瀬戸内海国立公園 高松
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2015年03月31日【体験教室】 春の野草ランチ
瀬戸内海国立公園 大林めぐみ
今年度最後の体験教室は、春の恵みを味わう「五色台カフェ・春の野草ランチ」。
一昨年も野草試食会を開催して天ぷらやおひたしを作り、みんなで試食会をしましたが、今回は料理数がかなりバージョンアップ!そして、タイトルも女性心をくすぐるオシャレ感を出してみました。
さぁ、どんなランチができあがるのか楽しみです。
<↑このラインナップだけでも十分な料理数です>
講師は、五色台体験教室で草木染めなどでも活躍の角田さんご夫婦と三豊市でパン屋を営んでいる片山さん。
野草はクラフトハウス周辺で採取しますが、まずはどんな野草があるのかなどお話を受けました。小学校で習うのか、子どもさんの方が野草の名前を知っているようでした。
その後、雨具の準備をして、採取へと出かけましょう。
前日までは良いお天気だったのですが、開催日はあいにくの雨。。。幸い参加者の皆さんの日頃の行いが良いおかげか採取の時は少し小降りになりました。広場や木道下の歩道では出始めた新芽や最初にお話のあった野草が見つけられました。
<どれだ、どれだ~?> <スイバの味は・・・?>
広場で出始めた新芽は参加者も「どこどこ?」と見つけにくかったようですが、遊歩道沿いにある花が付いている野草だと比較的分かりやすそうでした。
講師やスタッフに「これはホトケノザ?」など聞きながら採取していくと、徐々に見分けがつくようになってきました。野草は調理しても美味しいのですが、中にはそのままをかじって楽しむことができるのもあります。スイバもその一つ。大人も子どもも興味津々にかじって、独特な酸味を感じ、なつかしむ人もいれば初めて!と言う方など感想も様々。また、参加者の中にはタンポポを見つけて、「セイヨウタンポポと日本のタンポポは味が違うのか?」という疑問も出てきて、「セイヨウはコンソメ風味で、ダシがきいているのが日本のタンポポじゃない?(笑)」など冗談を交えながら楽しく採取。タンポポの花が出てきたら、ぜひ味比べをして欲しいですね~。
短時間でしたが、みんなでハコベ、ホトケノザ、カラスノエンドウ、タンポポの葉(花はまだでした)、ヨモギ、スイバ、オオイヌノフグリ、ヒメオドリコソウが採取できました。
戻ってみんなで仕分けをして、講師とスタッフが予め集めた野草を加えたものの一部がコチラ。
左上:ヒメオドリコソウ、タンポポ 右上:ノビル
左下:ツバキ 左下:ユキノシタ
左上:スギナ 右上:ヤブカンゾウ
左下:ヨメナ、ハコベ 右下:ビワの葉
では、いよいよ料理を始めていきましょう。
まずは、炊きたてごはんを講師お手製のハコベ塩を使ってみんなでおにぎり握り。アツアツおにぎりが食べたい人は熱いうちにどうぞ。ハコベ塩はみなさんから絶賛でした。そして、片山さんが予め用意してくれたピザ生地を伸ばしてピザづくり。トッピングは好きな野草を載せてみましょう。
調理場では着々とスタッフが他の料理下準備。
消し炭に火を付けて、うちわであおいで火をおこせたら、ピザを焼く準備はOK!
ピザを段ボールオーブンに入れたら、あとは他の料理を同時進行でどんどんと作っていきます。
天ぷらやおひたし、炒め物に和え物などどんどんできあがっていきます。子どもたちも下ごしらえに大活躍。
作っている最中は、お母さんたちも「これはどうやって作るの?」「コツは?」「分量は?」など講師たちにいろいろ質問。料理はある程度できあがったら、熱いうちに召し上がりましょう。
<ビュッフェ式にいただきましょう>
左上:焼き揚げ+ノリ+ふきみそカナッペ 右上:ヤブカンゾウのベーコン巻き(焼く前)
左中:海苔巻き(ハコベかレンゲだったと) 右中:野草いろいろピザ
左下:レンゲの白和え・セリの炒め物 左下:天ぷら10種
他にも、ヤブカンゾウと卵のオリーブオイル炒め、ノビルのふきみそ和え、レンゲの胡麻和えと酢の物、ミツバの味噌汁などこの量を1時間程度で仕上げた参加者の手際の良さに脱帽です!
<いただきま~す! おいし~い!>
みなさん、パクパクと箸が止まりません(笑)
おかわりも続出して、あっという間にお皿はからっぽ、そしてお腹は大満足!
雨もあがり、子ども達は広場で走り回り鬼ごっこ。その間にスタッフもランチを頂きました。
そして、お腹がこなれてきたところでデザートタイム。食べる前に子ども達に作ってもらったビワ茶。以前作ったヒサカキ茶は葉を炙って煮出すのですが、ビワ茶は生葉のままちぎってお湯に入れて煮出します。少し苦みと酸味のあるお茶は大人の味。
<ビワ茶づくり> <デザートのヨーグルトの上には?>
ヨーグルトの上に載ったジャムはなんと!イタドリのジャム(真ん中の緑)とスイバのジャム(周りの赤と薄緑)なんです。片山さんにレシピを聞いたところ、茎の部分を砂糖と一緒に煮詰めればできる簡単ジャムなんだそうです。スイバの色は時期によって茎が赤や緑になっているので、これを分けて煮詰めるときれいな色合いのジャムができるのだそう。デザートも皆さんおかわり。お母さん達はレシピを聞いて「美味しいし、作ってみよう」と言って下さりました。こんな言葉を聞くと嬉しいですね。
講師の角田さんと片山さんは「野草だから不味いと思われたくない。ハムなど食べやすい素材を加えれば彩りもいいし、美味しい。アレンジの方法一つでいろんなバリエーションが広がるし、何より美味しいと感じてもらえれば、次に山野に出た時は"どれが食べられるだろう"と目線が変わってくるはず」
野草は美味しく食べられること以外に、野菜や魚に旬があるように山菜や野草にも旬があり、またそれによって季節を感じられることが分かりました。ただ、野草には有毒成分を含むものもありますので、何か分からない野草には手を出さない方が無難です。また、山に入る場合は土地所有者の許可や、採取してよい場所かどうか確認して採って下さい。
五感で楽しむ春はこれからです。ぜひ、外に出ていろんな野草に目を向けて下さいね。
====================4月の五色台体験教室======================
『音で楽しむ森歩き』
森を歩いて生き物や植物を観察していると、池から・・・?森の中では・・・?何だか音楽が聞こえてくる!
