大山隠岐国立公園 松江
150件の記事があります。
2011年09月02日島根半島も国立公園です!
大山隠岐国立公園 松江 太田嘉和
9月に入りましたが、まだまだ暑いですね。
今回は国立公園の島根半島東部を巡視して来ました。
「大山隠岐国立公園」と言いますが、島根半島もこの国立公園に含まれるんですよ。
島根半島の美保関にはツツジで有名な五本松公園があります。
ここは環境省のグリーンワーカー事業で、業者に清掃をやってもらっている所の1つです。その状況を確認します。
この公園は15分ほど登った山の上にあります。
美保関港の湾を眼下に、境港市の街とそこから米子市に延びる弓ヶ浜、雲がなければ美保湾の向こうに大山が望めます。
「右奥が境港市で写真左に向って弓ヶ浜が延びています 隠岐からのフェリーが境水道に向かっています」
今日は暑いですが海を吹き渡る風が気持ちいいです。
東屋もあるのでここでお弁当を広げました。
ところが食べた途端「酸っぱい!」「え?まさか・・・」もう1口2口食べてみたのですが・・・口に入れてはいけない危険なかほりが・・・。
まだまだ暑いです。皆さん食中毒には気をつけましょうね。
島根半島の国立公園地は北側の海岸を中心に飛び飛びに分布しています。
北側は人が住まない複雑に入り組んだ自然海岸が多く残っているのです。
入り江に点在する集落を車で廻り、小さな漁港から公園内を観察します。
「山道にある展望所から島根半島の眺めを楽しめます。公園内の観察場としても良い場所です」
見廻っていると、所々山の緑に点々と茶色やくすんだ色が混じっている様に感じられます。
色々見て廻るうちに原因が見えてきました。一つには今年のドカ雪により折れたり弱ったりした木々が多いためと思われます。
また照葉樹の中にポツリポツリとある松が枯れ始めている所も見えます。わずかに残った松すらも松喰い虫にやられているのでしょうか。他にも台風の影響や夏の暑さや、病害虫と要因は色々あるかもしれません。
また杉・ヒノキなどの人工林も枯れた枝が目立つ所があります。人の手が行き届いていないためでしょうか。
竹林がはびこっている所も目立ちます。こちらも人の手が入らず、密集してしまって色も元気でないくすんだ色に見えます。
「荒れた竹林が山に広がっています」
地元の方にお話を伺ったりもしてみます。
五本松公園の辺りは昔は松林だったそうです。それが松喰いの被害にあい、すっかり枯れてしまったのだそうです。今の照葉樹と竹林が占める山からは想像がつきません。
私たちは今見えている山の風景が、昔からずっと変わらない景色だと思い込んでいるふしがないでしょうか。
ですが百年しない数十年という短い単位で、山の様子が変わっている事はよくある事のようです。
人の営みや都合で山の様子が変化するのであれば、山の状態とは時代を写す鏡とも言えないでしょうか。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「三瓶山子どもパークレンジャー参加者募集!」
今年のテーマは第1回が「三瓶の森を守る活動をしよう」
第2回が「冬の三瓶の生きものを観察しよう」
<日時> 第1回 平成23年9月24日(土)~25日(日)
第2回 平成24年2月18日(土)~19日(日)
<会場> 島根県三瓶山(三瓶青少年交流の家に宿泊)
<参加対象> 小学4年生~中学生 (各回定員30名)
<募集期間> (申し込み締め切り)延長により9月11日(日)まで
<参加費> 各回食費等実費負担3.000円(送迎バス利用者は別途バス代)
<申込・問合わせ>子どもパークレンジャー三瓶山地区事務局
(島根県立三瓶自然館サヒメル内) 電話0854-86-0500
・環境省HP「子どもパークレンジャー」にも載っています。ご覧ください!
http://www.env.go.jp/kids/gokan/jpr/index.html
今回は国立公園の島根半島東部を巡視して来ました。
「大山隠岐国立公園」と言いますが、島根半島もこの国立公園に含まれるんですよ。
島根半島の美保関にはツツジで有名な五本松公園があります。
ここは環境省のグリーンワーカー事業で、業者に清掃をやってもらっている所の1つです。その状況を確認します。
この公園は15分ほど登った山の上にあります。
美保関港の湾を眼下に、境港市の街とそこから米子市に延びる弓ヶ浜、雲がなければ美保湾の向こうに大山が望めます。
「右奥が境港市で写真左に向って弓ヶ浜が延びています 隠岐からのフェリーが境水道に向かっています」
今日は暑いですが海を吹き渡る風が気持ちいいです。
東屋もあるのでここでお弁当を広げました。
ところが食べた途端「酸っぱい!」「え?まさか・・・」もう1口2口食べてみたのですが・・・口に入れてはいけない危険なかほりが・・・。
まだまだ暑いです。皆さん食中毒には気をつけましょうね。
島根半島の国立公園地は北側の海岸を中心に飛び飛びに分布しています。
北側は人が住まない複雑に入り組んだ自然海岸が多く残っているのです。
入り江に点在する集落を車で廻り、小さな漁港から公園内を観察します。
「山道にある展望所から島根半島の眺めを楽しめます。公園内の観察場としても良い場所です」
見廻っていると、所々山の緑に点々と茶色やくすんだ色が混じっている様に感じられます。
色々見て廻るうちに原因が見えてきました。一つには今年のドカ雪により折れたり弱ったりした木々が多いためと思われます。
また照葉樹の中にポツリポツリとある松が枯れ始めている所も見えます。わずかに残った松すらも松喰い虫にやられているのでしょうか。他にも台風の影響や夏の暑さや、病害虫と要因は色々あるかもしれません。
また杉・ヒノキなどの人工林も枯れた枝が目立つ所があります。人の手が行き届いていないためでしょうか。
竹林がはびこっている所も目立ちます。こちらも人の手が入らず、密集してしまって色も元気でないくすんだ色に見えます。
「荒れた竹林が山に広がっています」
地元の方にお話を伺ったりもしてみます。
五本松公園の辺りは昔は松林だったそうです。それが松喰いの被害にあい、すっかり枯れてしまったのだそうです。今の照葉樹と竹林が占める山からは想像がつきません。
私たちは今見えている山の風景が、昔からずっと変わらない景色だと思い込んでいるふしがないでしょうか。
ですが百年しない数十年という短い単位で、山の様子が変わっている事はよくある事のようです。
人の営みや都合で山の様子が変化するのであれば、山の状態とは時代を写す鏡とも言えないでしょうか。
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「三瓶山子どもパークレンジャー参加者募集!」
今年のテーマは第1回が「三瓶の森を守る活動をしよう」
第2回が「冬の三瓶の生きものを観察しよう」
<日時> 第1回 平成23年9月24日(土)~25日(日)
第2回 平成24年2月18日(土)~19日(日)
<会場> 島根県三瓶山(三瓶青少年交流の家に宿泊)
<参加対象> 小学4年生~中学生 (各回定員30名)
<募集期間> (申し込み締め切り)延長により9月11日(日)まで
<参加費> 各回食費等実費負担3.000円(送迎バス利用者は別途バス代)
<申込・問合わせ>子どもパークレンジャー三瓶山地区事務局
(島根県立三瓶自然館サヒメル内) 電話0854-86-0500
・環境省HP「子どもパークレンジャー」にも載っています。ご覧ください!
