今回は、五色台ビジターセンターで開催中の「香川の変形菌」展を紹介します。
みなさまは、変形菌に出会ったことがありますか?実はそんなに珍しいものではないので、気づかずに出会っているかもしれないですね。
例えば、下の写真には写っていますよ。どこでしょう?
手前の杭の上面、何やらキノコのような、虫の卵のような、植物の種のようなピンク色の丸いつぶつぶが変形菌の一種。
拡大するとこんな感じです。
ほかにもこの日、この近くで見つけたもの。髪の毛の先にふわふわの毛糸がついたような形です。
落ち葉の裏の白いつぶつぶに見えるのも変形菌の一種。
では、ここで問題です。
1 変形菌は動物の一種である。○?×?
2 変形菌は植物の一種である。○?×?
3 変形菌は菌類(キノコやカビの仲間)である。○?×?
どうでしょう?
答えは、すべて×です!
変形菌はアメーバみたいに動きまわっている、と思ったら、ある日突然ちいさなキノコみたいな形に変身する、とっても不思議な生き物です。
そんな不思議な生き物「変形菌」の美しい写真を約35点(6月26日頃に入れ替えるので、全部で約70点!)実体顕微鏡でのぞける標本を約40点、生活史などをわかりやすく楽しく紹介するパネルなどを展示しています。さらに、自分でルーペを使って変形菌を見つけることができるコーナーもあります。
変形菌を見つけたいけど、どこにいけばいいの?それっぽいものを見つけたのだけどこれって変形菌?
変形菌って何を食べるの?雄と雌があるの?どうやって増えるの?天敵はいるの?
などなど、疑問は会場である五色台ビジターセンターの職員にぶつけてください。
きっと、目をキラキラさせて教えてくれること間違いなしです。
閲覧用参考資料も子ども向けから専門書まで用意していますので、そちらもご覧いただけます。
目をこらすと見えてくる小さな不思議な生き物についての展示です。これを見たら落ち葉をめくってみたくなること必須!ぜひ、ごらんください。
写真は展示の一部です。
会期は7月18日(月・祝日)まで。
五色台ビジターセンターにて開催中です。
詳細は五色台ビジターセンターのHPをご覧ください。
]]>前回ご紹介した剣山山系のニホンジカの動画、まだの方はぜひこちらからどうぞ。https://www.youtube.com/watch?v=bf42uFVwUY
環境省四国事務所の野生生物課で行っている『国指定鳥獣保護区内でのニホンジカの生息状況調査』。動画でご紹介しているのは剣山山系ですが、3月28・29日、福田専門員が行う石鎚山系国指定鳥獣保護区(面河渓、杉の人工林、笹ヶ峰の中腹の3か所に設置)の自動撮影カメラメンテナンスに同行させてもらいました。
自動撮影カメラは、動くものをセンサーが感知して10分毎に3枚撮影します。シカの個体数を把握するためには、ダブルカウントを防ぐ必要がありますが、ちょうどよい間隔だそうです。1,2か月に1回、電池と記録メディアを交換します。
カメラ設置場所へ向かう道中で、シカの糞、シカの食痕や角で傷ついた樹木、シカの寝屋などを、確認し撮影記録します。
パツっとハサミでカットしたようなのは、ウサギやネズミの仲間の食べ痕です。
シカは下あごにしか前歯がないため、ウサギのように草をかみ切ることができません。上の歯茎と下の前歯で挟んで引きちぎるようにして食べるため、切り口がぎざぎざになります。(シカの食痕は笹ヶ峰中腹で撮影したもの)
シカは笹などの下草を食べ尽くした後、樹皮を剥ぎにかかります。届く範囲の皮がすべて剥ぎ取られ、皮のおいしい部分を食べた後、さらにシカは、樹皮のすぐ下にある栄養が通る部分をなめとります。シカはこのほか、角を樹幹で研ぐことでも樹木を傷つけます。被害をうけた樹木は、傷口から菌に侵入されたり、栄養が運べなくなったりして枯れてしまいます。
こちらはタヌキなど、雑食の動物ため糞です。糞に赤いビニールテープが紛れています。よく木に目印として巻かれていますが、人が不用意に持ち込んだゴミが野生動物に与える影響を考えさせられます。糞の下には赤い胸部がおしゃれな『クロボシヒラタシデムシ』がたくさんいました。シカの食害が進み花の咲く草本が激減した地域であっても、唯一増加に転じたのが『シデムシ』などの糞虫です。
現在、石鎚山系は剣山山系ほどシカの被害は出ていませんが、確実にシカの痕跡は増えつつあります。まだ被害の少ない今だからこそ、失われる前の対策が必要です。そのために私たちはニホンジカの生息数を把握し、有識者の方や猟友会の方々と一緒に適切な駆除計画を立てて実行しています。
]]>近年、増えすぎたニホンジカが草や木を食べ尽くしてしまうことが、各地で大きな問題となっています。それは山の上だけの問題と思っていませんか?
