ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

中国四国地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

RSS

瀬戸内海国立公園 高松

256件の記事があります。

2013年06月18日【自然情報】 梅雨に見られるのは・・・何?

瀬戸内海国立公園 高松 大林めぐみ

梅雨の時期に見られる生き物って何でしょう?
カタツムリ?アジサイ?カエル?
五色台に行くと、それだけではない生き物達が見られたので少しご紹介。

前回AR日記にも書いたケムシ達。
毛があるだけで「毒がありそう」「かぶれそう」「見た目が・・・」と思われがちですが、今回はその毛無しVerです。
そう『イモムシ』と呼ばれている生き物。
今回はそんな彼らに注目です。


【ウスタビガ】ヤママユガ科

大崎山園地展望台への遊歩道上にいました。黄緑色の体なのでよく目立ちます。
ウスタビガの幼虫は大きくなるにつれ変化する観察にも面白い昆虫のひとつです。
孵化直後は黒いケムシ→1ヶ月後には黄緑で突起のあるイラガのように変身。
そのまた1ヶ月後に写真のようなイモムシ状になります。
見つけた個体の背中には黒い斑点がありますが、これは寄生痕かもしれないのだそう。斑点がない個体もいます。
夏の終わりに緑色の繭をつくりサナギになり、秋に羽化し成虫となって現れます。
「緑の繭って目立たないの?」
秋になると葉が落ち目立ってしまいますが、その頃には羽化した後。
夏の葉の生い茂る間は逆に保護色となって、野鳥からサナギを守っているのです。
この繭が穀物などを入れる袋「カマス」に似ていることから「ヤマカマス」と呼ばれているようです。
冬に比較的見つけやすい緑の繭は抜け殻ですが、中には繭に卵を産み付けている場合があるので持ち帰らずそっとしておきましょう。

歩いていて、目の前に現れたのが・・・


【イボタガ】イボタガ科

枝にしっかり掴まり葉の裏でどーんといました。
サイドにある目のような紋様がきれいです。
写真は終齢幼虫で、これも若齢から終齢にかけて変化する幼虫。
若齢期は黄緑の体に黒いボーダーで頭とおしりがオレンジ。
また触角のような角が何本もあります。
終齢に近づくにつれオレンジがなくなり、黒いボーダーも薄くなり、角は最後の脱皮を期になくなり写真の状態に。
「動かないからそのままサナギになるのかなぁ」
イボタガは土の中で繭も作らずサナギになるんです。
そしてそのまま夏~秋~冬と越冬し、春に羽化しまた産卵します。
イボタガの成虫は羽根を広げると10㎝にもなり、模様もすっごくキレイ!
簡単に言うと、トラ柄とヒョウ柄を混ぜた某地域のおばちゃん達が着ていそうな服と同じような模様です。
またフクロウを擬態した模様では?ということから英名は「Owl moth(フクロウガ)」です。これも野鳥から身を守る手段ですね。

ビジターセンター周辺遊歩道では


【ツマグロヒョウモン】タテハチョウ科

食草はスミレですが園芸種のパンジーやビオラなども食べます。
葉を食べ尽くすと地を這って移動するので、これも餌探しの旅途中でしょうか。
庭の花壇の葉が丸裸になっていたら、それは幼虫がいたのかもしれません。
幼虫はドクドクしい色合いをしていますが、成虫になるとキレイな豹紋を持つチョウになります。


【ツマグロヒョウモン】(成虫メス)

ツマグロヒョウモンのメスとそっくりなのがカバマダラというチョウ。
カバマダラは幼虫の頃、有毒成分を含むトウワタ(ガガイモ科)を食性としており、成虫もそのまま有毒成分を含んでいるため野鳥など外敵から食べられることはありません。
ツマグロヒョウモンのメスはカバマダラに擬態することで身を守っているのですね。

調べて見ると、それぞれが外敵から守る何かしらの手段を持っていることが分かりました。
そして、キレイなチョウも意外と幼虫の頃は「えっ!」と思うような姿だったり、敬遠しがちなケムシ・イモムシも成長過程がコロコロ変わったり、またキレイな繭を残してくれたり。
どうです?観察してみたくなったでしょう。

さて、今回はイモムシをお送りしましたが、如何でしたか?
やっぱりまだ苦手・・・という方のために梅雨の合間に晴れた五色台からの景色をどうぞ。


【大崎の鼻】見づらいですが、瀬戸大橋もくっきり見渡せます


【休暇村讃岐五色台】夕暮れ時

ページ先頭へ↑

2013年06月13日【体験教室】 スーパー竹とんぼづくり

瀬戸内海国立公園 高松 大林めぐみ

カラッ梅雨の中での体験教室は『スーパー竹とんぼづくり』
何がスーパーかって?
そんじょそこらの竹とんぼとは訳が違います!作ってみてのお楽しみですよ~。

今回の先生は香川県国際竹とんぼ協会 会長 新池保雄さんです。
国際竹とんぼ協会では地区・全国大会もあり、高さや滞空時間、距離を競います。5月の関東大会の記録を見ると・・・高さ41m!!滞空時間15秒という優勝記録が。この大会、見てみたい。。
ビジターセンターで随時受け付けている竹とんぼプログラムは、羽根に色を付けて、火で炙ってひねりを加えるだけですが、今回はナイフ、金ヤスリを使った本格的な竹とんぼです。
子どもは少し手を加えた羽根から、大人は本格的に竹の1節から作ります。