愉快な楽団・こえびカンダダンによる演奏と最後はお茶をしながら青空ライブを楽しみましょう。
日 時:2015年4月29日(水・祝)9:00~12:00 ※8:50までに受付をお済ませください
場 所:五色台クラフトハウス(五色台ビジターセンター駐車場から木道下りて徒歩2分)
参加費:300円/人〔保険代込み)
持ち物:歩きやすい服装(スニーカーや帽子など)、飲み物
問合せ:五色台ビジターセンター TEL:0877-47-2479
2015年03月27日【屋島】 春はそろそろと
瀬戸内海国立公園 大林めぐみ
暖かくなってきたかと思いきや、急に朝晩が冷え込んだりとまだまだ冬物は片付けられませんね。
さて、先日は瀬戸内海国立公園指定記念日・3月16日に開催された屋島ウォークについて掲載しましたが、今回は屋島の季節情報のお知らせです。
香川県でも先日、栗林公園で桜(ソメイヨシノ)が開花したというニュースが流れましたが、市内中心をはしる中央通り沿いでは一足早く咲くヒカンザクラが濃いピンクの花を彩っています。
そんな中、屋島はというと・・・。
つぼみも膨らみ、日当たりのよいドライブウェイ沿いではいくつか開花したサクラの木もありました。
見頃は4月上旬ですかね。そろそろ地方新聞にも各地のサクラ開花情報が掲載されると思いますので、逐一チェックしながらベストなお花見時期を計画してくださいね。
サクラ以外にも春を感じさせてくれるものがいっぱい見つかりました。
【ナガバタチツボスミレ】
南嶺~北嶺へと続く遊歩道脇で見つけました。スミレは小さくかわいらしい花、という印象ですが、花を一つ一つよく見ると上品で凛とした雰囲気に感じます。
スミレは大きく有茎類と無茎類の2種分かれます。有茎類は地上茎が伸びて葉が互生(互い違いに付く)するもの、無茎類は地上茎が発達せず葉や花柄が根元から付くものです。日本産のスミレは約70種あり、また平地から山地、高山にまで幅広く分布します。春の訪れが遅い山地~高山では平地よりも遅い開花を迎えるので、時期を追うごとに標高を徐々に上げて行くと桜前線ならぬスミレ前線を追うことができます。
登山が趣味の方は、ぜひ足下にも目を向けて下さいね。(ただし安全優先でお願いします)
【アセビ(馬酔木)】
山上駐車場から北嶺への歩道途中にある展望地近くで白とピンクの花を咲かせていました。
可愛らしい壺形の花が垂れ下がって咲くアセビは、庭園などでも見られる樹木。
アセビについた漢字のごとく、馬が葉を食べると毒に当たり、酔うようにフラフラする、ということが語源のようです。実際、アセビは全株、葉、茎、樹皮、花とほぼ全ての部位が有毒のため、草食動物も食べないので相対的にアセビが多くなる地域があるようで、シカのいる奈良公園もその例の一つだそうです。
北嶺の千間広場にある池では、オタマジャクシがいっぱい!
黒くて小さめなのがヒキガエル、真ん中ほどにいる薄い色のやや大きめのがアカガエルです。水中にあるスイレンの葉の上に乗っかっていたり、石影に写真のように団体でいたりとこの時期の池は大賑わい!降雨がしばらくなく、池の水が澄んだ日にはヒキガエルの卵塊痕(長い管状のもの)もまだ見られると思います。
・・・ですが、そんな中、ヤツがいたのです。
どーんと大きなオタマジャクシがいるのが分かりますか?
これ、ウシガエルのオタマジャクシなんです。これまでに鳴き声を聞いたことがなかったのでいるとは思わず。。
ウシガエルは成体になると、昆虫やザリガニの他、小型の哺乳類や鳥類、爬虫類、魚類まで何でもござれといわんばかりに貪欲に捕食します。これの何がいけないのかというと、ウシガエルが定着した池などでは、本来そこにいた在来生物がいなくなったという事例がいくつかあるほど食べるのです。地域の自然環境の中で大きな影響を及ぼし、また生態系を脅かす侵略的な外来生物ということでウシガエルは特定外来生物に指定されています。
子どもの頃、ウシガエルが苦手なのにも関わらず、大きなオタマジャクシがウシガエルだとは知らずに、むしろ当たりだと思って、見つけては喜んで捕まえて、友達が飼っていたアヒルにあげていたなぁと。今思えばあれは拡散を防止していたのか。。。
【外来種について】
http://www.env.go.jp/nature/intro/1outline/basic.html
と、話題が春から少しずれたりしましたが、屋島は少しずつ賑やかになってきています。
北嶺を散策すれば、ウグイスがさえずりの練習をしていたり、タララララッと木を叩く音が聞こえたら近くにはコゲラがいたり、またホオジロやヤマガラ、シジュウカラ、黄色い大きなくちばしのイカルの姿や鳴き声も聞こえてきました。
暖かくなって、春を感じるにはゆっくり歩いて、五感で楽しむのが1番です。
春休みのお子さんを連れて、またご夫婦、友人たちと一緒に春を探しに出かけてみてはいかがでしょう。
【遊鶴亭からの多島海景観をぜひ眺めて下さい】
2015年03月17日【瀬戸内海国立公園指定記念行事】 屋島ウォーク
瀬戸内海国立公園 大林めぐみ
昭和9年3月16日に日本で最初の国立公園として指定された瀬戸内海国立公園。その指定日に毎年香川県・高松市が主催となり開催されている屋島ウォークに参加してきました。1月中旬に県広報誌に掲載したところ、1週間もしないうちに定員の100名を超える人数となり、あっという間に募集停止!
開催当日は濃霧が発生したため、参加キャンセルが出ましたが、約120名の方が参加されました。
屋島の麓である出発地点からでも屋島がどこにあるのやら、といったくらい景色が見えません。。。せめて山頂に登る間に晴れてくれればいいのですが。。。スタッフはそんな不安を抱えたまま出発。前日に降雨があったため、当初予定していた浦生古道は避け、西古道から登り始めることにしました。
【森と霧の中を歩くので晴れた日よりも幻想的です】
最初は踏み固められた土道も場所によっては石が露出していたり、木の根が張りだしたりとちょっとした登山といった雰囲気になってきました。普段歩き慣れていない方はペースについて行けるか少し不安??先導する里山ボランティアガイドさんが参加者のペースをみながら合わせてくれるので、さほど早歩きではありません。ただ、普段全く歩かないご年配の方には少々キツイ登りですので、「ついて行けない!」となっても後方からゆっくりマイペースに登ってきて頂ければ大丈夫。無理しないことが1番です。
ボランティアさんの「ここに足掛けるといいよ」「あと○○分」などの声かけのおかげで約1時間かけて屋島南嶺に到着。そして、景色はどうなったかというと・・・。
【全く晴れず!!】
景色も見えないので休憩した後は、2組分かれて屋嶋城と冠ヶ嶽に向かいます。
現在復元中の屋嶋城城壁では、高松市文化財課・渡邉さんより「屋嶋城とは?」「その歴史は?」など高松市民でも意外と知らない山城・屋嶋城について説明がありました。
説明後も参加者からは「石の色の違いは?」など質問が飛び交いました。赤茶色の石は発掘された屋嶋城のもの。黒い石は他から持ってきた石でどちらも同じ安山岩。赤茶色の石も少し削ると黒い部分が出てくるので年月によってこのような色に変化したそう。復旧工事はあと1年はかかるそうで、工事中は重機が入るため普段開放していません。ただ、もっと詳しく知りたい!という方は、高松市文化財課もしくは高松市埋蔵文化財センターに連絡して頂き、渡邉さんと日程調整した上で対応することが可能だそうです。ご興味ある方はぜひ!
