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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

瀬戸内海国立公園の自然3「厳島 ルイスハンミョウ」

2017年06月28日
広島

晴れた日には気温が30度を超えるようになってきて、日差しが痛く感じられるようになってきました。

海遊びを恋しく思いながら厳島の砂浜を歩いていると、何やら小さな生き物が道案内するように、私の数歩先を飛んでいきます。

今回ご紹介する瀬戸内海国立公園の自然は「ルイスハンミョウ」です。

海辺でデートするルイスハンミョウのカップル

体の大きさは2cmに満たない程度で、背中にはクリーム色と光沢のある緑~黒色の模様、頭には大きなアゴがあります。この特徴的な模様と立派なアゴから、ハンミョウは漢字で「斑猫」と書かれ、英語では「タイガービートル」と呼ばれています。どうやら日本でも海外でも、ネコのような印象を抱かれているようです。

ルイスハンミョウは西日本の海浜に広く分布していますが、最近は生息地である砂浜の環境が破壊されて、その数が著しく減少しています。そのため、環境省はレッドリストで、このムシを絶滅危惧IB(EN)類(近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの)としています。

日本各地の海浜の自然が失われる中、厳島は島全体がご神体とされていて護岸整備などがされず、自然のままの砂浜が多く残されています。自然豊かな砂浜を必要とするルイスハンミョウにとって、厳島はまさにオアシスのような場所なのかもしれません。

瀬戸内海の白砂青松の景色の中には、たくさんの生き物が暮らしています。

この夏、海水浴に出かけた際には、ぜひ足下を見てみて下さい。きっとおもしろい発見があるはずです。