http://www.env.go.jp/kids/gokan/jpr/index.html
2011年08月09日矢尻作り体験
大山隠岐国立公園 松江 太田嘉和
事務所のある松江市では、6日・7日と街のお祭り「水郷祭」がありました。
いや~暑かったです! 私は7日野外の特設ステージで歌手の小柳ゆきさんのミニライブに行ったのですが、出番を待っている間にすでにバテてしまいました。
それとはまったく話は変わりますが、前日の6日に私は矢尻作りを体験してきました。矢尻?そう“ヤジリ”です。
これは隠岐ジオパーク展の一環でおこなわれたものです。(松江市のタウンプラザしまね2Fで8月20日まで開催)、
隠岐は縄文石器の材料である黒曜石の産地なんです。
黒曜石が日本で採掘・利用されていたのは、6箇所ほどしかないそうで、隠岐はその1箇所なのです。
今日教えてくださるのは、隠岐の石器作り名人斎藤さんです。
まずは再現された弓矢を見せてくれました。
そして石器で新聞紙をスパースパーっと切って切れ味を見せてくれました。
子ども達は身を乗り出して見入ります
いよいよ矢尻作りです。名人が作り方のお手本を見せてくれました。
作り方は、矢尻サイズに割った黒曜石の端を鹿の角の先で剥離(はくり)させて刃を作っていくのです。鹿の角は決して演出ではなく、鹿の角でないとうまくいかないのだそうです。
さあ子ども達も矢尻作りに挑戦です。
子ども達は一生懸命力を入れて鹿の角を押しこみますが、力むばかりでなかなかうまくいきません。
「姿勢が悪いな~」と名人 親切に指導します
私もやってみましたが、これはなかなか難しい。力の入れ方と角度のコツがつかめない。
それでも子ども達は少しづつ剥離出来るようになってきて、刃らしきものが出来てきました。
最後は名人の力を借りて全員完成。
これはなかなか体験出来る事ではないのでは。子ども達にとって貴重な体験となったでしょう。
完成!これは皆に自慢できるぞ!
隠岐の黒曜石は縄文時代に中国・近畿地方そして朝鮮半島にまで渡っていたそうです。
それは縄文時代に朝鮮半島と行き来があった事を意味します。古代ロマンが広がりますね~。
ところで初めに「隠岐ジオパーク」という言葉を使いましたが、「ジオパーク」とはなんでしょう。
皆さん世界自然遺産はご存知ですよね。今年6月に小笠原諸島が新たに認定されました。
ジオパークは地質世界遺産とも呼ばれ、おもに地質などで貴重な場所を世界的に認定するものです。
隠岐は今年9月に世界認定の国内推薦地になる事を目指し、そして来年世界認定を受ける事を目指しています。
皆さんもぜひご注目を!
いや~暑かったです! 私は7日野外の特設ステージで歌手の小柳ゆきさんのミニライブに行ったのですが、出番を待っている間にすでにバテてしまいました。
それとはまったく話は変わりますが、前日の6日に私は矢尻作りを体験してきました。矢尻?そう“ヤジリ”です。
これは隠岐ジオパーク展の一環でおこなわれたものです。(松江市のタウンプラザしまね2Fで8月20日まで開催)、
隠岐は縄文石器の材料である黒曜石の産地なんです。
黒曜石が日本で採掘・利用されていたのは、6箇所ほどしかないそうで、隠岐はその1箇所なのです。
今日教えてくださるのは、隠岐の石器作り名人斎藤さんです。
まずは再現された弓矢を見せてくれました。
そして石器で新聞紙をスパースパーっと切って切れ味を見せてくれました。
子ども達は身を乗り出して見入ります
いよいよ矢尻作りです。名人が作り方のお手本を見せてくれました。
作り方は、矢尻サイズに割った黒曜石の端を鹿の角の先で剥離(はくり)させて刃を作っていくのです。鹿の角は決して演出ではなく、鹿の角でないとうまくいかないのだそうです。
さあ子ども達も矢尻作りに挑戦です。
子ども達は一生懸命力を入れて鹿の角を押しこみますが、力むばかりでなかなかうまくいきません。
「姿勢が悪いな~」と名人 親切に指導します
私もやってみましたが、これはなかなか難しい。力の入れ方と角度のコツがつかめない。
それでも子ども達は少しづつ剥離出来るようになってきて、刃らしきものが出来てきました。
最後は名人の力を借りて全員完成。
これはなかなか体験出来る事ではないのでは。子ども達にとって貴重な体験となったでしょう。
完成!これは皆に自慢できるぞ!
隠岐の黒曜石は縄文時代に中国・近畿地方そして朝鮮半島にまで渡っていたそうです。
それは縄文時代に朝鮮半島と行き来があった事を意味します。古代ロマンが広がりますね~。
ところで初めに「隠岐ジオパーク」という言葉を使いましたが、「ジオパーク」とはなんでしょう。
皆さん世界自然遺産はご存知ですよね。今年6月に小笠原諸島が新たに認定されました。
ジオパークは地質世界遺産とも呼ばれ、おもに地質などで貴重な場所を世界的に認定するものです。
隠岐は今年9月に世界認定の国内推薦地になる事を目指し、そして来年世界認定を受ける事を目指しています。
皆さんもぜひご注目を!
