危なっかしくてしょうがない。

器とお箸があらかたできたら、うどんづくり!
うどんは最初から作ると1~2日は必要なので、今回は伸ばして切るだけのうどん玉を使います。
まず、うどん玉をビニール袋に入れて踏んで伸ばします。
コツは円の真ん中にかかとを置いて、かかと軸に回りながら伸ばすこと。
ガンガン踏むとビニールが破れるし、早く伸ばせる訳ではないのでご注意。


クルクル回りながら

ある程度伸ばせたら、生地を麺打ち台へ。
打ち粉をして麺棒に生地を巻き付けてどんどん生地を伸ばしていきます。
手を真ん中に置いて、端へとずらしながら伸ばす方法。本当は引く時に延ばすのですが、押しながら伸ばす方が簡単なのでコチラで。


もう一息!

生地を広げると徐々に伸びているのが分かります。
伸ばす方向(0°→90°交互に)も変えながらいくと、いびつなひし形→ひし形→最後には丸になっていきます。
均等な厚さで3㎜くらいまで伸ばせたら、生地がくっつかないよう打ち粉を振って折りたたんで切っていきます。


あれ?太くなってる?

思っているより細く切らないと、できあがりが太くなります。
本当は中華包丁のような四角い包丁で切るのですが、今回は普通の包丁を使ったので少し切りづらかったかも。。。
刃が下まで入ったら外側に倒すときれいに切れますよ。
切った麺をバラバラにしたら約15分程度茹でていきます。
麺を入れると一旦湯が落ち着きますが、再沸騰するまでしばしお待ちを。


麺がくっつかないよう菜箸を持ち上げながら

太い麺を選んで食べてみて、芯が残っていなかったらokです。
麺をザルに上げて水で洗いしめます。
うどん屋に行くと耳にするのが「釜あげと湯だめうどんの違いって何?」
見た目は同じですが、生麺を茹でて茹で湯ごと器に盛ったのが「釜あげ」
茹であがった後、水で洗いしめて、再度湯で温めたものが「湯だめ」です。
釜あげと釜たま以外は水で洗いしめているうどん玉を使います。
今回は讃岐うどん冬の定番・しっぽくうどん。
これは季節野菜と油揚げ、豆腐などをしょうゆ味の出汁と煮込んだものを温めたうどんにかけた郷土料理。

具だくさんのしっぽくうどん
もちろん作った竹の器とお箸で。


自分で作ったうどんは格別!

お昼になると陽が出て暖かくなってきたので、外にテーブルを出して食べました。
大鍋で作ったしっぽく出汁もあっという間になくなり、残ったうどんはお持ち帰り。
手作りの竹食器で香川を代表する郷土料理を頂いたら、体もポカポカ。
大抵の田舎の家では、自宅でうどんを打って食べますが、最近ではあまり作らないようです。私の家も最近は作ってないですねぇ。
地元の郷土料理を食べ、作り方も知ることで地元を知るだけでなく、県外からのお客さんにもしっかり紹介できますよ。
また麺打ち方や水で洗う回数、しめ方など店によって微妙に違うのでぜひ見比べてみて下さいね。

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2013年01月31日国立公園管理のお仕事-枯損木伐採-

瀬戸内海国立公園 高松 大林めぐみ

大寒波が来たかと思ったら、日中暖かい日が続いたりとコロコロ変わる
最近のお天気。
瀬戸内も先週末は特に強風で、高速艇は終日欠航、フェリーも客室ガラスに波が打ち付けるという大荒れのお天気でした。

そんな寒波が続く今週初めに屋島北嶺の枯損木の伐採を行いました。
屋島の植生はウバメガシやヒサカキなど常緑樹が多く、冬でも緑が見られます。
その中にヤマザクラやコナラ、ヤマハゼなどもあります。
そんな木々もずーっと丈夫に育ってくれればいいのですが、やはり寿命はあるもの。
樹木は枯れてくると樹皮が大きく剥がれたり、枝が簡単に折れやすくなったりと遊歩道を利用する人にも危険が伴います。
そこで毎年1回行っているのが、利用者に影響があると思われる枯損木を伐採するという業務。
細い枝や高枝切りハサミが届く範囲なら私たちにもできるのですが、チェーンソーやクレーンがないとどうにもできない大きさの樹木は業者さんにお願いしています。

