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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

夏休み自然体験教室「ぬけがらで分類できる!?セミのおきみやげ調査と標本作り」開催!

2016年08月26日
瀬戸内海国立公園 大髙下理恵

夏休みももう終盤。

小学生の皆さんは夏休みの宿題は終わったでしょうか?

夏休みといえば自由研究。ということで、

今年は小学生を対象に自由研究向きの自然体験教室を行いました。

題材は夏を代表する昆虫"セミ"!

ではなく、"セミのぬけがら"です。

 

オリエンテーションの後は

全員がアブラゼミ、クマゼミ、ツクツクボウシ、ミンミンゼミのいずれかのセミに成りきって、鳴き声だけで仲間を集めるというアイスブレイクを行いました。

大人も子どもも「ジージリジリジリ...」「ミーンミンミン...」と鳴いている光景は何とも愉快で、初対面の場が和みました。

セミの鳴き声もわかったところで元宇品の森にぬけがら探しへ!

 

「ここにもあった!」

「小さいのがある!」

10分もしないうちに続々ぬけがらがみつかりました。

高さはどのくらいか、付いている場所は幹か枝か葉か、角度はどうなっているかなどを

調査シートに書き留めながら集めました。

 

ぬけがらを集めたあとは分類(同定)作業です。

たくさんのふしぎ傑作集「セミのおきみやげ」という絵本を元にした検索図を使って、

体長や触角の節の数や長さなどを見て分類しました。

触角は第3節が第2節より長いとか細いとか、かなり細かい分類でしたが、

難しいながらも種類やオスメスを分類。

皆の調査結果は...なんと5195匹も見つかりました。

 

お昼休憩の後はいよいよ標本作りです。

ここからの作業は子どもたちだけで、

保護者の方には別途自然散策プログラムを用意しました。

生体を標本にする場合は防腐処理や乾燥させるなど1日ではできませんが、

ぬけがらならそのまま虫ピンとラベルを刺して記録に残すことができます。

大事な触角や脚が壊れないように標本箱に固定し、完成!!

それぞれ個性的な標本箱ができました。

最後のふりかえりでは、

ニイニイゼミの泥は乾燥しないように自分の尿をつけていることや、

オスメスは同じ数だけいたこと、

元宇品の自然は豊か!ということなど色々な発見があったようです。

 

是非家の周辺でもぬけがら調査をして、

さらに生きものへの関心や知識を深めてもらえたら嬉しいです。