2011年07月12日ウスイロヒョウモンモドキ生息調査
大山隠岐国立公園 松江 太田嘉和
突然ですが「オカトラノオ」と言う花を御存知ですか。
写真の花がそうなのですが、実は私も実物を見るのは初めて。
美しい花ですよね。
ところで主にこの花の蜜だけを吸う蝶がいるのを知っていますか。
ウスイロヒョウモンモドキと言う蝶です。
この日記でも何度か話題に上がっている蝶ですが、絶滅の恐れがある種をまとめた「レッドデータブック」の中でも危機的状況の絶滅危惧Ⅰ類にあげられています。
今日は三瓶山でその生息調査に参加しました。
道中、森には白い大きな花の様なものが目立ちます。マタタビの葉っぱです。
それとクマノミズキの花が森をにぎやかにしています。
ヤマアジサイも綺麗でした
今年はずいぶんと早い梅雨明けになりましね。この日も暑い一日でした。
ただ山の上は風が強く、危く麦わら帽子を吹き飛ばされそうになりました。
風があるぶん涼しいのですが、蝶には飛びにくい強風です。
虫取り網を逆に持って、柄でススキ草原をなでて、隠れている蝶をおびき出します。
ススキ草原をなでながら蝶を探し出すと言うと優雅なものだと思うかもしれませんが、実際は藪がポコポコあるためスムーズになでられません。それに斜面でデコボコ、イバラに引っかかれ身動きもままならない。私の人生と同じです。
この日は名峰大山を望めました そして島根半島の向こうになんと隠岐も見る事が出来ました(この写真じゃわからないですが・・・)
ススキ草原で花なんて見えませんでしたが、入ってみると一番初めの写真のように「オカトラノオ」があちらこちらに咲いていました。
これは長年ウスイロヒョウモンモドキの生息地を保全しようと、植え続けてきた人々の努力のおかげでした。
この日ウスイロヒョウモンモドキは見つかりませんでした。
いま日本中世界中で多くの種が絶滅しようとしています。
私達の見た目には自然はなにも変わっていない様に見えます。
ですが私達の知らない自然のなにかが、もう失われつつあるのかもしれません。
写真の花がそうなのですが、実は私も実物を見るのは初めて。
美しい花ですよね。
ところで主にこの花の蜜だけを吸う蝶がいるのを知っていますか。
ウスイロヒョウモンモドキと言う蝶です。
この日記でも何度か話題に上がっている蝶ですが、絶滅の恐れがある種をまとめた「レッドデータブック」の中でも危機的状況の絶滅危惧Ⅰ類にあげられています。
今日は三瓶山でその生息調査に参加しました。
道中、森には白い大きな花の様なものが目立ちます。マタタビの葉っぱです。
それとクマノミズキの花が森をにぎやかにしています。
ヤマアジサイも綺麗でした
今年はずいぶんと早い梅雨明けになりましね。この日も暑い一日でした。
ただ山の上は風が強く、危く麦わら帽子を吹き飛ばされそうになりました。
風があるぶん涼しいのですが、蝶には飛びにくい強風です。
虫取り網を逆に持って、柄でススキ草原をなでて、隠れている蝶をおびき出します。
ススキ草原をなでながら蝶を探し出すと言うと優雅なものだと思うかもしれませんが、実際は藪がポコポコあるためスムーズになでられません。それに斜面でデコボコ、イバラに引っかかれ身動きもままならない。私の人生と同じです。
この日は名峰大山を望めました そして島根半島の向こうになんと隠岐も見る事が出来ました(この写真じゃわからないですが・・・)
ススキ草原で花なんて見えませんでしたが、入ってみると一番初めの写真のように「オカトラノオ」があちらこちらに咲いていました。
これは長年ウスイロヒョウモンモドキの生息地を保全しようと、植え続けてきた人々の努力のおかげでした。
この日ウスイロヒョウモンモドキは見つかりませんでした。
いま日本中世界中で多くの種が絶滅しようとしています。
私達の見た目には自然はなにも変わっていない様に見えます。
ですが私達の知らない自然のなにかが、もう失われつつあるのかもしれません。
2011年06月20日姫逃池のカキツバタ
大山隠岐国立公園 松江 太田嘉和
梅雨の真っただ中、皆さんいかがお過ごしですか。
島根はまだ言うほどうっとうしい気候ではありません。
ただ私の家の台所の流しを、ナメクジがやたらウロウロしているのでそれが嫌なくらいです。
さて三瓶山の麓には、伝説のある小さな池、姫逃池(ひめのがいけ)があります。
その伝説とは・・・話が長くなるので割愛します。
その池にはカキツバタの花が群生しています。
このカキツバタ、以前ほとんど見られなくなった事もあったのですが、多くの方の地道な保全活動によりだいぶ増えてきました。
先日その姫逃池のカキツバタ保全事業に参加してきました。
保全事業とは何をするのか?
草刈です(今回は)。
昨年もそうでしたがこの草刈、例年雨になる事が多く、今年は梅雨入り前に時期を早めたそうなのですが、梅雨もそれに合わせて早まったようです。
ただ今年は昨年には無かったプレゼントがありました。
そうカキツバタの花です。
姫逃池名物 浮島 カキツバタの島は素敵です
島根県の天然記念物にもなっています
今年は花の時期が遅れ花がまだ残っていたのです。
就任2年目にして初めて姫逃池のカキツバタを見る事ができました。
でものんびりそれをめでる暇も無く草刈作業に入りました。
ここには美しい花ショウブも咲いていますが、これは人間が持ち込んだもの。
カキツバタと競合してしまいます。
これはスコップで根こそぎ堀出してショウブ湯にでも使ってもらいます。
草刈をしていたらば、草むらの中から不思議な物が現れました。
ソフトボール大のいびつな楕円の泡の塊。
これ、モリアオガエルの卵でした。木の枝にぶら下がっているのをイメージしますが、地面にも生むんですね。
もちろん池にせり出した木の枝にも、モリアオガエルの卵がぶら下がっていました
池の中では腰まで浸かって綺麗なスイレンを引っこ抜いています。
これらは池の水の蒸発を進め、池を小さくしてしまうのです。
陸化が進むと、カキツバタも減ってしまうのです。
スイレンもまた人が持ち込んだものなのです。
胴長の周りにはヒルが寄って来ていたそうです・・・ お疲れ様でした
作業の後は地元のお母さん方手作りのおにぎりと漬物と豚汁。
そして今この池で採ったばかりのジュンサイ。
これがたっぷり入ったお吸い物をいただきました。ん~、なんてゼイタク。
でも高級なジュンサイもこの池では繁茂しすぎてやっかい者。食べてあげないとね~!