シカの増えすぎた山では、希少な草木がなくなり、林が消滅し、素晴らしい風景が様変わりしてしまいます。影響はそこで終わりではありません。地表が露わになり木々が立ち枯れた林間は、雨水を貯める力を失い、山肌が削られ、土石流を引き起こすなど、やがては私たちの生活を脅かす大きな災害へとつながります。
シカの食害による植生の急激な変化は、決して山や森だけの問題ではないことを広く知っていただくために、環境省公式YouTubeサイトでは、国指定剣山山系鳥獣保護区のニホンジカによる環境の変化と保全活動を伝えています。
ぜひご覧ください。https://www.youtube.com/watch?v=-bf42uFVwUY
動画では、剣山山系の現状をたくさんの写真で紹介しています。
次のAR日記では、石鎚山系のニホンジカ生息調査に同行した際の模様を春の山の姿とともにお伝えしたいと思います。
]]>今回は、五色台ビジターセンターで行われた体験教室「春の自然を観察しよう!」の様子をお知らせします。
講師は五色台ビジターセンターに勤務するインタープリター曽根康男さん。
天気は雨。「雨の日、生きものたちはどうしているかな?晴れている日と同じ?」。雨の日ならではの視点から始まります。参加者の予想は「雨宿りをしているのでは」それを確かめるために草むらで生きものを捜しました。
虫眼鏡でのぞいているのは、コバノガマズミの花。
虫眼鏡で見たからこそ出会える美しさです。
雨の日ならでは。カタツムリが出てきてくれました。みんなでカタツムリの歌を歌った後考えます。「ツノだせ。ヤリだせ。目玉出せ」の「ツノ、ヤリ、目玉ってどこのこと?」
赤い丸の中、なにやら葉っぱを巻いたものが・・・
これはオトシブミという虫の一種が産卵時に巻いたもの。きっちりきれいに巻いたものの中には1個の卵が入っているそう。小さい虫なのにこんなにキレイに巻けるのってすごい!!
イタドリの笛を吹いたり、スミレの花でお相撲遊びをしたり、昔からの伝承遊びも楽しみました。
参加者の気づきを大切にした観察会。雨天の中、晴れの日にはできない楽しみ方も教えていただきました。
五色台ビジターセンターでは、1時間程度スタッフと楽しむツアー「森を歩こう」を予約制で行っています。自然に詳しく経験豊富なインタープリターがご案内します。子どもから高齢者まで対応できますので、お気軽にお問い合わせください。詳しくは、HPで。
https://goshikivc.jp/experience-class/(このページをスクロールさせると団体利用案内の下に詳しい案内があります。)
また、五色台ビジターセンターでは随時、企画展示を行っています。現在開催中なのは「香川の野鳥写真展」日本野鳥の会香川支部の会員が県内で撮影した野鳥の写真70点程度を展示しています。
それに合わせて、次回の体験教室は5月14日(土)「春のバードウォッチング」です。
申込方法など詳しくはビジターセンターのHPをご覧ください。
]]>「中国四国の国立公園展―アクティブ・レンジャーが伝える自然と活動―」を香川県三木町で開催中です。
展示している写真の中からいくつか紹介します。
まずは、瀬戸内海国立公園から「島の営み」
高松市の男木島では、港を中心とした集落が斜面に石垣を築いて階段状に建てられています。これは、平地が少ないという瀬戸内海の島の特性から作られた風景です。
同じく瀬戸内海国立公園から「浦島太郎の亀?」
この大きな岩、亀に見えませんか?私にはこちらに向かってきているように見えるのですが、人によると向かって左の方向に進んでいるようにも見えるようです。あなたは、どちらですか?