最初にコンパスでヤスリで削る位置の印を入れます。
本格派チームは印すら入れません!いきなりナイフです。


最初に真ん中を金ヤスリで切れ目を入れて
端から穴までの真ん中くらいの位置までですかね。


印を入れた所から真ん中に向かって削ります

真ん中に切れ目の入れたのは、ナイフで削るときに切れ目で刃が止まるように。こうすると力が入りすぎて「削り過ぎたー!!」なんて悲劇も防げます。
竹を手で持つと力も入りづらく、手も危なっかしいのですが、先生が用意してくれた便利道具に竹を挟むとあら不思議と持ちやすい!
羽根の真ん中にくびれが出来たら、羽根の角をペーパーサンドで削り少し丸くします。

そして

羽根の中辺りを金ヤスリで削ります

この時も便利グッズが大活躍!


2つの切れ目は羽根を挟むためのもの。そして釘に羽根を固定するとヤスリでの作業がしやすいのです。
こんな便利グッズは新池さんだったり、国際竹とんぼ協会会員さんだったり自分たちで考案して作成するのだそう。
ものづくりの達人に共通して言えるのは、教えてもらう側がやりやすいように道具を開発してくれるということ。ほんっとスゴイ!

そして、本格派竹とんぼを見ると・・・

作業をしている風景はまさにいぶし銀のようでした

新池先生に重さや羽根の薄さなど細かい所まで教えてもらっていました。
(この中の1人は秋に竹細工教室を開いてくれている坂出竹友会の方です)
作業風景を見ているだけでも楽しかったです。

こちらはいよいよ最終段階。

瓶に竹トンボを乗せて・・・・

水平になれば羽根の重さが均等。どちらかが下になったらもう少し削りましょう。
決まる時は気持ちいいくらいピタッとまっすぐに止まります。
できたら最後の工程


熱で10秒揺らしながら炙って、羽根をぐいーっとひねったまま熱源から出します。やり過ぎると焦げてパキッと折れてしまいますよ~。
右利きなら右を手前に、左利きなら左を手前にひねります。
これは飛ばす時に右手が前に出るなら右利きです。ここで間違えると竹とんぼが自分に向かって飛んでくるので要注意です。
だいたい25°くらいひねりが入ればOK!あとは竹串を接着剤でとめれば完成!


いぶし銀チーム&先生の完成品
できたらもちろん

広場で飛ばせーーー!

竹友会の方の竹とんぼは、「ビュウウゥゥン」とすごい音がして、最初水平にその後一気に上に上がる竹とんぼに仕上がりました。
子ども達も飛ばしましたが、いつも見る竹とんぼとは全然飛び方が違いました。勢いよく飛ぶもの、滑らかに空中に飛んでいくもの、水平や高く飛ぶものなど人それぞれ特徴のある竹とんぼが出来上がりました。


先生が作ったいろんな形の竹とんぼ
その中でも面白そうなものが・・・

すっごい飛びます!羽根を何度も見失いかけました(汗

芯に紐を巻き付けて羽根をセットして、持ち手を一気に引くと飛び出す竹とんぼというより飛び道具(笑)自分が思った方向に飛んでこないのもまた楽しい。
途中小雨が降る中でしたが、大人も子どもも夢中になって遊びました。

最後に先生が小ネタを。
竹に紐を付けたものをボタンホールに取り付けました。
そして

「えいっ」と気合いを入れて長くすると・・・

なぜか全く竹が抜けないという不思議なことが!
知恵の輪の要領なのですが、近くで見ても全く分かりませんでした。。。

今回、本格的な竹とんぼづくりでしたが、途中失敗したり、割れたりしても時間がある限り何個も作っていました。1個目、2個目と作る内にどんどん作業も早くなり、子ども達は家でも作りたいと羽根の部分をもらって帰りました。
自分たちの工夫次第で高くもまっすぐにも飛ぶ竹とんぼは、TVゲームにはない面白さが満載です。
※竹とんぼを飛ばす時は電線がなく、混雑していない広い場所で遊びましょう。

***************6月の出張プログラム***************
     【父の日に贈ろう!メッセージカードづくり】
毎年開催されているホタルと環境を考えようイベントに出張します。
父の日にちなんでメッセージを書いた板に木の実をデコレーション。
日 時:6月16日(日)11:00~15:00
場 所:サンポート高松シンボルタワー1階 デックスガレリア
参加費:200円(保険料込)

ページ先頭へ↑

2013年06月03日浦島の里さんぽ

瀬戸内海国立公園 高松 大林めぐみ

四国も梅雨入りしました。
ジメジメした嫌な季節になりましたが、毎年ダムの水位が気になる香川としては降ってもらわないと困ります!