皆さんのご努力のおかげで、来年はカキツバタの花がよりいっそう多く見られるのではないでしょうか。
雨の中皆様お疲れ様です こんな肌寒い日は豚汁がしみました(涙)
島根はまだ言うほどうっとうしい気候ではありません。
ただ私の家の台所の流しを、ナメクジがやたらウロウロしているのでそれが嫌なくらいです。
さて三瓶山の麓には、伝説のある小さな池、姫逃池(ひめのがいけ)があります。
その伝説とは・・・話が長くなるので割愛します。
その池にはカキツバタの花が群生しています。
このカキツバタ、以前ほとんど見られなくなった事もあったのですが、多くの方の地道な保全活動によりだいぶ増えてきました。
先日その姫逃池のカキツバタ保全事業に参加してきました。
保全事業とは何をするのか?
草刈です(今回は)。
昨年もそうでしたがこの草刈、例年雨になる事が多く、今年は梅雨入り前に時期を早めたそうなのですが、梅雨もそれに合わせて早まったようです。
ただ今年は昨年には無かったプレゼントがありました。
そうカキツバタの花です。
姫逃池名物 浮島 カキツバタの島は素敵です
島根県の天然記念物にもなっています
今年は花の時期が遅れ花がまだ残っていたのです。
就任2年目にして初めて姫逃池のカキツバタを見る事ができました。
でものんびりそれをめでる暇も無く草刈作業に入りました。
ここには美しい花ショウブも咲いていますが、これは人間が持ち込んだもの。
カキツバタと競合してしまいます。
これはスコップで根こそぎ堀出してショウブ湯にでも使ってもらいます。
草刈をしていたらば、草むらの中から不思議な物が現れました。
ソフトボール大のいびつな楕円の泡の塊。
これ、モリアオガエルの卵でした。木の枝にぶら下がっているのをイメージしますが、地面にも生むんですね。
もちろん池にせり出した木の枝にも、モリアオガエルの卵がぶら下がっていました
池の中では腰まで浸かって綺麗なスイレンを引っこ抜いています。
これらは池の水の蒸発を進め、池を小さくしてしまうのです。
陸化が進むと、カキツバタも減ってしまうのです。
スイレンもまた人が持ち込んだものなのです。
胴長の周りにはヒルが寄って来ていたそうです・・・ お疲れ様でした
作業の後は地元のお母さん方手作りのおにぎりと漬物と豚汁。
そして今この池で採ったばかりのジュンサイ。
これがたっぷり入ったお吸い物をいただきました。ん~、なんてゼイタク。
でも高級なジュンサイもこの池では繁茂しすぎてやっかい者。食べてあげないとね~!
皆さんのご努力のおかげで、来年はカキツバタの花がよりいっそう多く見られるのではないでしょうか。
雨の中皆様お疲れ様です こんな肌寒い日は豚汁がしみました(涙)
2011年06月07日渡り鳥の調査終了
大山隠岐国立公園 松江 太田嘉和
宍道湖は冬鳥の姿もすっかり少なくなりました。
野鳥の鳥インフルエンザも3月初旬から発見されておらず6月1日をもって警戒レベルが通常時に引き下げられました。
毎冬おこなっている月3回の宍道湖の渡り鳥のカウントと巡視も、5月をもって終了しました。
初冬 鴨たちがこんなに群れていました
振り返ればこの冬は大変なシーズンでした。
島根県で養鶏所での鳥インフルエンザが昨年最初に発生。野鳥の鳥インフルエンザ警戒レベル引き上げ。周りの方々も初めての事態。
就任1年目の私は現場の最先端でとにかく“やる”しかありませんでした。
その大変な冬をなんとか乗り切り、2年目をむかえることができているわけですが。
この冬沢山の死亡した野鳥を回収しました。
無残に喰われたもの、外傷もなく綺麗なもの、冬の寒さの中まだわずかに温かさが残るもの、吐き気をするような腐敗臭のするもの。
死ぬ直前でバタバタともがく鳥を捕まえて袋に入れた事もありました。
(私もこんな事はしたくはありませんが、鳥インフルエンザの疑いのある死を目前にしている野鳥を、みすみす見逃すわけにはいかないためやむを得ない処置です。)
そんな鳥たちを回収していて色々と感じる事がありました。
厳重に手袋やマスクをして消毒もおこない、自分自身の為にも感染対策をおこないますが、感情としては鳥インフルエンザ以上に、死体に触っていると言う事の方が神経質にさせていたように思います。
なぜ私は死体に触るのが嫌なのか。理由は色々ありますが、一つには死に対するマイナスイメージ、自分自身が死にたくない、死への恐怖と言った思いがそう感じさせているのかと思います。
大抵は無残に喰われています。それはすなわち彼らの死が他の生き物たちの命を繋いでいると言うことです。
それを違った方向から見ると、私もわずか1/3日生きながらえるために他の生き物の命を奪って生きているのです。
そう考えた時「私はこいつらみたいに潔く死ねるだろうか」と思いました。
冬の水鳥たちは北西の風雪の中、荒れる波を被りながら必死に耐えています。精一杯生きようとしています。
なのに「潔く」と感じたのです。
そして私の中では精一杯生きる事と、潔く死ぬ事が矛盾しないで自分の中に入って来ました。
理屈では説明できませんが。
今日も宍道湖は穏やかで、水鳥たちが羽を休め、シジミ漁の船が幾艘も出ていました。
穏やかな風景 鳥インフルエンザで騒いでいるのがウソのように思えました
