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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

第3回宍道湖JPR ~藻刈り~ 【イベント】

2015年09月03日
大山隠岐国立公園

前回に引き続き、松江市の秋鹿小学校5年生のみなさんと宍道湖で活動を行いました。

今回のテーマは「水草」です。

 

講師:認定NPO法人自然再生センター 阿部氏
 

近年宍道湖では、水草が分布を広げていることが問題になっています。

そこで宍道湖漁協さんにお願いし、しじみ漁船に乗って藻苅りを勉強しました。

 
船で宍道湖の真ん中の様子を探検!

 
藻刈りで苅るのは「海藻」ではなく、主にオオササエビモなど「海草」と呼ばれる水草です。

=海草と海藻=

海草...海に生える水草であり、陸上植物と同じ構造(根、茎、葉が区別できる)を持ち、種子を作って繁殖する。アマモなど。
海藻...海に生える藻類であり、胞子を作って繁殖する。ワカメ、コンブなど。

※どちらも読みは「かいそう」ですが、区別するために海草は「うみくさ」と呼んだりします。

 
 

○水草に住む生きものたち

 

船着き場で網を入れると...?

船着き場と宍道湖の真ん中、それぞれで水草の周りに住む生きものを捕まえてみました。

 

マハゼやスジエビなど

エビや小魚、ヨコエビ、ミズムシ、ヒドラ、海綿類などいろいろな生きものがいました。
トンボ(ヤゴ)やガムシの仲間もいました。先日の大雨で流されてきたのでしょうか??

 
水草は生きものたちにとって大事なエサやすみかになっているようです。

 
 

○水草が増えると...

 
水草は生きものたちが利用している場所だということがわかりました。

 

しじみ漁

鋤簾(じょれん)を使ったしじみ漁の様子

 
でも水草が増えすぎると、船の航行や漁の邪魔になるだけでなく、枯れた水草は腐ってヘドロになり、水質を悪化させます。

ヘドロ化が進めば、しじみはもちろんその他多くの生きものにとって宍道湖が住みにくい環境になってしまいます。

 

竹棒をお箸のように使いますパスタを巻き取る要領です

竹棒でパスタを絡めるように藻を巻き取りました

 
そこで藻刈りをすることで、宍道湖の養分(=汚れの元)を吸収して育った海草をヘドロになる前に宍道湖の外に持ち出し、水質の悪化を防いでいるのです!

 

宍道湖しじみのブランドロゴ

↑宍道湖漁協さんが地元の高校と協力して作った宍道湖しじみのブランドロゴ

[島根][宍道湖][しじみ]の頭文字「S」がかかっているそうです。

 
ここ2年、宍道湖のしじみ漁獲量は日本一になっています。
しかしその裏では、藻刈りをはじめとした漁師さん達の多くの知恵と努力があることを学びました。