さて、梅雨入りする一歩前に荘内半島に行ってきました。
(といってもこの日の天気は曇/雨・・・)


香川県西部にある細長く出た半島です

この半島には紫雲出山(しうでやま)があり、4月はサクラの開花、7月には歩道脇のアジサイが満開となり地元の方達や写真家達で賑わいます。
それ以外にも燧灘(ひうちなだ)~塩飽(しわく)諸島まで見渡せる眺望ポイント。紫雲出山には展望地がいくつかあり、それぞれの場所によって見える風景が変わってきます。
「今日は曇りだしなー」と思いつつも。


【駐車場展望地】塩飽諸島を一望

雲の間から陽が入り込む曇天日もこれまたキレイでした。
手前に見えるスクリュー型の島が粟島。
一見3島のように見えますが、3方に阿島山、城山、紫谷山の3つの山があり、特に手前に見える城山からの眺めは360°ビュー!のオススメ展望地のひとつ。

駐車場から10分ほど歩くと山頂展望台はあります。
その展望台からは、愛媛県石鎚山や遠くは広島県~岡山県まで見渡すことができます。意外と近くに感じられるので不思議です。

紫雲出山を下山して、荘内半島先端に向かう「四国のみち」へと行きました。
四国のみちは、荘内半島を横断できる歩道。
(現在、紫雲出山駐車場から少し下りた県道との分岐~乳薬師経由下山ルートは工事中のため通行止めとなっていますのでご注意ください。)

今回は仁老浜(にろはま)から讃岐三崎灯台を目指します。


まるで竜宮城のような建物が

そう。タイトルにもある浦島の里は、ここ荘内半島のことです!
仁老浜は、玉手箱を開けて老翁になった浦島太郎がここ母の里で余生を送ったので「仁義深き老人」としてこの名が付いたそうです。
他にも、浦島太郎が生まれた里「生里(なまり)」、釣り糸を持って通ったとされる「糸の越」、玉手箱を開け老人になった「箱」など浦島太郎を由来とした地域名があるので探してみてくださいね。

そして仁老浜から約2㎞歩いたところに讃岐三崎灯台が。


昭和34年から海域を見守っています

岬からおよそ200m沖には「御幸岩(おごのいし)」と呼ばれる海面から突き出した岩があります。
この周辺は瀬戸内海で最も深く、渦ができるほど潮流の速い海域であり、絶好の鯛の漁場としても知られています。
しかし!灯台から先は急斜面で大変滑りやすく危険です!
安易に行かないようにしてください。

荘内半島は今も自然海岸が多く残る場所。
そんな海を眺めながら、浦島の里を探訪してみませんか。
仁老浜まではバスも運行していますので、車がない・運転できないと言う方にもオススメですよ。


ページ先頭へ↑

2013年05月30日お騒がせしております。今年も大発生です

瀬戸内海国立公園 高松 大林めぐみ

このタイトルを見て「何?」と思われた方。
屋島(特に北嶺)と五色台へ行くとそのタイトルの理由が分かります。

そう。昨年度AR日記でも書いた蛾の幼虫・ケムシが大発生中なのです。
昨年度のAR日記↓↓
http://c-chushikoku.env.go.jp/blog/setonaikai/a-takamatsu/index_2.html
(2012年6月21日付け)

昨年から目立ち始めたこのケムシたち。
引き続き、屋島ではマイマイガ、五色台ではクワゴマダラヒトリと今年から目立って増えたマイマイガの2種類の蛾の幼虫が一際存在感を放っています。


屋島に多い【マイマイガ】

マイマイガは卵塊で越冬し5月上旬~孵化します。
その後、5回脱皮し終齢(6齢)幼虫-さなぎ-7月頃~成虫となります。
写真のマイマイガは大きさから5齢~終齢幼虫だと思います。
この位大きくなると看板など人工物や樹木の幹のくぼみ、下草にいますが、若齢幼虫(~4齢幼虫)は少し「お騒がせ」するような過ごし方で大きくなります。
その過ごし方とは・・・?
孵化後、幼虫たちは生まれた場所から分散して食草を求めるため糸を吐き、高い枝からぶら下がって移動を繰り返します。
移動する若齢幼虫の体長は約1~2㎝程度のため、気付いた時には目の前なんてことも。
ケムシということ、暖簾のように何匹もぶら下がっているので、特に虫が苦手な方には嫌な印象を受けているようです。。。

そして五色台の下草には・・・

【クワゴマダラヒトリ】
これも今の時期大発生中です。
広葉樹などの葉を集団で網目状に食べ尽くすのが特徴のひとつ。
こちらはぶら下がることはなく、主に下草や人工物にくっついていることが多いです。
クワゴマダラヒトリもマイマイガと同じく年1回の発生です。
越冬した6齢幼虫は3月下旬~暖かい日に越冬場所から離れ単独生活し、3回脱皮し9齢を迎えサナギ-7月中旬頃~成虫となります。
成虫は8月下旬~9月中旬にクワやアカメガシワなどの葉裏に1000~2000個の卵を平板状に重ねて産み、その上に淡黄褐色の綿状分泌物で覆います。
そして10日後には孵化し、3齢幼虫までは葉上に糸を吐いてテント状の巣網を作り集団生活。発育する度に巣網は大きくなります。
4齢幼虫以降は数百頭単位に分散し、11月下旬には6齢幼虫(孵化後5回脱皮)となり、数十頭単位で越冬します。

