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アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

中国四国地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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瀬戸内海国立公園 高松

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2018年08月29日【体験教室】 昆虫観察会

瀬戸内海国立公園 大林めぐみ

今週で8月も終わり。

夏休みを終え通常生活に戻った方、まさに今、宿題にラストスパートをかけている子、すでに2学期がスタートした学校などさまざま。

少し遅くなりましたが、8月上旬に開催した五色台体験教室のようすをご紹介します。

8月はここ数年おなじみの昆虫観察会。

講師は、松本慶一さん(みんなでつくる自然史博物館・香川)。

昨年度に開催された香川県立ミュージアムでの企画展では、「むしむし博士」として子ども達から絶大な人気を誇ったむしのスペシャリスト。

実は、私自身が楽しみでもあったり。

今回は「さまざまな環境と昆虫」をテーマに五色台ビジターセンター周辺には、どんな昆虫がみられるのかを観察しました。

観察や採集を始める前に、まずは道具の使い方から。

捕虫網。網がやぶれたり、柄のところが折れたりと毎年購入するはめになったり、昆虫を捕まえられたとしても羽や足が折れてしまっていたなど、そんな経験ありませんか?

左:トンボを捕まえたい! → トンボを後ろから追うように網をすくうこと(前からだと逃げられてしまうのです)

右:バッタを捕まえたい! → 網をまっすぐ下に、下ろす時は腰も落とすのがポイント

親御さんたちは「だから、うちのはすぐ壊れるのか~」と捕虫網の使い方講座に感心しきり。

■草ムラ編

網を持って一斉にスタート!

子どもたちはバッタやトンボ、チョウを手にすると、すぐさま松本さんの元に駆け寄ってはドヤ顔(笑)

バッタやチョウの幼虫は主に草や葉を食べますが、昆虫の種類によって好みの草も変わります。

例えば・・・トノサマバッタはイネ科、オンブバッタはシソ科など。

同じチョウの幼虫でも、モンシロチョウはキャベツ、ヒョウモンチョウはスミレなど。また、成虫になっても花の蜜を好むチョウとゴマダラチョウのように樹液を好むチョウなどいろいろ。

種類によって食草が違うことで、エサ取り競争が起こりにくくなり、生存競争に勝っているんだそう。

■林内編

多目的広場から少し園路を歩くと、常緑樹と広葉樹に囲まれた林の中に。

前日に仕掛けたトラップ。

結果をみんなで見るのですが、さぁ、いかに!?

・・・・・・

残念ながら、幹に仕掛けたバナナトラップには何もおらーず。

ということは、この周辺には樹液を好むカブトムシやクワガタムシが

ほぼいないということが分かりました。

ふもとにはいるカブトムシが、なぜここにはいないのか・・・?

それも昆虫観察会で分かった結果。

次に地中に仕掛けたベイトトラップを引き揚げると・・・。

<いましたー!!しかも、ほとんどのトラップにかかってる!>

その中からミイデラゴミムシをピックアップ。お尻を少し押してみると・・・

「アツッ!!クサッ・・・?におい微妙!!」

ミイデラゴミムシは刺激を受けると、「プッ」と高温のオナラを出して敵を追い払う術を持つ、昆虫界のスカンク。難しい話をすると、過酸化水素とヘドロキノンが酵素の働きによって体内で急激な酸化還元反応を起こして、高温の水蒸気となってお尻から発射して危険から身を守っているのだそう。すごいシステム。。。

その特徴から「ヘッピリゴミムシ」とも呼ばれています。

近くにあった朽ち木を割ってみると・・・


<出てきた!コクワガタの幼虫!>

トラップに成虫は来なかったけど、どこかにクワガタはいるってこと??

この後、子ども達はバリバリと朽ち木を剥がし、幼虫探しに夢中。

■沢(流水域)編

ベイトトラップを仕掛けたすぐ近くには小さな沢があります。

水路に差し込んだ網は動かさず、足でガシガシと泥をかき入れると・・・。

<オニヤンマのヤゴ!トンボ界のドン現る!>

五色台の中でも浅瀬の流水域、かつ水底に泥が被っているところはオニヤンマが生息しやすい環境なのだそう。

写真に撮ることはできませんでしたが、ヤゴを探している間もオニヤンマ(成虫)が飛来する度にみんなの注目を集めていました。

私たちは下から見ることが多いオニヤンマですが、上から見る捕食する鳥からは、オニヤンマの黒と黄緑のボーダー模様が日なたと木陰のように見え、森林とカモフラージュできるようになっているんだとか。

昆虫のからだの色や模様、形には意味があり、敵から見つけられにくいように、その生息場所に適応するようにうまくできています。いろんな昆虫のボディカラーを調べると、そんな由来も分かるかも。

■魚の池(止水域)

多目的広場ではウスバキトンボが多かったのに対し、ここではギンヤンマやショウジョウトンボ、シオカラトンボ、コシアキトンボ、数種のイトトンボが見られました。

ここでオニヤンマが見られないのはなぜか??

オニヤンマは浅瀬の流水域かつ木陰のある林内で生息するのに対し、ギンヤンマは陽当たりのいい開けた場所、ため池など止水域に産卵します。食性の好みと同じように環境を棲み分けることで互いに競争せず、生存していけるのです。

みんなが傘を使った採集やトンボを追いかけている中、スタッフと講師は池の中をゴソゴソ。

「いたーー!!」の声で集まると、そこにはヒメミズカマキリやコオイムシがいました!

ミズカマキリは小魚や水生昆虫などをエサとしますが、一回り小さいヒメミズカマキリはアメンボなど水面近くにいる昆虫をエサとしています。ヒシやジュンサイなどしっかり掴まれる浮葉植物がないとエサが取れず、生息環境も自然度が高いところじゃないといない、結構レアな水生昆虫。

<左:ヒメミズカマキリ 右:コオイムシ>

最後に捕まえた昆虫をリリース。

それぞれの昆虫の棲み分け、色や形の意味などいろいろ気付きがあった観察会。

蚊からヒントを得て、痛くない注射針ができたり、衛星や一眼カメラのレンズもアリやハチなどの複眼をヒントに作られたり、医薬品も昆虫由来のものがあるなど人の生活と欠かせない関係。

虫は発明のヒント、人の進歩にとって重要や役割があるということ。

参加者にとっても何かヒントや気付きが得られた半日だったのではないでしょうか。

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2018年08月07日【瀬戸内海国立公園の夏】 有明浜~沙弥島

瀬戸内海国立公園 大林めぐみ

海水浴場特集第2弾!今回は香川県西部、西讃(せいさん)地域。

香川県中部の海岸線は、工場用地や港湾整備による埋立地が多いのですが、西讃地域に進むにつれ透明度の高い海水と白い砂浜の自然海岸が多くなります。その中でも、瀬戸内海国立公園に指定されているARオススメの海水浴場2ヶ所をご紹介します!