この岩があるのは、香川県三豊市の庄内半島の丸山島。この島には干潮時のみ歩いて渡ることができます。潮が満ちてくると自然にこの岩も海の中に入っていきます。ゆっくり眺めていると、庄内半島の浦島伝説に登場する亀のようにも思えてきます。
足摺宇和海国立公園から「うみのわ」
2020年3月にオープンした竜串ビジターセンターは、人と人、自然と人を繋ぐ拠点という意味を込め、「うみのわ」という愛称がつけられています。
大山隠岐国立公園から「絶滅危惧種・クロシジミ」
クロシジミは絶滅危惧種に指定されており、島根県では隠岐でしか生息が確認されていないチョウです。派手さはありませんが非常に面白い生態を持っています。そんな希少なチョウの交尾をとらえた貴重な一枚です。
他にも、国立公園内を巡視するアクティブ・レンジャーならではの視点でとらえた29枚の写真のほか、中国四国の各国立公園の見どころマップなどを展示して皆様のご来場をお待ちしています。
会期は3月21日(祝・月)まで。場所は三木町文化交流プラザ2階。
開館時間中はいつでも無料でご覧いただけます。お気軽にどうぞ。
また、会期中、本会場1階のメタ・ライブラリーでは、国立公園についての特集コーナーを設置中です。国立公園に関する本や、国立公園を守るレンジャー(自然保護官)の仕事を紹介する本など多数展示されています。展示中の本の貸し出しもできますのでこちらもどうぞ。
]]>今回は、徳島県鳴門公園内で行われた植樹イベントについてお知らせします。
植樹される苗木は、ここに集まった小学校6年生が、3年前に鳴門公園内で拾ったどんぐりを植えて大切に育ててきたものです。木の名前はウバメガシ。乾燥に強いこの常緑樹は瀬戸内海の海岸沿いで数多く見ることができます。
まずは、ご挨拶。子どもたちが持っている袋には、自分で育てた苗木が入っています。
植樹する場所は老朽施設の撤去跡地。奥に見えるのは先輩たちが植樹したウバメガシです。手前の穴は、本行事の主催者である一般財団法人 自然公園財団鳴門支部のみなさんが掘ってくれたものです。この穴に植樹していきます。
大きく育った苗木は植木鉢の下の穴からも根をのばし、なかなか鉢から出てきません。
やっと出た苗を穴にいれ、肥料入りの土や、もともと穴に入っていた土で穴を埋めます。
水をたっぷりとやって植樹は終了です。
その後、徳島県植物誌研究会の木下覺(さとる)先生から植物のお話し、自然観察指導員の市原眞一先生から生きもののお話しなどお聞きして行事は終わりました。
最後に、子どもたちの代表者からの挨拶がありました。その中で印象に残ったのは「どんぐりに負けないように自分たちも生長していきたい」という力強い言葉でした。
どうぞ、子どもたちも苗木も大きく育ちますように。
]]>今回は、五色台ビジターセンターで行われた体験教室「生きものの冬越しを観察しよう」の様子をお知らせします。
2月最後の日曜日、体験教室に集まってくれたのは、2才から11才までの子どもたち11人と、おとな11人。講師は自然観察指導員である片山智子さんです。
まずは、樹木「トウネズミモチ」
ネズミのフンに似た実をつけるから、名前に「ネズミ」って入っているんだって!
