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アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

中国四国地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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瀬戸内海国立公園 広島

182件の記事があります。

2013年08月02日自然観察会「みんなで作ろう!磯の水族館」開催!

瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵

夏になると無性に海に行きたくなりますよね。
そのご期待にお応えして、
夏休み最初の週末に広島市南区元宇品で
磯の自然観察会を開催しました。

元宇品は市街地から南へわずか5キロ。
バスや市内電車でも行けて手軽に自然を楽しめる数少ない国立公園の1つです。
原生林が残っており、植物やキノコの観察も楽しめますが、
磯にも多様な生き物が生息しています。
今回はどんな生き物がいるのか皆で採集し、
小さな水族館を作ることにしました。

[生き物探し開始!]

磯は波に流されないように岩に付着した生き物がたくさんいます。
まずは岩場で見られる生き物を探しました。
磯の付着生物といえば!?
やっぱりイソギンチャクではないでしょうか。
元宇品では3種類のイソギンチャクが生息していますが、
潮間帯の上・中・下とそれぞれすみ分けをしています。

[タテジマイソギンチャク(潮間帯上)…美しい縦縞模様]
[ヨロイイソギンチャク(潮間帯中)…カモフラージュに小石を体に付着させます]
[ミドリイソギンチャク(潮間帯下)…鮮やかな緑が特徴。大潮の干潮時しか見られません]

続いて、岩場のくぼみに海水が溜まったタイドプールを探しました。
こちらには子どもたちに人気なカニやヤドカリをはじめ、
ナマコやヒトデ、小魚などが見つかりました。

[左上からウミウシの仲間、ギンポ、マナマコ、クモヒトデ]

水槽にはたくさんの生き物が集まり、
子どもたちだけでなくお父さんお母さんも普段見れない生き物をじっくり観察する良い機会になったようです。

[集まった生き物を解説]

最後に磯の生き物たちの赤ちゃんやエサとなるプランクトンを観察してもらいました。
採り方は簡単。
小魚ネットを海藻にあてて揺するだけで採集できます。
これをシャーレに入れてファーブル(顕微鏡)で観察!
初めて見るプランクトンの形や動きに興味津々だったようです。

[プランクトンの観察]

日差しが強く蒸し暑い一日でしたが、
楽しい夏休みの思い出になったのではないでしょうか。


潮のよく引く日は磯観察にもってこいです。
夏は始まったばかり!
潮見表をチェックして是非元宇品へ出かけてみてください。
ただし、磯は生き物たちの住みかです。
ひっくり返した石は必ず元通りにし、
生き物たちも持ち帰らないようお願いしますね。

※今回、観察した生き物たちも海へ帰しました。

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2013年07月08日弥山展望台の進捗状況

瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵

中国地方は早くも梅雨明けしました!
昨日までの天気とは打って変わって快晴です。
これから野外でのイベントも多い季節ですが、
くれぐれも熱中症にはご注意ください。

さて、2月から建て替え工事が行われている宮島の弥山展望台。
以前、解体の様子をお伝えしましたが、
現在どのようになっているかというと…


解体・撤去作業が終わり、新しい展望台に着手!
現在、基礎が出来ている段階です。

弥山山頂は車道がない場所。
しかも、国立公園の中でも一番手厚い保護がされている「特別保護地区」です。
資材の運び入れは全てヘリコプターによって行われ、
着陸する場所もないので空中で停留したまま資材を下ろす作業を行っています。

[資材を運ぶヘリコプター(6/4撮影)]

近くで見るヘリコプターはかなりの迫力です!
ですが、資材が運び込まれる日は山頂まで登れませんのでご注意ください。
順調に進めば、10月には新しい展望台から瀬戸内の多島海を眺めることができます☆
(旧展望台を見られたい方はこちら↓)
http://c-chushikoku.env.go.jp/blog/2013/02/18/index.html