■海は広いな~大きいな~有明浜(観音寺市)

有明浜は香川県の南西部に位置し、観音寺市街地からも近い海水浴場。

南北2㎞にわたり続く遠浅の砂浜のため、海底の深さに足を取られにくく、駐車場や海の家も近くにあるので、小さな子ども連れも安心して遊ぶことができます。

平日でもお昼近くになると、補講を終えた中高生たちが自転車でやってきては海に飛び込む姿が見られます。香川の内陸部で生まれ育った私は、毎年こんな風景を見ては、海の近くで育った子はいいなぁと、いつも羨んでしまいます。

干潮の有明浜では、浜にうずくまって何かしている人を多く見かけます。浜に開いた穴に塩を入れて待つと・・・ニュッと細長いモノが飛び出しては、素早く手で掴んでゲットするマテ貝採りができることでも有名なんです。

この日はマテ貝採りではなく、ポニーを連れて散歩する人を発見!最近この近くにできたホースパークのポニーのようでした。

★夏休み自由研究のネタ帳

「海岸で見かける植物・海浜植物ってなぁに?」

有明浜は県内最大級の海浜植物群落がみられる浜!海岸沿いには、

葉が厚くテカテカしたり、地を這うように伸びる植物がみられるよ。

・他の海浜と比べて、海浜植物の数は?種類は?多い?少ない?

・こんな暑くて乾いた場所で生長できるのはなんで? 

・海浜植物にいる昆虫っているの? 

 などなど意外と奥深い海浜植物のナゾを・・・

<上左:コウボウムギ 上右:ツルナ>

<下左:ハマゴウ 下右:白いハマゴウも!>

★海水浴の他にできること

近接した琴弾公園には5万本ものクロマツ林があり、その中には姫松、小傘松、すそひき松などの愛称のついた珍しい形状のマツや大きく存在感のある老松、根上松などが見られる国指定名勝。その広さはなんと約48ヘクタール!サッカーコート約50枚分の広さ!

園内には、四国八十八ヶ所霊場のひとつ、神恵院(じんねいん)や琴弾八幡宮など寺社仏閣や史跡、遊具や動物舎などが点在しており、大人から子どもまで幅広く楽しめます。

<松林は日陰をつくり、心地よい風を通してくれる>

そして、香川県民ならきっと見たこと、聞いたことがある銭形砂絵。

今から400年程前、時の将軍・徳川家光から讃岐巡遣使を派遣すると聞いた地元の古老たちが領主歓迎のために何かできないかと考えた末、一夜で寛永通宝(当時のお金)の砂絵を作り上げたそう。

その大きさはなんと東西123m、南北90m!けど、まん丸じゃない・・・。なぜ楕円形なのかというと・・・。

<左:展望あずまやから見ると・・・> 

<右:琴弾山展望台から見ると丸く見える!>

これを見た人は健康で長生きでき、お金に不自由しなくなるという云われもあるそうですよ~。

遠くには、うどん出汁に欠かせないイリコで有名な伊吹島が。スッキリ晴れた日にはイリコの加工場も見えます。

★アクセス

車(レンタカー)・・・さぬき豊中ICから国道11号線~県道5号線を経由して約20分。琴弾公園駐車場を利用。

公共交通機関・・・JR観音寺駅から徒歩約30分、タクシーで約5分。駅の近くにはレンタサイクルもあります。

観音寺市ホームページ

レンタサイクル

■今は陸地とつながった島・沙弥島(坂出市)

「しゃみじま」と読むここは、昔はその名とおり離島でしたが、1967年に番の州工業地帯の埋立てにより陸続きになった島で、島内には旧石器・縄文・弥生時代の遺跡や古墳、醍醐寺の開祖である理源大師縁の史跡などが点在する歴史文化香る風情あるところです。

坂出市街地から工業地帯を突き進むと緑豊かな小高い山が見えてくるのが沙弥島。

島内には浜が2ヶ所ありますが、海水浴ができるのは西ノ浜。

<西の浜海水浴場>

西の浜には売店、トイレ、シャワー室、2階にあがれば展望デッキがある常設施設や日中の強い日差しを遮る桟敷もあります。

広い砂浜ではないですが、親子連れや隣の瀬居島(せいじま)からきた男性、自転車でやってきた中高生などが好き好きに過ごしていました。

夕方になると、海面に西日がキラキラと反射して、海に入らなくてもサラサラの砂浜に座って海を眺めるだけでも十分癒やされます。

★映える!瀬戸大橋が一望できるナカンダ浜

ナカンダ浜に到着すると目の前に見えるのは、大きなエノキの木と瀬戸大橋。インスタ映えにはもってこいなスポット!

広い芝生と砂浜で思わず泳いでみたい!と思うかもしれませんが、潮流が速いため遊泳禁止、また市条例で景観と文化財保護のため、ナカンダ浜やその周辺でのバーベキュー、たき火、花火の使用は禁止されています。

<左:ナカンダ浜 右:オソゴエの浜>

沙弥島は万葉の島とも呼ばれ、その由縁は万葉の歌人・柿本人麻呂がオソゴエの浜に舟を着けた際、漂着した死人をみて、「もし家族と一緒だったら・・・」と故人とその家族を想って長歌と反歌2首を詠んだことだとされています。また死人が漂着したとされる場所・人麻呂岩や縄文時代~弥生~古墳時代の製塩遺跡などが残る歴史文化深い浜でもあります。

西ノ浜海水浴場で思いっきり遊んで、ナカンダ浜ではのんびり過ごしてという使い方もできますね。

★アクセス

車、公共交通機関どちらでも利用しやすい場所です。

車(レンタカー)・・・香川県内・愛媛・高知方面からは坂出IC下りて県道33号線~192号線を経由して約20分

         岡山方面からは坂出北ICから県道192号線を経由して約10分

駐車場情報・・・ナカンダ浜夏期通行止め情報

公共交通機関・・・JR坂出駅から坂出市営バス「沙弥島万葉会館」下車すぐ 

       もしくは東山魁夷美術館せとうち美術館行き乗合タクシー(1日3本)

★瀬戸内海国立公園 夏のレクリエーションマップ

残り少ない夏。思いっきり楽しんでくださいね!