主に伐採対象となるのは、倒木や折れ枝があると遊歩道の利用に支障をきたす樹木です。
保護官と遊歩道をキョロキョロしながら、
「これはまだ生きている」「雨風の強い日が続くと危ないかも・・・」など相談しながら決めていきます。


樹木を選定し、幹周、樹高、樹木名などを記録(初秋頃)

キノコが生えて樹木が腐っているもの、マツクイムシ※1(正式名:マツノザイセンチュウ)によって茶色く枯れてしまったマツなどを伐採します。
伐採方法も根元から切る場合、枯れた枝は切り、生きた枝は残す方法など樹木の状態によって決めます。
利用者の安全確保は大前提ですが、やはり生きている樹木はそのまま残して、また花や実を付ける様子をみんなに見てもらいたいのです。

伐採時期は台風襲来が収まる晩秋~冬。
樹高の高いマツなどはこんなふうに伐採していました。
(もちろん業者さんです)


クレーンに吊られた作業員さんが上から枝を切り落としてから

幹を2~3mずつに切り、クレーンに取り付けて下ろしていきます。

木をそのまま倒すには場所が狭く安全確保ができないような場所では、このようにして伐採が行われています。
今回初めて間近でクレーンを使っての伐採を見て、林業従事者の技術や作業の早さに感心しきりでした。

作業は2日間で終了し、利用者の方にはご不便お掛けしましたが、
少しリフレッシュした屋島をまた楽しんでいただければと思います。

(※1)マツノザイセンチュウ
マツノマダラカミキリに媒介する体長1㎜にも満たない線虫。
         詳しくは林野庁HPに
http://www.rinya.maff.go.jp/j/hogo/higai/matukui.html

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2013年01月16日今年度初! 雪積もりました!

瀬戸内海国立公園 高松 大林めぐみ

年明けから半月が過ぎてしまいましたが・・・
みなさま、明けましておめでとうございます!
本年もよろしくおねがいします。

さて、1月14日(月・祝)に季節のクラフト教室『お正月遊びを楽しもう!&あん餅雑煮づくり』を開催する予定でしたが、爆弾低気圧の影響で中止となりました。。。
そう。冬になると警戒するこのお天気。
毎年雪が降るのは2月だったので、1月は完全ノーマーク。

五色台にあがる直前の麓で運転中の車には霜ランプ?が点灯。
「そんなに寒いのかな~」と思ってから1分後には「・・・雪っ!!?」
と、あれよあれよという間にすっかり雪化粧の五色台。
ビジターセンター(以下:VC)までの道すがらには、スリップして動けなくなった車が数台いました。


9:00前のスカイライン中山休憩所付近

根香寺からVCに向かうまでの間にもどんどん積もります。
こんな天気になるとは誰も思わず、途中で引き返す車もいました。
慣れない雪道運転でやっとのことでVCに到着。


9:30頃のVC前 駐車した車もすぐに真っ白

今回お願いしていた講師もスタッドレスタイヤ装着にも関わらず、白峯寺経由だとスリップして辿り着かない・・・
もちろんクラフト教室参加予定者にもヘアピンカーブがいくつかあり危険だとということを伝え、中止となりました。
近くの休暇村スタッフは、スリップで動けなくなったお客さんの対応で大変そうでした。
瀬戸内の平野部~海側はめったに雪が降り積もることがないので、スタッドレスタイヤなんて持っている人はわずか。運転も慣れていないので、降雪の度にお手上げ状態です。


2階展望デッキ このくらい積もりました

クラフト教室が中止になった今回の日記にはこんな設備をご紹介。
標高約380mに位置し、麓よりも雪が降り積もる寒~い五色台の事務室にはもちろん暖房器具が。
(すみません。展示ホールには暖房器具はありません。。。)
みなさんはどんな暖房器具を使っていますか?
一般住宅や会社にある暖房器具は、エアコンや石油・電気ストーブ、
オイルヒーターなどですかね。
VCにある暖房器具はコチラです↓↓



