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アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

中国四国地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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瀬戸内海国立公園 広島

182件の記事があります。

2010年06月18日★AR写真展広島会場のご案内★

瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵

今年は例年より1週間遅れだそうですが、
広島も梅雨入りしました。
しばらく雨が続きそうですが、
今日の天気予報だと明日は雲。
宮島PVの皆さんが企画している公募観察会が明日開催予定です。
どうか明日は雨が降りませんように!

さて、AR日記でも何度かお伝えしていますが、
香川、高知、愛媛会場での開催を経て、
AR写真展が広島会場で始まりました!!
大山隠岐、瀬戸内海、足摺宇和海国立公園の自然美あふれる風景や
各地で行われている自然保護の取り組みなどの活動が展示されています。
瀬戸内で生まれ育った私も
太平洋側や山陰側とこんなに違う自然があるのかと驚きました。
広島会場大久野島ビジターセンターでは
7/11(日)まで開催されています。
広島会場では巡回展に含まれない写真5点も展示しています。
観光の拠点となっている宮島市街地では見られない自然や
広島の島々が作り出す多島海風景是非をご覧ください。

*他会場の情報*
【高松会場】(終了) http://c-chushikoku.env.go.jp/blog/2010/03/603.html
【高知会場】(終了) http://c-chushikoku.env.go.jp/blog/2010/04/630.html
【愛媛会場】(終了) http://c-chushikoku.env.go.jp/blog/2010/05/637.html
【鳥取会場】 7月22日(木)~8月16日(月)  大山参道ギャラリー
【島根会場】 8月20日(金)~9月14日(火)  三瓶自然館サヒメル


[展示会場入口]

[35点の写真が展示されています]

[各事務所の取り組みや生物多様性についての紹介パネルも展示しています]

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2010年06月04日★宮島パークボランティア設立10周年記念写真展開催★

瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵

肌寒い日も終わりを迎え、
やっと暖かくなってきました。
しかし、カラリとした日もいつまで続くのやら、
今年ももう梅雨入りの季節です。


さて、4月にご報告しましたが、
宮島パークボランティアの会(以下PV)は
今年6月で設立10周年を迎えました!
10周年を記念し、6月3日~8日の1週間、
宮島島内にあるぎゃらりぃ宮郷で写真展を開催する運びとなりました。
「PVが選ぶ新宮島八景※」や「宮島の植物」とともに、
PVの10年間の活動が紹介されています。
※「宮島八景」は300年前に光明院の僧侶たちによって、
「大元櫻花」や「有浦客舩」など八カ所が選ばれました。

みなさんの知らないところで、
宮島の美化清掃や環境整備、
自然保護の普及啓発活動、
また国立公園の利用者指導など多岐に渡り、
日々活動してこられました。
その一部をご覧いただければと思います。

場所は町家通りにあるぎゃらりぃ宮郷で、
10~17時(5日は13時から、8日は15時まで)に
ご覧いただけます。
期間中はPV会員の方も常駐されています。
活動内容や宮島についてなどご質問があれば、
是非お訊ねください!

ぎゃらりぃ宮郷さんのHPにも掲載されています↓↓↓
http://ww4.tiki.ne.jp/~miyazato/



[ぎゃらりぃ宮郷:町家通りの五重塔近く。カフェもやってます。]


[搬入作業風景]


[桟橋に設置された消毒マット]余談ですが、宮島でもシカへの口蹄疫対策が始まりました!