※浜にクラゲが打ち上がり出しました。毒性の強弱はありますが、絶対素手や素足で触らないようにしましょう!

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2018年07月30日【瀬戸内海国立公園の夏】 津田の松原~田の浦

瀬戸内海国立公園 大林めぐみ

夏休みに入り、1週間が過ぎました!みなさん、遊んでますか~?それとも宿題に大忙し?

国立公園の旬をお届けする【瀬戸内海国立公園の夏】。

今回は、夏を代表するアクティビティ・海水浴場特集です!しかも遊べるだけじゃなく、自由研究も一緒にやっちゃおう!(自由研究もアクティビティと思って楽しんじゃえ!)という一石二鳥な場所をお届けします。

今回は香川県の東側、東讃(とうさん)地域の巻。

■津田の松原海水浴場(さぬき市)

言わずと知れた県内でも有名な海水浴場。

樹齢600年を超える老松や根が地上に現れた根上がり松などが約1㎞にわたって続く青々としたクロマツ林。それに白い砂浜が映える瀬戸内海国立公園を代表する風景・白砂青松が特長的な海水浴場。別名:琴林(きんりん)公園とも呼ばれ、その名とおり、松林を抜ける風音が琴を奏でるような音に聞こえることから名付けられた景勝地です。

夏以外の季節は比較的穏やかで静かな浜辺ですが、海開きが始まる頃には海の家やシャワー、トイレが完備され、小さなお子さん連れでも利用しやすい海水浴場に様変わり。海の家には、おいしそうな飲食物やゆっくりできる桟敷以外に貸しボートや浮き輪など遊び道具も満載。

平日は人も少なく落ち着いていますが、土日になると老若男女問わず多くの海水浴客で賑わい、さまざまなイベントも開催されています。

さぬき市夏のイベント情報(79月)

*遊びすぎた・・・。暑さでバテてきたら・・・

松林の木陰でちょっと休憩。風が吹く日はうだるような暑さもかなり軽減されますよ。

*子ども達必見!自由研究のネタ帳(一例)

①津田の松原の松を調べよう

・瀬戸内に多い松原と白い砂浜。じゃあ、関東の海岸と何が違うの?

・松原ってどんな役割があるの?

・松はなぜぐにゃぐにゃと曲がって生えているのか などなど松のフシギを追ってみよう!

左<なんで根っこが浮き上がるんだろう??>               右<松の枝の中に違う木がの種類が生えてる!?>などなど、よーく見ると、アラ不思議なことが

②地引き網に参加して、マカフシギな生き物を探せ!

さぬき市主催の地引き網が行われています。そこで網にかかるのは何か・・・!?

地引き網開催日は限られています。さぬき市イベント情報でチェック。

左<干潮になると生き物がうごめく梅川汽水域>

右<松原に響く音の正体はコゲラでした>

津田の松原の中に海とつながる梅川は、海水と淡水が混ざる汽水域。干潮時になると、カニやウミニナ、ヤドカリなど生き物が少しずつ動いているのが見え、満潮になるとハゼなど小魚が跳ねるのが見えますよ。ただ、梅川に下りる階段等はないので、観察するなら大人と一緒に、ウォーターシューズなど足下はしっかりと装備を。

【アクセス】

自家用車:高松市中心部から国道11号線を進み約45

公共交通:JR津田駅から徒歩10

パラソルや浮き輪など荷物がたくさんある人は自家用車(レンタカー)がオススメ。

浮き輪は海の家でレンタル!手ぶらで海へGOな人はJRを利用すると、駐車場の混雑にあわずスムーズ。

■超穴場スポット!田の浦野営場(東かがわ市)

安戸池(あどいけ)と城山(しろやま)園地に間に位置する田の浦野営場。

湾口に発達した砂州が外海(ここだと瀬戸内海)と切り離されてできた潟湖(せきこ)の安戸池は、昭和初期に日本で初めてハマチの養殖が行われた場所。しかし、1970年前後に何度も赤潮被害にあい、今は養殖は中止して釣り場になっています。

安戸池の東に位置する城山園地には、戦国時代~江戸時代にかけて豊臣秀吉の家臣・仙石秀久や生駒親正が居城した引田城の跡が残ります。

田の浦野営場は市街地から離れており、利用者もまばらなため、静かにゆっくり過ごしたい人にピッタリな穴場的場所。自前テントを張って1日過ごす、デイキャンプで楽しむのもよし。

左<セントラルロッジにはトイレあり>

右<きちんと整備された芝生広場は広くて快適>

野営場の目の前には播磨灘をのぞむ海岸。砂浜で1人海にぷかぷかと浮かぶ人、磯場で何やら生き物を見つけていた家族など数組の利用者がのんびり過ごされていました。

*子ども達必見!自由研究ネタ帳その2

①磯の隠れた生き物をゲット!何が潜んでいた?

干潮時に磯場に行くと、タイドプールと呼ばれる海水が残った場所が。そこをのぞくと、岩にべったり張り付いたヒザラガイやマツバガイ、イソギンチャクなどが隠れているよ。

・何種類の生き物を見つけられた?

・どんな種類の生き物が多い?砂浜には同じ生き物がいる? 

・流れ着く海草はどんなものが多い? などなど

②砂浜に潜むいろんなモノとは・・・!?

・一見、何も見えない砂浜だけど小さく動く生き物がいるよ

・流れ着く流木やモノを拾って、分別すると何が分かるかな?

・他の海岸と流れ着くモノを比べてみよう

・拾ったモノとホットボンドを使ってものづくり

 ↑工作の宿題もできちゃう優れもの!

【アクセス】

自家用車:高松市街地から高速道路・高松中央IC~引田IC、県道122号線経由で約1時間

公共交通:JR引田駅から徒歩25分、タクシーだと10分

     野営場近くを運行する市内バスはないので、自家用車もしくはレンタカーが便利。

     歩きたい!という方は近くの引田の町並みも一緒に楽しんでみては。

瀬戸内海国立公園(香川県)夏のレクリエーションマップ

暑さをしのぐ海水浴。

ウォーターシューズ、着替え、十分な飲み物と塩分(塩飴や塩ラムネ)など準備はしっかりと万全に!

夏ならではの海遊びを楽しみましょう!

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2018年07月24日【体験教室】 ハチミツ絞りと蜜蝋キャンドルづくり

瀬戸内海国立公園 大林めぐみ

夏休み最初の体験教室!今年の夏も大人気プログラムがやってきました!

