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アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

中国四国地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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瀬戸内海国立公園 高松

256件の記事があります。

2017年11月20日【紅葉情報】 寒霞渓

瀬戸内海国立公園 大林めぐみ

香川県屈指の紅葉の名所といえば、小豆島の寒霞渓。

標高600800mの寒霞渓山頂~星ヶ城山付近は紅葉も見頃~終わりを迎えていましたが、紅雲亭~草壁港まではまだ見られそうです。

先週11月16日に巡視した時の寒霞渓の紅葉の様子をお届けします。

8:02に高松港を出航したフェリーには、観光バスや個人旅行者でいっぱい。

高松空港は、上海、台湾、韓国を東アジア主要都市圏だけでなく、アジアの国際ハブ空港でもある香港と就航しているので、ここ2~3年で外国人観光客も増加しました。寒霞渓も外国人観光客に大人気の観光スポットです。

<寒霞渓山頂展望台>

10:00過ぎの山頂には、すでに大型観光バスや地元・観光客で賑わっていました。

イロハモミジはオレンジ~真っ赤に染まり、紅葉を撮影する観光客も多かったです。

この時期は、1年の中でも山頂~紅雲亭(ロープウェ麓駅)の周遊歩道を利用する方が多く、私も山頂~裏神懸歩道~猪谷池~紅雲亭

表神懸歩道~四望頂~山頂を歩きましたが、上り下りともに歩いてたっぷりと寒霞渓を堪能する人、上りはロープウェーに乗って上から景色を眺めて、下りを表神懸歩道から下りてくる人などさまざま。

寒霞渓には、谷間の奇岩怪石が眺められる表12景、裏8景と呼ばれる20の景色があります。

<裏神懸歩道>

左:裏8景のひとつ・松茸岩から眺める東斜面

右:同じく石門

裏神懸歩道は、表神懸歩道に比べ、石段や急傾斜が多いので、歩きやすいスニーカー、できるだけリュックなど手があくようにすることをオススメします。雨上がりの濡れた路面は、表・裏神懸歩道ともに滑りやすいので十分注意しながら、無理せずゆっくりと歩きましょう。

  

  左:小豆島霊場第18番札所でもあり、裏8景のひとつ・石門洞

  ここの紅葉はもう少しで見頃を迎えそうです。

  右:車道から石門洞までの参道兼裏神懸歩道

裏神懸歩道登山口を出て、猪谷池~紅雲亭は車道沿いを歩きながら、西斜面の紅葉が眺められます。

車窓からだと山陰に入って見えなくなるのも早いですが、歩くとその眺めは十分に楽しめます。

紅雲亭から表神懸歩道を上ると見えてきたのは、表12景のひとつ・錦屏風岩。近くに案内板があるのですが、形が変わっていることに気がつきました!

寒霞渓の奇岩怪石は、長年の風雨の浸食によってできたもので、私たちが生きている間にも形がどんどんと変わっているのかもしれません。

表神懸歩道は、コンクリート舗装されているので、比較的歩きやすいですが、上り・下りともに約1~1.5時間ほどかかるので水分や歩きやすい服装・スニーカーなど準備しましょう。

<四望頂>

空・山・海の視界が開け、四方が眺められることから名付けられた展望地。

<鷹取展望地からの眺め>

「歩く時間がないよ~」という方は、山頂駐車場から徒歩5分ほどにある鷹取展望地がオススメです。

寒霞渓には紅葉だけでなく、この時季に花を咲かせる小さな植物もありますよ。

左<集塊岩の上に咲いたツメレンゲ(ベンケイソウ科)>

右<ミセバヤ(ベンケイソウ科)>

ミセバヤは環境省・香川県共にレッドデータブックに掲載されている貴重植物。

山頂は見頃を終えましたが、山麓にかけてはまだきれいな紅葉が見られます。

この週末は小豆島に出かけてみてはいかがでしょう。

小豆島旅ナビ

寒霞渓ロープウェー

■■自然の中でのマナーを守りましょう■■

①キレイな花や見たことのない植物があっても、後から来る人のためにも採らずに見るだけにしましょう。

②ゴミは必ず持ち帰りましょう。また風で飛んだり、荷物からポロッと落ちないように気をつけましょう。

③展望地など柵がある場所では、柵外に出ないでください。そのための柵です。

④撮影する時は場所を譲り合って、気持ちよく☆

 写真を撮りたい気持ちは分かります!ですが、みんなも撮りたいんです!

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2017年11月10日【紅葉情報】 五色台

瀬戸内海国立公園 大林めぐみ

北海道や標高の高い山岳地域では、10月中旬には紅葉の見頃が終わりましたが、瀬戸内ではこれからが紅葉シーズン。

そんな県内各所の紅葉情報をお届けしていきます!

