ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

中国四国地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

RSS

瀬戸内海国立公園 広島

182件の記事があります。

2013年04月10日早咲きのヤマザクラ

瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵

新年度になり、早くも2週間が過ぎました。
今年は全国的に桜の開花が1週間ほど早く、
新入生、新社会人の皆さんは桜満開の中、新生活をスタート!という方も多かったのではないかと思います。

桜といえば“ソメイヨシノ”を思い浮かべる方が殆どではないでしょうか。
全国の桜の名所といえばソメイヨシノ、
開花宣言も北海道と沖縄を除けばソメイヨシノですが、
実は江戸末期に品種改良された園芸種で植樹されたものです。
また、自家受粉できない品種のため、
ソメイヨシノは全て挿し木等で増やしたいわばクローン桜。
そのため一斉に開花し、満開を迎えた桜並木はとても見応えがあります。

広島で自生している桜はというと、
ヤマザクラやオオシマザクラなどが多く、
これらは同じ地域にあっても木々によって開花時期がそれぞれ異なります。
宮島の江の浦(よのうら)にあるヤマザクラは
1842年に発行された厳島図会でも早咲きと言われており、
その早咲きのヤマザクラを見に
3月23日に宮島パークボランティア公募観察会を開催しました。

「こんなに早く桜は咲いてるんですか?」というお問い合わせもあり、
こればっかりは自然のものなので100%とは言えないところでしたが、
3月17日の下見の際は1~2分咲き。

[下見(3/17撮影)]

そして、3月23日の本番では見事満開を迎えていました!!

[観察会当日(3/23撮影)]

大元公園から室浜までの間、
ヤマザクラはあったのですが、
どれもつぼみが堅く開花さえしていませんでした。
花見客で忙しくなる前にここに桜を見に来るという地元の方もいらっしゃいました。
昔から早咲きということからも
日当たりなどの環境よりも木の個性なのかなと思います。
江の浦のヤマザクラは正真正銘“早咲きのヤマザクラ”でした!

そのほかにもヤブツバキやアセビ、
ヒサカキやシキミなどたくさんの花が開花していました。

[左上から時計回りにミミズバイ、アセビ、ヒサカキ♀、ヤブツバキ]

先週の低気圧で桜は散ってしまったところが殆どですが、
これらの花はまだ楽しめます。
また、大元公園~室浜の車道脇の植物には
宮島自然植物実験所により樹木名板がつけられているので、
植物の名前を知ることもできます。
道は車道ですが、桟橋~室浜まで約6キロあります。
散策に来られる方は歩きやすい靴でお越しください☆

ページ先頭へ↑

2013年03月22日白砂青松 

瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵

白砂青松(はくさせいしょう)という言葉をご存じでしょうか?
字のままですが、白い砂浜に青々とした松のある海岸を
日本の美しい風景の一つとしてそう呼ばれています。
クロマツは潮風に強いため、
防風林として江戸時代以降海岸沿いに植林され、
このような風景が見られるようになったと考えられています。

山口県では、虹ヶ浜・室積海岸(光市)が、
広島県では、包ヶ浦(宮島)と桂浜(倉橋島)が
日本の白砂青松100選に選ばれています。
しかし、現在は埋め立てや松枯れなどの影響で
白砂青松が見られる場所も少なくなり、
この言葉を知らないという人も少なくないようです。

倉橋島の桂浜(かつらがはま)にも
砂浜に沿って威厳のある大きなクロマツが連なっています。
実はここには広島県下最大のクロマツ(樹齢400年)がありましたが、
そのクロマツも平成23年3月に松食い虫の影響で枯死してしまいました。
石碑の上にあった大木がごっそり無くなっているのがわかるでしょうか。

[2009年7月撮影]

[2013年3月撮影]


歴史あるクロマツが枯死してしまったのは残念ですが、
なんと切り株となったクロマツの横には
新たなクロマツが芽生えていました。
400年もの長い間防風林としてのお役目を終え、
次世代にバトンタッチというところでしょうか。
松枯れにも負けず、今後の活躍に期待したいですね!


[枯死したクロマツ]

[枯死したクロマツから生長したクロマツ二世]

ページ先頭へ↑

2013年02月27日シキミのこぶ

瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵

前回AR日記でご紹介したシキミ。
見たことある方なら疑問に思った方もいらっしゃるかもしれません。
シキミについているこの茶色いブツブツ、何かご存じですか?