講師は、五色台はもちろん香川県下で養蜂を生業されている中田養蜂さん。

今回もミツバチと人との関わりやミツバチの役割や生態などを教えてくれました。

昨年のようすはコチラ

ハチミツを絞る前に「ハチミツ」ってどうやってできているんだろう?

アニメや絵本では、ハチが花から蜜をバケツにすくって運んでいる様子が描かれていますが、実際そんなの見たことないですよね?

ハチミツは、ミツバチが花の蜜を一旦体の中に取り込んで、酵素で凝縮分解した後、体内から出したもの。

そう。ハチミツはミツバチがお料理してできたものなんです。

【絵本を使って分かりやすくお話】

ハチミツとは一体なんぞや、を知ったところで、ハチミツ絞り体験と蜜蝋キャンドルづくりに分かれてスタート!

コチラはハチミツ絞り。

巣箱に入った巣板を1枚取り出して、ナイフで蜜フタをこそぎ取っていきます。

巣箱から巣板を取り出す時には蜜はこぼれません。蜜がこぼれないように蜜蝋がふたの役割をしています。

コツは、巣板は取手を掴んで、巣板をからだと垂直にすること。

そして、ナイフは巣板面と平行にしてノコを挽くようにギコギコとゆっくり動かして、できるだけ蜜フタをうす~くこそぎ取ります。

巣板いっぱいに広がる六角形の小さな巣は、蜜を貯めるためにミツバチたちが1から作ったもの。ミツバチが集めたハチミツを分けてもらう時に蜜フタを厚く取ってしまうと、巣がえぐれてしまい、ミツバチたちは壊れた巣を補修しなければなりません。

せっかくいただくものなので、できるだけ壊さずに巣板をお返ししたいですね。

左:蜜フタを取る前の巣板

右:蜜フタを取り、遠心分離機に入れた巣板。キラキラ光るのがハチミツ。

蜜フタが取れた2枚の巣板を遠心分離機に入れて、いよいよハチミツを絞り出します。

【はじけ飛ぶ蜜にみんな注目】

ハチミツが出なくなったら、内側に向いていた蜜を取るために巣板を裏表逆に入れ替えます。

また蜜が飛ばなくなるまでハンドルを回します。遠心分離機の下には、黄金色のハチミツが。

1グループに1瓶分、絞りたてハチミツをお持ち帰り。

あま~くいい香りが立ちこめる中、絞りたてハチミツを目の前に家に帰るまで味見をガマンしきれない子は、こそぎ取った蜜フタに付いたのを舐めたり(笑)

さて、こちらは蜜蝋キャンドルづくり。

蜜蝋とは、ハチミツ絞り体験でこそぎ取った蜜フタや六角形の巣の材料。

これも働きバチが蝋分泌腺から出したもの、ミツバチがつくり出したものです。

蜜蝋を固めるためのシリコン型にロウ芯を取付け、湯煎で溶かした蜜蝋を流し入れて固まるのを待つだけ。

【使う道具はコレ ミツロウ以外は身近にある道具を使います】

ロウ芯を通すために竹串でシリコン型に穴を開けます。

シリコン型の穴が大きすぎると、ロウを入れた時に漏れてしまうので注意。底側のロウ芯は結んで少し引っ張り出しておくか、竹串に結んでおくかやりやすい方でOK。「小さくて結びづらい!」という小さなお子さんは、座金付きロウ芯を使ってもいいですね。

蜜蝋を直火に当てて溶かすと、急激な熱で爆発することがあるそうなので、必ず湯煎で溶かしましょう。

ハチミツ絞りと蜜蝋キャンドルづくりの他に、働き蜂と女王蜂が入った観察箱や採蜜する時に養蜂家さんが被る帽子とネットの展示もありました。

ミツバチの女王蜂は、働き蜂より少し大きいかな?という程度なので、○ォーりーを探せ!ばりに見つけるのが大変。

あれや、これやと言いながら、観察箱にへばりつき。

キャンドルが固まるのを待つまでの間は、こちらに挑戦してもらいました!

「ハチミツ種類当て4択クイズ!」①~④のハチミツをパンに付けて、味や香りなどをヒントに当ててもらいます。

さぁ、どれがどれだか分かるかな?

答えは・・・

①ビワ・・・色が薄くて、少しビワの花の香り

②ミカン・・・柑橘系の香り

③タマネギ・・・他より少し濃い色。ほんのりタマネギ独特の香り

④サクラ・・・桜餅のような風味

タマネギの生産量だと北海道や兵庫県、佐賀県が有名ですが、香川県はその種を生産しています。全国シェアはなんと6割!しかも受粉に使うミツバチは全て中田養蜂さんが貸出しており、中田養蜂さんのミツバチだからこそ集められるハチミツなのだそう。タマネギ蜜は全国でもなかなか珍しいそうですよ。

この他にソバのハチミツも試食しましたが、こちらは濃茶色で黒糖のような独特なフレーバーです。←わたしはコレが好み。

この後はミツバチの生態やハチミツに関するクイズ、ミツバチと人の生活との関係性についてお話を聞きました。

野菜や果物をつくるのに必要不可欠なミツバチ。ハチミツには味や香りの違ういろんな種類があること、ミツバチがわたしたちの食と農業を支えていること、100年後の食糧事情はどうなるんだろうなど、単にミツバチの生態やハチミツのことを知る・体験するだけでなく、ミツバチから将来のことを考えるきっかけにもなった体験教室でした。

*******体験教室終了後にあった子どもたちからの質問************

Q1.働き蜂は1ヶ月生きると言っていたけど、成虫から?

答 .卵~成虫になるまでが21日、その後、成虫で約1ヶ月生きる。

Q2.オス蜂はどれくらい生きるの?←初めて聞かれた質問だそう。ナイスキッズ!

答 .オス蜂は交尾のためにいるので交尾が終われば死んでしまう。交尾しなければ1ヶ月、長ければ3ヶ月くらい生きる。

ミツバチや養蜂を自由研究テーマに考えている子ども達へ。

電話等で受質問もけてもらえるようですが、養蜂所さんも生業されているので夏休み終了ギリギリではなく早めに聞いて仕上げましょう!

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2018年06月27日【紫雲出山】 アジサイが見頃です!

瀬戸内海国立公園 高松 大林めぐみ

ジメジメした上に30℃を超える日が出てきましたねぇ。

先日、我が家の靴箱に2mのアオダイショウがドンッと落ちてきて大騒ぎした高松ARです。

そんな湿気たっぷりな瀬戸内では、この時季ならではものが見頃を迎えています。

春に約1,000本ものソメイヨシノが咲き誇ることで有名な紫雲出山ですが、今の季節はなんといってもアジサイ!