野鳥の鳥インフルエンザも3月初旬から発見されておらず6月1日をもって警戒レベルが通常時に引き下げられました。
毎冬おこなっている月3回の宍道湖の渡り鳥のカウントと巡視も、5月をもって終了しました。
初冬 鴨たちがこんなに群れていました
振り返ればこの冬は大変なシーズンでした。
島根県で養鶏所での鳥インフルエンザが昨年最初に発生。野鳥の鳥インフルエンザ警戒レベル引き上げ。周りの方々も初めての事態。
就任1年目の私は現場の最先端でとにかく“やる”しかありませんでした。
その大変な冬をなんとか乗り切り、2年目をむかえることができているわけですが。
この冬沢山の死亡した野鳥を回収しました。
無残に喰われたもの、外傷もなく綺麗なもの、冬の寒さの中まだわずかに温かさが残るもの、吐き気をするような腐敗臭のするもの。
死ぬ直前でバタバタともがく鳥を捕まえて袋に入れた事もありました。
(私もこんな事はしたくはありませんが、鳥インフルエンザの疑いのある死を目前にしている野鳥を、みすみす見逃すわけにはいかないためやむを得ない処置です。)
そんな鳥たちを回収していて色々と感じる事がありました。
厳重に手袋やマスクをして消毒もおこない、自分自身の為にも感染対策をおこないますが、感情としては鳥インフルエンザ以上に、死体に触っていると言う事の方が神経質にさせていたように思います。
なぜ私は死体に触るのが嫌なのか。理由は色々ありますが、一つには死に対するマイナスイメージ、自分自身が死にたくない、死への恐怖と言った思いがそう感じさせているのかと思います。
大抵は無残に喰われています。それはすなわち彼らの死が他の生き物たちの命を繋いでいると言うことです。
それを違った方向から見ると、私もわずか1/3日生きながらえるために他の生き物の命を奪って生きているのです。
そう考えた時「私はこいつらみたいに潔く死ねるだろうか」と思いました。
冬の水鳥たちは北西の風雪の中、荒れる波を被りながら必死に耐えています。精一杯生きようとしています。
なのに「潔く」と感じたのです。
そして私の中では精一杯生きる事と、潔く死ぬ事が矛盾しないで自分の中に入って来ました。
理屈では説明できませんが。
今日も宍道湖は穏やかで、水鳥たちが羽を休め、シジミ漁の船が幾艘も出ていました。
穏やかな風景 鳥インフルエンザで騒いでいるのがウソのように思えました
2011年06月03日ウミネコの島
大山隠岐国立公園 松江 太田嘉和
「ミャーミャー」ウミネコたちの鳴き声が響き渡ります。
ここは国立公園島根半島地域の西端、日御碕(ひのみさき)です。
ここには不思議な島があります。
その名は経島。「ふみしま」と読みます。
経島は岸からすぐそこ 展望台からよく見えます
草木1本生えない(と思えるくらいの)岩の塊の小島なのですが、ここに大量のウミネコたちが巣を作っているのです。
ちょっとカメラをよせて見ましょう。
写真をクリックして拡大して見てください
白い点々は全てウミネコです。
この不思議な島は国の天然記念物にもなっています。
今日はこの島を定点撮影にやってきました。
今年は非常に早く梅雨入りし、ここのところ雨続きでしたが、撮影を始めたらば陽が差してきましたよ。
これは日頃の行いのおかげか。
よく見ると灰色のヒナたちがあちこちにいます。だいぶ大きくなっています。
また岩にどっしりと腰をおろしたままの成鳥がいます。
これは卵を抱いている親鳥です。
今年は春が寒かったため、遅く産んだ者もいて成長のバラツキが大きいようです。
これも写真をクリックして拡大して見てください
黒っぽく見えるのがヒナです わかりますか?
島の近くに店を出す蒲生さんが色々と教えてくれました。
「これだけのウミネコがいるのに島が糞で汚れていないでしょ。」
確かにそうですね。
これはウミネコたちが島に糞をしないようにし、また糞をつまんで捨てているからだそうです。
子どもたちを育てる場所だから衛生面で気を使っているのです。
人間の親と同じですね。
極寒の北西の風を耐え忍び、今島は新しい命ににぎわいを見せています。
日御碕は柱状節理の海岸、白い灯台、松林が美しい岬です
ここは国立公園島根半島地域の西端、日御碕(ひのみさき)です。
ここには不思議な島があります。
その名は経島。「ふみしま」と読みます。
経島は岸からすぐそこ 展望台からよく見えます
草木1本生えない(と思えるくらいの)岩の塊の小島なのですが、ここに大量のウミネコたちが巣を作っているのです。
ちょっとカメラをよせて見ましょう。
写真をクリックして拡大して見てください
白い点々は全てウミネコです。
この不思議な島は国の天然記念物にもなっています。
今日はこの島を定点撮影にやってきました。
今年は非常に早く梅雨入りし、ここのところ雨続きでしたが、撮影を始めたらば陽が差してきましたよ。
これは日頃の行いのおかげか。
よく見ると灰色のヒナたちがあちこちにいます。だいぶ大きくなっています。
また岩にどっしりと腰をおろしたままの成鳥がいます。
これは卵を抱いている親鳥です。
今年は春が寒かったため、遅く産んだ者もいて成長のバラツキが大きいようです。
これも写真をクリックして拡大して見てください
黒っぽく見えるのがヒナです わかりますか?