その後行った冠ヶ嶽もまだ霧の中で真っ白。参加者の方には晴れた日に来てみて下さいと伝え、その日を楽しみに待ってもらうことにしました。
そして、標高292mの山頂三角点では、里山ボランティアガイド組合・林顧問よりお話。
ちょっとした裏話も交えながら、屋島について語って頂きました。終えて林を抜けて遊歩道へ出ると・・・
【「お~っ!!」歓声があがった先に現れていたのは雲海に浮かぶ五剣山】
普段屋島を利用している方でもなかなか見られない景色ではないでしょうか。頭頂部しか見えていないので、まるで雲海に島が浮かんでいるよう。これは遊鶴亭からの景色も期待できるかもしれません。
南嶺から北嶺へと歩き、千間広場へ到着。ここでお昼休憩し、出発前には林顧問より備讃瀬戸の景色やどうして国立公園に指定されたのか、などお話。
【いつも熱の入った、郷土愛溢れるお話に感心しきりです】
千間堂跡を抜け、常緑樹に囲まれた中道を抜けると遊鶴亭展望地が見えてきました。
比較的霞がかることが多く、少しぼんやりした景色となってしまう瀬戸内ですが、この日は気温が上昇したことで水分蒸発が起こり、それによって海岸部分が霞み、けれど上空では晴れて青空、と様々な現象が合わさって幻想的な風景が創り上げられていました。
遊鶴亭からの景色を堪能した後は、先に見える長崎ノ鼻まで一気に下ります。途中の洞窟に少し立ち寄ったり、鯨大明神でお参りなど寄り道しながら長崎ノ鼻に到着。ここでは元気YASHIMAを創ろう会から飴湯のお接待を頂きました。疲れた体にほどよい甘さとしょうがの香りがすっと染みいります。
頂いた後は海岸清掃です。
大きな発泡スチロールや漁具、またお菓子の袋やペットボトルなどさまざまな漂着ゴミがたくさん落ちており、大きなゴミ袋はあっという間にパンパンになりました。これらは全て故意の有無関係なく人が出したゴミです。ゴミは必ず持ち帰って適切に処分する、ふたのないゴミ箱には捨てないなど1人1人が考えて行動すれば減らせる問題です。またゴミを増やさない、再資源として回収するなども行動の第一歩です。
20分という短時間でも大人数で行うと、あっという間にキレイな浜に甦りました。
あまり知られていない登山道や歴史文化、自然環境に長けた屋島の魅力再発見だけでなく、漂着ゴミが流れ着きやすい現状なども知って頂けたのではないかと思います。これをきっかけにまた皆さんには屋島を訪れていただき、さまざまな四季の屋島、動植物や風景など楽しんでもらいたいですね。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!
そして、何度かイベントに参加いただき今回もお会いした方、またぜひご参加くださいね~!
2015年02月26日【体験教室】 竹のバウムクーヘン&焼きリンゴづくり
瀬戸内海国立公園 大林めぐみ
昨年に続いて2回目の大人気プログラムは、まだHPに予定日時しか掲載していないにも関わらず、チラシができあがる前に続々と申込が!あとは毎年頭を悩ませる積雪がないことを祈るのみ・・・でしたが、そんな心配もなく良い天候の中開催することができました。そして、今回の参加者は過去最高の15組53名と大所帯!
バウムクーヘンを作るのにちょうどよい太さ、長さの竹は予めスタッフが用意。どこにバウムクーヘンの生地を付けるのかなど、作業を始める前に簡単にコツをレクチャーします。
このプログラムでは、食材加工斑と火おこし斑に分かれて、同時に作業を行っていきます。
まずは、食材加工斑。
バウムクーヘン生地は、簡単お手軽にホットケーキミックスを使います。生地が少し固いかなと思ったら、牛乳を少しずつ加えて、少し粘りのある位まで調整しましょう。ちょっと大人の味にしたいな、と思ったら洋酒を入れてもいいですし、ココアパウダーを入れてチョコバウムクーヘンにしてもいいですね。
そして、焼きリンゴは芯くり抜き器を貫通しない程度までグリグリと通して、芯を抜き取ります。
その穴に、シナモンと砂糖を混ぜたシナモンシュガー→バター→シナモンシュガーを入れて、最後にバターで蓋をします。焦げ付かないようリンゴの下側にアルミカップを敷いて、アルミホイルでリンゴをくるみます。
【混ぜたり、詰めたりと簡単な作業は小さなお子さんでもお手伝いできます】
さて、こちらは主にお父さんが活躍する、火おこし斑。
下から紙→ワラや枯れ葉のような点火しやすいもの→枝→木と立体三角(円すい状)に組んで、紙に点火します。火は上に伸びていくので上に燃やしたい物がある方が○。また酸素がないと燃えないので、びっちりと組まないようにしましょう。うちわなどで下から風を起こしたり、ワラや枝を少し加えながら火を安定させます。木を組むのが難しい、という方は、バーベキューコンロのように側がついているものならその壁にもたれかけるように組んでもいいですよ。火が安定してからコンロの真ん中に徐々に移動させ、炭を入れ、おこしていきます。
【左下のように炭がおこせればOKです】
火が安定してきたら、バウムクーヘンを巻く竹に各節1~2つ程度ドリルで穴を開けます。これは、節内の空気が熱されて竹が割れるのを防ぎます。(←必ず行いましょう)
そして、生地を巻く部分の竹を炙って、アブラが出てきたら布で拭き取る作業を繰り返し、青竹が薄茶色になれば下準備完了。
この火おこしは意外と時間がかかるのですが、今回参加されたお父さん方はキャンプ経験が豊富なのか、すぐに炭が安定し、食材斑を待つくらいスムーズに作業が終わりました。
さぁ、生地もできたし、竹と火の準備も完了したら、バウムクーヘンを焼いていきますよ!
