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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

H25年度三崎小5年生環境学習「海中&奇岩観察」

2013年07月04日
土佐清水
毎年、三崎小学校で行っている環境学習が今年もスタートしました!
今年の5年生のテーマは「山川海里のつながりを学ぶ」です。
第1回目の授業はグラスボートに乗ってサンゴなどの海中観察、
そして見残しや竜串で奇岩や化石の観察を行いました。


講師は竜串観光汽船の竹葉さん。


まずはグラスボートに乗る前に竜串の海についてのお話しをしていただきました。
土佐湾にすむクジラの話しから、海・川・山の環境や生きものどうしのつながりについて。
西南豪雨で川から竜串湾へ流れ込んだ泥により壊滅的なダメージを受けたサンゴの話し。
そのサンゴの衰退と回復、最近の白化現象を写真を見せながらわかりやすく、教えていただきました。
そして、乗船前に難関が…ふるさとの海を知ろうテスト!
主に竜串の海にいる生きものについての問題です。
60点以下は学校に戻って自習です!と言われましたが、難易度は高め…。
60点以下続出です…。
みんな戻ってしまっては授業にならないと言うことで、
全員無事にグラスボートへ乗せてもらうことになりました。
よかった よかった。


いよいよグラスボートに乗船です!


普段はあまり見れない海の中、みんなわくわくしながらのぞいていたようです。
サンゴや魚の観察をしながら、それにまつわるお話しもしてもらいました。
テーブルサンゴは50cmくらいになるのに約6年。
でも、オニヒトデが30cmくらいのサンゴを食べきってしまうのは約1週間だそうです!
私もびっくり。
シコロサンゴの間からウツボが顔を出したり、
キレイな青色のソラスズメダイ、ウニに似たトゲトゲのガンガゼなどいろんな生きものが見れました。


楽しく海中観察をしているとあっという間に見残しに到着!
生きものの通り道などが化石として残った生痕化石を探したり、
雨・波・風の影響で削れて特徴的な形となった様々な奇岩を観察しました。

【“つづみ岩”たたく場所によっても少し違う音色】


【本物の蜂も出現した“蜂の巣城”】


【“チェーン岩”のそばで地層の様子も観察】


【みんなで通過“厄除け穴”】


お昼も見残しにある岩の上で。


しかしこの頃から雨がパラパラ…
奇岩観察は少し早めに終わりにして、展望台へ登った後、船で戻ることになりました。

【展望台。この日はあまり景色は見えず…】


帰りのグラスボートの中では、
映画の主人公にもなったクマノミについてのお話を聞きました。
性別が変わっちゃうこともあるなんて…
クマノミの生態にみんなもびっくりだった様子。


帰港してから今度は竜串海岸で化石漣痕の観察です。


漣痕の「漣」はさざなみのこと。
さざ波の跡が残っている竜串の地層から、ここが深い海ではなく浅い海だったことがわかります。

続いて巻き貝の化石を探してみることに。


小さい化石でなかなか見つからずみんな苦戦。
竹葉さんから誰の近くにあるかなどヒントをもらいながら、
ようやく発見することができました。





最後は事務所に戻って質問タイム。


無事に1回目の授業終了です。お疲れ様でした!


グラスボートや見残しも今回が初めてではない子も多かったと思いますが、
今日の竹葉さんのお話や案内を通して、新たに発見したこと、気づいたこともたくさんあったと思います。
身近なようで意外と知らなかった地域の自然とその魅力、
これから1年かけて一緒に見ていきたいと思います。


次回の環境学習はシュノーケリング体験の予定です。