「ケムシの毛に毒はないの?」
マイマイガは1齢幼虫(孵化して約2週間後に1回目の脱皮→2齢幼虫)のみ毒針毛がありますが、2齢幼虫後はなくなります。
クワゴマダラヒトリは毒針毛無しです。


【屋島北嶺出入り口付近設置中】

ケムシの発生時期は毎年5~6月下旬まで。その後はサナギ→成虫になります。
マイマイガは成虫になっても何も食べず、ただ子孫を残すのみで約10日の命を終えるそうです。卵塊の近くに白い羽根の蛾がいれば、それは卵を産んだ後、短い生涯を終えた雌のマイマイガ。

そして、この大発生は今後ずっと続くわけではありません。
これらは8~11年周期で大発生する昆虫のひとつで、やがて終焉を迎えます。ただ1年で終焉を迎える場合もありますし、4年ほど続く場合もあるようです。
樹木や農作物への甚大な被害が起きれば何らかの処置を施す地域もあるようですが、自然公園としては大きな被害が出ない限り自然の流れに任せるしかありません。
これも生態系のひとつとして。

苦手な方は「駆除して欲しい」と言う方もいらっしゃるかと思いますが、6月下旬までの間は対策を施して利用して頂ければ有り難いです。
よく見るとケムシもカワイイ顔をしていたり、キレイな斑紋が付いていたり、また1年を通して完全変態する昆虫なので観察しても面白いと思いますよ。


【5月中旬の屋島・北嶺広場のようす】

ページ先頭へ↑

2013年05月14日【体験教室】 柏餅とよもぎ団子づくり

瀬戸内海国立公園 高松 大林めぐみ

過ぎてしましましたが、端午の節句に食べるのは、そう、柏餅!
今月は旬を味わうお菓子づくり。もちろん材料も採りに行きますよー。

材料となるヨモギには、漢字が幾通りかあります。
よく使われる「蓬」の他に四方に生えることから「四方草」、よく萌え出ることから「善萌草」、またお灸に使うとよく燃えることから「善燃草」とも書かれていたようです。
漢字だけでなく用途もさまざま。
食用として天ぷらやお菓子の材料、お茶にしたり、浴槽に入れて薬草風呂。
斜面の土流れ止めの役割として緑化に使われたり、ケガや病気の生薬として使われたりと、昔から人が身近に利用してきた野草のひとつ。

そして今回作る柏餅で使うのは、サルトリイバラ。
「えっ?柏の木の葉じゃないの?」香川では柏の葉が手に入りにくかったため、その代用品としてサルトリイバラの葉を包んで使ってきました。
私の世代では柏の葉が主でしたが、少し年配の方になるとこのサルトリイバラが主流だったそうです。
では、そのサルトリイバラ。その語源は?
「猿」「捕り」「イバラ」その名通り、猿を追いやって捕まえるためのツルなんだそうです。
少しの知識を入れると、今後の作業中に「納得!」と頷ける時があるんです。

さぁ、お餅を入れる竹の器を作ったらヨモギとサルトリイバラ採りへGO!


どれが食べやすいかな~。

なるべく若く柔らかそうなものを選んで採ります。
サルトリイバラはツル状でトゲがあるので注意しながら採取。
参加者からは「サルトリイバラって根元の方がトゲが大きいんですねぇ」と。
「あ!ほんとですね!」普段歩いて見ている私たちの方が返って細かいところまで意識していないんだなぁと気付かされます。

ザルにいっぱいのヨモギ、お餅の数だけ必要なサルトリイバラの葉を持って帰ると、早速調理に取りかかります。



茎や枯れた所は除いて仕分けです。
そしてよーく洗って、サルトリイバラはザルにあげて出番までそのまま。
ヨモギは沸騰した湯の中に重曹と一緒に入れて湯がきます。重曹はアク取りの役割です。
柔らかくなったら水にさらして絞って、細かく切り刻みます。
そして、すり鉢でゴリゴリ。


  徐々にコツをつかんできました

その間に上新粉に湯を入れて練っていきます。
ツルッとモチモチした感触になったところにヨモギ投入し、さらに万遍なく練ります。よく混ざったら丸く成形します。


      茹でる前のよもぎ団子

通常お店で売られているのは全体が緑になっていますが、五色台では白地と緑の2色もようの団子です。あとは茹でたら完成です。
次に柏餅づくり。
餅だから臼と杵でつくの?と思いきや、通常食べられている柏餅もお正月に食べるお餅とは少し違いますよね?
使うのは団子と同じ上新粉。
これをマッシャー(押しつぶす時に使う調理器具)を使って練っていきます。


粘りが強いので結構な力仕事!・・・でも楽しそう☆

ツルツルに練られたら、ラップにサルトリイバラ、その上に餅を拡げて真ん中にあんこをのせて、丸ーく成形。
餅が手にくっついたりと、あんこがはみ出したりとなかなかうまく丸まりません。

悪戦苦闘の末、できたー!蒸す前は葉もまだ緑。

それを蒸していくと、よもぎ団子もそろそろ茹であがり。
こちらはきな粉をかけていただきましょう。


  竹の器に盛ったら完成です!

