瀬戸内海国立公園 広島
182件の記事があります。
2014年09月18日宮島の生き物
瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵
先日弥山に登った時に出会った生き物を少しご紹介します。
宮島といえば、シカとサルをイメージする方も多いと思いますが、
現在サルを見ることは殆どありません。
元々宮島にニホンザルはいませんでしたが
1962年に観光振興と学術研究が目的でニホンザルを移入。
弥山の獅子岩周辺で飼育されていましたが
百数十頭に増え、ハナレザルも出てきたため、
5年前から捕獲を始め、
殆どのサルは愛知県の日本モンキーセンターに移送されました。
ハナレザルはまだいるものの、
獅子岩周辺でニホンザルを見かけることはありません。
なのですが…先週若いオスザルが出没!
お弁当を食べている時ですが
特に食べ物を欲している様子もなく、
ご覧のとおりかな~りリラックスした様子でした。
たまには誰かに会いたくなったのでしょうか?
そして、道中でよく見かけるのがニホントカゲ。
天気がよい日は岩の上などに出てひなたぼっこをしています。
[ひなたぼっこ中のニホントカゲ]
長いしっぽに体の光沢が気持ち悪い!という方いるかもしれませんが、
よく見てください!
こんなに愛らしい瞳をしています。
かわいいですね♪
警戒心なく近づけば逃げません。
さらに嫌われ者の生き物をご紹介しますと…こちら。
体長4~5cmはある黒い生き物。
そう、ゴキブリです!
こちらは大型のオオゴキブリです。
嫌われ者のゴキですが、
実は日本にいるゴキブリの殆どが森に住み、
朽ち木や落ち葉を食べるいいやつ(分解者)なのです。
彼らがいる森は自然豊かだともいえます。
家で見かけるゴキのような機敏な動きもないため
気持ち悪さもありません。
因みに家でよく見かけるゴキは
クロゴキブリやチャバネゴキブリなど外来種が多いです。
「ゴキ=汚い!」と一緒くたにしないでくださいね。
宮島といえば、シカとサルをイメージする方も多いと思いますが、
現在サルを見ることは殆どありません。
元々宮島にニホンザルはいませんでしたが
1962年に観光振興と学術研究が目的でニホンザルを移入。
弥山の獅子岩周辺で飼育されていましたが
百数十頭に増え、ハナレザルも出てきたため、
5年前から捕獲を始め、
殆どのサルは愛知県の日本モンキーセンターに移送されました。
ハナレザルはまだいるものの、
獅子岩周辺でニホンザルを見かけることはありません。
なのですが…先週若いオスザルが出没!
お弁当を食べている時ですが
特に食べ物を欲している様子もなく、
ご覧のとおりかな~りリラックスした様子でした。
たまには誰かに会いたくなったのでしょうか?
そして、道中でよく見かけるのがニホントカゲ。
天気がよい日は岩の上などに出てひなたぼっこをしています。
[ひなたぼっこ中のニホントカゲ]
長いしっぽに体の光沢が気持ち悪い!という方いるかもしれませんが、
よく見てください!
こんなに愛らしい瞳をしています。
かわいいですね♪
警戒心なく近づけば逃げません。
さらに嫌われ者の生き物をご紹介しますと…こちら。
体長4~5cmはある黒い生き物。
そう、ゴキブリです!
こちらは大型のオオゴキブリです。
嫌われ者のゴキですが、
実は日本にいるゴキブリの殆どが森に住み、
朽ち木や落ち葉を食べるいいやつ(分解者)なのです。
彼らがいる森は自然豊かだともいえます。
家で見かけるゴキのような機敏な動きもないため
気持ち悪さもありません。
因みに家でよく見かけるゴキは
クロゴキブリやチャバネゴキブリなど外来種が多いです。
「ゴキ=汚い!」と一緒くたにしないでくださいね。
2014年09月05日第21回瀬戸内エコツアー開催!
瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵
今年は本っ当に雨が多い夏でした。
花火大会など夏はイベントが多い時期。
当所も例外ではなく、夏は海の行事が盛りだくさんです。
雨で中止や順延もあり、頭を悩まされた夏でした。
例年夏に行っている瀬戸内エコツアーも天候が心配でしたが、
瀬戸内海の島は本土側に比べて雨が少なく、天候が安定していることもあって、
無事開催することができました。
(開催場所の尾道市高根島では青空がのぞいていましたが、本土の尾道市は大雨だったようです。)
今回は2年ぶりに尾道市高根島で
すき網体験エコツアーを開催しました!
忠海港から乗船し、約30分のクルージングを楽しみながら生口島に到着。
高根島までバスで移動しました。
集会所で昼食を食べた後は
高根島でみかん農家をされている中田さんご夫妻から
島の自然や栽培されている柑橘類についてお話を伺いました。
[島で採れるニナ貝について解説する中田さん]
[高根島のレモン:レモンらしい形になる一歩手前ですが香りは最高!]