生地をのせる前に竹を熱して、バターをつけて、熱いうちに生地をのせます。バターをつけると生地が滑るんじゃない?と思うかもしれませんが、バターをつけることでできあがった時に竹から外しやすくなります。
バウムクーヘンを上手く、生地を無駄なく焼くコツは、、、
・竹が熱いうちに生地をつける(ぬるいと生地がつきづらいです)
・竹をクルクル回しながら焼き目がつくまでしっかり焼く(クルクル回すと遠心力で生地が落ちないです)
・時間が経ち、生地が粘ってきたら、適宜牛乳を入れて水っぽくならない程度までのばす
最初は左上のように薄くまばらな生地がだんだんと厚く、ふっくらしだしました。バウムクーヘンづくりは耐久戦になるので、小さな子どもは少し飽きてきますが、親やスタッフの目が届く広場があるので思いきって遊び、またバウムクーヘンづくりに参加したりと楽しんでいました。耐久戦であるが故に、このバウムクーヘンづくりは大人の方が夢中に、そして本気になってきます。(特にお父さんは職人さながら)
焼き始めて早い組で40分程度で完成。(生地の量や火の加減などで変わります)
できあがったら、バウムクーヘンと節の間をノコギリで切り落として、生地の端に包丁を入れ隙間をつくり、外しやすくします。バウムクーヘンに新聞紙を巻き、全体をしっかりと持ち、竹を引き抜く方は竹を回しながらゆっくり抜いていきます。後は包丁で適当な大きさに切れば完成です!
バウムクーヘンに夢中になりすぎてリンゴを忘れがちですが、直火が当たらないよう、また火が均等に入るよう時々回しながらじっくり焼いていきます。ジュワーっと音がして、柔らかくなっていたら食べ頃!
【アツアツできたてのバウムクーヘンはお店ではなかなか味わえません】
そして、今回は炭があるので何か焼きたい物があれば持ってきて下さい、とお知らせしたところ・・・
焼き芋に焼きおにぎり、バナナ、マシュマロ、ポップコーンとおやつどころかお腹いっぱいになるくらい色んな食材を持ってきてくれていました。ピクニックシートを広げて、外で食べると自然とみんな笑顔に。
冬は寒くて外に出たくないなぁ、と思う方も、暖が取れて、美味しく楽しく過ごせるならやってみようかな、と思うでしょう。また、キャンプに行った時、こんなアウトドア料理ができれば、みんなから注目されること間違いなしです!
最近では「火をおこす」ことが減ってきています。こうした火おこしを一度体験し、知っておくと災害時にも役立ちます。電化生活になってきて、火を見る機会の少ない現在の子どもには特に大切な体験だと思います。
※3月の体験教室「五色台カフェ・春の野草ランチ」は現在キャンセル待ち中
******************************4月の体験教室******************************
「音で楽しむ森歩き」
昨年10月に台風襲来でなくなく中止となったプログラムを春に。ポカポカ陽気に誘われて森歩き。
時に聞こえてくるのは・・・?こえびカンダダンによる演奏、そして青空ライブをお楽しみに★
日 時:2015年4月29日(水・祝)9:00~12:00
場 所:五色台クラフトハウス(五色台ビジターセンター前駐車場から歩いて木道下りて2分)
参加費:300円/人(保険代込み)
持ち物:歩きやすい服装(雨上がりの後は長靴もあれば便利)、飲み物
2015年01月29日【体験教室】 竹の食器でうどんを食べよう
瀬戸内海国立公園 大林めぐみ
「温暖な気候」とよくうたわれる瀬戸内ですが、転勤で降雪地域から来られた方には「冬、暖かくない!寒い!」とよく言われます。
その理由は瀬戸内を囲む地形にあります。日本海側からの湿った空気は中国山地に、太平洋側からの湿った空気は四国山地にぶつかり、そこで冷やされた空気は雲になり、そして雨や雪となります。日本海、太平洋側で湿気を取られ、乾燥した空気はそのまま瀬戸内に入り、夏は少雨、乾燥した冬となります。
では、なぜ乾燥すると寒く感じるのでしょう?
人の体温調整は体からの気化熱の発生によって行われています。湿度が低いと体から水分が蒸発しやすくなり、その分気化熱が発生するため、体から熱が奪われていきます。多湿な降雪地域よりも同じ気温でも瀬戸内が寒く感じるのはこのためです。夏も同じ気温なのに湿度の高低によって感じる暑さが変わってきますよね。
そんな意外と寒い香川県で冬に食べられる郷土料理といえば、温かいしっぽくうどんや打ち込みうどん。
今月の体験教室は、みんなでうどんを作り、そして食べるための器とお箸も手作りしちゃおう!です。
まずは、竹の食器を作る前にスタッフから道具の使い方や切り出すコツなどをレクチャー。
正しい道具の使い方は、ケガ防止や上手く切り出すことができるだけでなく、道具の長持ちにもなります。
ノコギリはまっすぐに、引く時に力を入れて、を合い言葉にみんな作業開始!
クラフトハウスは暖房設備がないため、初めはみんな厚着だったのが竹を切り出す内に暑くなり、アウター→セーターとどんどん脱いで最終的に長袖シャツ1枚になるほど。
子ども達も親御さんやスタッフに手ほどきを受けながら、自分たちの食器をつくりました。
だんだん道具に慣れてくると、無駄な力も入らず、楽に早く切り出せるようになりました。
切り出した竹の器は、口をつけやすいように1ヶ所だけナタを使って厚さを半分程度にします。ナタは重く、切れ味が抜群のため、道具に触るのは大人だけ。ですが、子どもにはナタを叩くという重大なミッションが与えられました。
親御さんが「OK」の合図を出したら、丸太でナタを叩いて竹を割っていきます。
ナタが竹に入ったら、ナタの両側を交互に、躊躇なく叩いていくとスパーンと割れますよ。
一方、器の切り出し待ちのグループはお箸づくり。
予め箸サイズに切り出した竹から選んでもらい、小刀を使って持ってちょうどよい太さまで削ります。
小刀も力の加減が難しいので、親御さんに支えてもらいながら、焦らず削り出します。仲良し家族同士で参加したグループは、器斑、お箸斑と分けて作成していました。チームワークで効率的に進めていますね。
器とお箸が完成したら、キレイに水洗いして干しておきます。
そして、お待ちかねうどんづくりです。
うどんは最初から作るとかなり時間がかかるので(我が家はうどん玉を前日の晩につくってました)
麓のうどん屋さんで購入したうどん玉を使います。
まずは、踏んでうどん玉を延ばします。
うどん玉の真ん中にかかとを置いて、かかとを中心に自分が回りながら延ばしていくのがコツです。生地は真ん中が厚くなりがちなので、均等になるようにしっかり踏んで延ばしておくと麺棒での作業が楽になります。
ビニール袋からうどん玉を取り出して、麺棒を転がしてある程度延ばします。その後、麺棒に生地を巻き付けて、生地の真ん中から端へ延ばすようにしながら麺棒を押し転がします。数回延ばして生地を広げたら、90°回して短手方向を延ばすという工程を繰り返します。
厚さが3㎜程度になったら生地を3つにおりたたんで切っていきます。
包丁はまっすぐに下ろして、少し倒すときれいに切れます。
太麺、細麺はそれぞれお好みですが、だいたい3~5㎜が平均的なうどんの太さになりますね。
中には「太い麺が食べたい!」と言って、「え、ワンタン??」と思うくらい太麺を作っている子どももいました。太く残ったうどんの端っこって美味しいんですよね~。子どもの食べてみたい気持ちも分かるのでそっとしていましたが、後でお母さんに「もっと細くして!」って言われてました(笑)
さぁさぁ、切れたら茹でていきますよ~。
たっぷりの湯の中にバラバラにしながら入れて、うどんがくっつかないように菜箸でかき回しながら約15分。
最初は沈んでいた麺も湯がグラグラしてくると、徐々に浮いてきました。麺ももっちり、ツヤが出てきたら、太め麺を選んで食べて生っぽくなければOK!