今回は紅葉の名所でもある五色台。

まずは高松方面から五色台へ。

<根香寺手前の県道沿い>

赤くなったハゼはピークですが、モミジはまだまだ緑のまま。

11月下旬には見頃になりそうです。春になると、この辺りはサクラの道になりますよ。

<山門から境内へ>

<本堂前>

<82番札所・根香寺(ねごろじ)>

山門~大師堂までは日陰のせいか、モミジはまだまだ緑。

大師堂~本堂までのモミジは紅葉しているものもあれば、まだ色づき始めたばかりのものなどさまざま。

こちらも見頃のピークを迎えるのはもう少し後のよう。

四国遍路は、大型バスや自家用車で回る人も多いですが、気候のよい秋になると、歩きお遍路さんが増えてきます。

今では遍路道の多くが生活道の再整備によって車道となっていますが、白峯寺~根香寺間の遍路道は、五色台を一直線に抜ける山道。

アップダウンもありますが、昔の人もここを歩いて88ヶ所霊場参りをしていたのかなと感じさせてくれる趣のある道です。

左:<欲しい時にある休憩ベンチ>

右:<国分寺~白峯寺~根香寺との分岐・十九丁>

紅葉する木々は少ないですが、秋のひんやりとした空気と落ち葉で敷き詰められた歩道を歩くのもまた気持ちがいいもの。

五色台のもう一つの紅葉の名所が81番札所・白峯寺(しろみねじ)。

<山門前~根香寺への遍路道>

<本堂・大師堂へ向かう階段>

山門~頓証寺殿付近は真っ赤に色づいたモミジ、咲き始めたツワブキなど鮮やかな秋の風景が見られます。階段~本堂・大師堂付近は色づき始めています。

五色台ドライブの方にはここもオススメです。

<五色台スカイライン>

中山休憩所~大崎ノ鼻方面に進むと、紅葉始めた木々の道の間から瀬戸内海が見えてきます。

ここも春になると桜が咲き、そこから望む瀬戸内海もまた見惚れます。

五色台では11月下旬頃まで徐々に色づき、見頃を迎えます。

ぜひ、お出かけして、秋の風景を楽しんでくださいね!

****紅葉を見に行く方へ*****

・お遍路さんのお参りの邪魔にならないように撮影しましょう。三脚はNG。

・遍路道を歩く時は滑りにくく履き慣れたスニーカー、水分などしっかりと準備を。

・紅葉に見とれるのは仕方がない。けれど、運転中のよそ見は厳禁です!

 ※ロードバイクの方も多いので、運転には気をつけましょう。

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2017年11月07日【体験教室】 段ボール製オーブンでピザ&燻製づくり

瀬戸内海国立公園 大林めぐみ

秋といえば、芸術、読書、スポーツ、そして食欲の秋!

ということで、10月の体験教室は、段ボールをオーブンに変身させてピザ&燻製づくりにチャレンジ!

これも毎年多くの方に申し込みいただく人気プログラムの1つ。

ピザ&燻製づくりをあそ美工房の角田夫妻と三豊市でパン屋さんを営んでいる片山さんが、段ボール製オーブンづくりをビジターセンタースタッフが伝授。今回初めて体験教室に参加する方ばかりなので、どんなふうになるかこちらもドキドキ、わくわくです!

早速、ピザ&燻製づくり班と段ボールオーブンづくり班に分かれてスタート!

まずはピザづくり。

<片山さんから生地作りのコツを教えてもらいます>

<材料と作り方> 今回は直径18㎝皿2枚分の分量です。

アウトドア料理ということで材料をボウルに入れて手で直接こねるのではなく、材料全てをビニール袋に入れて揉み込む方法。

これだと洗い物を減らせるし、衛生的にもよいですよ。

生地がビニール袋にくっつかなくなり、まとまってきたら、2等分して麺棒で丸く延ばしてからアルミ皿に入れます。少し大きさが足りなくても手で延ばせば大丈夫。生地の上に片山さん特製ピザソース、トッピング、チーズをかけたらできあがり!

こちらは段ボールオーブンづくり班。主にお父さんが担当することが多いですね~。

段ボールの底を布テープなどで閉じて、内部は全て両面テープを使ってアルミホイルを貼っていきます。光る方が見えるように貼りましょう。

アルミホイルは貼る時にちぎれやすいですが、気にせず、上から補強すれば大丈夫ですよ。って言おうとしたのですが、今回の参加者さん、初めてなのにみんな上手!私が初めて作った時なんか結構ツギハギだらけだったのに・・・。

両面テープは四方辺と斜めに貼ると剥がれにくく、テープを無駄なく使えますよ。

<作り方と完成はコチラ>

両方とも準備ができたら、焼いていきましょー!