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2013年06月28日今年のミヤジマトンボは

瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵

AR日記でも何度かご紹介したことのあるミヤジマトンボ。
環境省や広島県の絶滅のおそれのある野生種では絶滅危惧Ⅰ類に指定され、
国内の生息地は宮島のみに生息しています。
昨年は希少生物であるミヤジマトンボ(以下、トンボ)の重要な生息地として、
宮島西部沿岸域が広島県で初のラムサール条約湿地にも登録されました。

彼らの生息地は気象条件などの影響を受けやすい自然海岸です。
一時は台風などの影響により数を減らしていましたが、
ここ数年は比較的個体数は安定しています。

今年の発生状況はというと…
4月の気温が高かかったせいか?
例年より発生が早く、
例年の同時期に比べると倍近いトンボがすでに発生しています。

[成熟したミヤジマトンボ♂(6/20撮影)]

4年前にミヤジマトンボ保護管理連絡協議会で整備した新たな生息地では、
10頭程度のトンボが飛んでいました。
新生息地はミヤジマトンボの生息条件に欠かせない湿地を拡げ、
ヒトモトススキを一部植栽するなど整備を行いましたが、
トンボは放流はせず自然飛来を待った場所です。
翌年には数頭の飛来が確認され、
その後は新生息地での繁殖も確認されました。
昨年は一昨年よりもやや少ない数しか確認されなかったため、
今年はどの程度トンボが発生するか心配されましたが、
生息地の様子も安定しており、トンボの発生も上々のようです。

今年も被害がなく、
新生息地にミヤジマトンボが根付いてくれることを祈ります。

[雨だったのでススキで休んでいるトンボが殆どでした]

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2013年06月17日干潟の生きものたちの生態を知ろう! 

瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵

6~9月にかけては干潟の生き物たちが最も活発になる季節!
今年は宮島地区パークボランティア公募観察会で
厳島神社・大鳥居付近の干潟の生き物観察会を開催しました。

今回は実験を通して、干潟のいきものの生態について学びました。
その一部をご紹介します。

実験その①「フジツボを水に入れるとどうなる?」
普段潮が引いたときに見かけるフジツボ。
水の中に入れてみました。

[入れたばかりは陸にある時と同じ]

[なにか出てきました]

[!!!]
出てきたのは実は脚。
脚をうまく広げてプランクトンを捕っています。


実験その②「アラレタマキビを水に入れるとどうなる?」
護岸や磯に付いている小さな貝、アラレタマキビ。
こちらも水の中にいるのを見かけませんが…

[水に入れます]

[我先にと上に移動!]

[あっという間に陸上へ]
海のいきものなのに、実は水が嫌いなアラレタマキビ。
いつも潮間帯の上の方へいるのは水にかからないためなんですね。


実験その③「干潟にイワシの死がいを置くとどうなる?」
毎日生まれる命もあれば尽きる命もありますね。
では、その死がいは一体どこへ??

[干潟にイワシの死がいを置きます]

[数十分後…]

[イワシを取り出すと骨だけに…]
群がっているのは主にアラムシロという貝です。
臭いをキャッチしてすぐさま食べてしまう干潟の掃除屋さんです。
おかげで干潟が死がいだらけになることはありません。

そして、一番盛り上がったのはマテガイ採りです!
まず8の字型の小さな穴を見つけて塩を投入!
すると…

[にょき]

[ゆーっくり引っ張ると]

[採れた~!!]

塩分濃度が濃くなって地表に出てくるマテガイの習性を使った採取方法です。
潮干狩りとはひと味違った充実感!