見たことありますか? これは【ペレットストーブ】
自然保護官事務所や環境省施設などで見られる暖房器具です。
薪ストーブにも見えますが、少ーし違うんですよ。


なんだかヤギやウサギのドライフードに見える

これが【木質ペレット】と呼ばれる燃料です。
これは製材の木くずや流木などを粉にして水分を飛ばして固めた粒上の成形燃料で、あらかじめ水分を飛ばしている分、燃焼温度が高く二酸化炭素やダイオキシンなども大幅に減らせて環境にもいいということ。
「けど、煙や灰がたくさん出るんじゃない?」と気になる方。
VCでは12月中旬~4月上旬までで30㎏袋(米袋)で30袋程度使用していますが、燃焼して出る灰は2Lペットボトル1本分と少ないんですよ。
煙も排煙口を通して外に出しますが、煙というより湯気に近いものです。
また燃料が薪や炭、石油と違い手が汚れにくいということ、燃料ふたを開けてザザッと入れるだけなので燃料補給が簡単なのも特徴です。
温度設定やタイマー設定もできるし、モノによってはインテリアとしても使えそうなオシャレタイプもあります。

石油ストーブのようにお湯をシュンシュンと沸かすことはできませんが。


上部にはオーブンのような所が

時間はかかりますが、焼き芋もできるし、へぎ餅(スライス状の餅)を焼くことも可能。
私は冬の時期はこれで冷えたお弁当を温めています。
カップに入れたお茶もここに置いておくと冷めにくくて便利。
エアコンや冷蔵庫など省エネタイプの家電製品が多く販売されていますが、火が見えるペレットストーブもまたいいものです。
事務室の中で展示物の補修を行っていると、あっという間に夕方に。
除雪され通行しやすくなった道路ですが、朝晩の冷え込みでまだまだ凍結の恐れが。
チェーンやスタッドレスタイヤをお持ちの方は、こんな日のことも考えて冬装備をして五色台へお越し下さい。
今回の日記は、五色台より寒さと暖かさをお伝えしました☆

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2012年12月27日季節のクラフト教室 【門松づくり】

瀬戸内海国立公園 高松 大林めぐみ

クリスマス寒波の最中、一足お先に年越し準備をしてきました。
毎年恒例・門松づくりです。
玄関先を飾る門松なだけに大きなものも見応えがありますが、後々のこと(片付けとか)を考えると・・・。そこで五色台ではマンションの玄関先でも場所を取らないお手頃サイズの門松を作ります。

       まず作る前に門松について知ろう!ということで
             〇☓で答えてみよう。
① 昔は現在のように竹を中心とした飾りではなく、松が主役だった!?
② 飾る松は2種類使う!?
③ 竹を斜めに切る方法「そぎ」は徳川家康から始まった!?
          分かりましたか?答えは後ほど。


「まるー!」「ばつー!」さぁ、答えはどっち!?

全問正解者には不法投棄防止啓発タオルをプレゼント。
自然の中で楽しんでもらうためにもゴミゼロは大切なことです!

そして門松づくりへ。
ノコギリの使い方や注意点を伝えた後、作業室へ移動。
土台となる竹は太さや節の感じもさまざまなので、くじを引いて公平に選んでもらいました。使う竹が決まったら端の節を選んだ人から土台となる竹の切り出し。


力を合わせて大きな竹伐りに挑戦!

