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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

【体験教室】 草木染め

2018年12月18日
瀬戸内海国立公園 大林めぐみ

ここ数年、秋冬定番の体験教室になっている染め物プログラム。

今回はサザンカの花びらだけでなく、久々の登場!ヒサカキの実を使った染め物を行いました。

サザンカもヒサカキも五色台で集められる自然素材。

■昨年のようす「2017年12月5日【体験教室】サザンカの花びら染め」

染め物教室の講師は、おなじみ角田眞理子さん(あそ美工房)。

五色台以外でも国営まんのう公園やご自宅で染め物教室をしていて、その染料の種類もたくさん!

見本をいっぱい持ってきてくれました。染料が同じタマネギの皮でも布の素材や媒染液の違い、また染める回数によって色合いが変わるのはとても興味深い!これを見ると、化学繊維よりも木綿など自然由来の素材の方が圧倒的に染まることが分かります。

<左:タマネギの皮で染めた布>

染め物をするには染料が必要。まずは材料集めから。

インタープリター(以下IP)からヒサカキのお話。

神棚や玉串に使われるサカキに似ていますが、やや葉が小さいのがヒサカキ。1年中ツヤのある葉を付けることから縁起のいい木とされ、サカキの代用としても使われているそう。春先にごくごく小さな花を付けるのですが、その匂いは塩ラーメン!?

その花の匂いをかぐとお腹がすくそう(笑)

<ヒサカキのお話・みんなで採取してみよう!>

<きれいに採れました!>

そして、サザンカも少しだけ採取しました。

花真っ盛りの時に採取してしまうのはもったいないので、花びらが開ききって、もう落ちてしまいそうな終わり頃のものを採りましょう。

サザンカとよく似ているツバキ。

サザンカより少し後に開花し始めるのですが、ツバキとサザンカの違いは?

→答えは昨年のAR日記に。

染料を作るには、みんなが採取しただけでは到底足りません。IPをはじめ五色台ビジターセンタースタッフがコツコツと集めたヒサカキの実1.5㎏、サザンカの花びら4㎏を使います。集めたら野菜用ジップロックに入れて冷凍保存しておくといいですよ。

さっき採ったばかりのものは花びらだけにしてより分けます。花びら染めをする時は、雌しべなど軸部分と花びらはきちんと分けるのがコツのよう。

そして、布を染める前に模様づけ。

ビーズやビー玉、輪ゴムを使って水玉もように、また着物の絞り染めにあるようなクモの巣もようは割り箸とたこ糸を使って作ります。

ただ1本に縛るだけのシンプル絞りもようの方も。この時間、楽しいんですよねぇ。

ここで参加者によく聞かれるのは、「ここにこんな模様付けたい。どうしたらいい?」「こんな色にしたいんだけど」

普段着ている服などはほとんどが化学染料。ですが、今回染めるのは自然素材のもの。染まる色の鮮やかさや色の入り具合は採った年の実や花のコンディションによっても変わるし、媒染液や使う水によっても変わるので一期一会な染め物。想像していたもの通りに仕上がることはほぼありません。ただ、タマネギ染めの見本のように染める回数によって色が入ったり、少し風合いが変化するので、皮製品のように移り変わりを楽しむモノと思ってもらえれば。

もようづけができたら、染料が染み込みやすくなるよう水にしっかり浸します。

その間に染料づくり。

サザンカ染料は、ネットに入れたサザンカの花びらをぬるま湯と酢を1:1にした中に浸して、ひたすら揉み込みます。

<左:揉み込み始めたばかり。まだ泡が少ない・・・>

<右:3人が寄ればこんなに泡泡に!>

この泡がなければ色は染まりません。泡がしっかり出ている内は、染める力があるんだそう。

そして、ヒサカキはというと。

こちらは煮出して色を出していきます。これは予め講師が作ってくれていました。大体1.5~2時間くらい煮たかな。

ザルにこして実を取り出したら、染料は鍋に戻します。

染料が完成したら、いっせーので布を入れます。が、ポイントは木綿やガーゼ素材よりも一足先にシルク素材を入れること。

ガーゼはシルクよりも水を吸いやすいので、先に入れてしまうと色を取られてしまいます。

布を入れたら、さいばしを使ってゆっくりかき混ぜ、20分くらいしたら取り出して、サザンカはそのまま軽く水洗いしてビーズなどを外します。

ヒサカキは染料から取り出したら媒染液に15分くらい浸けます。今回はミョウバンとクヌギ灰の2種を用意してくれました。

媒染は色止めの役割で花びら染めは必要ないのですが、カルカヤやクサギの実、今回のヒサカキの実などを使う草木染めでは色止めをしないと色が抜けやすくなるそう。

そして、こちらも完成!

<左:シルク素材のヒサカキとサザンカ>

<右:ガーゼ素材のヒサカキとサザンカ。素材が違うと色合いも変わります>

今回は10~20人分の染料だったので、かなりの花びらと実が必要でしたが、ご自宅で行うのであれば、もう少し少なめでも大丈夫。

材料を集めながら、これはどんな色に染まるだろうと想像するのも楽しい。

何度でも楽しめる草木染め。自分で材料も集めればできちゃうので、いろいろ試してみてはどうでしょう。

※採取する時は草木に毒性がないか、採ってもいい場所か(所有者など)確認してくださいね。