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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

【体験教室】 野鳥観察会

2019年02月18日
瀬戸内海国立公園 大林めぐみ

今年の冬は暖冬と言われながらも、やっぱり寒い日が続くとついつい家の中にこもりがちになってしまいますね。。。

そんな冬だからこそ、楽しめるのが野鳥観察会。「えー、寒いのに。。。」という声が聞こえてきそうですが、冬は夏に比べて木々が落葉して野鳥が見やすい環境なんです。しかも今の時期は冬に渡ってくる冬鳥が見られる季節。さぁ、五色台ではどんな野鳥が見られるのでしょうか。

今回の講師は、日本野鳥の会香川県支部・支部長の矢本さん。

その脇を固めるのは、ベテラン会員さん5人と手厚い布陣が勢揃い。

<矢本さんから今から見られるかもしれない野鳥を紹介>

観察に出かける前に道具の使い方レクチャー。

24名の参加者を6組に分けて、会員から双眼鏡の使い方や野鳥の見方などを教わります。

初めて野鳥観察会に参加する方も多く、みんな双眼鏡を覘いてキョロキョロしたり、野鳥の声に反応したりと待ちきれないようす。

さぁ、最初は見やすい視界の開けた広場へ。

さっそく空気を読んだ1羽がやってきました!

会員がセットしてくれたバズーカのような望遠鏡から覘いたり、自身の双眼鏡で見たり、あちこちから「かわいい~」と声が聞こえてきます。

<みんなの目の先にはシロハラ>

矢本さんが「目の周りに黄色いアイリングがあるのが特徴だよ」と教えてくれました。

望遠鏡を使うと、裸眼では見えない羽のもようや鳥の顔までしっかり見ることができますねぇ。

野鳥の声がすると、すぐに会員さんたちがセットしてくれるので、私たちは本当に見つけやすい!

みんなもだんだんと耳と目が慣れてきたのか、声が聞こえるとすぐにその方向に向いて探すようになってきました。

ただ、姿はなかなか見えず・・・。

木道を抜けて、次はキャンプ場へ。冬季は閉場しているので、私たちの貸し切りです。

すると、女の子が「あそこ、あそこー」と指をさして教えてくれました。

大人達は「なになに?」と何がいるのか分からず。

すると、子どもの指示に従ってよーく見ると、巣がありました!

ほんっと葉の隙間をぬうようにして見ないと見えないものが見えるなんて。。。

子どもの目の慣れの早さには驚かされます。

こちらは、私たちが見る準備が終わるのをじっと待ってくれていたメスのジョウビタキ。

チラチラとこちらを振り返っていました。

ジョウビタキのオスを図鑑で見ると、からだの色がメスより派手。

矢本さんからは、オスが派手な理由はおとりになって天敵から子育て中のメスと子どもを守るように、メスが地味色だと天敵から狙われにくい利点があるんだそう。なるほど~、オスが身を挺して家族を守っているんですねぇ。

会員さん曰く、キャンプ場にはトベラやモチノキなどの赤い実を付ける木がたくさんあり、その実を食べに野鳥がやってきやすい、また開けた場所なので探鳥会初めてさんでも見つけやすい絶好の場所なんだとか。

キャンプ場でひとしきりに観察した後は、クラフトハウスに戻る途中でも声の主を見つけては観察の繰り返し。

途中でバードコールを鳴らしてみましたが、姿は見せてくれず。

バードコール、実は「仲間がいる!わーい!」という楽しいテンションで野鳥がやってくるのではなく、縄張りの侵入者と勘違いしてやってくるんです。なんだが予想外にファンシーな様子ではない。。。なので、神経質になっている繁殖期にはバードコールを鳴らさないのがマナーだそう。

小雪がチラチラ舞った1時間半の観察でしたが、寒さも忘れて気付けばあっという間の時間。

クラフトハウスに戻ってきてからは、見つけられた野鳥をもう一度おさらい。

1週間前に下見した時は暖冬のせいか冬鳥が1羽も見られず心配していたそうですが、今日はシジュウカラ(写真)やカワラヒワ、ツグミ、ヒヨドリ、トビ、空を一気に駆け抜けたハヤブサなど合計24種も見つけることができました!

見分け方やもようの違い、マナー含め、いろいろと教えてもらいました。

野鳥の会さんからは、ビジターセンター周辺は殺虫剤の散布もないから鳥のエサである毛虫もたくさん、モグラもいるしエサは豊富。

環境も森や池、草地などいろいろ、しかもキャンプ場は初心者でも観察にピッタリとお墨つきをいただきました!

わたしはまだ見たことがないのですが、五色台を見回ってくれている会員さんによると、夕方になるとヤマシギもいるし、池にはカワセミがやってきているよと教えてくれました。

会員さん達からは、「こんなに環境がいい所なんだから、(日本野鳥の会)会報誌にも五色台の野鳥について掲載していこう!」という頼もしい声をいただきました!これから楽しみです!

探鳥会は各県支部毎で行われていますので、興味ある方は日本野鳥の会HPをご確認ください。

日本野鳥の会香川県支部

★おまけ

動いた後と冷えた体にうれしい温かいぜんざいを振る舞いました。

お餅はなんと金時みかん(小原紅早生)、金時にんじん、金時芋を練り込んだ坂出名物・讃岐金時!

このお餅は、1月に坂出市商店街で開催される「第4土曜デー」で販売していたそうです。

好きなテイストを選んで、みんなで美味しくいただきました★