大山隠岐国立公園 松江
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2015年02月27日春めく出雲大社
大山隠岐国立公園 松江 宇佐美 裕太
こんにちは。
みなさん出雲大社が国立公園の一部ということをご存じでしょうか??
一昨年よりの遷宮で知名度も上がり、観光客も一時は3倍まで増えました。
いまさら紹介するまでもないほど有名になった出雲大社なのですが、実は隠れ探鳥スポットなのです!
高円宮家と出雲大社神職の千家家が昨年ご婚姻により親戚関係となりましたが、
両家共通の趣味のバードウォッチングを通じて交流があったそうです。
この日は出雲大社の境内を撮影させていただくという業務でした。
その際見かけた鳥たちを一部ご紹介します。
左上:ウソ(♂) 右上:コゲラ
左下:ヤマガラ 右下:シジュウカラ
川沿いに植えられた桜には様々な野鳥が訪れます。
ウソが群れで桜の芽を食べています。桜の下には芽が散らばっています・・・
耳を澄ませばあちこちからコゲラが木を叩く音がします。小さくてもやはりキツツキの仲間なのですね。
この川を境に国立公園です。
よく手入れされた松の参道の向こうには境内があります。
左上:カシラダカ 右上:シロハラ
左下:アトリ(♂) 右下:カワラヒワ(♂)
わかりにくいのですが、カワラヒワがカメラ目線でピンクのくちばしにマツの種子をくわえています。
アトリとカワラヒワはマツの木でよく見るので、マツが好きなのでしょうね。
他にもスズメ、ヒヨドリ、ツグミなどを見かけました。
みなさんも双眼鏡を持って出雲大社にお出かけなんていかがでしょうか。
鳥たちのさえずりが、春を感じさせてくれますよ。
2015年02月22日第1回宍道湖子どもパークレンジャー
大山隠岐国立公園 松江 宇佐美 裕太
中国地方ではもう春一番がやって参りました。
週末のとても暖かい日に第1回宍道湖子どもパークレンジャーが開催されました。
任命式の様子
子どもパークレンジャーは日々国立公園や国指定宍道湖鳥獣保護区を見守るレンジャーの活動を体験し、自然とふれあい学んでみようという事業です。
今回のテーマは「冬の宍道湖の姿を見よう!」でした。宍道湖一周の旅の始まりです。
ミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)を見つけました。北米原産の外来種です。
サルモネラ菌を持っている可能性がありますので、触ったら消毒しましょうね。
水質を調べています
あっ、カワセミだ!
宍道湖七珍のひとつ、シラウオについて勉強しました
生きているときはもっと透明なんだそうです
斐伊川河口の砂地にはたくさん足跡がありました、犯人はだれかな??
こんどはサワグルミを見つけました
みんなで割って食べてみました、以外とイケる
しじみ探し・・・冬は砂に潜ってます。水が冷たい!
冬でもいろんな生き物が暮らし、そのしるしが残されているものですね。
特に宍道湖では冬が渡り鳥のピークです。いまの時期にしか見られないものもたくさんあります。
みんなでこれからも宍道湖を大切に見守っていきましょうね!
2015年02月10日日御碕海岸ゴミ清掃事業 & 宍道湖ふれあいイベント告知【イベント】
大山隠岐国立公園 松江 宇佐美 裕太
2/8(日)に、日御碕の海岸で漂着ゴミの清掃事業を行いました。
流木、発泡スチロールの浮き、ペットボトル類が多いですね。
ペットボトルには韓国語が書かれているものも多いです。
海岸から岸壁上の道路までクレーンでつり上げます。
つり上げ用の袋にゴミを詰めていきます。あすはおそらく筋肉痛です。
今回はたいしゃエコワーキンググループさんほかボランティアの皆さんのお力で行われました。悪天候の中ありがとうございます。
この日は強風のため、クレーンで持ち出すのはまた後日となりました。
皆さんおつかれさまでした!
◆◆宍道湖こどもパークレンジャー参加者募集中!◆◆
2/22(日)に宍道湖子どもパークレンジャーを開催します!
今回のテーマは「ぐるり宍道湖」。
宍道湖や国立公園で働くレンジャーと一緒に宍道湖の生きものや環境を調べましょう!