実はこれ“虫こぶ”といって
虫が葉に卵を生み付けた痕です。
あたり一面どのシキミにもブツブツがあり
以前は何かの病気!?と思っていたのですが、
虫こぶはいろんな樹木で普通に見られ、実のようなもの病気のようなもの様々です。

シキミについている虫こぶの正体は
“シキミタマバエ”の幼虫の巣で、
やはりこの様子から名が付いたのかなと想像できます。
成虫の姿を見たことはありませんが、幼虫を見るのには成功。

[真ん中にあるのが半分に割った虫こぶ]

写真じゃわかりにくいですが、
こぶを半分に割ると、1mmほどの白い幼虫が寝ていました。

前回の日記でもご紹介したように
シキミは有毒植物で草食動物に食べられることはありません。
その葉をうまく利用しているシキミタマバエは共生の達人ならぬ達虫かもしれません。

シキミ一つとっても、
人間や草食動物、昆虫といろいろな関係があるんですね。

*********
私事ですが…この日記が実は投稿数100回目となりました!!
瀬戸内海は山あり川あり海あり島ありの自然あふれる場所。
今後も地域の方々の活動や見ていそうで見えていない瀬戸内海の魅力や不思議をお伝えしていけるよう頑張ります☆

ページ先頭へ↑

2013年02月22日宮島の有毒植物

瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵

まだまだ寒い日が続きますが、
このごろ虫の羽音が聞こえたり、春の野花が咲き始めたりと春の訪れを感じます。

樹木はまだまだ冬芽にエネルギーを貯めて眠っている木も多いですが、
宮島で春一番に花をつけるのが“アセビ”という低木です。
アセビは馬が食べると苦しむことから「馬酔木」と書き、
その由来からも分かるように有毒植物です。
シカが多い宮島では食べられることがないため、
至る所で目にすることができます。
かわらいらしい白い花をたくさんつけていました。

[アセビの花]

そして、アセビにならんでよく見られるのが“シキミ”(シキビ)です。
地域によっても異なりますが、
墓前仏前にするお供えする木として私たちには馴染みのある木ですね。
古くは密教(真言宗など)の宗教行事に使用されたことから、「樒木」と書きます。
シキミも宮島に多く見られる理由はやはり有毒植物だからです。
特に実の毒性が強いのですが、
この実がスパイスの八角に似ているため、間違える方も…
死に至る場合もあるほどの有毒と言われていますので
宮島で八角らしきものを見つけても絶対に持ち帰らないようご注意ください!

[早くも開花したシキミの花を一輪発見!他はまだつぼみでした]

毒は植物の生きる知恵。
自分たちの種を残していくためなんですね。

紅葉谷公園や要害山など市街地に近い山側では
この2種の樹木がよく見られます。
桜より一足先に花を見たいわという方、
是非足を運んで見てください。

ページ先頭へ↑

2013年02月18日弥山展望台解体!

瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵

 宮島の最高峰弥山(535m)は4本の登山道のほか、
1本のロープウェーを使って山頂に行くことが出来ます。
山頂には展望台があり、360度のパノラマを望むことができます。

以前から新聞等で話が出ておりましたが、
半世紀あまり私たちを楽しませてくれた弥山展望台が
老朽化のため建て替えることになりました。
建て替え工事は今月7日から始まり、現在解体中です。
2月14日に登ったところ、
屋上と2階部分は既になくなり、
残すところ1階部分のみとなっていました。

[解体される弥山展望台]

[解体前の弥山展望台]

工事期間中も山頂まで登ることが出来ますが、
ヘリコプターで資材運搬する日は全面封鎖されますので、
弥山登山をされる方は事前に確認して登られることをお勧めします。
広島県ホームページ↓
http://www.pref.hiroshima.lg.jp/soshiki/235/tatekaekouji.html#tachiirikinshi

建て替え工事は今年9月末まで行われる予定ですので、
紅葉シーズンには新展望台を拝めるかと思います。
どんな展望台になるか、乞うご期待!

【お願い】
弥山ロープウェーは3月1日まで運休です。
知らずに来られた方がブーツ等で登っている方を何人か見かけましたが、
弥山は急勾配で海抜0mからなので低山といっても甘くみちゃいけません!
足を痛めてしまうので、登山をされる方は歩きやすい運動靴などでお越しください。
また、ロープウェーを利用する場合でも山頂までは30分程度歩きますので、歩きやすい靴でお越しください。


ページ先頭へ↑

2013年01月18日冬越しする昆虫といえば?

瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵

早いもので2013年も3週間が過ぎてしまいました。
先週も広島は寒気が流れ込み、積雪もありました。
こうも寒いと人間も動物も昆虫も
家にこもってしまいますよね。

17日、現地調査に行った仙酔島でも
磯ではカニの姿は見ないし、
虫の鳴き声もなくシンとしていました。
ですが、砂浜を歩くとタヌキの足跡があったり、
登山道ではカマキリの卵塊があったりと、
冬は冬で静かに生きている生き物の様子もうかがえました。

[タヌキの足跡]

[変わった幹!と思ったらチョウセンカマキリの卵塊が…]

この季節、何とか寒い冬を乗り切ろうと昆虫が色々な工夫をしていますが、
冬越しといえば何の虫を思い出しますか?
私がまず思い浮かべるのは“ミノムシ”です。

子どもの頃はぶら下がってるのを見つけては
ミノをむしって幼虫を出して遊んでいましたが、
(今思えば非常にむごい話ですが…)
春になれば羽化する“ミノガ”というガの仲間です。
しかし、羽化といっても実はメスには羽がなく、
羽化後もミノの中で過ごします。
メスのいるミノにオスが飛んできて、ミノの中で交尾、産卵。
その後、息絶えてミノから落ちるという一生を送るようです…
動き回れるのはミノムシになる幼虫の時のみ。
チョウやガは成虫になったらパートナーを求めて羽ばたくものかと思っていましたが、
ミノガのように安全に産卵し命をつなぐという手段を選んだガもいるんですね。


仙酔島の登山道でもぶら下がっているミノムシを発見。
越冬中はオスかメスかは分かりませんが、
春にオスをおびき寄せるフェロモンを出すためお尻を出してるミノムシがいたら、それはメスです。
産卵をする大事なミノですから、(私のように)むしらずそっと観察してみたくださいね。
初夏には孵化した赤ちゃん幼虫が見られますよ。

ページ先頭へ↑

2012年12月28日登山道は何のため?

瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵

冬はどんな生き物だって冬ごもりの時期。
観光客で賑わう宮島も12月になると人通りが一気に減りました。
ですが、紅葉シーズンの11月は最も登山客で賑わう時期です。
弥山はロープウェーで気軽に登れることもあって、
11月の入山者数は約4万人!
そして過半数の2万人の方が登山道を利用して歩いて登られていました。
(登山者カウンターにより集計)

自然公園の多くは登山道や遊歩道が整備されていますが、
この登山道、何のために整備されているかご存じでしょうか?
「歩きやすいように」
「山で迷子にならないように」
など、私たちにとっては安全に自然に親しむためのものです。
では、植物たちにとってはどうでしょうか?
人が歩くところは地面が踏み固められ、
植物が生えにくくなります。
登山道は自然保護と利用のバランスをとるために整備されたもの。
実は植物たちにとっても大事なものです。

ですが、混雑時になると
こんな光景もしばしば見られます。

[左が登山道、右は人が歩いてできた通り道]

[ここまできれいに通り道ができてしまうと登山道だと誤解される方も…]

近道になったり、すれ違う人を避けるためなど
あちらこちらに登山道と別に通り道が出来ています。
狭い登山道でも譲り合うのが山でのマナー。
登山道以外には踏み入らないのが自然に対するマナーです。
元旦には初日の出を見に登山をされる方も多いかと思います。
登山のマナーはお忘れなく!楽しいお正月をお迎えください。

ページ先頭へ↑

2012年12月12日第18回瀬戸内エコツアー開催!

瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵

今年度2回目の瀬戸内エコツアーは
登山やサイクリングで人気の三原市佐木島で行いました。
毎年2~3月の寒い時期の開催となってしまうため、
今回は早めにと12月上旬開催の予定としていたのですが、
今年一番の大寒波…
県内では積雪もあり、結局2月並みの寒さの中の開催となりました。

忠海港からクルージングをし、
佐木島の向田港に着港。
そこから「佐木島を愛するボランティアガイド」の皆さんの案内のもと、
太平山を目指しました。

[佐木島の皆さんの暖かいお出迎え]
島ではみかんが最盛期で、至る所でたわわに実をつけていました。
中にはこんな巨大な柑橘も…

[よく枝が折れないな~]
その名も晩白柚(ばんぺいゆ)
食べたことはないですが、高級で栽培も難しい柑橘だそうです。

太平山の登山道に入ると
枯れ葉がついた木がたくさんあります。
数年前からちょっと話題の「ヤマコウバシ」
春まで枯れ葉が“落ちない”ことから受験のお守りとして売られています。

[香ばしい香りがすることからヤマコウバシ]
そして、中腹からが本番です!
標高わずか267.5mとは思えない急勾配が続きます。
そして、山頂ではこの景色!

[傾斜何度あるんでしょうか…]

[左が高根島、中心の小さな島が大久野島]

山頂では、あまりの寒さにシダの間に隠れて
昼ご飯やレクチャーを行いました。

[まさに森のクマさん!?]
千畳敷を通って、長浜方面へ下山。
みはらし岩からの風景が一番の絶景ポイントです。

[思わず立ち止まってしまう絶景ポイント]
下山後、長浜では海岸清掃を行いました。
ビニール袋やくつ、ポン酢の空き瓶などの生活用品がありました。
清掃後、「清掃しなかったら何が問題なんでしょうか?」と聞いてみると、
意外とすぐでないもの。
漂着ゴミが溜まっていくと、
植物の生育の妨げになったり、
生き物が誤飲食をしたり、
私たちにとっては漁業や海水浴の妨げにもなり、
何より清掃に労力と時間がかかります。
半永久的に残ってしまうプラスチック類などのゴミがどこから出て、
どこへ行き着き、どんな問題を起こしているのかを知ることで
自分たちの生活と瀬戸内海のつながりを感じてもらえたのではないかと思います。

[海岸清掃の様子]
長浜から鷺港へは約1時間のウォーキング。
極寒の中のエコツアーとなってしまいましたが、
アンケートからも皆さん楽しんでいただけたようで安心しました。

来年度はめざせ!春の登山エコツアー!
お楽しみに。

ページ先頭へ↑

2012年12月06日命のゆりかごシンポジウム出演!

瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵

中国新聞を取っていらっしゃる方ならご存じかと思いますが、
“命のゆりかご~瀬戸内の多様な生態系~”という瀬戸内海の自然を題材にした連載が今年新聞協会賞を受賞されました。
卵を守る母タコや日本最大級とも言われるニホンアワサンゴ群生地、
温暖化によって増加傾向にある南方系の魚など、
普段なかなか目にすることのない海の中での出来事が取り上げられ、
瀬戸内海をより身近に感じるとともに
海の生きものが私たちに警告を与えてくれたような連載でした。
※命のゆりかごは中国新聞のホームページにも連載されています。

12月2日に新聞協会賞受賞記念として、
命のゆりかごシンポジウムが開催され、
海中写真家の中村征夫氏より「海の力 自然の力 人間の力」というタイトルで基調講演が行われました。
中村さんからは自身が撮影した知床と沖縄の写真を交えながら、
知床に流れ着く流氷がもたらす栄養や
そこに集まる様々な生きものたちの様子のほか、
沖縄の珊瑚礁がもたらす生物多様生と瀕死の現状についてのお話がありました。
また、東京湾の撮影を始めるきっかけとなった
生きもののいないヘドロの海に数匹のイソガニが卵を守るため、
自分に向かってきたエピソードなど
印象深い話がたくさん聞けました。

基調講演の後は瀬戸内海の魅力や課題について考えるパネルディスカッションが行われました。
パネリストには中村さんのほか、
広島大学名誉教授の松田治先生、
日本釣振興会中国地区支部役員の小池勝氏、
そして恐れながら当所ARの大髙下も登壇させていただきました。

水質汚染や赤潮など長年瀬戸内海の環境に携わってこられた松田先生からは、
「海の水はきれいになったが、豊かな海には戻っていない。今後は水質管理から生物多様生の保全が豊かな海へ転換期だ」というお話や、
釣り糸を通して海との対話を続けてこられた小池さんは、
「海水温上昇により釣れる魚が変わってきた。南方系の魚が増え、埋め立て等によりアオギスが絶滅の危機にある」という話がありました。
大髙下からは「瀬戸内海の沿岸域の生物多様生の重要性や役割」について話をし、そのことを皆さんに身近に感じてもらうために、
「日本海や太平洋など色々な海にも訪れること」や
「国立公園で行われている自然観察会やエコツアーに参加してほしい」ことなどを提案をさせていただきました。

