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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

【体験教室】 ハチミツ絞りと蜜蝋キャンドルづくり

2018年07月24日
瀬戸内海国立公園 大林めぐみ

夏休み最初の体験教室!今年の夏も大人気プログラムがやってきました!

講師は、五色台はもちろん香川県下で養蜂を生業されている中田養蜂さん。

今回もミツバチと人との関わりやミツバチの役割や生態などを教えてくれました。

昨年のようすはコチラ

ハチミツを絞る前に「ハチミツ」ってどうやってできているんだろう?

アニメや絵本では、ハチが花から蜜をバケツにすくって運んでいる様子が描かれていますが、実際そんなの見たことないですよね?

ハチミツは、ミツバチが花の蜜を一旦体の中に取り込んで、酵素で凝縮分解した後、体内から出したもの。

そう。ハチミツはミツバチがお料理してできたものなんです。

【絵本を使って分かりやすくお話】

ハチミツとは一体なんぞや、を知ったところで、ハチミツ絞り体験と蜜蝋キャンドルづくりに分かれてスタート!

コチラはハチミツ絞り。

巣箱に入った巣板を1枚取り出して、ナイフで蜜フタをこそぎ取っていきます。

巣箱から巣板を取り出す時には蜜はこぼれません。蜜がこぼれないように蜜蝋がふたの役割をしています。

コツは、巣板は取手を掴んで、巣板をからだと垂直にすること。

そして、ナイフは巣板面と平行にしてノコを挽くようにギコギコとゆっくり動かして、できるだけ蜜フタをうす~くこそぎ取ります。

巣板いっぱいに広がる六角形の小さな巣は、蜜を貯めるためにミツバチたちが1から作ったもの。ミツバチが集めたハチミツを分けてもらう時に蜜フタを厚く取ってしまうと、巣がえぐれてしまい、ミツバチたちは壊れた巣を補修しなければなりません。

せっかくいただくものなので、できるだけ壊さずに巣板をお返ししたいですね。

左:蜜フタを取る前の巣板

右:蜜フタを取り、遠心分離機に入れた巣板。キラキラ光るのがハチミツ。

蜜フタが取れた2枚の巣板を遠心分離機に入れて、いよいよハチミツを絞り出します。

【はじけ飛ぶ蜜にみんな注目】

ハチミツが出なくなったら、内側に向いていた蜜を取るために巣板を裏表逆に入れ替えます。

また蜜が飛ばなくなるまでハンドルを回します。遠心分離機の下には、黄金色のハチミツが。

1グループに1瓶分、絞りたてハチミツをお持ち帰り。

あま~くいい香りが立ちこめる中、絞りたてハチミツを目の前に家に帰るまで味見をガマンしきれない子は、こそぎ取った蜜フタに付いたのを舐めたり(笑)

さて、こちらは蜜蝋キャンドルづくり。

蜜蝋とは、ハチミツ絞り体験でこそぎ取った蜜フタや六角形の巣の材料。

これも働きバチが蝋分泌腺から出したもの、ミツバチがつくり出したものです。

蜜蝋を固めるためのシリコン型にロウ芯を取付け、湯煎で溶かした蜜蝋を流し入れて固まるのを待つだけ。

【使う道具はコレ ミツロウ以外は身近にある道具を使います】

ロウ芯を通すために竹串でシリコン型に穴を開けます。

シリコン型の穴が大きすぎると、ロウを入れた時に漏れてしまうので注意。底側のロウ芯は結んで少し引っ張り出しておくか、竹串に結んでおくかやりやすい方でOK。「小さくて結びづらい!」という小さなお子さんは、座金付きロウ芯を使ってもいいですね。

蜜蝋を直火に当てて溶かすと、急激な熱で爆発することがあるそうなので、必ず湯煎で溶かしましょう。

ハチミツ絞りと蜜蝋キャンドルづくりの他に、働き蜂と女王蜂が入った観察箱や採蜜する時に養蜂家さんが被る帽子とネットの展示もありました。

ミツバチの女王蜂は、働き蜂より少し大きいかな?という程度なので、○ォーりーを探せ!ばりに見つけるのが大変。

あれや、これやと言いながら、観察箱にへばりつき。

キャンドルが固まるのを待つまでの間は、こちらに挑戦してもらいました!

「ハチミツ種類当て4択クイズ!」①~④のハチミツをパンに付けて、味や香りなどをヒントに当ててもらいます。

さぁ、どれがどれだか分かるかな?

答えは・・・

①ビワ・・・色が薄くて、少しビワの花の香り

②ミカン・・・柑橘系の香り

③タマネギ・・・他より少し濃い色。ほんのりタマネギ独特の香り

④サクラ・・・桜餅のような風味

タマネギの生産量だと北海道や兵庫県、佐賀県が有名ですが、香川県はその種を生産しています。全国シェアはなんと6割!しかも受粉に使うミツバチは全て中田養蜂さんが貸出しており、中田養蜂さんのミツバチだからこそ集められるハチミツなのだそう。タマネギ蜜は全国でもなかなか珍しいそうですよ。

この他にソバのハチミツも試食しましたが、こちらは濃茶色で黒糖のような独特なフレーバーです。←わたしはコレが好み。

この後はミツバチの生態やハチミツに関するクイズ、ミツバチと人の生活との関係性についてお話を聞きました。

野菜や果物をつくるのに必要不可欠なミツバチ。ハチミツには味や香りの違ういろんな種類があること、ミツバチがわたしたちの食と農業を支えていること、100年後の食糧事情はどうなるんだろうなど、単にミツバチの生態やハチミツのことを知る・体験するだけでなく、ミツバチから将来のことを考えるきっかけにもなった体験教室でした。

*******体験教室終了後にあった子どもたちからの質問************

Q1.働き蜂は1ヶ月生きると言っていたけど、成虫から?

答 .卵~成虫になるまでが21日、その後、成虫で約1ヶ月生きる。

Q2.オス蜂はどれくらい生きるの?←初めて聞かれた質問だそう。ナイスキッズ!

答 .オス蜂は交尾のためにいるので交尾が終われば死んでしまう。交尾しなければ1ヶ月、長ければ3ヶ月くらい生きる。

ミツバチや養蜂を自由研究テーマに考えている子ども達へ。

電話等で受質問もけてもらえるようですが、養蜂所さんも生業されているので夏休み終了ギリギリではなく早めに聞いて仕上げましょう!