詳細・申し込みはこちらをご覧ください!(外部リンク:NPO法人自然再生センター)
過去の様子(中海子どもパークレンジャー)はこちら
2015年01月07日続・ナベヅル
大山隠岐国立公園 松江 宇佐美 裕太
明けましておめでとうございます。
松江に来て初めてのお正月を過ごしましたが、毎日のように雪が降っている印象です。
前回に引き続き宍道湖の鳥などの情報です。
宍道湖の湖北では一部の田んぼに収穫後の冬も水を張り、コハクチョウたちに採餌場所を提供しています。
またコハクチョウやカモたちの糞の窒素を利用し、化学肥料を使用しない―いわゆる「循環型農業」や「環境保全型農業」と呼ばれる農法を行っており、できたお米は「湖北はくちょう米」としてブランド化しています。化学肥料だけでなく除草剤や農薬も使っていないそうです。
この場所に来ると必ずと言って良いほど日中コハクチョウたちが集まっています。
雪が浮かぶ田んぼは見るからに寒そうですが、陸にいるよりもこっちの方がいいみたいですね。
載せようか迷いましたが・・・カモ類の糞です。大抵みどり色をしています。
コハクチョウもカモ科に属します。サイズ以外、見た目は変わらない糞をします。
ヌートリアです。農作物や畔(あぜ)を荒らしてしまう厄介な外来種です。
すぐ逃げるので後ろ姿の写真しか撮れません。汽水にも入るのですね・・・
繁殖力が強く、宍道湖周辺の水路でかなり繁殖しています。
このヌートリア駆除のために狩猟免許を取る農家さんにお会いしたことがあります。
また会えましたひとりぼっちのナベヅル幼鳥。でも行動はずっとコハクチョウと一緒です。
今度は天気がよい日に会えてばっちり写真に収めることが出来ました。
移動したようで最後に見たのはクリスマスの日でしたが、どこかで元気にしてると良いなと思います。
2014年12月17日ナベヅル 【島根の自然】
大山隠岐国立公園 宇佐美 裕太
こんにちわ。
今年は鳥インフルエンザの発生を受け、当事務所も宍道湖から目を離せない状況が続いているのですが、冬の宍道湖は鳥がおもしろいです。
松江にはいまちょっと珍しいナベヅルが来ています。
きれいな写真が撮れず残念・・・
群れから離れてしまったのでしょうか。まだ幼鳥です。
中海でも先月ナベヅルの幼鳥を目撃しており、コハクチョウの群れにずっと付いてまわっているのかもしれませんね。
こちらはイソシギです。首を縮めた姿がかわいいです。
よーく見てみると、片足で立っているのがおわかりになるでしょうか?
片足で立つのはフラミンゴだけじゃないんですね。
コハクチョウもあのずぶとい体で見事に片足寝をしているときがあります。
これらは一般的に体温保持のための行動と言われています。
(左)トビ (中)ノスリ (右)アオサギ
たんぼの一角に鳥が集まっていました。
ノスリの足下にある肉にアオサギの眼が釘付けになっています。
アオサギは人間に対してはとても臆病なのですが、このあと三者入り乱れての争奪戦になるのでした。
アオサギの勇敢な姿に出会えるとはなかなかラッキーでした。
こんどは猛禽たちにも負けないようにと応援してます。
2014年11月17日写真展~島根会場編~【イベント】
大山隠岐国立公園 松江 宇佐美 裕太
2014年11月04日三瓶山の火山活動について
大山隠岐国立公園 松江 宇佐美 裕太
紅葉が盛りの三瓶山を巡視することができました。
良い時期とあって多くの方が登山されています。
室ノ内底を囲む男三瓶と女三瓶の構図
カルデラ地形になっています
室ノ内底はオレンジ色に紅葉したクヌギとカシワが広がっています
左奥の山が女三瓶です
室ノ内池付近に「鳥地獄」という箇所があります。
看板のあしもとには噴気孔があります。
今ではほとんど二酸化炭素は出ていないようですが、昔は鳥が死ぬほど噴気があった一帯なのでしょうね。
三瓶山は火山です。
カルデラ地形や噴気孔を見ることができ、周囲には温泉もたくさんあります。
三瓶山の噴火活動について書いておこうと思います。
気象庁の選定する活火山*は全国に110ありますが、
中国・四国地方では阿武火山群と三瓶山の2火山のみとなっています。
三瓶山は1万年以内に噴火活動を少なくとも3回はしているようです。
三瓶山は気象庁の常時監視対象とはなっておらず、今のところ大丈夫、と言って良いと思います。
※活火山とは
「概ね過去1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山」
(火山噴火予知連絡会 2003年再定義)
今のところ噴火を心配する必要は無いと思いますが、有事に備えて知識を仕入れておくことは重要です。
気軽に登山が楽しめることで人気の三瓶山ですが、事前に情報を集め、準備は怠らずに登りましょう。
2014年10月17日リンドウ【島根の自然】
大山隠岐国立公園 松江 宇佐美 裕太
三瓶山には1~2週間間隔で訪れるのですが、毎回違う顔の三瓶山を見ることができます。季節の移り変わりを植物たちが教えてくれます。
10/10まだ蕾の個体が多い状況でした。
三瓶山は「花の百名山地図帳(2002年 山と渓谷社)」にヤマラッキョウの名山として紹介されています。
腹痛などに薬効があるのでお茶にされますが、とにかく苦いです。
紫色のセンブリ。島根ではかなり稀少です。
リンドウが紅葉シーズンの到来を教えてくれます。
室ノ内あたりまでしっかりと紅葉するのはもう少し先でしょうか。
今週末には国立三瓶青少年交流の家さんが主催する「さんべ祭」が行われます!