山頂駐車場から10分ほど歩いた先に見えるのは、高さ2mはある大きなアジサイ。

<アジサイに囲まれて歩く園路>

アップで撮影しているかと思いきや・・・手のひらと比べてもこの大きさ!軽く子どもの顔くらいの大きさはあります。

紫雲出山はいろんな種類、色のアジサイがあるので、晴天だろうが梅雨時の曇り空でも鮮やかに彩りを添えてくれます。

こんな八重咲きのものも。

みんながよく見る球状になった花。あれ、実は花びらではなく、ガクと呼ばれる花を支える葉のようなもの。

セイヨウアジサイやホンアジサイは、色づいて大きくなったガクが目立つため花(装飾花といいます)のように思われますが、種子を作る本物の花はまた別もの。

分かりやすいガクアジサイを近づいて見てみると・・・。

装飾花の真ん中にあるのが本物の花。種子ができるのはこっちの地味な方で、雄しべと雌しべ両方をつける両性花です。

ホンアジサイやセイヨウアジサイだと装飾花の真ん中にあるポチッとした小さなものが花なんです。

装飾花は、種子を付ける両性花に虫を寄せるために派手に進化したとも言われており、装飾花と両性花とでそれぞれ役割があるんだそう。

見応えのある装飾花もステキですが、わたしはこの小さな花がかわいらしくて好きですね~。

日本の原種の1つであるガクアジサイ。これが園芸種に品種改良されたり、日本から中国~ヨーロッパに渡って改良されたりと、広い世界で花を咲かせるアジサイは梅雨の時季を代表する植物。

毎年6月中旬~7月中旬に見頃を迎える紫雲出山のアジサイですが、年によって見頃が変わるのでコチラもチェックしてみてください。

三豊市観光交流局

※駐車場から山頂園地までは徒歩が基本ですが、高齢の方や足の不自由な方は山頂園地まで車両通行可能。ただし駐車台数に限りがあり、途中離合できないため事前連絡が必要です。

6月26日に行った時は、ほとんどが咲いていて見頃ピークを迎えていました。

まだ見ていない、見に行きたい!という方はぜひ今週末~来週末あたりに見に行ってくださいね。

スカッと晴れた風景もいいですが、霞んだ多島海景観も幻想的でステキでした!

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2018年05月30日【五色台VC】特別PG「四国のみち・五色台ウォーク」

瀬戸内海国立公園 大林めぐみ

日中は半袖でも汗ばむくらいの初夏真っ只中の瀬戸内。山の木々も青々とした緑一色になり、気持ちのいい季節になってきましたね!

そんな季節にぴったりな四国のみちや旧遍路道を歩く五色台ウォークを開催しました。

今回の全体コースはコチラ↓

JR鬼無駅を出発し、五色台山上にある中山休憩所でお昼ごはん、

その後は四国のみち(遍路道)を通ってJR国分駅まで下りる約12㎞、高低差約350mの健脚コース。

コース中に参加者を支えてくれるのは、ザ・山男、山女な香川県勤労者山岳連盟の方々です。中には槍ヶ岳~上高地まで人を背負って下山したことがある強者も!

そんな頼もしいスタッフと一緒に注意事項や準備運動をしたら、元気よく出発!

香川県で鬼無といえば盆栽のまちとして有名で、道脇には園芸樹や盆栽になる松が植わっています。

駅からしばらくの間は舗装路が続きますが、最初の足慣らしや服の脱着を調整するにはちょうどいい。

そして、1時間ほどすると山道っぽい遍路道口へ。

初めて行く山道だと1人ではなかなか不安・・・、特に女性は。ですが、みんなと一緒なら気になりません!

ところどころでスタッフから解説があったり、参加者も気になった花や実が何なのか聞いたり、写真を撮ったりとゆっくりしたペースで進みます。スタートから2時間。少し疲れが見え始める辺りで、五色台でも採れるサヌカイトの解説があり、それを聞いた子ども達は目が覚めたかのように石を拾ってカンカン鳴らしながら、どんどんと登っていきます。男の子って石とか棒とか持つの好きですね~(笑)

中山休憩所に着いたら、やっとお昼ごはん!のんびりと休憩タ~イム。

中山休憩所は81番札所・白峯寺と82番札所・根香寺との遍路道の途中にあるため、多くのお遍路さんが立ち寄ります。最近だと外国人お遍路さんも多く、この日もイタリアから来た方が巡礼中で「ピクニック♪」と言いながら一緒にお昼休憩をして行きました。

園地内のツツジの見頃は終わりましたが、ヤマボウシの花が見頃を迎えていました。白いのは花びらではなく、総苞片(花の付け根の葉)という葉。ヤマボウシは別名:ヤマグワとも呼ばれ、8~9月頃に付ける赤い実は生でも食べられますよ。

出発前にインタープリターから国立公園についてのお話。

日本には国立公園が34ヶ所あって、そこではいろんな風景や動植物が見られること、また雄大な自然そのものを感じることができます。

瀬戸内海国立公園は、九州の雲仙と霧島とともに日本で最初に指定された国立公園の1つで11府県にもまたがる広大な自然公園。

人の暮らしと里山、海が近いせいか、意外と国立公園だと知られていないことも多いですが、人の生活圏から近いということは、思い立ったらすぐに行ける!ということ。なんて便利!山岳地域や海中は、登山やダイビング技術がないと行けない場所もありますが、瀬戸内海国立公園は比較的整備された展望地も多いので、行きやすい国立公園だと思いますよ。

さぁ、今からは国分駅に向かって下山。

【道沿いにある指導標や遍路シールが行き先の目印】

遍路道沿いには約109m毎に丁石が建てられており、五色台山上には今もなお数多く残っています。地蔵菩薩と次の札所までの丁数(距離)を刻んだ舟形の丁石は、道中のお遍路さんの安全を祈願して江戸時代後期に建てられたもの。昔のお遍路さんと同じ雰囲気を味わえるお遍路道なのです。

***ちょっと小話***

お地蔵さんと呼ばれる地蔵菩薩は閻魔大王の化身とも言われています。死者の行き先・六道(天道・人間道・修羅道・畜生道・餓鬼道・地獄道)を決める裁判長・閻魔大王と六道の行き先で救済する弁護士・地蔵菩薩が同一人物であることから現世の行いを見ている地蔵菩薩が六道先で助けてくれるのでは、との考えから信仰の対象となったようです。