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2010年06月01日モリアオガエルの産卵

瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵

先日、広島県廿日市市にあるおおの自然観察の森に行ってきました。
自然観察の森は全国に10カ所あります。
その1カ所が広島の廿日市市にあるってご存じでしたか?
ここへの公共交通手段はなく、
大野ICを下りて速谷神社を過ぎると
北へ約10キロ、細いぐねぐね道を上っていきます。

ここで最も有名なのが、
広島県指定天然記念物のベニマンサクです!
このかわいらしい丸い葉のベニマンサク、
実は広島ではこの周辺でしか見ることができません。
全国的にも長野や岐阜、高知の一部でなど、
なぜか飛び地的に自生しているとても変わった植物なのです。
紅葉は10月上旬に始まり見頃を迎えますが、
新緑もなかなかのものでした。

[県指定天然記念物ベニマンサク]

そして、この時期に見られるお宝、
モリアオガエルの産卵が確認されました!
田んぼやため池などにかかる樹木の上に産卵をし、
おたまじゃくしになると木から落ちて水で生活できるという訳です。
野球ボール大の泡状の卵塊があちらこちらで
ベニマンサクに産み付けられていました。
樹木に卵塊を産み付けるカエルも非常に珍しいですが、
ベニマンサク+モリアオガエルの組み合わせも
ほかではなかなか見ることはできないのではないでしょうか。

ですが近年、
彼らの繁殖地である田んぼやため池などが減少し、
モリアオガエルは減少の一途を辿っています。
今ある限られた環境を少しでも残していきたいですね。



[ベニマンサクに産み付けられたモリアオガエルの卵塊]

[何個見つけられるでしょうか?]

[モリアオガエル:本来は黄緑色ですが、他カエル同様変色します]

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2010年05月19日仙酔島海岸線歩道開通式

瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵

大変ご報告が遅くなってしましましたが、
先月9日、福山市鞆の浦沖合にある仙酔島の海岸線歩道が
6年ぶりに開通しました!

2004年の台風で大打撃を受け、
海岸線歩道一帯が崩壊したため、通行止めとなっていました。
当日、開通式を実施。
今後事故などがないよう、安全祈願をしました。

[安全祈願祭]

田ノ浦~彦浦の海岸線歩道は
世界的にも珍しい五色岩や県指定天然記念物仙酔層などを見ることができます。
(私は三色くらいしか見つけられないのですが・・)
また、彦浦の先には島の最南端烏ノ口岬に続く遊歩道があります。
この遊歩道の入り口も崩壊していましたが、同時に開通!
外洋に面した岬では朝日、夕日を臨む絶景スポットとなっています。

今まで山側の遊歩道のみで
仙酔島の見所が半分となっていましたが、
これから行楽シーズンです。
是非砂浜や磯など海側の遊歩道を通って
仙酔島を満喫してください!



[渡り初め]


[五色岩:日本で見られるのはここだけだそうです]


[彦浦:閃きの門と言われています]

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2010年05月13日「地球のいのち、描いてみよう!」@大久野島ビジターセンター

瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵

2月に掲載した「地球のいのち、描いてみよう」企画展が終了しました。
http://c-chushikoku.env.go.jp/blog/2010/02/596.html

五色台ビジターセンターで実施された作品もAR日記に掲載されていましたが、
大久野島ビジターセンターの作品も負けてはいません!
大久野島を中心にした多島海の景色いっぱいに
たくさんの生き物が勢揃い!
すてきな作品が出来上がりました。

[完成作品]


うさぎの島で開催するだけに、
当初うさぎで埋め尽くされるのでは・・と心配してましたが、
セミやチョウチョ、カモメにスナメリなど
地球上にいるたくさんの命を見つけてくれました。
中にはカブトガニやウミホタル、
地球の裏側に住んでいるゾウやキリンを作ってくれている子もいました。
この模造紙一枚だけでもどれだけ多様な生き物が居るんでしょうか?

ご協力いただいたみなさん、ありがとうございました!



[同じうさぎでもいろいろなうさぎを描いてくれました]

[あっカブトガニ!ビジターセンターにいるカブトガニを見て作ってくれたのかな?]

[超精度の高い折り紙パンダもありました!]

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2010年04月21日さくら満開!@野呂山

瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵

季節の変わり目ともあって
まだまだ寒暖の差がある時期が続いています。
私はもろにこの影響を受け、体調を崩しましたが、
みなさんは十分にご注意ください!