段ボールの中に火起こしした炭を金板(おかきや煎餅の金箱のふたを使いました)の上に置いて、ピザは2段式の金網に置いたら段ボールのふたを閉めます。ある程度空気(酸素)が入らないと火が消えてしまうので、コンクリートブロックなど重い物でふたをして調整しましょう。

火起こしはスタッフで準備しましたが、ご自分で作る時は炭おこしもやってくださいね。あと、今回やってみて思ったのが、雨天時は湿気が多いので火がなかなかおこらず安定せずで結構時間がかかりました。。。炭って冷蔵庫の脱臭などにも使いますよね。きっと湿気を吸いやすいから火が起こりにくいんだなと改めて勉強させてもらいました。

と、焼いている間に燻製はどうなっているかな~。

  

  うまく燻りあがっていました!

  実は、当日は台風接近の影響で大雨・風が強いこともあり、

  できるだけ時間を短縮して早めに帰ってもらおうということで、

  いつもなら参加者にやってもらう燻製の準備もこちらで行いました。

  こちらも作り方はカンタン。

  火を付けたスモークチップ(香りなどはお好みで。今回は桜を使用)の

  上から金網をセットした段ボールを被せ、ゆで卵やチーズ、燻製したい

  物を載せるだけ。写真は内部にアルミホイルを貼っていますが、

  アルミがなくてもできます。

上部を閉じて後は様子を見ながら、今回は2時間程度で完成。食材によって燻す時間が変わるのでいろいろ試してみてください。

ピザ焼き段ボールは上面を触ってぬるくなっていたら、火が弱くなっている印しなので炭を足して、時々ふたを開けて焼き上がりをチェック。

チーズが溶けて、少し焦げ目が付くくらいになったら完成☆

<できあがり~>

天候やこちらの段取りの都合上、参加者にはいろいろとご不便おかけしたと思いますが、皆さん楽しんで無事に帰られたようで何よりでした。

また、五色台体験教室では季節に応じたいろんなプログラムを用意していますので、ぜひお越しください!

そして、アウトドア料理の幅を広げて、みんなで楽しんでくださいね~☆

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2017年10月12日【オススメ】 秋も砂浜へ!父母ヶ浜

瀬戸内海国立公園 大林めぐみ

夏の海水浴シーズンが終わると、海岸エリアは少し落ち着きをみせます。

が、香川県内には今も多くの人が集まる砂浜があるんです!

それが、三豊市西海岸に位置する父母ヶ浜(「ちちぶがはま」と読みます)。

広く遠浅の砂浜であれば、お隣の観音寺市にある有明浜や三豊干拓の方が広大ですし、海浜植物群落の多様性、多さなら有明浜なのですが、父母ヶ浜の推しポイントはなんといってもコチラ↓

1.サラサラの白い砂浜

瀬戸内の砂浜は、花崗岩由来の土砂が山から川を伝って海底に溜まり、それが海浜流にのって堆積してできたもの。波の荒い外洋と比べると瀬戸内は内湾で穏やかなため、細かい粒子の砂が波で運び去られることなく、細かい砂浜ができるのです。

2.美しい砂紋(さもん)

干潮時の波によって粒子の細かい砂が動き、浅瀬に波跡ができる砂紋はまさに自然が創り出す芸術。幅約1㎞、奥行き400mもの干潟に形づくる砂紋は必見!

<同じ模様はない自然の造形美とはこれ!>

3.夕景にただ見とれる!

父母ヶ浜から見る燧灘に沈む夕陽にただただ魅入る人が続出。特に干潮時刻と日没が重なる風のない日には、潮だまりの水面に夕陽や人の姿が鏡のように映し出され、、まるでボリビアにあるウユニ塩湖のような写真が撮れます。

4.砂団子も!実は生き物いっぱい!

砂に同化した体色、小さなからだをサササーッと移動させ巣穴に隠れてしまうスナガニ。巣穴を作る時に掘り出した砂がまるで団子のように丸いのが特徴。少し砂泥地に行くと、ウミニナやアラムシロ、ヤドカリなど干潟の生き物が見られます。

<まだ渇いていない砂団子>

<アラムシロなど巻き貝が通った跡はまるで幾何学模様>

同じ海でも季節によって何となく違う様子をみせてくれます。

下の写真は夏の干潮時の日中。

夏の強い日差しが照り返し、海も白い砂浜もまぶしい!