お地蔵さまはいつもどこかで見守りながらも、常日頃の行いを見ていますよ。ちょっと邪な考えが出たら思い出してみてください。

  【十九丁】

  その昔、お茶屋さんがあった跡地:十九丁(「じゅくちょう」と

  読みます)で私たちも休憩。

  ここは、白峯寺と根香寺、国分寺への遍路道の三叉路。

  多くのお遍路さん達で賑わったのでしょうね。

十九丁から一本松までは少しぬかるんだ所を通るので気をつけて。

【一本松の展望あずまや】

一本松から少し下ると、讃岐平野を眺められる展望あずまやが。

「あの山はなんて名前だろう?」「あの山行ったことある?」など次の登山プランを立てる方も。残念ながらここから「ヤッホー」と叫んでも返事はありませんでした(笑)

さぁ、ここからが最後の難所・へんろころがしと呼ばれる急勾配の階段です。順路は国分寺→白峯寺なので本来は登りになるのですが、今回は下っていきます。ウォーク後半の下りは足に堪えるので、ゆっくり一段一段確実に下ります。少し不安な方はストックがあると足への負担が少し減らせますよ。

※登山道が荒れてしまわないようにストックは必ず保護キャップをしましょう。また、周りの人にストックが当たらないよう注意しましょう。

【まるで異世界空間!】

石鎚神社を越えて下山口からさらに下ると、真っ白な斜面がどーん!

これは約1,000万年前の火山活動によって火山灰と溶岩のかけらが積もってできた凝灰角礫岩の斜面。実はここにお宝があるかも・・・?

岩盤をよーく観察してみると、黄色~褐色~赤く透明な小さな石を見つけることがあります。それは、ガーネットと呼ばれるもの。

すごく小さなものなので見つけたらラッキー★

※滑りやすいので注意して!

下山口から集落を抜け、80番札所国分寺を横切り、ラスト約2㎞を歩ききったらゴール!国分駅に到着しました!

参加者からは「また計画してほしい!」と嬉しい声が。

山岳連盟さん曰く、低山(里山)は晩秋~初夏くらいまでがスズメバチや蚊などの心配も少なく、気候もいいためベストシーズンだそう。

のんびり里山歩き、いい汗かいてスッキリした1日でした!

***山歩きの時は***

・長袖、長ズボン、帽子でウルシや毛虫から肌を守りましょう

・トレッキングシューズやリュックで動きやすい格好をしよう

・水分や食料、雨具などしっかり準備しよう

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2017年12月28日【体験教室】 ミニ門松づくり

瀬戸内海国立公園 大林めぐみ

今年最後の体験教室は、新年を迎えるための必須アイテム・門松づくり。

五色台体験教室では、マンションなどスペースに限りのある場所でも飾れるミニ版を作りました。

お正月飾りといえば、「門松」「しめ飾り」「鏡餅」がありますが、その中でも門松にはとっても大切な役割があるんです。お正月は、その年の家族の健康やお店の商売がうまくいくことを約束してくれる神さま・歳神さまが地上に降りてくる時期。その歳神さまの依り代(神様が宿る物)が門松なのです。

ちょっとした豆知識を入れることで、なぜ門松なのか、日本の伝統行事の由縁を知ってもらえれば。

作業の前に少し難しいノコギリの使い方をデモンストレーション。

ちょっとしたコツで切り口が斜めになることなく、また安全に作業ができる大事なこと。

・ノコギリなど刃物作業時は軍手を着用すること。

・使わない時はケースに仕舞うこと。

・作業している人の周りでは走らない、長い竹があるので周りをよく見て動くこと。

まずは土台になる竹と立てらせる3本竹×2を分かれて作業開始。

手順とおりに測って、印し付けて、みんなで協力してパーツを切り出します。

こちらは土台の竹。直径10㎝ほどあるので、ノコ刃を入れるのも大変(>_<。)

こちらは立てらせる竹の切り出し。

斜めに切るのが難しいですが、斜めに刃が入る治具(じぐ)を使って、しっかり手前に押さえて、ゆっくり刃を動かせば大丈夫。

ある程度竹が切れたら治具から外した方が伐りやすいです。

両方の竹が伐れたら、洗って拭いてきれいにしましょう。

立てる竹は、見えない下の方を輪ゴムで仮留め、真ん中はシュロ縄を使って、とっくり結びでしっかりと結びましょう。

アカマツとクロマツ、ナンテン、紅梅、白梅を使って、いよいよ仕上げの飾りつけ。

土台の竹に結んだ竹を入れて、間に水を吸い込ませるオアシスを詰めます。

飾りは、向かって右がアカマツ、紅梅、左がクロマツと白梅を飾ります。アカマツ&紅梅=女性、クロマツ&白梅で男性という色のイメージとおひな様と同じ向きで、と覚えておくといいですね。

そして、そして・・・。

完成です!みんな見事な門松が仕上がり、これで無事お正月を迎えられそうです。

門松は12月13日~1月7日まで飾るのですが、12月29日と31日に飾り始めるのは避けましょう。

29=「二重苦」、9が末につくので「苦末」=「苦松」となり、また31日だとお正月まであと1日しかなく、「一夜飾り」「一日飾り」と歳神様を迎えるのにバタバタとしてよくないそうです。

昔に比べ、あまり見かけなくなった正月飾りですが、今一度飾る意味を知って、おうちで日本らしいお正月を迎えてみてはいかがでしょうか。

門松づくりの作り方

来年、皆さまにとってステキでいい1年になりますように。

それではよいお年を☆

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2017年12月08日【紅葉情報】 屋島

瀬戸内海国立公園 大林めぐみ

暦は大雪を過ぎ、各地の平野部でも最低気温が零下となる所もあり、本格的に冬が到来しました。

温暖と言われる瀬戸内(実際は東日本の方が想像するよりかなり寒いです・・・)でも、早くも山間部に近い所ではみぞれ~初雪があったほど。

そんな冬の到来にもかかわらず、まだ紅葉が見られる瀬戸内の平野部。

今回は屋島の紅葉をご紹介します。

今年の紅葉は全体的にモミジの赤は色移りがあまりキレイにならず、代わりに黄~茶系に移り変わる広葉樹、ハゼの真っ赤な色がとても美しい秋だなぁと感じます。

屋島を散策すると、ウバメガシを中心とした常緑樹が目立ち、「紅葉って少ないんじゃ?」と思われる方のいるかもしれません。

屋島の紅葉を見るには、展望地からが1番オススメ!