半世紀にわたって世界の海を潜り続ける中村さんをはじめ、
学問、レジャー、自然保護の一線で活躍をされているパネラーの方々から色々な意見が聞けたシンポジウムとなり、
個人的にも海に係わっている皆さんとのお話はとても貴重な経験となりました。

地元の皆さんが豊かな瀬戸内海を作り、守っていく。
そのことを今後も伝えていきたいと思います。


[パネルディスカッションの様子]

[レンジャー服にて。少しはアクティブ・レンジャーの言葉が広まったかも?]

ページ先頭へ↑

2012年11月30日「みつけてみよう!植物の不思議 森の役割」in似島

瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵

広島湾に浮かぶ似島(にのしま)は広島市にある唯一の有人島。
そして、似島の安芸小富士(あきのこふじ、標高278m)は瀬戸内海国立公園に指定されています。
今回は安芸小富士を登りながら、瀬戸内の植物について知ってもらおうと
七塚原自然体験活動研究センターの西村先生を講師としてお招きし、
植物観察会を開催しました!
当初、11日開催予定でしたが、生憎の雨。
18日は順延にも係わらず、たくさんの方が参加してくださいました。

広島港から目と鼻の先に見える安芸小富士。
形が“富士山に似ている”ことから「似島」「安芸小富士」という名がつきました。
中区富士見町もこの安芸小富士がよく見える町だったことからその名前がついています。
(今はビルで見えませんが…)

[広島港から見える安芸小富士]


この時期森でよく目にするものといえば、
やっぱりドングリです!
ドングリと一言で言っても、日本には20種類もあります。
毎年花を咲かせて実になるのかと思いきや、
11種は2年かけてドングリになるんだよ、と西村先生。
そして、食べられるドングリはマテバシイ、スダジイ、ツブラジイ、シリブカガシの4種。
皆で早速拾い集めてかじってみました。
渋いイメージのあるどんぐりですが、味はどうだったでしょうか?

[ドングリ拾い]

[左上から時計回りにマテバシイ、シラカシ、アベマキ、スダジイ]


登山道を上がると、
ヤマハゼが真っ赤に紅葉していました。
普段はかぶれの木として植物観察には注意が必要ですが、
紅葉した木はかぶれないようで、
近種のヤマウルシやヌルデなど手にとって観察することができました。

[左からヤマウルシ、ヌルデ、ヤマハゼ]

[ハゼの実はロウソクの原料として使われていました]
ヌルデは公園などでもよく見かけますが、
枝先に実のようなものを発見!
と思いきや、ヌルデシロアブラムシによって膨らんだ葉でした。

[この中にアブラムシが…]

そのほか、樹液を男性の整髪剤として使用されていたビナンカズラや
牛の鼻輪に使用されたいたカマツカなど約50種の植物を観察しながら、
お昼過ぎには山頂に到着!
山頂からは広島市内と多島海が見渡せました。

[北側:中四国一の街もこうしてみると意外とコンパクト]

[南側:右に見えるのが宮島]

山頂では、西村先生から保水力など森の役割の話があり、
植物だけがたくさんあっても“森”とは言わない。
植物や動物などの集合体が森なんだという話が印象的でした。

近すぎて意外と知られていない似島。
市街地からわずか20分で自然いっぱいの島です。
なかなか山登りするチャンスがない方や車がない方でも
気軽に広島の自然を楽しめると思いますよ!

[絶景ポイント!急斜面もあるので運動靴でお越しください]

______________
★参加者募集★
第18回瀬戸内エコツアー
~しまなみクルージング&太平山登山in佐木島~
日時:12月9日(日) 9~17時
集合:竹原市忠海港
申込:大久野島ビジターセンター 0846-26-0100
三原市に浮かぶ佐木島をご存じですか?
サイクリングや登山で今人気の島です!
急勾配の山を登れば、360℃のパノラマが見渡せます。
先着順ですので参加希望の方はお早めに☆
詳細→http://c-chushikoku.env.go.jp/to_2012/1113a.html

ページ先頭へ↑

ページ先頭へ