堤防の上からでも魚の姿がバッチリ確認できるほど海水透明度は高いです。

中州にはウミネコが。

秋は空気も澄んできて、他の季節よりも夕陽がより映えるように感じます。

父母ヶ浜は、地元の方の清掃活動によってキレイに保たれているので、赤く照らされた砂浜の中を裸足でゆっくりと歩いてみてもいいですね。

父母ヶ浜に関するHP「三豊市観光交流局」

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2017年08月16日【体験教室】 昆虫観察会

瀬戸内海国立公園 大林めぐみ

8月の体験教室は、夏休みの自由研究にもってこい!「昆虫観察会」

駐車場からクラフトハウスに向かうまでの間も、観察会スタートまでの間も待ち切れんとばかりに捕虫網を手にバッタやトンボを追いかけるほど子供たちはやる気十分!

そんな子供たちの高ぶる気持ちを一旦落ち着かせ、まずは昆虫を観察・採集する前に今回の講師・好井さん(かがわ自然観察会)から大切なお話を。

①森歩きの心得

 森に入ると、いろんな生き物がいて、中には飛んでくることも。森は生きものたちの住処であって、

 私たちはそこにお邪魔するお客さん。「こんにちは、お邪魔します」という気持ちで森に入りましょう。

②危険な生きものは森歩きの前にインプット!

 ウルシやハゼなどのかぶれやすい植物、スズメバチやマムシなど森の中には毒を持つ危険な生きものも。

 初めにどんな対処すればいいのか、どんな生きものなのかを知っておくことで、

 慌てず落ち着いて行動できますよ。ハチなどが人に止まっても、相手は人を物だと思っているので騒がず、

 払わず、あえてじっくり観察してみるのもよし!

③服装・持ち物チェック

 虫刺されやかぶれ予防に長袖・長ズボン、歩きやすいシューズ、暑さ対策の飲み物など準備バッチリなら

 森歩きもより楽しめます。

④やさしい気持ちで

 昆虫を追いかけると夢中になってしまいがちですが、持つ時はやさしくそっと。

 いざ放す時に羽や足が折れていたら・・・。

そんな心得や捕虫網の使い方などを教えてもらったら、お待ちかねのフィールドへ!

今年は暑さのせいか7月下旬になってもなかなかセミの鳴き声がせず、「昆虫観察会どうしよう!」とハラハラドキドキでしたが、1週間ほど前になってやっと「あー、夏休みだなぁ」と感じるほどの鳴き声が聞こえてきてホッとしました~。

【声は聞こえるけど・・・】

そんなセミ、木の幹と同化して鳴き声をする方を探してもなかなか見つかりません。

と思いきや実は目の前の木にいた、なんてことも。

成虫探しもいいのですが、宝探しのように見つけるのがセミの抜け殻探し。

抜け殻って同じように見えますが、特徴を捉えるとそれが何のセミなのか分かりますよ。

左【ツクツクボウシ】薄茶でツヤなし   発見しやすさ★★

右【ニイニイゼミ】体が丸くて泥だらけ  発見しやすさ★★★                

魚の池ではトンボ探し。

ここも暑さのせいかいつもより少ないような。そんな中でもしっかり目を見張った子供たちは小さなイトトンボを見つけ出します。

右【シオカラトンボとショウジョウトンボ】

左【クロイトトンボ】 

右【モノサシトンボ】名のとおりモノサシのように目盛りがあるのが特徴

昆虫ではないですが、遊歩道にある巣箱を使って、野鳥がいつ巣箱を必要とするのか、どんな環境が暮らしやすいのかなど「私たちだったら・・・」と考えながら設置のコツを教えてくれました。

1時間ほど遊歩道を歩き、水分補給の後は、インタープリターから今話題のヒアリについてレクチャー。

事務所から標本も持って行きましたが、「思ったより小さい!」とみんな興味津々でした。

■ヒアリの特徴

・大きさ 働きアリの体長は2.5~6㎜と個体差あり

  • ・ 色  赤っぽくツヤあり。在来種のクロオオアリはマットな黒

  • ・ 巣  ヒアリの巣はアリ塚と呼ばれる土でできたドーム状。

     巣に足や棒を突き刺すと怒った数100匹ものアリが登ってくるので危険!!

「黒い」「大きさが2.5㎜より小さい」「働きアリの大きさにバラツキがない」アリはヒアリではないので、まずは落ち着いて見てみましょう。

■でも、やっぱりヒアリかも!

という場合は、県の自然環境部局かお近くの環境省地方環境事務所にお問い合わせください。

実際、高松事務所にもいくつか「ヒアリかも」という問合せが来ますが、調べてみると在来種(日本にいる)アリだったり、はたまたアリグモというアリに擬態したクモだったり。こういった特徴を知ることである程度判断できるのではないのかなと思います。

夏休み期間中は、ビジターセンターの自由研究ネタコーナーにて、ヒアリに関するポスターも掲示していますので、興味ある方はぜひご覧ください。

さぁ、話題のヒアリについて学んだ後は、体を動かしますよ~。

昆虫観察会では恒例となりつつある、広場でバッタ捕り競争!