まずは釜揚げでいただこうと、水でしめる前に器に少し入れて・・・「美味しー!」
釜揚げはちょうどいい塩気が残るので、生醤油を少し垂らすだけでも十分。鍋からあげたうどんは一旦水でしめて玉にします。うどん1玉を取って湯に通して温めて、そこへ予め作っておいたしっぽく出汁をかけたら・・・
完成です!!お昼は陽射しも暖かいので外に出て食べました。
今回のしっぽくの具は9種も入っており、これだけで十分お腹いっぱい。
森林整備のために切った竹を使って食器をつくり、そして郷土料理に親しむことができた体験教室。
1からうどんを作ってみたいという方もぜひお家に帰ってチャレンジしてみてください。コシを出すポイントは、時期に合った塩水の塩加減とツルッとした生地になるまでの踏む→たたむ→踏むの工程の繰り返し。(あまり捏ねすぎると固くなってしまうので要注意です)
またもう一つの冬の郷土料理、打ち込みうどんも寒い日にはもってこいですよ。
次月、2月の体験教室はすでに満員御礼となっておりますので、3月のおしらせ↓↓
*************************3月の五色台体験教室*************************
五色台カフェ『春の野草ランチ』
春先に出てくる柔らかい新芽や若草など食べられる野草を採取して、ピザなど作ります。
日 時;2015年3月29日(日)9:00~13:30
場 所;五色台クラフトハウス(ビジターセンター前駐車場から木道下りて徒歩約2分)
参加費;500円/人(保険代込み)
持ち物;活動しやすく調整できる服装、飲み物、エプロン
問合せ;五色台ビジターセンター(毎週月曜休館(月曜が祝日の場合は翌平日))
2015年01月15日【体験教室】 サザンカの花びら染め
瀬戸内海国立公園 高松 大林めぐみ
10月の体験教室が台風直撃のため、やむなく中止となり、今回その代替プログラムとして室内で行える「花びら染め」を開催することになりました。
11月に開催した草木染めは煮出して染液を作ったりと工程に5時間ほど要しますが、今回の花びら染めは約2時間程度とお気軽にできる染め物教室。講師は五色台ではおなじみ、あそ美工房より角田眞理子さん。
染める布は角田さんが用意してくれた中から仕上がり具合や使い方など聞きながら、好きなサイズ、素材を選びます。
花びらは予めスタッフが用意していますが、やはり自分たちでも少しは採集しましょう、ということでクラフトハウス敷地内にある終わりかけの花びらを摘みました。ここではよく似ているツバキとサザンカの違いを繁里インタープリターから教わりました。ヒントは落ちた花を見ると・・・
ツバキは花丸ごと落ち、サザンカは花びらがバラバラになって落ちていることから、ツバキは花びらが全て繋がっている・サザンカは花びらが1枚1枚分かれているのです。また開花時期もサザンカは12月頃~1月、ツバキは晩冬~初春まで咲くものが多いです。
室内に戻ったら、きれいに染め上がるようサザンカを花びらだけに仕分けします。
1人で作業すると気が遠くなるのですが、参加者みんなで行うと会話も弾み楽しくできます。
染色は均一に染まるのもいいですが、オリジナルの模様があると手作り感があり、より愛着も沸くもの。
講師から身近にある道具を使った模様付けの仕方を教えてもらいました。
ビー玉にビーズ、洗濯はさみに割り箸、輪ゴム、タコ糸など。
みんなで「どんなふうにしよう?」「もうちょっとここに模様付けたら?」など講師や参加者同士でアドバイスしながら、みんなで楽しく(時に爆笑しながら)作業しているとあっという間。
さぁ、どんな模様ができあがるのでしょうか。
模様付けができたら、布に染液が入りやすいよう揉みながら十分に水に浸します。(ポイント!)
その間に染液を作ります。
サザンカの花びらを目の細かいネットに入れて口をしばります。
50℃くらいの湯が右上写真のようにヒタヒタになるまで入れ、上から酢を加えます。割合は湯:酢が1~2:1程度。計量せずざっくりでOKだそうです。酢は穀物酢、米酢どちらでも可能。草木染めの場合はみょうばんが媒染(色が繊維に定着する)役割をしますが、花びら染めではこの酢が媒染の役割をします。
そして、花びらをよーく揉み込んでいくのですが・・・
違いが分かりますか?
赤丸部分にご注目。そう、泡立ちが全然違うのです!