口いっぱいに頬張りながら「おいし~♪」

よもぎやサルトリイバラは蒸すとい~い香りがします。
一緒にいただくのはヒサカキ茶。独特の香りですが、飲むとスッキリした味わい。
年配の参加者は柏餅を食べて「これが私たちの時代の柏餅よ~」と嬉しくまた懐かしそうでした。
「まだお餅ある~?おかわりしたーい!」
と、子ども達にも大好評。(・・・晩ご飯食べられる?)
残った柏餅やよもぎ団子は、家族へのお土産として持ち帰ってもらいました。
スーパーなどで売られているスナック菓子やチョコレートではなく、旬のものを使った昔ならではのお菓子をいただくことは、その季節を味わうだけでなく、世代間コミュニケーションツールのひとつでもあるんだなと感じました。

***************6月の五色台体験教室***************
        『スーパー竹とんぼづくり』
香川県国際竹とんぼ協会会長さんに教わりながら、ナイフとヤスリを使って
屋根まで届く本格的な竹とんぼづくりに挑戦!
日 時 : 6月9日(日)13:00~16:00
場 所 : 五色台クラフトハウス
    (ビジターセンター前駐車場から木道を下りてきて下さい)
参加費 : 300円/人(保険料込)
持ち物 : 動きやすく汚れてもいい服装、飲み物等

ページ先頭へ↑

2013年05月10日【体験教室】 春の自然観察会

瀬戸内海国立公園 高松 大林めぐみ

報告が遅くなりましたが、ゴールデンウィーク前半最終日に
春の自然観察会を行いました。
特に観察対象は決めずに、その時見つけた生き物や植物を見ていこうというもの。
子ども達は網を手にして準備万端! さぁ何が見つかるのでしょうか?

クラフトハウスを出て、まずは魚の池を目指します。
池の周りにはトンボが数匹飛んでいました。
網で捕まえると、まだ色付きも薄く、羽根も柔らかい。
羽化したばかりのようでした。

【フタスジサナエ】もう少しすると翅の斑紋も現れます

まだ柔らかい羽根をそっとつまんで、近くでトンボの色や形を凝視していた子ども達。
そして近くには初めて見る羽化殻も。
羽化殻を見ると羽根が付く前のトンボがどんな形だったのか見ることができますね。池を覗くと幼虫(ヤゴ)だって見られます。
トンボの生息地・水辺の近くでは、トンボがどのような成長過程を辿るのかがより分かりやすいですね。
トンボの幼虫は水の中。そうなると興味は池の中。
ただ歩道側は急斜面のため、覗くには少し遠い・・・。
ということで、インタープリター(以下IP)と有志とで池の奥側で生き物を採取。
待っている小さな子は、何かな何かなとワクワク。
持って帰ってきた水槽にはメダカがいました。
しかし!最近、メダカを装った違う魚がいることはご存知ですか?
その名は「カダヤシ」外来生物です。 その違いをじっくりと観察です。


「水槽の中にいるのはどっち!?」

魚の池にいるのはメダカでした。
違いはどこで見るかというと・・・


子ども達はパネルと見比べながら、「これはメダカ!」 正解です!
実は魚の池も元々メダカがいたわけではなく、誰かが放したのではないかとのこと。
自然に返した方がいいと思ってしたことなのでしょうが、代えってその場所の生態系を崩すことになるかもしれません。
飼育している生き物は責任を持って最後まで面倒みましょう。

休暇村へと向かう途中ではダンゴムシやカメムシ、チョウや小さなアリを見つける度に大はしゃぎでなかなか前に進みません(笑)
そんな中ダンゴムシを見て、「これはオスでこっちはメス」という男の子が!
「えっ!違いって何?」と聞くと
「黒光りしてるのがオスで、メスは色が薄くて点々がある」という答えが。
後でIPと調べると「おぉ~」その通りでした。探求心に脱帽です。

その男の子の手には次の生き物が。

【カメノコテントウ】

よく見るナナホシテントウではない、大きなテントウムシ。
模様もなんだか悪役プロレスラーのよう。

みんな目が慣れ、動くものに敏感に反応するようになってきました。
在来タンポポと外来タンポポの見分け方が分かると、みんなすぐ花をめくって総苞の向きを見たりと「見る対象」が変わってきました。
五色台では小さな生き物だけでなく、少し大きな生き物が見られることも。
それは野ウサギ。さぁ、野ウサギが来ていたことが分かる証拠探しです。


証拠は糞。探したら、目印旗を立ててね。

「あったー!」「ここもー!」あっという間に30本あった旗はなくなり、よくよく見てみると、かたまってあったり、数個だけだったり。
それは落ち着いて用を足したかどうかの違い。
場所も少し窪地だったりと、自分たちがするなら?と考えると生き物が落ち着く場所も人と同じなんでしょうね。

そして観察会終盤では違う感覚を使って体験。


  くんくん 「何の匂い?」

通称:石橋と呼ばれている沢ではコクサギを揉んで匂いを嗅いだり、耳を澄ませて野鳥の声を聞いたり。
どこか一つの感覚を使う時は、他の感覚を閉じると、より敏感に感じられます。
脳に入る情報のほとんどは視覚から入るもの。
その目を閉じるだけで、耳や鼻の感覚はより研ぎ澄まされるのです。

今回、山あり谷あり、猪掘り跡ボコボコ道ありとかなりの距離を歩きましたが、みなさんよく頑張りました!
これをきっかけに、いろんなものを見つけてみてくださいね!