竹の節は凹型なので、その部分を切ってしまわないように節から下3㎝、節から上は9㎝位を目安に土台部分を切り出します。
(注;節の部分に穴が開くと水が漏れます)
昨年よりも太い竹を用意したので見栄えも見事ですが、
その分固くて切り出すのも大変!
困っている班に講師や補助スタッフが竹を押さえたり、固くてノコギリが詰まった班の助っ人に付いたり。コツは力任せにノコギリを使わないこと。ノコ刃がグネグネ曲がってしまいます。。。
土台の竹伐り以外の人達は本体の竹を。


      講師:尾崎さんが竹伐りレクチャー

長さは30㎝、35㎝、40㎝の3種類✕2セットで門松1対分です。
本体の竹は切り口が斜めになっていて、まっすぐに切るのさえも難しいのにさらに難易度が上がります。
ただ五色台にはものづくり達人・福西さんが作ってくれた秘密道具があります!
上の写真では見づらいですが、木枠に竹を入れて、切れ目の入った枠にノコ刃を当てて引くと歪むことなくキレイに切れるんです。これだとケガもしにくいし、道具に馴れていない方でも安心です。
斜めに切る時、節をまたいで切ると切り口が笑顔のように見えますよ。
切った竹は水洗いし、汚れを落とします。

ところで門松には関西風と関東風があるって知ってましたか?
関東風は3本の竹を中心に短めの若松を配置し、台座はワラで囲みます。
関西風は3本の竹の後方に長い若松を挿し、台座は竹で囲みます。
竹の配置は↓↓の通り。



五色台では関西風で飾り付けをします。
まずは竹を並べたら輪ゴムで2ヶ所仮留め。


  結び方レクチャー
シュロ縄でとっくり結びをし上下2ヶ所で縛ります。
とっくり結びは横に引くとギュッと締まるので、覚えておくと荷物や郵送物を結ぶ時などなにかしら便利。
3本竹を結べたら土台に入れ、周りの隙間にオアシスを詰めていきます。
これは竹を固定したり、周りに松や梅を挿したり、水分補給の役割です。


長さを調整してバランスよく

大きくすれば見栄えよくいいのでは!と思うかもしれませんが、講師曰くあまり大き過ぎるのも色気がない(上品ではない)ので「ほどほどに」がいいようです。
そう、梅や松も挿す場所が決まっているって知っていましたか?
向かって右;アカマツ(雌松)、赤ナンテン、紅梅、笹
向かって左;クロマツ(雄松)、白ナンテン、白梅、笹
右を女性、左を男性と覚えておくと配置しやすいですよ。


      これで年越し準備完了です!

休暇村スタッフの講師:尾崎さんは、この後は休暇村の門松制作に入るのだそう。大きさはなんと2m60㎝!!背丈よりもかなり大きいです!!
見てみたい方は是非!休暇村讃岐五色台にて飾っていますよー。
門松を飾り始めるのは12月26日~30日の間で29日は「二重苦」という意味もあるので避けて下さい。外すのは地域によって変わりますが、1月7日~11日頃。
手作り門松で年神様をお迎えしましょう!

***************1月の季節のクラフト教室***************
         【正月あそびで楽しもう】
好きな絵を描いたマイ羽子板で羽根つきあそび♫ コマ回しや福笑い、双六も。
お腹が空いたところで香川の郷土雑煮「あん餅雑煮」をいただきます!
日 時 ; 1月14日(月・祝)10:00~13:00
場 所 ; 五色台クラフトハウス
    (五色台ビジターセンター駐車場から木道を徒歩で下りた所)
参加費 ; 200円/人(保険込)+羽子板代300円/枚
持ち物 ; 汚れてもいい暖かい服装・温かい飲み物
    (暖房設備はありません。カイロなど各自寒さ対策を行って下さい)
問合せ ; 五色台ビジターセンター TEL;0877-47-2479
     http://goshikivc.web.fc2.com/

         [クイズの答えは・・・・]
①〇 平安時代には1本松の植木を庭に飾っていました。
   昔は「門」=「庭」だったのだそう。
②〇 上記にも書いている通りクロマツとアカマツの2種類使います。
③〇 徳川家康が「三方ヶ原の戦い」で武田信玄に負けた際、
  「次はこのようにするぞ」と竹(=武田)を斜めに切ったことが最初。