週末はぜひ山へ!
2014年10月14日マガン飛来状況【島根の自然】
大山隠岐国立公園 松江 宇佐美 裕太
宍道湖で調査していたマガンの飛来がやっと確認できました。
たんぼを中心に探していたのですが、どうやらこの時期は主に斐伊川の河口にいることが多いみたいですね。
宍道湖グリーンパークさんのHPによると初飛来は10/1だった模様です。
河口周辺を集団で旋回しては同じ場所に戻ってきます。
ひっきりなしに鳴いていています。この日はもう200羽以上いました。
マガンは国の天然記念物に指定されています。
米子水鳥公園にはすでにコハクチョウもきていますので、宍道湖周辺でももうじき見られることでしょう。
☆☆オマケ☆☆
2014/10/10 17:30ごろ
今の時期、宍道湖東岸からは旅伏山に沈む落陽を見ることができます。
美しい夕陽を足を惹かれ、晴れた日にはざっと200人以上の人が自然と集います。
3月22日、三瓶山で毎年早春に行われる、草原を維持するための伝統的な行事「火入れ」がおこなわれました。
先週まで暖かかったのにこの日は雪がちらつく天気・・・
全国的に草原の面積が減少している現代でありますが、草原が持つ機能が見直されてきているために日本では火入れを行う場所が増えています。
火入れ前はこんな感じのススキ原です
ボランティアの方々や三瓶山関係機関の職員たちがジェットシューターで鎮火します
この「輪千」という防火帯がないと火がどこまでも広がってしまいます。
輪千は先週これまたボランティアの手を借りて先週つくられました。輪千作りのための労働力確保は火入れを行うのにあたって最も重要な課題です。
煙がすごいんです・・・
でも火入れを行うことで、結果的にCO₂は削減されることが明らかになっています。
火入れ直後は文字通り焼け野原になりました。
2週間後には一面みどりになると言うのですから驚きですね。
参加したみなさまお疲れさまでした。
=解説=
~なぜ草原を守るの?~
○草原で特に注目される生態系サービス(エコロジカルサービス)
高い地下水涵養機能・・・森林におとらず地下水を蓄える機能を持っています
種多様性の保全機能・・・絶滅が危惧される「草原性希少種」がたくさんいます
景観・レクリエーション機能・・・美しい景観やクロスカントリー、ピクニックなどに利用
カヤネズミ ユウスゲ クロスカントリー競技
○全国で進む草原面積減少の要因
放牧の減少 ・・・牛の舎飼への移行が原因
採草の減少 ・・・化学肥料の普及により、草肥利用が少なくなったため
火入れ労働力の減少 ・・・高齢化、後継者不足など火入れの担い手が不足
~なぜ火入れをするの?~
○火入れの効果
樹林化の抑制・・・低木・灌木の生長を抑え、草原環境を維持する
萌芽の促進 ・・・枯れたススキなどを除去し、背の低い草に陽が当たるようにする
CO₂の削減 ・・・毎年高い生産性を維持し、炭として長く地表に固定
☆要するに火入れで枯れ草を除去することで、次世代の草がたくさん生える(たくさん大気中のCO₂を植物体に取り込む)⇒炭にして地中に保存 を繰り返すことで良質な草原を維持しつつ、生態系や環境保全に貢献しているということですね。