フンに似ているっていっても侮るなかれ。漢方の世界ではこの実はいろんな薬効があるって有名。片山さんはこの実を集めて、コーヒーのように焙煎後ミルで粉にしてペーパードリップで飲んで元気になっているそうです。
自然観察路を歩いていると足元にたくさん見つかるこれ。「蛾のまゆですよ」の説明に「気持ち悪い!」と放り出す子も・・・。もう役目を終えて木から落ちてきていますが、このまゆに守られて幼虫から成虫に育ちます。この蛾(クスサン)が大人になるためには大事な大事なまゆだってことをちょっと心にとめておいてね。
広場についたらク3択クイズ。
「タヌキはどんな鳴き声?」
1番 タヌキっていえばもちろん「ポンポコポンポコ」
2番 猫のように「ニャーニャー」
3番 犬のように「クーンクーン」
参加者の予想は3番に集まりましたが、録音された鳴き声を聞いてみると・・・
実は2番も3番も正解でした。
木の皮がジグソーパズルのようなこの木は「カゴノキ」
はがれて落ちた木の皮を使って見立て遊びです。みんな、何に見えるかな。
ある子が「走っているライオンだよ」と見せてくれました。写真を撮り忘れたのが残念。本当に疾走するたくましいライオンに見えました。
味覚も自然を楽しむ大切な感覚。この草の葉は今の時期は赤くて小さいですが、もっと暖かくなってくると緑の大きな葉がでてきます。
味見をした子に「どんな味?」と聞くと「すっぱい!!!!」との答え。
そうそう、すっぱいから「スイバ」です。昔名前を付けた人もかじってみたのでしょうね。
広場に置かれたスタンドをめくってみると、小さな生き物たちが動き始めました。寒さや乾燥を避けて集まっていたのにごめんなさい。ワラジムシやダンゴムシ、そのほかいろいろな生き物は子どもたちに大人気です。
本日のまとめ。大きな子どもたちは、自分の言葉で感じたことや知ったことを書いていきます。小さな子どもたちは、シールを貼って自分が何を見たり感じたのかを確認しています。木の皮やドングリ、まゆも拾いました。
五色台ビジターセンターでは、1時間程度スタッフと楽しむツアー「森を歩こう」を予約制で行っています。本日の講師ではありませんが、自然に詳しく経験豊富なインタープリターがご案内します。子どもから高齢者まで対応できます。お気軽にお問い合わせください。詳しくは、HPで。
https://goshikivc.jp/experience-class/(このページをスクロールさせると団体利用の下に詳しい案内があります。)
五色台ビジターセンターでは、様々な体験教室を開催しています。
次回の体験教室は3月20日(日)「手羽先標本を作ろう」です。
詳しくはビジターセンターのHPをご覧ください。
]]>「中国四国の国立公園展―アクティブ・レンジャーが伝える自然と活動―」を香川県高松市で開催中です。
展示している写真の中からいくつか紹介します。
まずは、高松市内で撮影した美しい風景。
高松市が誇る景勝地、屋島の遊歩道。景色を眺めるだけでなく、ゆっくりとウォーキングするのもおすすめです。海風や強い日光を遮ってくれるウバメガシやコナラなどの木々に守られたコースです。
高松市庵治町にも絶景を望める場所があります。ここは御殿山(ごてんやま)。気軽なプチ登山でこの景色に出会えます。
生き物の写真も。
一度見たら忘れられないほどのインパクト!まるで着物を着た女の子を背負っているかのような!羽を広げると10㎝くらいの大型の蛾です。名前は「メンガタスズメ」。坂出市の五色台で撮影しました。
他にも、国立公園内を巡視するアクティブ・レンジャーならではの視点でとらえた31枚の写真のほか、中国四国の3つの国立公園の見どころマップなどを展示して皆様の来場をお待ちしています。
会期は2月23日(祝・水)まで。会期中の月曜日は休館日です。
会場は高松市生涯学習センターまなびCAN(高松市片原町11番1)3階です。
開館時には、いつでも無料でご覧いただけます。お気軽にどうぞ。
]]>明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いします。
今回、ご紹介するのは、五色台ビジターセンターの「森のふしぎな生き物 変形菌(粘菌)展示コーナー」。
前に立っているのはビジターセンターのインタープリター曽根康男(そねやすお)さん。五色台で集めた実物や撮影した写真を展示するほか、図鑑や読み物も置いてあるのでご自由に閲覧ください。
以下は展示の説明文から
「変形菌(へんけいきん)は粘菌(ねんきん)ともよばれます。名前に「菌」がつきますが、菌類(きんるい・キノコやカビの仲間)ではありません!
動物でも植物でもありません!!