いきものの生態を知るために
私たちが普段見ることのできない環境を再現する実験を通して
干潟のいきもの達のおもしろい一面を体験できた観察会となりました☆

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2013年06月11日幼鳥を見かけたら

瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵

事務所で仕事を行っていたある日。
朝からハシボソガラスが2羽合同庁舎の中庭を飛び交い、
「がぁ~がぁ~」「あ゙ぁ~あ゙ぁ~」とひっきりなしに鳴いていました。
エアコンが入っていないこの時期、
窓を開けている事務所ではかなりの騒音でした。
そして、その鳴き声は夕方まで続き、翌日まで…

最初はケンカかな?と思っていましたが、
飛んでる2羽はケンカをしている様子はなく、
同じ所をひたすら飛んでいました。
外を見ると、事務所前に子ガラスがいるではありませんか。

[1階事務所前に座り込む子ガラス]
巣から落ちたのか、巣立ちが早すぎたのかは分かりませんが、
飛べずに立ち往生しているようでした。

どうやら親ガラスは「こうやって飛びなさい」と
飛び方を見せながら声援を送っているようで、
子ガラスもそれに応えながら飛ぼうとはしているのですが、低空飛行止まり。
頑張って1メートルの樹上というところでした。

[何とか留まったものの、樹上でもよろよろ…]

[屋上から見守る親ガラス]
2~3日のうちに飛べないと衰弱死してしまうか、
野良猫などに襲われる可能性もありますが
人が保護してしまうと一時的に命は助かっても
生きていく術を親から学べず
結局自然界で生きていくことはできません。
これもまた厳しい自然界の掟です。

鳥たちの子育ての多いこの時期、
スズメやツバメなど幼鳥が落ちていることを見かけることがあります。
天敵に襲われ命を落とすこともありますが、
近くに親がいてエサを与えながら巣立ちを迎える幼鳥もいます。
もし幼鳥を見かけたら、
どうかそっと見守ってあげてください。

週明け出勤してみると、
ハシボソガラスの親子の姿はありませんでした。
きっと今頃飛び方やエサの獲り方を親ガラスから教わりながら
元気に空を飛んでいることでしょう!

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2013年06月06日雨降らし

瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵

今年は早くも梅雨入りしたかと思いきや、
全く雨が降りません。
雨が続くと何かと憂鬱ですが、
降らなかったら降らないで水不足が心配ですね。

ところで、“雨を降らせる”生き物がいるのをご存じでしょうか?
その名も“アメフラシ”
磯近くで海藻を食べる生き物でウミウシやクリオネに近い仲間です。
水の中にいるとウミウシのような形をしているのが分かるのですが、
陸にいるとこんな感じ↓↓↓

[左が頭。どんな生き物かわかりませんね…]

そして見つけたときに衝撃を受けるのは
なんといってもその大きさです↓↓↓

[成体になると30~40cm]

いじると紫の汁を出し、それが雨雲に見えることから
“アメフラシ”と言われるようになったようです。
さわるのにも若干勇気がいるほど見た目はグロテスクですが、
一部の地域ではこのアメフラシを食用にしているとか・・
一人では持ち上げられないくらいの重量なので
調理するにも一苦労しそうですね。

磯でアメフラシを見かけたら
こんなものを見つけることも多いです↓↓↓


通称“ウミソウメン”と呼ばれるアメフラシの卵塊です。
数万個の卵がこの麺のような卵塊に入っています。
(カエルの卵と同じです)
こちらも何ともいえない色ですよね…

春から夏にかけてはアメフラシの繁殖期。
磯へでかけると産卵のために上がってきたアメフラシを見ることができます。
水不足の時は少しいじってみると雨が降るかも?