この泡が出るほど染める(布に色が浸透する)力があり、出てないとまだまだ揉み足りない証拠。さすがベテラン主婦チームは泡出しが早い!その様子を見ながら若手チームも見よう見まねでやっていくと、徐々に泡が出てきました。染色に差が出ないよう2つを合わせ、一旦ザルで濾します。
いよいよ、染色です。水に浸しておいた自分の布を軽く絞って待機。
というのも、シルク素材よりもガーゼ素材の方が色を吸う力が圧倒的に強く、また同じ素材でも先に染液に付けた布に色を取られてしまい、数秒でも後から入れた布には色が入りにくくなってしまうのです。他で染色体験をしたことのある参加者は、「だから染まらなかったのか~」とその時上手く染まらなかった理由に納得。
そして、今回も講師のサプライズとして、用意したフリージア&黄花コスモスの花びらからも染色をしました。(写真右)サザンカは布重量に対して3~4倍もの花びら重量が必要になりますが、フリージアと黄花コスモスは30枚程度あれば、スカーフ3~4枚は染められるくらい色がよく出ます。
染液に浸け、布を突かず万遍なく染まるよう箸でまわしながら、(できれば40℃に保ったまま)約20分。
染液から引き上げ、ドキドキ、ワクワクしながら模様付けのビーズなどを外していきます。
これを水洗い(お湯でもいいそう)して絞り、広げると・・・
光の加減で少し分かりづらいかもしれませんが、同じサザンカの染液でもシルク素材は可愛らしいピンクに、ガーゼ素材だと落ち着いたピンクベージュに染め上がります。フリージアも同じくシルク素材は明るい黄色に、ガーゼ素材だとシルク素材より濃黄色に染まります。
花びらを集めるのに少し苦労しますが、採集後はすぐに仕分けして冷凍庫に入れれば保存も可能。できれば保存袋は野菜用冷凍ジップロック、花びらはギュッと詰めてもいいそうです。
講師からは「気軽にできて、自然素材の優しい色合いでできる染色を家でも試して欲しい。また色落ちしても繰り返し染め直せるのが草木・花びら染めの良いところ」と言われていました。ただ、ヒガンバナやヨウシュヤマゴボウなど一部でも毒をもつ植物は避けた方がよい、とのこと。また所有地以外での採集には、必ず土地所有者や木々を管理している人に了承を得て下さい。花びらはできれば見頃を終える頃がいいですね。
少し草木を見る目が変わった染色体験。ぜひ、みなさんもお友達やご家族と一緒にお試し下さい。
******************1・2月の体験教室******************
1月25日(日)開催「竹の食器でうどんを食べよう」
2月15日(日)開催「竹のバウムクーヘン&焼きリンゴづくり」
以上2つのプログラムは、只今キャンセル待ちとなっております。下記へお問い合わせ下さい。
お問合せ:五色台ビジターセンター TEL:0877-47-2479(月曜休館)
==========================余談==============================
成田空港から出ている2015年版カレンダーは「心惹かれる導きの極彩(いろどり)」というコンセプトで世界各地の絶景写真が掲載されています。その12ヶ月の中でなんと!4月は香川県・紫雲出山からの桜霞、9月は広島県・宮島の写真が使われています!これを知ったのは年明けの新聞記事だったため、残念ながらすでに販売は終了・・・。見かけた方は是非チェックしてみてください★
2014年12月25日【体験教室】 ミニ門松づくり
瀬戸内海国立公園 高松 大林めぐみ
あと1週間もすれば2014年も終わり。
1年があっという間に過ぎていく気がするのは私だけでしょうか。
みなさんは大掃除やお世話になった方へのご挨拶、年賀状など年始を迎える準備はすすんでいますか?
五色台ビジターセンターでは、今年も年神様が下りてもらうための目印、門松づくりを行いました。
今回は、約50名の参加者があり、全部で21セットの門松をつくりました。
最初に繁里インタープリター(以下IP)から門松の役割や、なぜこの形になったのかなど意外と知らない門松のこと、作り方のレクチャーを受けました。
竹も形がまんまるだったろ楕円形だったりと様々なので、どの土台竹を選ぶかくじ引きで順番を決め、各自切り出していきます。
【太いモウソウダケは土台に】
太い竹は長いノコギリで力を入れず、刃をまっすぐに挽くのがコツ。
ノコギリは引く時に切れるので、押す時に力を入れてしまうと引っ掛かり、ノコ刃が曲がったりします。女性や子どもには、なかなか力と根気のいる作業ですが、それでもスタッフや親御さんの力を借りて、みんなでなんとか切り出せました。
マダケはそぎ切りといって切り口を斜めにするのですが、以前にボランティアさんが作ってくれた枠を使い、差し込み部分にノコ刃を入れて切ると、きれいに角度の揃ったそぎ切りができあがります。
【キュキュッとキレイに拭き取り】
竹が切り出せたら、泥など取るために一旦水洗いし、拭き取ります。
下りてきてくれる神様への目印もキレイな方がいいですしね。
【シュロ縄でしっかり結んで】
このとっくり結びは、これからの大掃除で出た雑誌など束ねる時に便利です。シュロ縄は絞まりにくいので、少し水で湿らせてから縛るとよいですよ。
土台に結んだ3本のマダケを入れ、その脇にオアシスを切って詰めていきます。立てた竹が動かないようにしっかり詰めてください。
今回は紅白の梅、赤白のナンテン、アカマツ、クロマツを差し、お好みでサザンカやササを差したらできあがり!
【見事な門松ができあがりました】
年神さまをきちんとお迎えするためにも、こうした準備は大切です。
購入する門松もいいですが、こうやって手作りすると改めて門松が持つ意味が知れ、また各家庭でアレンジができるのがいいですね。
■■門松の作り方は昨年のAR日記をご参照に■■
http://chushikoku.env.go.jp/blog/setonaikai/a-takamatsu/index_3.html
(2013年12月27日【体験教室】門松づくり)
また、五色台ビジターセンターでは、1月末まで竹でつくる干支シリーズ《未》のクラフト体験を土日祝日に受け付けております。こちらは材料に限りがありますので、事前予約して頂くと確実です。
<a href="javascript:;" onClick="imgOpen('/blog/resources/20141225111742-DSC00245.jpg', 640, 480);"><img src="/blog/resources/20141225111742-resize-DSC00245.jpg" width="300" height="225" /></a><br />
***************1月の五色台体験教室***************
『サザンカの花びら染め』
サザンカの花びらを使って、柔らかな色合いの染め物を作ります。
日 時;2015年1月10日(土)13:00~15:30
場 所;五色台クラフトハウス
(五色台ビジターセンター駐車場から徒歩3分)
参加費;100円/人 +別途白布代500円~/枚
持ち物;暖かく汚れてもよい服装、寒さ対策(暖房はありません)
http://goshikivc.web.fc2.com/
2014年12月01日【鳴門】 森林自然観察会 どんぐり拾い編
瀬戸内海国立公園 高松 大林めぐみ
鳴門山でドングリを拾って苗木に育て、3年後の卒業前に再び鳴門山に帰って植樹するというもの。
19回目を迎えた今年も元気な桑島小学校3年生児童35名が参加してくれました。
昨年度の卒業生はドングリ不作年だったこともあり、苗木に育つ数も少なくやや寂しい感じでしたが、今年はどれくらい拾えるでしょうか。
【保護者も一緒にどんぐり探し】
一昨年、昨年は表年でドングリもいっぱい落ちていましたが、今年は裏年でほとんど落ちていません!!植え込みの中や歩道脇、保護者や先生方も一緒にくまなく探しましたが、1人20個も拾えませんでした。
ドングリが拾えず、飽きちゃったかなぁと思っていると児童達は動く生き物探しに夢中。ミミズをはじめ、ジョロウグモやバッタ、コオロギまで動く生き物は何でも手に取っていました。
【かわいい~】
ミミズにいたってはこの一言。そして、みんなで手に取って感触を実感。
こんな感想を言う児童が8割くらいいて、これには講師、先生方もびっくり。
他にも「コオロギやカマキリはどう?」と聞くと・・・
「カッコイイ!!」と答える児童。
ジョロウグモを捕まえると人だかりになって、中には手に乗せてみる子も。
「糸、すごーい。伸びるー!」ともう夢中です。
【この昆虫の足の数は?】
佐那河内いきものふれあいの里・市原先生からは、いろんな昆虫の足の数や鳴門にいる野鳥について教えてもらいました。
徳島県植物研究会会長・木下先生からは虫に食べられていないドングリ見分け方や植え方などを教えてもらいました。
【ドングリを割って見てみよう】
【これが芽??】
まだ緑の柔らかめのドングリを選らんで中を割ると、芽らしきものが見えます。これでどっちを上にして植えればいいか分かったでしょうか?