アメーバのように森の中をゆっくり動き回っていたかと思うと、やがて小さな子実体(しじつたい)に変身して胞子をとばす、ふしぎでおもしろい生き物です。」
集めた粘菌は現在35種類。写真13枚は随時入れ替えていきます。また写真を撮りたい方用に、スマホ用の撮影台も用意しています。写真は撮影台を使ってスマホで撮った「ツヤエリホコリ」。丸く見えるところは直径およそ0.5㎜の大きさです。
知りたいことは何でも、常駐のインタープリター曽根さんに質問してください。きっと粘菌の素晴らしさ、おもしろさなどを熱く語ってくれることでしょう。
森のふしぎな生き物に出会いに、ぜひ、五色台ビジターセンターにお越しください。
五色台ビジターセンターについて詳しくは以下のページをどうぞ。
★ビジターセンターの1月の行事予定
企画展示 写真展「冬に見られる野鳥たち」 1月23日(日)まで
パネル展「四国のSDGs展」1月26日(水)から3月31日(木)まで
体験教室 ギャラリートーク「冬に見られる野鳥たち」1月15日(土)14:00から15:00まで
冬のバードウォッチング 1月23日(日)10:00から12:00まで
]]>AR日記をご覧の皆様、どのようなお正月を過ごされましたか?
2022年最初の国立公園展が、瀬戸内海国立公園内の村上海賊ミュージアムで1月5日より始まりました。
愛媛県しまなみ海道の大島に位置する同ミュージアムの外観は、勇壮な海賊船を模しており、目の前にはかつて村上海賊が活躍した海が広がっています。
その激しい潮流を体験できる船も運航しています。
今年度の会期も残すところ3か月となり、愛媛県でご覧いただけるのは1月27日までとなります。
]]>今回は、現在開催中の「四国の瀬戸内海国立公園展」のご案内をします。
会期は新年1月10日(日)まで。
会場はモンベル高松店(香川県 イオンモール高松店1階)。
内容は以下のとおりです。
パネル展示:瀬戸内海国立公園の解説、巡る際のおすすめルートの紹介など12枚
写真展示:環境省の職員が撮影した美しい瀬戸内海国立公園の風景など15枚
実物展示:環境省の職員である自然保護官の制服(夏用と冬用)
クイズ:国立公園についての3択クイズが6問
お子様からお年を召した方まで楽しめるよう準備しました。年末年始も休み無くご覧いただけますので、ぜひ会場に足をお運びください。
なお、本展示は、「国立公園オフィシャルパートナーシップ(注参照)締結企業」である株式会社モンベルの協力のもと中国四国地方環境事務所四国事務所が行うものです。
注:「国立公園オフィシャルパートナーシッププログラム」は、環境省と民間企業・団体が相互に協力し、日本が世界に誇る国立公園の美しい景観と、国立公園に滞在する魅力を世界に向けて発信し、国内外からの国立公園利用者の拡大を図ることで、国内外の人々の自然環境保全への理解を深めるとともに、国立公園の所在する地域の活性化につなげるためのパートナーシッププログラムです。
展示について詳しくは下記をご参照ください。
]]>今回は12月18日に五色台ビジターセンターで開催された、五色台体験教室「樹木とのつきあいかたを学ぼうー自然の樹木から学ぶ、いろいろなお手入れのしかたー」についてです。
講師は高橋成法(しげのり)さん。造園会社の代表取締役です。
ホワイトボードに書かれているのは「樹木は生き物。私たちと同じように生きています。管理する!などおこがましい。(差し出がましい)」
約1時間の座学の中で語られるのは、樹木を生き物ととらえての手入れの仕方。
「『とにかく、落ち葉が出ないようにしてほしい』という依頼で大きく切ると大きい葉が出てくるようになります。これは樹木が『自分の形を認識している』から。強く切ってしまうと木も『早く元の形に戻さなくちゃ』と必死になって、大きく枝を伸ばすことになります」とのこと
座学の後は、建物から出て実際の樹木で枝振りなどを見ていきます。
ビジターセンター前のエゴノキ。
参加者も持参した剪定ばさみを使って「木に優しい剪定」に挑戦です。
実技実習の後、質疑応答の時間もあり、樹木の病気への対応方法や虫被害への対策なども教えていただきました。