島の近くに店を出す蒲生さんが色々と教えてくれました。
「これだけのウミネコがいるのに島が糞で汚れていないでしょ。」
確かにそうですね。
これはウミネコたちが島に糞をしないようにし、また糞をつまんで捨てているからだそうです。
子どもたちを育てる場所だから衛生面で気を使っているのです。
人間の親と同じですね。
極寒の北西の風を耐え忍び、今島は新しい命ににぎわいを見せています。
日御碕は柱状節理の海岸、白い灯台、松林が美しい岬です
2011年05月10日カタクリの咲く季節に ~違法採取防止合同パトロール~
大山隠岐国立公園 松江 太田嘉和
ゴールデンウイークの初日である4月29日、島根県・鳥取県・広島県にまたがる比婆道後帝釈国定公園の一角である船通山に登ってきました。
島根県では4月下旬から5月下旬までを「野生動植物違法採取防止強化月間」に定めています。
これは自然公園(国立公園・国定公園・県立自然公園)の貴重な野生動植物の違法採取を防ごうとする取り組みです。
今回の登山はその一環としての合同パトロールです。
行政や関係団体の方々が合同でパトロールをおこない、登山者に違法採取防止のチラシを配って啓発をおこないます。
ちょうどこのころ船通山の頂上ではカタクリが咲き誇る時期なのです。
沢山の方々がカタクリを見にやってきます。
ところが今年は例年より寒く、カタクリの花はおろか登山道に雪が残っているとのこと。
昨年同日に登った登山道の「亀石コース」は雪が多い為、「鳥上滝コース」より登る事になりました。
「山頂近くの残雪です 地元奥出雲町の自然公園指導員の皆さんと」
今年山陰では豪雪となりました。
その傷跡は山を登っていていたる所で見られました。
ですが登山道をふさぐ倒木はありませんでした。
町やボランティアの自然公園指導員の方々がまだ雪が残る中、処理してくださったからです。幾つもの処理をした跡がありました。
「大きな木が幾つも根こそぎなぎ倒されていました これよりずっと大きい大木が倒れているところもありました 作業は大変だったでしょう」
登山道はまだ花が無く草木の芽吹きもおくれていました。
唯一モクレンの様なタムシバの白い花が緑の少ない森に映えていました。
それからミソサザイの澄んだ鳴き声が谷に響いていました。
ついに頂上に到着。
カタクリはやっと何りんかつぼみを付けているものがあるというところでした。
ですが出ている葉の数は一面に広まっていました。野性でしかも山頂にこれほどのカタクリがあるとは圧巻です。
これもまた自然公園指導員の方々やその他多くの方々の保全活動の努力によるものです。
「花は咲いていませんでしたが、心地の良いぽかぽか陽気に、気が付けば頂上は沢山の方でにぎわっていました
山頂では自然公園指導員の方々によるカタクリの紙芝居がおこなわれました」
帰り道は自然公園指導員の方々に同行させていただき雪のある亀石コースを下りました。
指導員の方々は登山道の危険個所を修正しながら下りて行きます。
谷沿いを歩くこのコースは、表向きは雪が積もって見えても底がすっかり溶けて空洞になっている箇所がいたる所で見られました。
これからは雪が解けもろくなります。抜け落ちて怪我をする恐れもあります。
登られる方は状況を見極めくれぐれも気をつけください。別の登山コースをお勧めします。
例年より遅れている花の時期ですが、その後暖かい日が続いていますので、どんどん芽を出し一気に咲いているかもしれません。
ちょうど今が見ごろかもしれません。
お時間のある方はお出かけされてはいかがでしょうか。
ですが花の命は短くて、満開の時期は数日で終わってしまう事もあるそうです。事前に確認されて行ってくださいね。
「2つの大小の葉と1輪の花 カタクリは花をつけるまでになんと7~8年かかるとのことです」
これからは美しい花々が咲き誇る季節です。
それらの美しい花々がそこで咲いているのは、長い年月を掛け環境の条件がいくつも重なったたまものです。
またそれを保護しようと努力している方々のご苦労によるものでもあるのです。
わずかな心ない人達の行為によって貴重な自然はもろくも崩れてしまった例がいくらでもあります。
皆でかけがえのない自然を守って行きたいものです。
島根県では4月下旬から5月下旬までを「野生動植物違法採取防止強化月間」に定めています。
これは自然公園(国立公園・国定公園・県立自然公園)の貴重な野生動植物の違法採取を防ごうとする取り組みです。
今回の登山はその一環としての合同パトロールです。
行政や関係団体の方々が合同でパトロールをおこない、登山者に違法採取防止のチラシを配って啓発をおこないます。
ちょうどこのころ船通山の頂上ではカタクリが咲き誇る時期なのです。
沢山の方々がカタクリを見にやってきます。
ところが今年は例年より寒く、カタクリの花はおろか登山道に雪が残っているとのこと。
昨年同日に登った登山道の「亀石コース」は雪が多い為、「鳥上滝コース」より登る事になりました。
「山頂近くの残雪です 地元奥出雲町の自然公園指導員の皆さんと」
今年山陰では豪雪となりました。
その傷跡は山を登っていていたる所で見られました。
ですが登山道をふさぐ倒木はありませんでした。
町やボランティアの自然公園指導員の方々がまだ雪が残る中、処理してくださったからです。幾つもの処理をした跡がありました。
「大きな木が幾つも根こそぎなぎ倒されていました これよりずっと大きい大木が倒れているところもありました 作業は大変だったでしょう」
登山道はまだ花が無く草木の芽吹きもおくれていました。
唯一モクレンの様なタムシバの白い花が緑の少ない森に映えていました。
それからミソサザイの澄んだ鳴き声が谷に響いていました。
ついに頂上に到着。
カタクリはやっと何りんかつぼみを付けているものがあるというところでした。
ですが出ている葉の数は一面に広まっていました。野性でしかも山頂にこれほどのカタクリがあるとは圧巻です。
これもまた自然公園指導員の方々やその他多くの方々の保全活動の努力によるものです。
「花は咲いていませんでしたが、心地の良いぽかぽか陽気に、気が付けば頂上は沢山の方でにぎわっていました
山頂では自然公園指導員の方々によるカタクリの紙芝居がおこなわれました」
帰り道は自然公園指導員の方々に同行させていただき雪のある亀石コースを下りました。
指導員の方々は登山道の危険個所を修正しながら下りて行きます。
谷沿いを歩くこのコースは、表向きは雪が積もって見えても底がすっかり溶けて空洞になっている箇所がいたる所で見られました。
これからは雪が解けもろくなります。抜け落ちて怪我をする恐れもあります。