ページ先頭へ↑

2013年04月26日【鳴門】 施設リニューアル!

瀬戸内海国立公園 高松 大林めぐみ

四国と本州を繋ぐ大架橋のひとつ、鳴門大橋。
そのたもと・鳴門は瀬戸内海国立公園に指定されています。
鳴門海峡では満潮と干潮時に見られる大きな渦潮、鳴門公園にはそれを望む展望地が数あり、多くの観光客で賑わう四国の玄関口にもなっています。

その鳴門公園第一駐車場にあった公衆トイレがこの度新しくなりました!


 ↑↑既存トイレ撤去中(2012年11月頃)

 ↑↑生まれ変わった外観

 ↑↑中もこのように変わりました

こちらは4月25日より運用開始です。
以前はトイレ出入り口前に階段がありましたがそれもなくなり、ベビーシートなど設備機能も一新されました。
また天井には天窓が付いており、優しい自然光が入るようになっています。
以前は少し薄暗い印象がありましたが、自然光と感知LEDで明るくなったので小さなお子さんも臆することなく入ることができるのではないでしょうか。
鳴門に遊びに来られた方はこの新しいトイレ、また写真はありませんが第一駐車場、渦の道前、大鳴門橋架橋記念館エディ前に新しく四阿(あずまや)をご利用して頂き、鳴門を満喫していただければと思います。


そして鳴門といえば海峡を望む展望地ですが、この日は生憎というか台風並みの暴風!
渦を眺める施設「渦の道」も暴風で閉鎖、もちろん展望台からは一切何も見えず、油断すると足を取られてしまうくらいでした。。。
そして外海と内海の玄関・鳴門の海はといえば・・・


いつもの海ではなく、演歌の似合う荒々しい波に・・・

※いつもと違う海の様子にテンションが上がる方がいますが、荒れた海には近づかないようにしてください!
鳴門は潮流が早く危険です!

ページ先頭へ↑

2013年04月18日【体験教室】The 野草試食会!

瀬戸内海国立公園 高松 大林めぐみ

今までクラフト体験をメインとしてきた毎月1回の季節のクラフト教室が今年度よりリニューアル。体験幅を拡げる意味で「体験教室」と名前が変わりました。

今年度最初の体験教室は『The 野草試食会!』
春になると山菜採りやタケノコ掘りに出かけたことはありませんか?
ワラビやゼンマイ、ツクシ、早春にはフキノトウなど。
いえいえ、今回はそんなメジャーな山菜ではなく、もっと身近な野草です。
一体何を採るのだろう? そんな疑問をよそに散策開始です!

遊歩道沿いには雑草と呼ばれるよく見かける野草が。
今日、調理するのはこのカラスノエンドウやハコベ、イタドリなどです。
講師からは、不用意に毛虫に触らないよう注意すること、また来年も伸びてきてもらいたいので根からは抜かないことなど教えてもらいました。



最初は「食べられるの?」と声には出さないものの少し不安気でしたが、取り始めると、「これは何?食べられるの?」などスタッフにどんどん質問。




ここで注意!実は上の写真の中で食べてはいけないものがあります。
・・・それはホトケノザです。
「でも春の七草にホトケノザってあるんじゃ?」
春の七草のホトケノザは、コオニタビラコを指しその別名なのです。
写真のホトケノザは有毒で別名サンガイソウと呼ばれています。
なんだかややこしいですよね。ですが、きっちりと覚えておきましょう!



遊歩道の中では、早春に花を付けるミツマタやイノシシの通り道と食痕、野鳥の鳴き声などいろいろなものも観察できました。

そしてクラフトハウスに戻ると、採ってきた野草を種類別に仕分けて、よく洗い下準備をします。


慣れた手つきでどんどん進みます
タケノコやタラノメ、フキノトウ、ユキノシタなどはあらかじめスタッフが採っていたものを使います。秋の栗もそうですが、イノシシと人との争奪戦なのです。


こちらは天ぷらの準備
天ぷらは低温でじっくり揚げて水分を飛ばすのがコツなんだとか。
葉ものは高温で揚げてしまうと焦げてしまうので要注意ですよ。
火の通りを確認するために、チョイと味見すると「おいし~い」と一言。
完成が楽しみです。

さて、こちらは何の準備? 答えは後ほど。

モクモクと煙の中、葉っぱを炙っていますが・・・

そして完成です!外にテーブルを出して、みんなで

いただきまーす!何から食べようかなー。

採ってきたものを調理したので、食べる楽しみも一入。
本日のメニューはこのようになりました↓↓





他にもスギナ(ツクシが大きくなったもの)やタンポポ、スイバ、ワラビ少々などを天ぷらにして食べました。
普段野菜を食べない子どもも、野草なら珍しがって食べてくれるんじゃ?と思ったほど、子どもも大人も完食!
お口直しにお手製わらび餅も大好評で、おかわりする方も!
では、子ども達が炙っていたものは何に・・・?