この教室で印象に残ったのは、「現状をよく見て、いいところが伸びるように『今』でなく『数年後』を見据えて樹木の手入れをする」という方針。まるで人付き合いのようだ、と感じました。何にせよ「つきあう」という方法は同じなのかも知れないですね。
次回の五色台ビジターセンターの体験教室は、1月23日(日)「冬のバードウォッチング」です。申込み方法など詳細は、下記までお問い合わせください。
五色台ビジターセンター ℡:0877-47-2479
]]>さて、香川県には、おむすび型の山や台形のように上面が平らになった山が数多くあります。
おむすび山の代表は、飯野山(いいのやま)。
台形山の代表は、屋島。
「五色台は、山頂の平らな面と緩い斜面とが急斜面に囲まれた台形型の地形をしているので、屋島に近いです。ただし、屋島ほどはっきりとはしていませんが」という先生のお話から体験教室は始まりました。
五色台の地形を確かめるには、会場の展示物が便利です。
次に、会場である五色台ビジターセンターの2階の展望台から、讃岐平野の山々や瀬戸内海の島々の様子を観察。ここからは、飯野山はじめ大小様々なおむすび型の山を見ることができます。
2階から降りてきたら、会場の展示を使って、どうしてそんな地形ができたのかの説明です。会場では、五色台や飯野山の地質を説明した模型や、実物の岩石も手に取れる形で展示しています。
この特徴的な地形を作り出すキーワードは「安山岩の風化」
外に出て、歩道沿いに安山岩を捜します。山頂には風化して柔らかくなった安山岩があります。この安山岩の風化の具合によって、おむすび山や台形山ができるそうです。
自然観察路に入って、先生から「谷はどうしてできるのでしょう?」「水が削るだけでなく石も流れて、水と石(土)で削っていくんですね。その流れのことが土石流ですよ。谷がたくさんある山というのは土石流が多い、ということでもあります」
イチョウの黄葉が美しい谷沿いでお聞きしたお話です。
自然観察路を出て自然体験施設(クラフトハウス)近くに出ます。
「この建物の壁に利用されているのは由良石。高松市の由良山で取れる石です。」
「この建物近くの広場にある石は五色台産。よく見ると、割れ目に筋の入る流理(りゅうり)、板状に割れる板状節理(ばんじょうせつり)を確認することができます。」
「山歩きの楽しみが増えました」と参加者のお一人から感想をいただきました。
専門家と一緒に歩くと普段気にもとめてなかったことに気がつき、世界が広がってきます。今後も、五色台体験教室では専門家に自然のことを教えていただく教室を開催いたします。ぜひ、ご参加ください。
次回の五色台体験教室
「樹木とのつきあいかたを学ぼう-自然の樹木から学ぶ、いろいろなお手入れのしかた-」
12月18日(土)9:30から12:00
詳細は五色台ビジターセンターのホームページをご覧ください。
]]>今回は、徳島県の鳴門公園内で行われた森林自然観察会の様子をお知らせします。
この観察会の参加者は、地元、鳴門市の小学校3年生です。引率の先生方や保護者の皆様と一緒に大型バス2台で鳴門公園にやってきました。
まずは、楽しいドングリ拾い。ウバメガシのドングリが道ばたにたくさん落ちています。今年は大勢が一生懸命拾っても、拾いきれないほどの大豊作です。
最初の展望台に着いたら、徳島県植物誌研究会会長の木下先生からのお話しです。先生が配ってくれたのは鳴門ウチノ海総合公園で拾ってきた「食べられるドングリ」。マテバシイ、スダジイ、ツブラジイ。「食べられる!」ということで興味津々の子どもたち。焙烙で煎る方法の他、紙の封筒に入れてレンジでチン、というやりかたでもおいしいとのことでした。
あと、ホルトノキ、ムクロジの実についても教えていただきました。
後半は、徳島県立佐那河内いきものふれあいの里の自然観察指導員である市原先生の生き物のお話しです。「何が入っているのかな?」代表の児童は箱の横から手を入れてみます。見ているみんなは箱の窓から見えるので何かわかっています。その反応を見てこわごわ手を入れると・・・
1回目は鹿の角、2回目はスズメバチの巣が入っていました!