捕虫網を持って、1列に並んで・・・よーいドン!!

子供たち、走り回る走り回る!見かねた講師から「トンボを捕まえたいならじっとして相手が来るのを待つ。追いかけると逃げるよ~」とポイントを伝授。

まぁ、じっとしておけないですよね(笑)というか、捕まえるのはバッタなんですが。

子供たちだけでなく、大人も必死にバッタ捕りに参戦!

帽子を捕虫網にしたり、小さなショウリョウバッタに悪戦苦闘ですが、なんとか時間内に1匹以上は捕まえられました。

講師から頑張った子供たちへ上位入賞者にエコボトルを、参加賞として折り紙などをプレゼント。

そして、最後に涼を取るかき氷でバッタ捕り競争のクールダウンを。

今年は少し昆虫の姿が少なかったですが、その分「見る」「(鳴き声を)聞く」など五感を使った昆虫探しができたのではないでしょうか。

参加した子供の中には、昆虫の特徴などをよく知っている子がおり、将来どんなふうに成長していくのか楽しみで仕方ないです。

晩夏から秋にかけても、まだまだ昆虫たちはいっぱい!

心得をしっかり保ちつつ、楽しい昆虫観察を満喫してくださいね。

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2017年08月10日【体験教室】 ハチミツ絞りと蜜蝋キャンドルづくり

瀬戸内海国立公園 大林めぐみ

今年もやってきました!

大人気の体験教室「ハチミツ絞りと蜜蝋キャンドルづくり」。

なんと今回で6回目を迎えるプログラムですが、毎年キャンセル待ち続出の人気っぷりで、もはや五色台ビジターセンター夏の恒例プログラムとなっています。

今年も五色台のふもとで生業されている中田養蜂さんが講師としてミツバチの働きや手動遠心分離器を使った蜂蜜絞り体験などを教えてくれます。

まずは、「ハチミツってどうやってできるの?」という質問。

でも、これって大人でも知らない人がほとんどなのでは?「ハチミツ」=「花の蜜」と思いがちですが・・・。

ミツバチは花の蜜を一旦体の中に取り込み、酵素で凝縮分解した後、再び体内から出して巣に入れています。この甘~いハチミツ、実はミツバチが創り出しているんです!

花の蜜を舐めたことある人なら分かると思いますが、意外と甘くない・・・。

そのハチミツをいただく巣箱には、小さな八角形が集まった巣板が8枚入っています。その巣板1枚にはなんと!ミツバチが2,000匹も!巣箱にはもちろん女王バチも。

中田養蜂さんは香川県内の農家や採蜜場所に巣箱を置いているそうで、五色台だけでも800~1,000箱を5~12ヶ所に分けて置いているんだとか。

【資料と絵を見ながらフムフム・・・】

基本的なことですが、ミツバチのすごさ、身近な食品だけど意外と知らないことを少し知ってから体験をすることでいろんな疑問やミツバチに対する気持ちが変わってくるのではないでしょうか。

そんな後は、いよいよ2手に分かれてハチミツ絞り体験と蜜ろうキャンドルづくりのスタート!

まずはハチミツ絞り体験のようすから・・・。

ハチミツがた~っぷり入った巣板を持ってみると・・・「重い!!」

中田さん達から丁寧に教えてもらいながら、ナイフを使って蜜がこぼれないように表面を固めた蜜ぶたをこそぎ取ります。

この時のポイント★

・ナイフはノコを挽くように前後に動かそう。

 ナイフに蜜がくっついて「ナイフが動かない!」ということが少ないです。

・密ぶたは薄く切り取ろう。

 あまり深く刃を入れてしまうと八角形の巣が壊れてしまいます。巣板はまた巣箱に戻し、ミツバチたちが

 使うもの。できるだけミツバチが壊れた部分を修繕しなくてすむように薄く切り取りましょう。

【蜜いっぱいの巣板、結構重い!】

蜜ぶたが切り取れたら遠心分離器に巣板を入れます。

そして、ハンドルを一気に回すと・・・

【キラキラしているのは飛び散る蜜】

遠心力で蜜を飛ばすので、外側に向いている方の蜜が取れただけ。ある程度蜜が出なくなったら巣板の向きを変えて、もう反対側の蜜も遠心分離器で採蜜します。

両面とも採蜜できたら、あま~くいい香りのするハチミツのできあがり。

絞りたてハチミツは中田養蜂さんのご厚意でお土産としてお持ち帰り。

右:蜜を絞った後は驚くほど軽い巣板!