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2012年12月25日いろんな子孫の残し方

瀬戸内海国立公園 高松 大林めぐみ

今年は例年より寒くなり、市内でも雪がチラチラと舞う日が早くもありました。
五色台では、12月半ばにぼた雪の降る日もあったそう。
今年の冬はまた積もりますかねぇ。
五色台も紅葉が終わり、ひっそりと冬を迎え始めています。
寒くなると室内にこもりがちになってきますが、遊歩道を歩くとこの時期ならではの発見もありましたよ。

10月の雑草生け花の時にはエビヅルやノブドウ、ガマズミの実やノコンギクなどの草花が多く見られましたが、さすがに12月半ばになるともうありません。
それでも何かないかなーとキョロキョロと見渡してみると・・・


【イヌビワ】クワ科イチジク属

ありました!割ってみるとイチジクそっくりで、味もまさにイチジク。
そういえばイヌビワって食べると甘かったり、不味かったりするなと。
イヌビワは雌雄異株でリンゴやみかんのように花が咲くのではなく、実の中に花があります。これを花嚢といいます。
「実の中に花があったら受粉ってどうなるの?」って思いません?
この受粉に大きく役立っているのが【イヌビワコバチ】という昆虫。
そのイヌビワとイヌビワコバチの関係はこのようになっています。


雄果嚢の中に産み付けられた卵から幼虫が生まれ、冬の間は子房をエサにすくすくと育ちます。
春~初夏頃には成虫となり、同じ果嚢で育ったオスとメスが交尾します。


交尾後、翅のあるメスは雄果嚢出入り口付近の雄花の花粉を付けながら、別の果嚢へと飛び立ちます。
翅のないオスは飛び立つことができず、雄果嚢の中で息絶えます。
飛び立ったイヌビワコバチのメスはこんな運命を辿ります。
イヌビワは雌花が先に咲き、中間期があった後、雄花が咲きます。


雌果嚢に入ったイヌビワコバチは雌花めがけて向かいますが、上左図のように柱頭が長いのでうまく蜜が吸えません。あせったイヌビワコバチはバタバタと暴れ、その時に躰に付いていた雄花の花粉が一緒に散らされます。これが受粉となり、イチジクのような甘みのある実ができ種子ができます。果嚢の出入り口が塞いでしまえば、受粉の役割を担ったイヌビワコバチは脱出することなくそのまま息絶えます。

雄果嚢に入ったイヌビワコバチは雄花の奥にある「虫えい花」(仮雌花で花粉を持たないので不妊)めがけて蜜を吸いに行きます。この虫えい花の柱頭は短いので、花に留まって蜜を吸うことができます。そして果嚢の中で卵を産み付け、また翌年子どもたちが誕生していくのです。花粉を持たない「虫えい花」は受粉しないため、その実を食べても甘みもなく不味いのです。

イヌビワはイヌビワコバチに花粉を運んでもらうことで受粉でき種子を残していくことができます。
そのイヌビワコバチはイヌビワのために働く代わりに住処とエサを与えてもらい子孫を残していきます。
これを「共生」といい、どちらか一方が途絶えてしまうと、その代わりを担えるものがいない限りもう一方も絶えてしまう運命です。
共生関係を持っているのはイヌビワだけではなく、クマノミとイソギンチャクもそうですね。

他にも子孫を残すといえば、こんな残し方もあります。


           ↓

【テイカカズラの種】キョウチクトウ科テイカカズラ属
テイカカズラは初夏に白い花を咲かせ、10月頃には上写真のような赤い豆のような袋果ができます。それが2つに裂けて中から下写真の様な冠毛の付いた種が飛んで、植生範囲を広げていきます。代表的なものにタンポポがありますね。
タンポポは地面近くに生え丸く綿毛が付いているのでよく目立ちますが、テイカカズラは高い位置に袋果ができ、そして種子が飛んでいくので頻繁に目にすることはありません。見つけたら「やった!!」と思ってよしです。

紅葉が終わると野山は殺風景になり、花や生き物も少なく見応えがないかもしれませんが、よーく見るといろんな発見ができるものです。
また見つけたものを調ることで、今回書いた日記のようにイヌビワコバチの存在に気付いたり、共生の大切さや生物多様性の意味が少し分かったのではないでしょうか。


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