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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

瀬戸内海国立公園の自然1「厳島 弥山のタゴガエル」

2017年05月29日
広島

はじめまして。4月から広島事務所のアクティブ・レンジャーに就きました川原と申します。当アクティブ・レンジャー日記をとおして、『瀬戸内海国立公園の自然』をテーマに、生き物や景観などを皆さんにご紹介したいと思います。

さて、すっかり気温が高くなって、いよいよ梅雨の足音も聞こえてきそうな時期になりました。今月の初めの大型連休には、瀬戸内海国立公園のひとつ「厳島 弥山」にも多くの方が訪れて下さいました。

少し時期は過ぎてしまいましたが、春先の弥山では、川やしみ出しから「グー、グー」と不思議な鳴き声が聞こえてきます。声は聞こえども、その姿は見えず・・・。登山を楽しんでいる方々もこの声に気付いて、その出所を探しているようでした。が、やはり見つからない様子。

それもそのはずで、鳴き声の主はこの「タゴガエル」というカエルで、オスがメスを呼ぶために、伏流に潜って鳴いています。

※写真のカエルはメスなので鳴きません。お腹の中に卵が入っているのが見えますね。

タゴガエルは、本州・四国・九州の山でふつうに見られるカエルですが、瀬戸内海の島で見つかるのは稀なようです。このカエルはしみ出し等に潜って卵を産むので、山に豊かな水がないと生きていけません。弥山の原生林は、そんな彼らにとって、居心地が良かったのでしょう。

厳島を訪れた際には、弥山の豊かな自然を、目でも耳でも楽しんでみて下さい。