ヒサカキ茶です!
ヒサカキの葉を炙って、煮出したものがお茶になるのです。
独特の風味や香りがありますが、これも美味しいと好評でおかわりしていました。私も2~3杯頂いてしまいました。

雑草と呼ばれるものも食べてみると意外と美味しく、また新芽は春ならではの旬のもの。また食べられるもの、有毒のものを知っておくと何かあった時に役立つかも知れませんね。
これをきっかけに道ばたや畦道の雑草を見る目が変わるのでは。

***************5月の体験教室のお知らせ***************
        【かしわ餅とよもぎ団子づくり】
五色台で採れるヨモギとサルトリイバラを使って、練ったり蒸したりと
2種類のお菓子づくりに挑戦!ヒサカキ茶も作ります!
日 時 : 5月11日(土)13:00~16:30
場 所 : 五色台ビジターセンター下にあるクラフトハウス
     (駐車場はビジターセンター前をご利用下さい)
参加費 : 300円/人(保険料込み)
持ち物 : 汚れてもいい服装、飲み物

ページ先頭へ↑

2013年03月27日季節のクラフト教室 【野鳥観察&巣箱づくり】

瀬戸内海国立公園 高松 大林めぐみ

今年度最後の季節のクラフト教室は、鳥の巣箱づくりとバードウォッチング。
野鳥といえば自然の多い森や里山に行かなければいないと思われがちですが、
実は自宅の周りにも野鳥はいます。
スズメやカラスだって野鳥です。
今回は巣箱を作って野鳥の巣作りを知ったり、スコープを使って野鳥をじっくり観察します。
お手伝いいただけるのは「香川の野鳥を守る会」会員さんたち。

まずは巣箱づくり。
あらかじめカットしておいた板材にネジが入りやすいよう電動ドリルで穴を開けます。
板によっては芯の部分が固く、ネジが曲がって入ってしまうことも。


こちらのお二人は慣れたようす

ドライバーを使って1つ1つ確実に締めていきます。
壁となる部分を接続して、背板、底板、屋根に丁番を順に取り付けていきます。


工具の使い方にも余裕が出てきました

野鳥たちが子育てしやすいよう、板の反りはどっちがいいか、雨水が溜まらないように底板に排水孔を付けたりといろいろ工夫がされています。
最後に侵入されないよう、屋根(蓋)に鍵の代わりのハリガネを巻き付けたら完成です!

完成した巣箱は、五色台ではなく自宅の庭などに取り付けてもらいます。
野鳥観察へと出発する前に、目の前をカラスが通過・・・。
「あれはハシボソガラス。今餌を捕ったばかりで喉の辺りが膨らんでいたね。だから鳴かなかったんだよ」と野鳥の会:曽根さん。
みんな( ̄□ ̄;)!!と驚愕の顔。。。
初っぱなから驚きの観察力で始まり、遊歩道に付けてあるフクロウの巣箱を見に行きます。インタープリター(以下:IP)によると、夜にフクロウの鳴き声はしますが、まだ繁殖地としては認識していないようとのこと。


赤丸の所には・・・
野鳥の会会員がスコープで確認すると巣穴の周りにササクレがあるので、もしかしたら見に来ているかもしれないと期待の声が。

遊歩道内には、地元団体が体験の一環として取り付けた巣箱があります。
それを元に参加者からはさまざまな質問が。



・高さや巣箱間の位置は?どんな場所がいいの?
 →約2.5mの高さで、なわばり意識を考慮して巣箱間は20mは離して下さい。
  また人気がなく、蛇が伝って来られる枝が伸びていない所を選んでください。
・巣箱に色を付けてもいいの?ペンキの匂いは大丈夫?
 →野鳥は人間と同等もしくはそれ以上に色の識別ができます。
  塗装しても野鳥にとっては関係ないので大丈夫です。
  ただし内側は塗料の匂いがこもるので止めた方がいいですね。
・巣箱に餌台や止まり木があったほうがいい?
 →止まり木があれば野鳥が巣箱の中を確認できますが、なくても問題なし。
  よく撒き餌をして誘う人がいますが、他の野鳥も寄ってくるので逆効果。
  餌を取ることと繁殖は別物で、特に繁殖期は動物性の餌を取ることが
  多いので効果なしです。
また自宅の庭に取り付ける時はカーテンがある窓越し、観察する時はカーテンの隙間からそっと覗くようにするといいのだそう。
自分たちがどんな所だと安心して子育てできるか想像しながら取り付けると
必然と適した場所を見つけられると思います。

林と通り抜け、視界の開けたキャンプ場で観察。



左:シジュウカラ 右:スズメ
他にもメジロやカワラヒワ、ツグミ、ジョウビタキなど見られました。
野鳥の会会員がスコープ照準を合わせてくれ、参加者は代わりばんこに覗いていくと、いつもは小さくて体の色や顔が見えなかったのがはっきりと分かります。「目がカワイイ~」「羽根に模様がある」などいろんな発見ができたようでした。
みなさんの楽しそうな様子を写真におさめていると「あっ!足下!」
下を見ると・・・