そして毎年恒例のドングリを食べてみよう!では
「ん?あんま味がしない」「っにが!」顔を歪めながらもどんどん食べる(笑)
今年の児童はいろんなものに対して好奇心が強く、どんどん触る、嗅ぐ、見る、食べると積極的で不思議に思ったことはすぐに講師に質問。
講師たちも「大人になるとこういった感覚が少なくなるので、興味が大きいということは大変いいこと」と感心していました。
自然観察会では子どものいろんな面を発見できるとともに、子どもの頃にはあったはずの好奇心や感受性が薄くなってしまったなぁと気付く大人たちがいました。
2014年11月28日【80周年】 秋の備讃瀬戸ウォーク(紫雲出山)
瀬戸内海国立公園 高松 大林めぐみ
指定日である3月16日から続いていた記念行事は11月30日をもって終了しますが、その前週である11月23日に秋の備讃瀬戸ウォーク第2弾・紫雲出山~三崎灯台へ行くコースが開催されました。
集合場所によっては7:00と朝早いにも関わらず、200名の公募もあっという間に募集人数に達する人気振り。
そして、1番気がかりだったお天気も快晴!というウォーキング日和。
【出発式】
出発式では、香川県知事からの開会挨拶、県議長と開催市である三豊市長から祝辞を頂き、その後ウォーク参加代表者である児童と来賓者とで3本のサクラを記念植樹しました。
みんなでしっかり準備体操したら出発です。
【紫雲出山山頂園地からスタート!】
ここから箱峠までは約2㎞の下りコース。
少し急な下り坂ですが、カサカサと落ち葉の音をさせながら、自分のペースで下山していきましょう。道中では平坦な台地や井戸の跡らしきものが残り、その昔に山城があったとされる新田の城跡や、燧灘や三崎方面の山が見える展望スポットなど目先を変えると違う景色が見られます。
【ハゼノキの紅がすごくきれいに映えます】
下りも2㎞あると、結構足腰に堪えます。最後の階段を下りきったら箱峠で小休憩。
この近くには三宝荒神宮があり、そこでは毎年旧暦2月1日(現在は1番近い日曜日)に生里百々手祭(なまり ももてまつり)が行われています。この祭事は、1000年以上の歴史があり、7人の射手が10m先の素焼きの陶器の的をめがけて矢を放ち、八百万の神に地域の安寧、厄払いや大漁豊作を祈願するもので、今年3月には国指定重要無形民俗文化財に指定されました。
興味ある方は行かれてみてはどうでしょう。(祭事ですので地元の方の迷惑にならないようマナーは守って下さい)
箱峠から約1.4㎞。集落を抜けて、海のさざ波音が近づいてくると、仁老浜に到着。
【海を眺めながら昼食休憩】
ポカポカ陽気の中食べるお弁当は格別で、隣にいた知らない参加者との会話も弾みます。お話ししてみると、あちこちの里山を歩かれていたり、こんなイベント行ってきたわなど色んな情報を知られると同時に、自分の親世代の方はすごい活発に活動されているんだなぁと改めて感心しました。
しっかり休息を取った後、午後から向かう三崎灯台、ゴールの箱浦ビジターハウスへと出発。
【ウバメガシの純林の中へ】
これまで通った地名は、生里(なまり)、箱(はこ)、仁老浜(にろはま)とやや聞き慣れない地名ばかり。紫雲出山登山口や仁老浜にあるお手洗いは何やらお城?のような。。。実は、お手洗いは竜宮城をかたどったもの。
ここ、荘内半島には浦島伝説が残る地域なのです。
http://c-chushikoku.env.go.jp/blog/search.php?search_word=%E6%B5%A6%E5%B3%B6&search_submit=Go
(中四国AR日記内で「浦島」と検索すると関連記事が出ます)
【三崎灯台】
ここからは香川県伊吹島~愛媛県弓削島~広島県走島~岡山県北木島~香川県佐柳島となんと4県の県をまたがる眺望が見られます。
三崎灯台付近の海域は水深が深く、潮の流れが速いため身の締まった鯛が釣れることでも有名。この日はハマチを狙いにきた釣船が数十隻もいました。参加者の中には、「釣船からいつも荘内半島を見ていたから、今度は陸から海を見てみようと思って参加してみたんや」と。なんともステキな発想で参加された方は、皆さんにどんなものが釣れるかなど説明もしてくれました。
三崎灯台をUターンし、立石休憩所過ぎた分岐点で室浜方面へ。
室浜集落にある香川の保存木である室浜大明神のシンパクで小休止した後は、県道を通ってゴールへとラストスパート。
そして、全行程10㎞弱の道のりを歩きった後には、なんと!
【4代目浦島太郎さんによるお話】
そう浦島の里だけに本物(?)の浦島太郎さんがいるのです。
お話だけでなく、参加者と一緒に集合写真を撮ったりと歩き疲れた皆さんをしっかり楽しませてくれました。
楽しませてくれたのは浦島太郎さんだけでなく
【地元お母さん達による、がらたち餅のお接待】
肉まんのようにふっくら蒸した皮に甘さ控えめのアンコが美味しい!手の平大ほどの大きさでしたが、2個ともぺろりと頂きました。
三豊市担当者によると、がらたち餅は箱地区にだけ伝わる郷土料理。そんな珍しい郷土料理を朝7:00から作って下さったお母さん達に感謝です。
瀬戸内海国立公園指定80周年記念行事は終わりますが、さまざまなイベントを通して色んな所に足を運んで、またその風景や場の雰囲気、地域行事などに参加するきっかけになればと思います。
ご参加頂いた皆さま、ありがとうございました!