その理由が・・・。

<遊鶴亭(ゆうかくてい)からの眺め>

平坦な山頂エリアには多い常緑樹ですが、裾野はハゼやサクラ、コナラなど落葉広葉樹が多く、今、1番の色づきを魅せています。

先日までの強風はどこへやら。この日は風なしで海はベタ凪ぎ、日差しも強く、海の青と斜面の紅黄葉が映える日でした。

<魚見台東壁からの眺め>

屋島の東・源平屋島合戦の古戦場でもある檀ノ浦も紅黄葉がキレイに色づいています。

写真では少し分かりづらいですが、対岸の庵治半島~五剣山エリアの紅葉もここからは見られます。

<北嶺・千間広場>

北嶺・千間広場のモミジもすっかり枯れ落ち、少し寂しい雰囲気になりましたが、もう少しするとツバキの花がお目見えします。

空気はひんやり冷たいですが、ポカポカ陽気でそこまで寒さは気になりません。温かい飲み物と膝掛けなどを持って、ここでまったり本を読んだりするのもいいかも。

北嶺~南嶺を繋ぐ遊歩道の間には、ウバメガシのトンネル。

冬は防風林として、夏は日陰を与えてくれます。

この展望が開ける・閉じるのメリハリがあるからこそ、展望地からの開けた瀬戸内の風景がより映えるのかもしれません。

冬こそ低山・里山歩きがオススメなのは、気温が平野部と大きく変わらないため歩くことを始めたばかりの人でも装備や天気を読みやすい、落葉して光が入りやすくなり林野が明るくなること、それと蚊がいない!

左<仙遊橋東展望地>         右<桃太郎茶屋前展望地>

<展望地・獅子の霊巌からの眺め>

裾野~北嶺斜面には紅葉が眺められ、16:00近くになると少し赤焼けた空色の風景が眺められます。

紅葉はそろそろ終わりを迎えますが、入れ替わりで始まるのがサザンカ。南嶺には遊歩道沿いにサザンカが咲いており、そろそろ見頃ピークになります。薄ピンクや濃いピンク、白など色とりどりに加え八重咲きなどバリエーションも豊か。

冬は寒いですが、夏と違い、乾燥して空気が冴えているので遠くまでしっかりと眺められ、また赤く染まる夕景もオススメです。

今夏から、麓から屋島山上駐車場までの有料道路が廃止され、山上駐車場料金のみと以前よりお安く自家用車で来ることができるようになりましたので、久しぶりに行ってみようかなという地元の方もぜひ足を運んでみては。

■■コースタイム■■

南嶺周遊・・・約1時間(水族館に行くなら+1時間)

時間がある人は北嶺まで足を伸ばして・・・山上駐車場から千間広場まで約1.3㎞(徒歩30分)

                   千間広場から遊鶴亭展望地まで約1.0㎞(徒歩20分)

ガイドマップ「屋島の自然」

屋島ナビ

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2017年12月05日【体験教室】 サザンカの花びら染め

瀬戸内海国立公園 大林めぐみ

すっかり朝晩は冬の寒さになりましたね。

初冬の紅葉が終わる頃に咲き始めるのが、鮮やかなピンクをしたサザンカ。

11月の体験教室は、サザンカの花びらを使った染め物づくり。

今回の講師は、10月の「段ボール製オーブンでピザづくり」に続いて、角田眞理子さん(あそ美工房)。

葉や実を煮出して染液を作る草木染めはほぼ1日作業ですが、花びら染めは材料さえ集めることができれば短時間でできる染め物です。

さて、材料のサザンカによく似た花・ツバキがありますが、皆さん、違いが分かりますか?

クラフトハウス周辺に咲くサザンカを見て、まだ花が付いていませんがツバキと見比べてみましょう。

■ツバキ               ■サザンカ

花が丸ごと落ちる          花びらがバラバラになって落ちる

12月中旬~3月頃に開花        11~12月頃に開花   

<さぁ、どっちか分かるかな?>  →正解は右の写真!

サザンカの実物を見た後は、模様付けのレクチャー。

染める物はガーゼやシルク素材のショールやバンダナ。染液によっては、染まりやすい・染まりにくい素材などあるので、各自のお好みで購入しました。

<みんないろんな素材・ディテールに迷います(^^;; >

<どこにどう模様を付けようかなぁ>

模様付けに使う道具は、ビー玉やビーズ、短くした割り箸、輪ゴム、ヒモなど身近なものばかり。

「模様が付く=色素が入らない」なので、ヒモやゴムを縛る時はギュッとしっかり結ばないと色素が入ってしまい、模様が上手く付きません。

結び目は濡れるとほどきづらいため、結び目に短くした割り箸を入れてまたギュッと縛るとほどきやすくなりますよ。

たくさん模様を付けても楽しいし、シンプルに1色、絞り染めのようにギュッと1本縛っただけなどさまざま。

模様付けができたら、染液がよーく染み込むようにショールを揉む込みながら水に浸します。

そして、染液づくりにチャレンジ!

サザンカの花びらは当日採取しただけでは到底足りないので、予めスタッフが前年に採取して冷凍保存しておいたものを使います。

冷凍保存する時は、メシベやオシベ、ガクは取り除いた花びらだけにして密閉できるビニール袋などに入れるだけ。多少ギュッと押さえてもOKだそうです。

目の細かいネットに入れた花びらをボウルに入れ、そこに40℃くらいのぬるま湯と酢を1:1の割合でヒタヒタになる程度に入れて、花びらを揉み込みます。

右写真はオプションのフリージア&マリーゴールドで作る黄色の染液。

ぬるま湯と酢の割合は同じです。

どんどん揉み込んでいくと・・・

<こんなにふわっふわの泡に!>

サザンカの染液はこの泡が大事!フリージア&マリーゴールドは泡がほとんど出ません。不思議・・・。

理由はよく分からないそうなのですが、サザンカはこの泡が出れば出るほど染まる力が強いのだとか。

染液の染まる力が均等になるように、それぞれで作った染液を花びらをこしながらミックスします。

いよいよ染める時!

まずはシルクを一斉に入れてから、3秒後にガーゼ素材を投入。

これはガーゼの方が水を吸い込む力が強く、シルク素材と一緒に入れてしまうと、ガーゼに色を取られてしまうから。また同じ素材でも先に染液に浸けたものと後に浸けたものとでは先に浸けたものが色を吸い込んでしまい、後から浸けたものに色素が残らないため色ムラができてしまうからです。

ゆっくり箸を回しながら待つこと約10分。

皆さん、きれいに染め上がっていました!