話が終わって移動中、生き物を見つけて披露する市原先生。子どもたちの「ギャー」という叫び声が聞こえたので何かな?と近づくと・・・
おなかの大きなジョロウグモ。卵を今から産むのかな。
移動先は鳴門山展望台。鳴門公園の中で一番高いところにあるので見晴らしは最高です。
また、ここは、野鳥観察に最適な場所。「鳴門大橋の鉄塔にハヤブサがいることがあるよ」と市原先生に教えていただき、単眼鏡を目に捜してみますが、この日は見ることができませんでした。見えるのは優雅に風に乗るトビたちばかりです。
「鳴門には何度も来ているのに、こんないいところがあるなんて知らなかった」とは保護者の方の感想です。せっかくの高台の展望台がもったいない!
この展望台までの道は、小学生たちが通った道とは違いますが、駐車場近くの階段を上がって、高速道路を横切る橋の手前から上るコースがわかりやすいです。鳴門公園には展望台があちこちにあるのですが、ここは「鳴門山展望台」を目指してください。
階段をがんばって上ったご褒美はこの景色に出会えること。
さて、この日に拾ったドングリは小学校に持ち帰り、3年間大切に育て、卒業記念として生長した苗木を鳴門公園内の裸地等に植樹する予定です。
鳴門公園の自然にふれあい、自然保護の大切さを学ぶ行事でした。
どうぞ、ドングリが元気に育ちますように。
]]>10月31日に開催された香川県主催の大人気ツアー「かがわの自然探検ウォーク」のレポートをお届けします。
今回ご紹介するのは「森林散策コース」全行程 約8kmです。
白と黒の横縞がダイナミックなランプロファイア岩脈や蕪越狼煙場跡、安戸池など、東かがわ市を代表する自然と歴史を、ジオガイド・里山ガイドの方々の解説を受けながら約4時間かけてめぐります。
【デイサイト岩脈】
1400万年前に噴出した花崗岩に黒雲母が混じった大きな岩がそそり立っています。
砂粒ほどの小さな柘榴石(ガーネット)が、小さいながらも赤く結晶しているのが見られます。
【鹿浦越のランプロファイヤ岩脈】
ランプロファイアとは火成岩(マグマが冷え固まってできた岩石)のひとつで、鹿浦越岬では、およそ8000万年前、恐竜の生きていた時代、後期白亜紀に形成された花崗岩(白色)が冷え固まる際に収縮してできた節理(亀裂が入った隙間)に、後からランプロファイア岩脈(黒色)が貫入してできた縞模様が見られます。
昭和17年に国指定天然記念物に指定されています。
参加者の方は、地質名ランプロファイア(lamprophyre)と、登記名称は鹿浦越のランプロファイヤの違いや、アルファベット表記について熱心に尋ねておられました。
【蕪越狼煙場跡】
江戸時代末期、外国船の来航を知らせるため狼煙があげられました。当時、長く高く煙を立ち上げるための材料に何を使ったのでしょう?
よもぎが使われたのでは?乾燥して保存したのでは?常駐していたらしいけど、食料とかどうしていたのかしら?
参加者みんなで意見を交換し想像を巡らせました。
道中の涼しい木立が続く道端には、赤く色づく実をつけた樹や蔓、秋を代表する花萩が咲き、目を楽しませてくれます。
もう、フユイチゴがおいしそうな実をつけていました。
【女郎島】
東かがわのモンサンミッシェルといわれています。
潮が引くと道ができ、歩いて島まで渡れます。
【魚つき保安林】
豊かな水資源を守る林。崖下の海は透明度が高く底まで透けて見えます。
【安戸池】
安戸池が見えてきました。
水深の浅い安戸池は、水鏡のように山や空を映します。
安戸池のほとりで、香川のハマチ・ブリ養殖の過去と現在について教えていただきました。
安戸池は昭和3年に日本で初めて、ハマチ養殖に成功した海水池です。
現在は、安戸池を利用した管理釣り場や体験学習館、お食事処を併設した複合施設としてファミリーに人気のスポットとなっています。
また、引田沖の大いけす(25m四方×深さ20m以上)で、天然に近い環境を遊泳させて育てるブランド魚「ひけた鰤」も有名で、これから旬を迎えます。
瀬戸内海国立公園の美しい海、赤や黄色に色づく木々、旬の味覚など、魅力あふれる東かがわの深まる秋を目と舌で楽しんでみませんか?
開催日 令和3年10月31日
主催 香川県
後援 環境省中国四国地方環境事務所四国事務所、東かがわ市教育委員会
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