左:とろ~りとしたハチミツに思わず手が伸びそうに・・・

順番にハチミツ絞り体験を待っている間は、観察箱でミツバチをじっくり観察。

【女王バチはどこかな~?】

左上側に他より大きめのミツバチがいるよ。

子供だけでなく、大人も興味津々。むしろ大人の方が興味があるようで、中田養蜂さんにいろいろ質問したり、燻煙器やネット付き帽子など養蜂グッズを見たりしていました。

さて、こちらは蜜ろうキャンドルづくり。

まずは、上側を缶切りなどで開けた空き缶(スチール缶)に蜜ろうを入れて湯煎して溶かします。ここでやっちゃいけないのが、空き缶を直火に当てて蜜ろうを溶かすこと。これをやっちゃうと爆発することがあるので、必ず湯煎をして溶かしましょう。

その間に、キャンドルを固めるためのシリコン型の準備。

シリコン型が破れないように竹串などで穴を開けて、そこにロウ芯(火が灯るところ)となるヒモを通してくくります。

そうこうしていると、蜜ろうが溶けてくるので、ヤケドに注意しながらシリコン型にロウを流し込んでいきます。ここでのポイントが、一気に流し込まずにゆっくり少しずつロウが固まるのを待ちながら流し込むこと。そして、シリコン型は動かさないこと。固まったかどうか気になるところですが、そこはガマン(>_<。)

30分くらい経つと・・・

【見事に固まりました!】

ハチミツ絞り体験と蜜ロウキャンドルづくり組が交代して、一通り終えたらお楽しみが。

ハチミツ4種の試食&どれか分かるかなクイズ!

【さぁ、香りと味の違いを頼りに答えを導いて・・・】

ハチミツってどれも似たような味だと思っていたら、意外としっかり違いがあることが分かったようで、みんな驚きの顔をしていました。さぁ、答え合わせはどうだったのでしょうか。

正解は、①サクラ ②ビワ ③アカシア ④タマネギ

気になる人はおうちで食べ比べしてみましょう。

ハチミツの味の違いを知った後は、少しミツバチについてのお話を。

■働きバチってオスが多い?メスが多い?それともどちらかだけ?

働きバチはメスのみ。しかも外で蜜を集める外勤バチは年配のハチで、巣の門番や幼虫の世話をする内勤バチは若いハチ。これは外勤バチの方がスズメバチなどの天敵や雨で羽が濡れて飛べなくなったりと危険要素が多いことから寿命の短い年配バチが外に出るのだそう。

ちなみにオスバチは交尾のためだけに存在するので、いない時期もあるそう。

■ミツバチの寿命って?

ミツバチの寿命は1ヶ月程度。

その反面、女王バチは2~3年程度生き、中には8年生きた女王バチもいたそう。女王バチは毎日1,500~2,000個の卵を産み続けます。

■ミツバチの役割

毎日のように食べている野菜や果物。それもミツバチが果物や野菜の花を受粉して実ができるのです。ミツバチがいなくなると、ハチミツができないばかりか、野菜や果物が実らず、私たちの食卓は・・・と考えると、ミツバチって本当に有り難い!

中田養蜂さんでは香川県下の2/3の農家さんにミツバチを貸し出しているそうですよ。ちなみに我が家の畑も近所のイチゴ農家さんから飛んできたミツバチのおかげで野菜や果物が実っています。

そんなミツバチたちですが、自然環境の変化によって少しずつ変わってきているそう。

昔に比べ、蜜源となる花が減ったことでミツバチ自身も栄養が取れなくなり病気がちになったり、そしてミツバチの数が減ってきたりと自然環境の変化と共にミツバチ達の環境も変わっています。今は野菜や果物も実り、ミツバチがつくり出すハチミツやローヤルゼリーなどの恩恵も受けていますが、100年後はどうなっているんだろう・・・?

同じミツバチからでも採集する花によって味の違いハチミツができること、それも花やミツバチの状態や採るタイミング、その場所の環境によって味が変わってくることを学んだ今回。近づいてきたら手で払いがちなハチですが、古くから人の暮らしに密着し、私たちに多くの恩恵を授けてくれる大切な存在。

食事をいただく時に野菜や果物などを作ってくれる農家さんだけでなく、一緒に実りを支えてくれているミツバチにも感謝しながらいただきたいなと感じた体験教室でした。

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2017年07月13日【自然情報】 屋島・梅雨のミステリー・・・?

瀬戸内海国立公園 大林めぐみ

ざぁーっと雨が降ったかと思えば、湿気ムンムン&肌ベッタベタかつ日中35℃を超える日があったりと、なかなかスカッとしない瀬戸内です。前回のAR日記でも書いたとおり、香川は降雨量が少なく、毎年渇水に悩まされるので雨はうれしいところなのですが、そろそろ梅雨明け宣言が欲しいです。。。

そんな梅雨の晴れ間にカウンター※1の機器チェックに行った時のこと。

1:屋島北嶺には、通行した利用者を計測するカウンターを設置しています。

いつものようにバッテリーチェックとカウントデータの回収をしようと近づくと、不思議なものが・・・。

【カウンターの向こうに・・・何だろう】

【葉っぱはウバメガシばかり】

落ち葉が立って、クルクルときれいな渦状になっていました。踏むと厚みのあるふわっとした何ともいえない感触でした。

前日は大雨警報が出たほど雨が降ったので、その時の水の流れでできたもの?