かなりの羽根が散らかっていました
どうやらシロハラが猛禽類に捕食された跡のよう。


さっそくみんなにレクチャー

猛禽類は、羽根を全部むしり取ってから柔らかい腹部から内臓を食べ、その後は丸呑みするのだそう。参加者たちは少し引き気味でしたが、
「捕食跡があるということは食物連鎖がきちんとできているということ。自然界の成り立ちができて、また近くにタカ類がいるって分かるんです」と。
また落ちている羽根から、どの部分の羽根が分かるのだそうです。
守る会会員さんの知識、観察力には驚きっぱなしです。

今から聞こえるさえずりは、野鳥たちにとって求婚の歌。
そろそろ春も本番。
暖かくなってきた外で鳥たちの歌声に耳をすませてみましょう。

ページ先頭へ↑

2013年03月26日屋島を歩こう!知ろう!きれいにしよう!

瀬戸内海国立公園 高松 大林めぐみ

「3月16日」何の日かご存知ですか?
これは昭和9年に阿蘇、霧島、瀬戸内海が日本で最初に国立公園に指定された日です。
この日を記念して、香川県と高松市主催で屋島ウォークイベントが開催されました。
この日の一般参加者はなんと100名以上!
また土曜日とあって親子連れも見られました。

まずは集合場所にて念入りに準備体操して、班ごとに出発です!
今回も浦生(うろ)と呼ばれる地区から山上へと続く登山道を登ります。
この登山道は麓の住宅地を抜けて登山口が現れるので、あまり知られていないようです。この日、初めて知った方も多かったのではないでしょうか。


   舗装道とは違った感覚で新鮮です

少し急だったり、石を伝って登ったりと子供達にとっては少し冒険のよう。
そんな登山道ですが、その昔、ここは山上とつなぐ生活道だったそうです。
ここを登り下りして、必要生活品など運んでいたんだと想像すると・・・
毎日の苦労の様子が想像できます。
また脇には屋嶋城城壁跡がみられるので、歴史好きにも興味深い登山道です。

南嶺山上に出ると、桃太郎茶屋前の展望広場で少し休憩。
少し霞みがかっていましたが、女木島~男木島、そして高松市街地を一望できます。
ここからケーブルカー山上駅への途中に、古代山城「屋嶋城(やしまのき)」城門修復地があります。
ここは普段、一般の人の立入を禁止していますが、今回は屋島の歴史を知ってもらおうということで担当者に解説してもらいながら見ることができました。


高松市文化財課:渡邊さんによる解説

修復された城門跡をよーく見ると・・・



茶色の石と青っぽい黒石が見えますよね?
茶色の石が屋島から出土した石で、青っぽい黒石は坂出などから新しく運んできた石なのだそう。
これらを使って出土した石を元の位置(番号が振られています)へ、足りない部分や割れて使えない部分には新しい石を当て込んでいきます。出土したけど小さくて使用できなかった石は、城門上に積み上げているそうです。
また構造から朝鮮半島の様式が入っていることが分かったのだそうです。

ここを出て南嶺山上最南端・冠ヶ嶽~三角点~北嶺へと進みます。
歩道脇にはヤブツバキが咲き、目も楽しませてくれます。
お昼休憩後は香川県里山ボランティアガイド組合顧問・林さんによる屋島の成り立ちについて解説いただきました。
学校では教えてくれない屋島の深いお話を聞くことができました。


固くなく、笑いのあるお話は人気です

林内の遊歩道を抜け、北嶺山上最北端・遊鶴亭で瀬戸内海を眺めます。
国立公園に指定された備讃瀬戸の多島美景観を望む、ARも一押しの展望地です。
そしてここから長崎の鼻へと下りる遊歩道が難所。
急勾配あり、岩場あり、滑りやすい場所ありです。



長崎の鼻までの道中には、凝灰岩石切場跡の洞窟や鯨が流れ着いたとされる鯨大明神などの遺跡も見られます。
香川には石切場が多くあり、そこの石は今どこで使われているのだろうといろいろ想像させてくれます。

そして、長崎の鼻に到着。受付でもらった軍手を手にしビーチクリーン。


ここは潮の流れと海風の影響でゴミが流れ着きやすい場所。
可燃・不燃に分け、大きな発泡スチロールから小さな吸い殻まで拾います。
小さな女の子はゴミ拾いに夢中になったのか、いつまでたっても見つけては拾い上げてくれました。

そして、地元・元気YASHIMAを創ろう会の温かい飴湯のお接待。
ショウガとちょうどいい甘さが疲れを吹き飛ばしてくれます。
地元の協力があってこそこの行事が成り立っているのだなと、つくづく感じました。
参加者の方も「屋島を十分満喫できる日!」と満足して頂けたようです。
舗装されたコースではなく、しっかり屋島を感じ取れる歩道を歩き、また史跡探訪、清掃と盛りだくさんの行事でした!


2週間前にもクリーン作戦をしましたが、まだこんなにも残っていました。
みなさん、ありがとうございました!

ページ先頭へ↑

ページ先頭へ