登られる方は状況を見極めくれぐれも気をつけください。別の登山コースをお勧めします。
例年より遅れている花の時期ですが、その後暖かい日が続いていますので、どんどん芽を出し一気に咲いているかもしれません。
ちょうど今が見ごろかもしれません。
お時間のある方はお出かけされてはいかがでしょうか。
ですが花の命は短くて、満開の時期は数日で終わってしまう事もあるそうです。事前に確認されて行ってくださいね。
「2つの大小の葉と1輪の花 カタクリは花をつけるまでになんと7~8年かかるとのことです」
これからは美しい花々が咲き誇る季節です。
それらの美しい花々がそこで咲いているのは、長い年月を掛け環境の条件がいくつも重なったたまものです。
またそれを保護しようと努力している方々のご苦労によるものでもあるのです。
わずかな心ない人達の行為によって貴重な自然はもろくも崩れてしまった例がいくらでもあります。
皆でかけがえのない自然を守って行きたいものです。
2011年04月15日鳥の標識調査
大山隠岐国立公園 松江 太田嘉和
松江は今満開の桜の季節を迎えています。ぽかぽか陽気に「こんな陽気のままならなあ」と思う私です。
環境省では野鳥を捕獲して足環等を着けて離す、標識調査(バンディング)を専門機関への委託によりおこなっています。
これは渡り鳥などの行動生態を把握するための調査です。
日本に飛んでくる渡り鳥がいつ頃来て、いつ頃去り、どこから来て、どこで、いつ繁殖しているのかなど。
そう言った事は知られているものだろうと思っていましたが、やはり調査しないとわからない事が沢山あるのですね。
そのような生態を把握することが野鳥の保護対策を立てるためにも必要になります。
1羽1羽データを記録する事の積み重ねによって解明されていくことがあります
今回私はこの標識調査の現場にお邪魔してきました。
その調査を現場でおこなってくださっているのが、ボランティアの調査員(バンダー)の方々です。
私は8時ごろ現場に行きましたが、調査は早朝暗いうちから始め夕方までおこなうそうです。
これを1ヶ月ほど毎日続けます。
捕獲した鳥は幾つかデータを記録します。
そして刻印の入った足環を取り付けます。
これが他の地域、他の国で見つかることによってその行動生態がわかってくると言うわけです。
もちろんここで捕獲された鳥に足環が付いれば、その刻印によってどこでいつ離された鳥であるかがわかります。
世界各国の協力によってこの調査がおこなわれているのです。
ありがとう さあお行き
この調査により研究成果が見えてくるまでには時間がかかります。
この日お伺いした調査員の方はもう20年もおこなっていらっしゃるスペシャリスト。
このような地道な調査の積み重ねにより、今までわからなかった渡り鳥たちの行動が少しづつわかってきたとの事です。
この日は20年間おこなっているスペシャリストが初めてと言うハギマシコと言う鳥が捕獲されました。
紅色を含んだ美しい鳥です。
私はなんとラッキーだったことでしょう。
この様な場合は写真を撮り、各部位などを計測し詳しくデータを取り離します。
これがハギマシコ
写真などでデータを残すことにより貴重な記録となります
こんなに野鳥たちを間近に見る事は私にとってなかなかない貴重な体験でした。
間近に観察し、寸法などを測ることにより、双眼鏡を覗いての観察ではわからない事が見えたりわかったりと言った成果もあるそうです。
この調査員になるには鳥への専門性が必要なのはもちろん、捕獲のやり方鳥の扱い方なども指導を受け習得しなければおこなえません。
そのようにして資格を取り、ボランティアで早朝から調査してくださっているのです。
三度の飯より鳥が好き、でないとなかなかやれる事ではありません。
調査している最中にも鳥達への愛情を感じました。
2011年04月04日今年度も登山者カウンター設置しました
大山隠岐国立公園 松江 太田嘉和
つい先日まで冬の様な寒い日もあったのですが、松江は桜の花が開き始めました。
新年度がスタートしましたね。
それに間に合わせようと先日登山者カウンターを設置してきました。
これは以前日記にとりあげた事がありますが、国立公園を訪れる登山者数をセンサーでカウントする測定機です。
松江事務所では三瓶山の登山道2箇所に取り付けています。
冬季は雪の為に撤去していました。それを取り付けに行ってきたのです。
北側の姫逃池登山口にも設置しました
林の中には麓でもまだ雪が残っています
登られる方はお気を付けください
測定機はセンサーで人が通過したのを検知します。
検知には測定距離などに条件があり、設置する所と位置が限られます。
巻き尺で計りながら取り付け位置を決めます。
支柱を建てる為にスコップで地面を掘ろうとしたのですが、「カチーン」、石に当たって歯が立たちません。
カチン・カチンと石に当たりながらも掘っていくのですが、どうもコレは石ころでなく岩の様です。
その周りも石がゴロゴロ隠れていますからこれを掘り起こすのは大変です。
30分も掘っているのですが、さっぱり進みません。こんな調子じゃ仕事が終わらない…。
でも取り付ける位置は限られているし、どこを掘ろうが石ゴロゴロには変わりはない。
「この岩をどかせさえすれば・・・。」必死になって掘り起こそうとしたのですが、 ボキン!・・・スコップが折れてしまいました。
「ハァ~、どうしよう・・・。」心も折れてしまいそうになりました。
一面ススキの草原なのですが、土は黒々として肥えているように見えます
一見ほとんど土に見えるのですが、どうしてどうして、石ころの間に土があると言った感じの地面
泣かされました
しょうがないので探り棒と呼ばれる鉄の杭を地面に突き立て、金槌で打ち込む事だけで穴を掘る事にしました。
やはり何処に打ち込んでも石にはばまれます。
しかし何度目か打ち込んだ所で地面に入って行きました。
振り上げた金槌が杭の頭にジャストミートせず空振りします。それでも振り上げます。
ある程度打ち込んだら探り棒をグイグイゆすって全身で引き抜き、また打ち込む。それを繰り返します。
そうして深く穴を開ける事が出来ました。
そして今度は探り棒を抜いて支柱を打ち込みます。
今度はカケヤを使って打ち込みます。
打ち込んでいくとだんだん斜めになっていきます。それを抑えつつカケヤを振り上げ打ち込んでいきます。
こうしてやっと基礎の支柱が立ちました。
そしてその後機器のセッティングにも苦心しながら、なんとか完成。
おかげで翌日肩や腕が痛かったです。
苦労して建った私の力作(涙)
この写真ではわかりにくいですが、三瓶山はまだ白く見えました
そんなこんなで西側の西ノ原と北側の姫逃池の登山道に設置しました。