風?けど、まわりはウバメガシに囲まれた樹林なので、直接風が当たることもあまりなさそう。

多分、雨水の流れかなぁと思いつつも、昆虫?動物?の仕業?いろんなことを想像しましたが、謎は深まるばかり。

雨上がりには、こんな不思議な光景が見られるかもしれません。

自然がつくるミステリー、まだまだ奧が深そうです。

※カウンターはケーブルが何者か(噛み跡からイノシシだろうと思われる)に噛まれ、断線・・・(泣)

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2017年07月03日【自然情報】 紫雲出山・梅雨のみどころ

瀬戸内海国立公園 大林めぐみ

ジメジメしとしとの梅雨時期に彩る花といえば?

そう、アジサイ。ピンクや青、白などさまざまな色と形をしているアジサイですが、ここ最近だとカーネーションと並んで母の日のプレゼントとしても店頭で多く見かけますよね。

そんな梅雨を彩るアジサイが今、あちこちで見頃を迎えています。

今回ご紹介するのは、紫雲出山(三豊市)。

【山頂駐車場から徒歩7分で山頂園地に到着】

山頂までの約100mは、高さ2mのアジサイに囲まれ、彩られた歩道「アジサイロード」を歩きます。

その数、約2,000株と圧巻!

そして、種類も豊富で見応え十分です!

【アップで撮影してもいいですねぇ】

■アジサイの花って実は花びらじゃない!?

実は花のように見える部分は、萼(がく)と呼ばれる葉っぱが変化したもので、それが大きく発達したのが花びらのように見えています。

【ヤマアジサイ】

日本に自生する原種のひとつ・ガクアジサイと同じように周りに装飾花(ガクが花びらのように発達した部分)がつき、真ん中に小さな両生花(雄しべと雌しべがある花)を付けています。

よーく見ると・・・。

■色ってなんで変わるの?

花の色は土の養分によって変化します。酸性なら青色、アルカリ性ならピンク色というふうに。なんだか学校の理科の授業で実験したリトマス紙みたい。最終的には花の老化ともいえる現象によって、どの花も赤やピンク色へと近づいていくのだとか。

ということは、もともとはピンクや赤系ということ?

■アジサイの名前の由来

和名の「アジサイ」は集(あづ)・真藍(さあい)が変化したもので、「集(あづ)」は「集まる」、「真藍(さあい)」は「青い花」という意味です。
アジサイは「青い花が集まって咲いている」という花の姿を表現した言葉が語源なのだそう。また、アジサイはいろんな色に変化することから、七変化(しちへんげ)・八仙花(はっせんか)、丸く集まった姿から手毬花(てまりばな)などの別名もあるのだそう。

■アジサイの花言葉と歴史

奈良時代につくられた日本最古の歌集・万葉集の中にもアジサイを詠んだ句があるほど、アジサイは古くから日本人にとって身近な花でした。しかし、花の色が移り変わることがネガティブなイメージ(浮気、移り気)を連想させ、最初は人気がなかったのだとか。

しかし、江戸時代に起こったある事をきっかけにイメージが変わってきます。

長崎で鳴滝塾を開講したドイツ人医師・シーボルトは、江戸参府を機に日本研究に役立てるためのいろんな物を集めました。しかし、その中には日本から持ち出すことを禁じられていた日本地図や将軍家の家紋の付いた着物などが含まれていたことが原因となり、国外追放を言い渡されます。その時、すでにお滝さんという日本人女性との間に娘が。

オランダに帰国する時、一緒にアジサイを持ち帰り、お滝さんにちなんで「オタクサ」という名前で紹介したことから「乙女の愛」「辛抱強い愛」といった花言葉がつきました。

実際、アジサイの人気が出始めたのは「西洋アジサイ」の名前でヨーロッパから逆輸入されてからなんだそう。昔からある花なのに逆輸入したことで人気が出るって、なんだか不思議な感じですね。

フランスでは、アジサイは「日本のバラ」と呼ばれるほど桜や椿とならんで日本を代表する花。

アジサイの見頃は7月上旬まで。あと少しですが、日本を代表する梅雨の花をぜひ見に来てくださいね!

【アジサイ&多島海景観のベストポジション★】

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2017年06月30日【お知らせ】 中国四国の国立公園展(香川)スタート!