染液から取り出したら、ビー玉などを外して水洗いの後、干します。

<このできあがり!いい感じ!>

サザンカのピンクはシルク素材の方がキレイに染まるのでオススメしていたのですが、中には「ガーゼ素材でやってみたい」とチャレンジされた参加者も。右写真の真ん中にあるピンクブラウンがガーゼ素材で染めたサザンカですが、なんとも渋みのあるステキな色合いになりました!

これを見た参加者は、「これ、いい色ねぇ」と絶賛。

最後は振り返りと高松自然保護官から国立公園や五色台の植物についてお話。

染料の植物を採取する時は、土地の持ち主におことわりをしてから採取しましょう。土地所有者が何かに使おうと思っているかもしれませんよ。

草木・花びら染めは、その時の植物のコンディション、水の成分、素材などいろんな条件で染まり具合が変わるので、同じ植物を使っても毎回色合いが違います。自然素材の色合いは化学染料と違って紫外線に弱く、色落ちもしやすいのですが、何度も染め直しができるのが魅力的。

身近にある植物、使う道具や材料も手に入りやすいものばかりの花びら染め。

「この植物は染まるかなぁ」いろいろと気になった植物を試してみてくださいね。

※角田さん曰く、安全を考慮して部分的でも有毒性のあるヒガンバナなどは使わないそうです。

■ツバキも同じように赤~ピンクだけど、染まる?

 ツバキはあまり染まらないよう。

 サザンカの花びら採取は、花が終わりを迎える時、落ちた花びらでも状態がキレイであれば大丈夫です。

■模様付けの注意点

 染液はタンパク質が多く不着している所ほど染液が定着しやすいそう。

 なので、模様付けなど染める前は手を洗い、きれいな状態にしておきましょう。

 また、「今着ている衣類を染めたい!」という方も多いはず。

 洗濯しても汗や皮脂は繊維に定着しているので、その部分だけ強く染まってしまい、あまり格好よくないかも。

過去AR日記もご参考に☆

2016年11月体験教室「サザンカの花びら染め」

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2017年11月24日【鳴門】 森林自然観察会~ドングリ拾い編~

瀬戸内海国立公園 大林めぐみ

毎年11月中旬に自然公園財団鳴門支部主催で実施している桑島小学校3年生によるドングリ拾いと自然観察会。

これは松枯れや自然災害などで荒廃した森林植生の回復や老朽施設跡地の早期緑化を目的として、地元小学生が鳴門山で拾ったドングリを苗木に育て、6年生の卒業間近に鳴門山を再び訪れて植樹する活動。

今年で22年目を迎える今回も元気な桑島小学校3年生25名がやってきました!

講師は木下さん(徳島県植物研究会会長)と市原さん(自然観察指導員・佐那河内いきものふれあいの里)、そして今回は自然公園財団鳴門支部・井上所長からもいろいろ教えてもらえるようです。

身支度を済ませたら、鳴門山へLet's go

鳴門山中腹にある展望地までの道すがらにもドングリがたくさん。

今年は当たり年のようで、いっくらでも拾えちゃうくらい!ただ、落ち葉の中に紛れてドングリがあるので、目が慣れないうちは「どこどこ?」と悪戦苦闘気味。同伴した保護者の手助けもあり、徐々に目が慣れてくると・・・。

<一気にドングリ拾いモードに!>

歩道だと先に歩いた子が採ってしまいますが、展望地まで行けば、もう取り放題です!ここでは子供だけでなく、保護者や先生、同伴した大人も一緒になって拾います。といいつつ、私も(笑)

ドングリをひとしきり拾った後は、ドングリを苗木に育てるために必要なお勉強。

植える時はどっちを上にする?芽はどっちから出る?

ドングリって食べられるの?など木下先生からの質問にも子供達はしっかりと聞き、ドングリ試食にもチャレンジ。

<どっちが上にするといい?>  <ドングリを食べて・・・まずっ!!>

右写真を見ると、ドングリの味がどんなだったか分かると思います(笑)

中には「味がしない」「意外とイケる?」など感想はさまざまなよう。

ドングリ拾いの最中には、昆虫や気になったものを捕まえた子も。

そんな時は市原先生の出番です!今の時期、昆虫が少ないのですが、ジョロウグモやミミズ、既にお亡くなりになったカマキリなどを観察してもらいながら、昆虫の脚の数やどんな生き物がいるかなど教えてもらいました。

また井上所長からは、鳴門山にもいるマムシの特徴や気をつけて欲しいこと、夏に見つけやすいセミの成虫と抜け殻を写真を使って教えてもらいました。児童の中には、セミと抜け殻の種類を当てる子、何でも昆虫を触れる子などもおり、将来が楽しみ。

左<市原先生から「この昆虫の脚の数は?」と聞かれ・・・・>

右<井上所長からは「マムシはこんな模様で・・・」「クズの豆やヤブツバキの実はこれ」とレクチャー>

 

展望台に上がる前におやつを。

赤い実をいっぱい付けたアキグミを食べてみました。

独特の渋みというか甘み・酸っぱさがあるのですが、子供達には大人気!オレンジっぽいものよりも、かなり赤くなっている実の方が食べやすいですよ。

保護者の中にも子供の時にドングリやアキグミを食べたことがある人がおり、少し懐かしそうに思い出していました。

当日は風が強かったのですが、湿り気がなく、展望台からは淡路島の南端・潮崎方面~小豆島までスッキリとした視界で今までで一番遠くまでハッキリと見渡せました。

保護者の皆さんも「360°眺められて、ここはいいわ~」と絶賛。

もう2週間ほど実施日が早ければ、サシバやハチクマ、ハイタカなど猛禽類の渡りを見られたかもしれません。9月中旬~11月上旬頃には鳴門山展望台と四方見展望地では、野鳥の会会員さんたちが猛禽類の渡りの調査をしています。声をかけると望遠鏡を覘かせてくれるかもしれませんよ。

展望台を後にして、歩道を歩きながらもいろいろ観察。

タンスの匂い(今は違うか)ショウノウの香りのクスノキやヤツデ、花を咲かせたツワブキやコウヤボウキ、3年ほど前から6年生が植樹を始めた老朽施設跡地では小さなゴキブリを見つけたり。

今年の3年生はとっても好奇心旺盛でいろんなものに興味を示してくれました。

クワガタムシが好きで「幼虫を見つけたい!」と言っていた子、ドングリをどんどん食べる子(アクが強いのでたくさんは厳禁!)、昆虫が触れなくても見たい子など、さまざまでした。

持って帰ったドングリはしっかりと大切に育てて、6年生になったらまた植樹に来てくれるのを楽しみにしています。

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