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2013年05月30日115の島々を見渡せる島

瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵

この十数年の間に
しまなみ海道や安芸灘とびしま海道など
広島では多くの島々に橋が架かりました。
大きな島はほとんど橋が架かったように思いますが、
実は人口8000人もいる大きな有人島で橋のない島が広島にはまだあります。
最近では映画「東京家族」や「ももの手紙」などのロケ地にもなった島“大崎上島”です!
橋が架かっていないだけに
広島の方でもどこだ?と思われる方も多いと思いますが、
広島県竹原市と愛媛県今治市の中間にあります。(位置はこちら↓)
http://www.mapion.co.jp/m/34.26638806_132.91777111_8/

広島からは安芸津港と竹原港から船が出ており、
便数も30分に1本と比較的アクセスしやすい島です。
橋があるとすぐに海を渡ってしまい、
本土との違いがあまり感じられませんが、
船でゆったりと島に近づいていくのは橋のない島ならでは。

[竹原港から船で30分。大崎上島の北側は多数の小島があります]

この大崎上島の最高峰・神峰山(かんのみねやま・453m)は国立公園に指定されており、
山頂までは登山道で登ることも、車で行くこともできます。
私が今まで登った島にある山では尾道市向島にある高見山の展望が広島一だと思っていましたが、島々が織りなす神峰山からの多島美は圧巻でした!
しかも、山頂から見渡せる島の数はなんと115島!

[霞んでいたので写真だと伝わらないかもしれませんが…本当にきれいでした]

[尾根沿いに見える道が登山道]

橋がないだけに気軽には行けない島かもしれませんが、
神峰山の展望は登る価値あり!
登山口のある木江地区までは港からバスも出ていますので、
公共交通機関を使って登山をすることもできます。
山登り好きの方は是非足を運んでみてください。

※ただし、バスの本数は非常に少ないので
事前に計画を立てて行かれることをお勧めします。

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2013年05月09日カブトガニの棲む干潟~椹野川河口域~

瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵

潮汐によって海になったり陸になったりする砂泥地“干潟”は
水をきれいにする浄化槽の役割を担っています。
護岸が増え自然海岸が少なくなった今でも、
干満の差が大きい瀬戸内海では多くの干潟が残っています。

といっても、干潟があるからと楽観視できるものではなく、
藻場の衰退や川から流出する栄養や土砂の減少、
今まで日本近海で確認できなかった南方系の魚介類の増加、
それに伴って様々な生き物たちの減少が指摘されています。

山口県の椹野川(ふしのがわ)河口域は瀬戸内海有数の広大な干潟が広がり、
現在では数の少なくなったカブトガニが産卵・生息する貴重な干潟です。
干潟があればカブトガニがいるのかというと、
実はそういうわけでもありません。
カブトガニは少しキメの粗い砂利で産卵し、
子どもの頃は栄養のある泥質の干潟でゴカイなどを食べて成長し、
大人になるときれいな海に旅立っていくため、
どれか一つでも条件が揃わない干潟では生息できません。
昔は食用にしていたほど多く見られたカブトガニも
今や最も絶滅が心配される甲殻類の一種。
1時間ほど探してみましたが幼生は見つからず。
脱皮殻は数個見つけることができました。

[孵化後5年(7~8齢)ほどの脱皮殻。約10年で15~16回脱皮をして成体になります。]

椹野川では少なくなったカブトガニやアサリ、藻場などが生息できる豊かな環境を取り戻していこうと現在、自然再生事業が実施されています。


冬は静まりかえっている干潟の生きものたちも
これから活動が活発になる季節です。

一見何もいなさそうな干潟も…



ちょっと目線を下げるとほら。

[潮が引いて20分ほど経った干潟]
この日は主にヘタナリとホソウミニナが歩き回っていました。

[ヘタナリ(左)とホソウミニナ(右)]

まだカニ類はあまり見かけませんでしたが、
一ヶ月もすれば、多種多様な生きものが地上に出てにぎやかになります。
カブトガニも6月下旬頃になると産卵の季節です。
今年も椹野川につがいはやってくるでしょうか?

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2013年04月24日第19回瀬戸内エコツアー開催!

瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵

初めて企画した春のエコツアー。
2日前まで降水確率は60%!
エコツアー始まって以来の中止になるのでは?と思われましたが、
またまたお天気に恵まれ、無事開催することができました!