【道すがらに見つけた「おっ」というもの】
室浜~箱浦ビジターハウス途中にある石像と浦島太郎さん。そっくりです。
4月の五色台体験教室は、いつもの自然観察に音楽が加わったコラボレーション企画。
音楽と自然観察??不思議な組み合わせに一体どんなことが行われるのでしょう。
今回、音楽を担当してくれるのは、瀬戸内国際芸術祭ボランティアサポーターこえび隊の音楽好きが集まってできた「こえびカンダダン」。学生時代に吹奏学部に所属していたり、楽器をやってみたいと集まったグループで、島でのお祭りを始め、さまざまなイベントに引っ張りだこの愉快な楽団です。
<管楽器に太鼓、ピアニカなどなんだか楽しそうな雰囲気>
会場に到着した時から聞こえてくる音楽に、参加者もわくわくしていました。
今回は音楽ということで、耳慣らしのアイスブレイクを。
中身の見えない筒を振って聞こえてくる音の仲間探し、そしてみんなで中身を当ててみましょう。
<声に出さず、聞こえてくる音とジェスチャーで仲間探し>
中身は砂、水、ドングリと身近にあるものでした。フィルムケースを使いましたが、別の入れ物を使っても少し聞こえてくる音が違うかもしれません。
耳慣らしが終わった後は、森歩きに際しての危険生物への注意点や服装などレクチャーを受けたら、さぁ森歩きへと出かけましょう。
さっそく広場から下りた所では、野鳥の鳴き声が聞こえてきます。
<みんな目を閉じて、聞こえてくる音に耳を澄ませます>
"森のピッコロ"と呼ばれるキビタキの声や分かりやすいウグイス、メジロなど聞こえてきます。
・・・すると、聞き覚えのある音楽が。トトロ!野鳥の鳴き声を合わさり、みなさんすごくリラックスした雰囲気。このまま数分いると、大人はきっと寝てしまいそうになるくらい。
出発すると、子ども達は生き物探しに夢中です。地面をじっと見ながら少しでも動く物があれば、集中的に探して、捕まえられたらスタッフに質問攻め。中でも見つけやすく、可愛らしい姿のダンゴムシは人気でした。
上写真:匂いを嗅いでみよう!
→答えはホンザンショウ(ミカン科)。いい香りがします。葉を見て「寿司にのってる」と答えた子も。
下写真:沢ではどんな生き物が見られるか?演奏される音楽がヒント!
→みんな手が挙がり、答えはそう、トンボ。竹でウッドブロックを模した楽器や空き容器を使ったマラカスを持って、みんなで合奏しました。
この日は気温が上がらず、沢ではカワトンボは見られませんでしたが、ガガンボを捕まえたり、コクサギの匂いを嗅いだり、ヒサカキの葉で草笛を作って吹いたりしました。沢の近くでは薄紫の花のシャガ(アヤメ科)や白い花が茎下に垂れ下がるホウチャクソウ(ユリ科)が見られますよ。
テニスコートでは・・・?"ふるさと"が聞こえてきて、歌詞の中にある「うさぎ」からウサギの痕跡探しです。
痕跡って何かというと。。。
ウサギの糞です。各自旗と目印の洗濯ばさみを使って、見つけたらドンドン差していきます。広さはテニスコート1面あるかないか程度ですが、30本程あった旗はあっという間になくなりました。
<左:ここにもあったよ!> <右:引いて見ると・・・、広場は旗で埋め尽くされる程たくさんの痕跡>
日中は姿を見せにくいノウサギですが、夜になると落ち着ける場所で用を足していきます。
五色台ビジターセンター周辺の広場では、こういった糞がたくさん見られます。また他にもタヌキやイタチも姿を見せることがありますよ~。ただ、日没~早朝はイノシシも活動中なので、十分注意してくださいね。
魚の池に到着すると、子ども達の目は大群のオタマジャクシに釘付け。
ここでも見られる生き物のヒントは音楽で。演奏し始めると・・・。
<左上:「ハイハイッ!」一斉に手が挙がりました!答えは・・・カエルの唄とメダカの学校>
知っている童謡だと思わず口ずさむ子ども達。
歌った後は、網にオタマジャクシをすくって水槽に移し入れて、手で触ってみたり、じっくり見たり。
また魚の池で見られるフタスジサナエは羽化し始めたばかり。羽根やカラダがまだ乾ききっていないので、そっと持って近くで様相を観察。さすがにクロスジギンヤンマは速すぎて捕れませんでしたが、男児がヤゴの抜け殻を見つけてくれました。しかも保存状態は抜群です。
<左上:イトトンボのヤゴ 右上:フタスジサナエであろうヤゴ>
<左下:オニヤンマのヤゴ 右上:帽子に止まったフタスジサナエ>
ヤゴの抜け殻をよく見ると、その独特なアゴをじっくり見ると折りたたまれていることが分かります。ヤゴは捕食する時に下あごがグンッと伸びてワシャッと食べてるのです。映像でみると圧巻です。
魚の池ではメダカもいます。このメダカによく似たカダヤシという外来生物は、他の地域で在来のメダカと交配して雑種が生まれている問題も起こっています。
簡単な見分け方はこちら↓
たっぷり2時間30分歩いた後は、日焼けの後のビタミン補給にぴったりのイチゴと塩分補給のドリンクを飲みながら青空ライブ。
<最初は聞いていただけでしたが、後半は各々楽器を持って合奏>
終始、普段見慣れないフルートやホルン、チューバなどに興味津々な子ども達。自然観察同様、ただ見るだけより実際手に取ってみんなで一緒に演奏する方が断然楽しい!
五感のうち、得る情報のほとんどが視覚ですが、耳を使って、また手で感じること、匂いを嗅ぐことで1つの生き物や植物からいろいろな情報が得られます。そうすると、好奇心もぐんぐん出てくると子ども達の目は2時間前よりもぐっと変わってきますし、まして大人の方が夢中になることも。
五色台は、高松市、坂出市中心部から車で約40分程度と気軽に行ける里山の自然がたくさん感じられます。
このGWの予定がまだの方、ぜひ五色台へお越し下さい。
今は薄紫の花をつけたヤマフジやキリ、まだ見頃のオンツツジやヤマツツジ、園地には色鮮やかなオオムラサキなど園芸種のツツジもお目見えです。
********************5月 GW特別プログラム*************************
『簡単スモークチーズづくり&プチロープワーク』
そろそろキャンプシーズン到来!アウトドアに役立つロープワークや新聞紙で作る生ゴミ入れの紹介、
そして、アウトドア料理に加えると自慢できるスモークチーズづくりを行います!
ただし、各回限定5人、先着順となっております。お早めに事前予約ください。
日 時;5月3日(火・祝)①10:00~ ②11:00~ ③13:00~ ④14:00~
場 所;五色台ビジターセンター(詳細の集合場所は申込・お問い合わせ下さい)
参加費;300円/人
持ち物;汚れてもいい服装、飲み物など