瀬戸内海国立公園 大林めぐみ

6月下旬より、中国四国地方で活動するアクティブ・レンジャー(以下AR)が企画し、各地を巡回する「中国四国の国立公園展~アクティブ・レンジャーが伝える自然と活動~」が五色台ビジターセンターで始まりました!

平成22年度から始まり、今年で8回目を迎える企画展。

これは、私たちARが日頃の業務の中で出会った素晴らしい風景や自然を守るために活動する人々を写真におさめ、皆さんに国立公園やラムサール条約登録湿地を含む国指定鳥獣保護区を紹介するものです。


中国四国地方には、3つの国立公園があり、それぞれ違った特徴があります。

■大山隠岐国立公園

・火山を中心とした山岳、高原景観の中国山地最高峰の大山から蒜山・毛無山

・国宝・投入堂をはじめ山岳信仰関係の施設群がある三徳山

・隆起・沈降海岸が美しく、出雲大社や日御碕神社など神話や伝承が数多く残る島根半島

・山麓の牧歌的な風景と火山活動で生じた3つの湖沼が変化を生む三瓶山地域

・海蝕崖景観と固有種など独自の生態系をもつ隠岐

■瀬戸内海国立公園

11府県にまたがる最も広域で、雲仙、霧島とともに日本で最初に指定された国立公園

・穏やかな内海に大小1000あまりの島々が点在する美しい多島海景観

・古くから人が暮らし、段々畑や古い港町の家並み、寺社仏閣など歴史・文化が自然と共存し、

 人の営みが溶け込んだ人文景観

・白い砂浜と青々とした松が印象的な白砂青松の海岸

■足摺宇和海国立公園

・黒潮に洗われた隆起海岸、断崖が連なる豪壮な景観が特徴的な足摺海域

・波風による浸食でできた奇岩と古生物の足跡がみられる竜串

・沈降海岸の細やかな入り江と豊後水道の島々がみせる優美な多島海景観の宇和海

・サンゴや色鮮やかな熱帯魚などが見られる海中景観

・滑らかな河床が特徴の滑床、アケボノツツジが咲き誇る篠山

それぞれの国立公園の特徴をざっと挙げてみましたが、地元の方でも意外と知らなかった!ということがあるかもしれません。

プロカメラマンのように撮影技術があるわけではありませんが、皆さんに「伝えたい!もっとこんな魅力的な場所があること教えたい!」という気持ちは溢れんばかりです!

ぜひ、お時間ある方は見に来てくださいね~。

【五色台ビジターセンターのようす】

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2017年06月28日【体験教室】 五色台を描こう!スケッチ会

瀬戸内海国立公園 大林めぐみ

6月の五色台体験教室は、見たままの五色台を描くスケッチ会。

植物を描いてもよし、風景を描くもよし、参加者が見たままの五色台を画用紙いっぱいに描いてください。

今回の講師は、県内で活躍する小学校教諭・谷口さん。

さすが小学校教諭だけあって、年齢別に適した画材や描き方、対象物の見方などコツを分かりやすく教えてくれます。そして、昨年同様、香川短期大学デザイン・アートコースから6名の学生がお手伝いに来てくれました。


【こんなふうにしてみるといいよ】

まだ未就学児の小さな子どもはクレヨンや色鉛筆など使いやすいものを、小学生以上になると水彩絵の具で色つけしたり、スケッチ対象物は色鉛筆で背景は絵の具などタイプの違う画材を合わせて使ってみたりとアイデアが膨らみます。

最初は何をどう描いていいか分からず、なかなか筆が進まなかった子どもも講師やスタッフのアドバイスによって少しずつ思い描くものができたようです。

【大人もみんな真剣!夢中!】

最後はみんなで発表会。

それぞれ個性あるスケッチができ、同じものは1枚もありません。

参加者が描いてくれたスケッチは、ビジターセンターにて8/18/31まで展示させていただく予定です。

ぜひ、お友達が描いたスケッチを見に来てくださいね。

【力作揃いのスケッチができあがりました】

子どもの頃は学校や夏休みの宿題などで絵を描く機会がありますが、大人になるとなかなかないですよね。かといって、子どもも宿題で描かなきゃいけないってなると「う~ん・・・」ってなりますが。

スケッチは紙とペンがあればいつでもでき、その時の気分によって色を付けてみたり、デッサンのように細かく描いてみたりと幅広く楽しめるアクティビティ。晴れたら外で、雨なら家の中から外の気になるものを、はたまた家の中にあるふとしたモノを描いてみたり。

描く対象物の特徴や「あ、こんなふうになっていたんだ~」と驚きの発見があるのもスケッチの醍醐味。

みなさんもぜひ気軽にチャレンジしてみてはいかがでしょう。

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