今年度も登山者カウンター並びに私共々どうぞよろしくお願いします。
新年度がスタートしましたね。
それに間に合わせようと先日登山者カウンターを設置してきました。
これは以前日記にとりあげた事がありますが、国立公園を訪れる登山者数をセンサーでカウントする測定機です。
松江事務所では三瓶山の登山道2箇所に取り付けています。
冬季は雪の為に撤去していました。それを取り付けに行ってきたのです。
北側の姫逃池登山口にも設置しました
林の中には麓でもまだ雪が残っています
登られる方はお気を付けください
測定機はセンサーで人が通過したのを検知します。
検知には測定距離などに条件があり、設置する所と位置が限られます。
巻き尺で計りながら取り付け位置を決めます。
支柱を建てる為にスコップで地面を掘ろうとしたのですが、「カチーン」、石に当たって歯が立たちません。
カチン・カチンと石に当たりながらも掘っていくのですが、どうもコレは石ころでなく岩の様です。
その周りも石がゴロゴロ隠れていますからこれを掘り起こすのは大変です。
30分も掘っているのですが、さっぱり進みません。こんな調子じゃ仕事が終わらない…。
でも取り付ける位置は限られているし、どこを掘ろうが石ゴロゴロには変わりはない。
「この岩をどかせさえすれば・・・。」必死になって掘り起こそうとしたのですが、 ボキン!・・・スコップが折れてしまいました。
「ハァ~、どうしよう・・・。」心も折れてしまいそうになりました。
一面ススキの草原なのですが、土は黒々として肥えているように見えます
一見ほとんど土に見えるのですが、どうしてどうして、石ころの間に土があると言った感じの地面
泣かされました
しょうがないので探り棒と呼ばれる鉄の杭を地面に突き立て、金槌で打ち込む事だけで穴を掘る事にしました。
やはり何処に打ち込んでも石にはばまれます。
しかし何度目か打ち込んだ所で地面に入って行きました。
振り上げた金槌が杭の頭にジャストミートせず空振りします。それでも振り上げます。
ある程度打ち込んだら探り棒をグイグイゆすって全身で引き抜き、また打ち込む。それを繰り返します。
そうして深く穴を開ける事が出来ました。
そして今度は探り棒を抜いて支柱を打ち込みます。
今度はカケヤを使って打ち込みます。
打ち込んでいくとだんだん斜めになっていきます。それを抑えつつカケヤを振り上げ打ち込んでいきます。
こうしてやっと基礎の支柱が立ちました。
そしてその後機器のセッティングにも苦心しながら、なんとか完成。
おかげで翌日肩や腕が痛かったです。
苦労して建った私の力作(涙)
この写真ではわかりにくいですが、三瓶山はまだ白く見えました
そんなこんなで西側の西ノ原と北側の姫逃池の登山道に設置しました。
今年度も登山者カウンター並びに私共々どうぞよろしくお願いします。
さて秋晴れの週末、今年も自然が好きな子ども達が三瓶の麓に集まりました。
自然の中で体験活動する「三瓶山地区子どもパークレンジャー」が1泊2日でおこなわれました。
今年度1回目のテーマは「三瓶の森を守る活動をしよう」です。
近年三瓶山ではナラ枯れが発生して、急激にナラ類の木々を枯らしています。
それを我ら子どもパークレンジャーは学び、救おうと言うのです。
〈さあ、ワクワクの子どもパークレンジャーが始まったぞ!〉
「それでは野外に出てナラ枯れを見に行きましょう。」
リフトを使って三瓶山に登ります。今日は晴れ渡り、リフトも気持ちいいし眺めも最高です。
今回は森のエキスパート、森林管理署の方々に先生になっていただきました。
「皆はナラ枯れって聞いたことあるかな~?」。皆さんは「ナラ枯れ」ご存知ですか?
ナラ枯れとはナラなどの木々を枯らす「ナラ菌」を「カシノナガキクイムシ」と言う虫が媒介し、木に大量に入り込むことによって木が枯れてしまう現象です。場合によってはナラなどの森が軒並み枯れてしまう事もあります。今 日本各地に広まっている問題です。
〈森林管理署の方々の野外授業です
ここからは室の内のナラ枯れの様子が見渡せます〉
「それではナラ枯れをそばまで行って見てみよう!」三瓶山の「室の内」に向かいます。室の内は三瓶の山々に囲まれた釜の様な場所。特別保護地区にも指定されている大切な森ですが、ナラ枯れの被害はここにも容赦ありません。
木の幹の低い部分には虫が開けた小さな穴がたくさん開いていて、そこから木くずがこぼされています。そして弱った木は葉が着いたまま枯れ葉になっています。
〈ほら、ここに木くずがこぼれているよ!〉
そして今度はナラ枯れの木を自分達で探してみます。
探しに室の内を下っているうちに、室の内の底にある室の内池までたどり着いてしまいました。
夜は天体観測をおこないました。この日は雲一つなく、済み切った夜空にはまさに満天の星がきらめいていました。
さて2日目はいよいよ本番、別の森を歩いてナラ枯れが起こり始めている木を見つけ、そしてそれを救う活動をおこないます。
ですが中々見つかりません。スタッフが下見した段階では何本かあったそうなのですが、そことは違った所を探してしまったので、なかなか探し当てられませんでした。
それでもようやくカシノナガキクイムシが入り込んでいる木を発見。
昨日森林管理署の方に教えていただいたナラ枯れ対策をおこないます。
対策方法はビニールを木の幹の下部から地面まで巻きつけて覆い、虫がこれ以上入り込めない様に、また虫が脱出も出来ないようにすると言うものです。これにより木が枯れずにすみ、周りの木々にも広がらないのです。
大人のスタッフの方々も協力しビニール巻き対作業開始です。
〈ナラ枯れ対策完成!〉
コツがわかってきたところでもう1本巻く事になりました。
今度は二股に分かれた木なので、さっきより難しいです。
ですが子ども達は要領を得たようで、皆で協力して上手に巻いて完成させてくれました。
今回はちょっと難しいテーマでしたが、子ども達はよく活動してくれました。
そして森林管理署の方やスタッフの皆さんありがとうございました。
子ども達はこんな機会がなければ、ナラ枯れを知ることも無かったのでしょう。
普段の生活ではあまり知ることのない問題を知るきっかけになったと思います。そしてその対策を自分達の手でおこなった事は、彼らにとってよい体験になったことでしょう。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
三瓶山地区子どもパークレンジャー第2回目もあります!
2月18日(土)~19日(日) 1泊2日
参加お問い合わせは、子どもパークレンジャー三瓶山地区事務局(島根県立三瓶自然館サヒメル内)電話0854-86-0500まで
楽しい活動が待ってるよ!ぜひご応募ください。