この度は愛媛県今治市岡村島で春のウォーキングエコツアーを行いました。
岡村島?どこだろう?と思われる方が多いかと思いますが、
広から下蒲刈島につながっている安芸灘とびしま海道の終点で
周囲約11キロ、人口約400人の小さな島です。
また、安芸灘とびしま海道は沿岸の道を通って7島もの島々を渡っていけることから、
しまなみ海道にも勝るとも劣らない人気のサイクリングコースでもあります。

竹原方面からは航路がないため、
岡村島は初めてという参加者ばかりの今回のエコツアー。
忠海港を出港し、大崎上島や横島、大三島の間をクルージングしながら岡村港へ向かいました。
岡村島で出迎えてくれたのは、
準絶滅危惧種クロツバメシジミの保護活動をしておられる自然公園指導員の舩越(ふなこし)さん。
生徒数わずか12名の岡村小中学校で
クロツバメシジミの食草であるツメレンゲを栽培するなど生徒の指導にもあたっています。

クロツバメシジミは行動範囲が非常に狭いため、
生態(模様や発生時期など)に地域差があります。
岡村島では5回の発生時期があり、春の発生は例年4月20日前後。
成虫が見られるかどうか微妙な時期でしたが…


[いました-!!そして、小さい!]

翅(はね)の表は黒色。
また、後ろ翅にツバメのような突起があり、
シジミ貝のように小さいことから“クロツバメシジミ”と名前がついています。

[ルーペがないと確認できないほど小さいですが…]


[幼虫の食草であるツメレンゲも数を減らしています]


クロツバメシジミを観察した後は
岡村島内で国立公園に指定されているナガタニ展望台へ。
前日の大雨のお陰で霞もなく、
中四国一の高さを誇る石鎚山まで望むことができました。

[ナガタニ展望台から四国方面]

そのほか、観音崎や姫子島神社、
今は珍しい“こて絵”のある民家などを巡りました。
小さな島ですが
自然や歴史、伝統について見所満載のエコツアーとなりました☆

[観音崎にあるカッパ岩とウサギ岩]

[こて絵:昔の大工さんがこてを使って描いた絵]


これからサイクリングに最適の季節!
是非安芸灘とびしま海道を通って、終点岡村島へお越しください。
岡村港桟橋にはかわいいイラスト入りの見所MAPが置いてあります。

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2013年04月12日ヤブツバキの花びらは何枚?

瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵

前回のサクラに続き、品種の多いツバキ。
その品種は殆どが品種改良された園芸種で
その数は500種とも1000種とも言われています。

では、日本に自生しているツバキといえば?
日本で最も多く見られるのは“ヤブツバキ”です。
花期が長く、冬期に花をつけるため、
花の少ない冬に山を歩くと
真っ赤なヤブツバキの花は特に際立って見えます。

このヤブツバキですが、
花びらは何枚付いていると思いますか?



「5枚!」と答えられた方、
「正解!」と言いたいところですが、5枚とは言い切れないのです。
実は花びらの根元は1つにつながっており、
切り込みが入ることで普通の花びらのように見えています。
花びらはサクラのように一枚一枚が離れているイメージをお持ちの方が多いのではないかと思いますが、
よくよく考えてみるとツツジやスミレ、リンドウなども
一見複数枚の花びらに見えるけど一つにつながっています。
こういった花びらを持つ花を合弁花(ごうべんか)といいます。

[落ちていたツバキ:根元がつながっているのがわかるでしょうか]

[断面:おしべと花びらもつながっています]

ツバキはサクラのように花びらが散らないのは
何故だろうと不思議に思ったことはないですか?
それはツツジのように花びらが一つにくっついているから。
近寄ってよく観てみるだけで
意外と単純な違いを発見できるもんですね。

※花びらの数え方は難しいですが、合弁花は花びらが合着したと考えられているため、切り込みのある花びらの数を数えるのが一般的のようです。
※園芸種のツバキには八重のものや花びらがつながっていないものもあります。

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