さて、前回の日記で呉市野呂山の桜について触れましたが、
16日現地に行って参りました。
この日は特別寒く、
午前中、野呂山頂上付近での気温はなんと氷点下!
氷池からも冷気が・・
広島の4月中旬とは思えない光景です。


[上:氷池 見るからに寒そうな冷気が、、]
[下:アオサギも寒そうです]


そして、桜はというと
案の定、満開一歩手前というところまで開花し、
見頃を迎えていました!


[頂上付近のソメイヨシノ]

今月から東広島375号線~頂上をつなぐ「ふるさと林道郷原野呂山線」も開通され、
交通の便利がよりよくなったのではないかと思います。
今週末はお天気もいいようなので、
花見に行きそびれたという方、
是非野呂山へ足を運んでみてください。

ただし!
とっても寒いので
防寒着は必ずご持参ください。


[氷池横に遊歩道も整備されました!]

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2010年04月08日宮島パークボランティア総会・海岸清掃の実施

瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵

一ヶ月ぶりの更新となりますが、広島AR広瀬こと大髙下です。
結婚に伴い改姓いたしました。
たいへん珍しい名前になりましたが、
今後ともどうぞよろしくお願いいたします!
ちなみにオオコウゲと読みます。
広島では桜も満開を迎え、葉桜もちらほら見られるようになってきました。
来週あたりは呉市野呂山(標高839m)などが見頃かもしれません。


さて、4月に入り、
宮島パークボランティア(以下PV)では
新年度最初の行事「PV総会」が開催されました。
会員の8割以上が出席される総会では、
今年度の予算や実施行事が報告、審議されます。
そして、実は今年6月で宮島PVはなんと設立10周年を迎えます!
それに伴い、6/3~6/8に宮島にて10周年記念行事を企画しています。
何をするかはお楽しみです。


[PV総会の様子]

総会後は毎年恒例こなきり海岸の清掃作業が実施されました。
海浜の減少により数を減らしつつあるハマゴウが自生するこの海岸も
発泡スチロールの破片やプラスチックゴミが大量に打ち上げられていました。
特に目立つのがカキいかだに使用されている発砲スチロールやパイプ、竹などでした。
漁網やテグスなどもあり、
鳥などのくちばしなどに絡まれば、餌が食べられなくなってしまう原因にもなります。

20名ほどで約2時間、
きれいなこなきり海岸に戻りました!
きっと夏にはきれいなハマゴウの花が見られることでしょう。
(ゴミはどこからともなくやってくるんでしょうが・・)



[上:こなきり海岸清掃の様子]
[下:清掃後 きれいになりました!]

[左:歩道修繕作業の様子]
[右:修繕後]


[先日施肥された大元公園の桜は満開でした!]

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2010年03月09日テング巣病の来襲

瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵

2月下旬から4月並みの暖かい日が続き、
温暖化への懸念を背に
今年も桜の開花時期が早まるのでは?と
期待をしていましたが、
本日広島では大粒の雪が降っています。
春はもう少し先送りのようです。

さて、春といえばやはり桜。
ですが、今各地の名所でこの桜がこわい病気にかかっています。
その名もテング巣病。

テング巣病は病原菌による伝染病で、
感染した枝は一部がこぶ状になり、小枝がほうき状に伸びる病気です。
感染すると花をつけず、
放置しておくと健全な枝にも伝染し、やがて樹全体が枯れてしまいます。

私も桜を見るたびについついテング巣病を探してしまうのですが、
ソメイヨシノは特にこの病気にかかりやすく、
かかってない桜を見ることの方が少ないくらいです。
このままでは、春に桜を拝めなくなるのも無い話ではありません。

そんな桜を救おうと、
近年各地でボランティア活動を行う団体が増えてきています。
先日、宮島でも「宮島さくら・もみじの会」の皆さんが
宮島八景でもある大元公園の桜にテング巣病の切除・施肥作業を行いました。
テング巣病は薬剤での治療方法はなく、
ひたすら感染した枝を根元から剪定し、
病菌が侵入しないよう傷口に殺菌剤を塗布するしかありません。
広がりつつあるテング巣病を根絶するのは容易いことではありませんが、
こういった活動を続けることが
5年後10年後も今と変わらない満開の桜を残していくことにつながっています。



[切除作業]


[ほうき状になった枝がテング巣病に感染した部分]

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2010年02月12日地球のいのち、えがいてみよう!

瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵

たいへんご無沙汰してます。広島AR広瀬です。
早くも今年が1ヶ月半過ぎました。
関東辺りでは雪が降っているようですが、
広島は徐々に春らしさを感じる日が増えてきています。

さて、ご存じの方もいらっしゃると思いますが、
今年10月に愛知県名古屋市でCOP10(生物多様性条約第10回締約国会議)が開催されます。
それに伴って、来場者の方にも参加していただく企画として、
「地球のいのち、えがいてみよう!」を実施することになりました。
国立公園で出会ったまたは出会いたい動植物を描いてもらおうというものです。
中四国では大久野島ビジターセンター、五色台ビジターセンター、米子水鳥公園で企画展示されます。

大久野島ビジターセンターでは、
大久野島を中心とした黒滝山からの展望を
せっせこと模造紙に描いて展示しました。
大久野島ビジターセンターに来館された際は
是非様々な動植物を自由に描いていってください。
(大久野島は決してうさぎだけではありません!)
直接描くもよし、
折り紙で作った動物を貼るもよし、です。
展示期間は2/1(月)~5/9(日)となっています。

どんな「地球のいのち」が描かれるのか、今から楽しみです!


[展示風景]


瀬戸内にはこんな生き物がいます。
[上:絶滅危惧種カンムリウミスズメ 日本にしかいません]
[下:スナメリクジラ 瀬戸内の生態系の頂点にいるほ乳類]

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2009年12月11日宮島パークボランティア公募観察会~大聖院コース~

瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵

12月に入り、広島山間部(私の家の周り)では、朝には霜が下りています。
本格的な冬の始まりを感じますね。


さて、ご報告が遅くなりましたが、
先月21日に宮島パークボランティア(以下PV)では
公募観察会を開催しました。
場所は4年前、台風14号で土石流災害があった弥山「大聖院コース」です。
昨年10月に復旧工事が終わり、
災害前後の史跡や植生を比較し歴史や自然について学ぼうと、
一般参加者30名を公募しました。

大変多くの方からご応募いただき、結果一般参加者48名。
PV参加者を合わせると、総勢71名の大観察会となりました!


6班に分かれ、
各班長が解説するとともに、
被害が大きかった大聖院入口では
講師を務めるPVの方より災害前後について詳しい解説を伺いました。
今は自然石を使い、きれいな状態に修復されていますが、
それでも土石流の大きさを物語る傷跡が所々に見受けられました。

江戸時代より繰り返し災害に見舞われているにも関わらず、
今まで無事に残っている大聖院も
何か特別な力で守られた場所なんだと思いますし、
また、その裏側で弥山登山道の復旧作業を行ってきた人たちの力があって、
こうして何百年も宮島は守られてきているんだなぁと思いました。

その後、
白糸の滝、遊女石畳、16丁町石や
弥山の植生についてなど歴史や自然について解説していただきました。
頂上では厳島合戦の紙芝居が行われるなど、
とにかく内容盛りだくさんの楽しい観察会でした!
(全部紹介したいぐらいですが、10Pは越すかと・・)

登山道の中でもこれだけ歴史の詰まった場所は
他にはないのではないでしょうか?

知らなければ、ただの石や植物ばかりですが、
現存の史跡の経緯を知るだけでも、
昔のこともとても身近に感じられるようになります。

弥山に登る際は、
今と昔の人々によって復旧された登山道に思いを馳せてみてください。



[上:復旧された大聖院ルート入口]
[下:昔に整備された大聖院上の砂防壁]


[上:新しく建設された砂防ダム 木の周りは土石流で流されました]
[下:白糸の滝周辺]


[厳島合戦紙芝居]

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