高根島は2008年にノーベル化学賞を受賞したボストン大名誉教授の下村さんが
半世紀前にウミホタルの研究を行った島です。
本来は夜の海に光るウミホタルですが、
是非見てもらいたい!ということで暗幕を張った特設会場で
ウミホタルの発光実験を行いました。
電流を流すと水槽が青白く光り、歓声があがりました。
[ウミホタルについて解説]
集会所を出発し、次はイシダタミやスガイなどニナ貝拾いです。
島で手軽に食べられる海産物の一つで
茹でて食べるとほろ苦い味がやみつきになります。
また、砂浜ではスナガニ掘りも行いました。
護岸が多くなった本土側では砂浜に生息する生き物は少なくなり、
希少な生き物が発見できるのも自然の多い島ならではです。
[スナガニ捕まえたよ!]
そして、干潮が近くなった午後3時。
いよいよすき網体験です!
[大きな網を押すには三人がかり]
大人も子どもも胸まで海に浸かって
アマモ場の生き物を採集しました。
[採集した生き物:タツノオトシゴやウミウシ、イカの子どもなど]
採集した生き物は講師の呼坂さんの解説を聞きながら観察し、海に戻しました。
一部のハオコゼやテッポウエビは唐揚げにして美味しくいただきました。
[あっという間に完食!]
その他、島で採れた海藻で作った「ところてん」や「イギス豆腐」をいただき、
海の恵みを五感で感じたエコツアーだったと思います。
最後に船から高根島の中田さんご夫妻と地元の皆さんに手を振ってお別れしました。
観光地ではないので高根島のことを知らなかった方も多かったと思いますが、
瀬戸内海の島の魅力を味わってもらえたのではないかと思います。
高根島へはしまなみ海道を渡って車で行くことができます。
是非、訪れてみてください。
花火大会など夏はイベントが多い時期。
当所も例外ではなく、夏は海の行事が盛りだくさんです。
雨で中止や順延もあり、頭を悩まされた夏でした。
例年夏に行っている瀬戸内エコツアーも天候が心配でしたが、
瀬戸内海の島は本土側に比べて雨が少なく、天候が安定していることもあって、
無事開催することができました。
(開催場所の尾道市高根島では青空がのぞいていましたが、本土の尾道市は大雨だったようです。)
今回は2年ぶりに尾道市高根島で
すき網体験エコツアーを開催しました!
忠海港から乗船し、約30分のクルージングを楽しみながら生口島に到着。
高根島までバスで移動しました。
集会所で昼食を食べた後は
高根島でみかん農家をされている中田さんご夫妻から
島の自然や栽培されている柑橘類についてお話を伺いました。
[島で採れるニナ貝について解説する中田さん]
[高根島のレモン:レモンらしい形になる一歩手前ですが香りは最高!]
高根島は2008年にノーベル化学賞を受賞したボストン大名誉教授の下村さんが
半世紀前にウミホタルの研究を行った島です。
本来は夜の海に光るウミホタルですが、
是非見てもらいたい!ということで暗幕を張った特設会場で
ウミホタルの発光実験を行いました。
電流を流すと水槽が青白く光り、歓声があがりました。
[ウミホタルについて解説]
集会所を出発し、次はイシダタミやスガイなどニナ貝拾いです。
島で手軽に食べられる海産物の一つで
茹でて食べるとほろ苦い味がやみつきになります。
また、砂浜ではスナガニ掘りも行いました。
護岸が多くなった本土側では砂浜に生息する生き物は少なくなり、
希少な生き物が発見できるのも自然の多い島ならではです。
[スナガニ捕まえたよ!]
そして、干潮が近くなった午後3時。
いよいよすき網体験です!
[大きな網を押すには三人がかり]
大人も子どもも胸まで海に浸かって
アマモ場の生き物を採集しました。
[採集した生き物:タツノオトシゴやウミウシ、イカの子どもなど]
採集した生き物は講師の呼坂さんの解説を聞きながら観察し、海に戻しました。
一部のハオコゼやテッポウエビは唐揚げにして美味しくいただきました。
[あっという間に完食!]
その他、島で採れた海藻で作った「ところてん」や「イギス豆腐」をいただき、
海の恵みを五感で感じたエコツアーだったと思います。
最後に船から高根島の中田さんご夫妻と地元の皆さんに手を振ってお別れしました。
観光地ではないので高根島のことを知らなかった方も多かったと思いますが、
瀬戸内海の島の魅力を味わってもらえたのではないかと思います。
高根島へはしまなみ海道を渡って車で行くことができます。
是非、訪れてみてください。
2014年08月26日ミヤジマトンボ現地観察会を開催しました!
瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵
世界で香港と日本の2カ国、
日本では宮島にしか生息しないミヤジマトンボ。
それも道路のない自然海岸の潮汐湿地という特殊な場所であることから
台風や潮流など気象の影響を受けやすく保護活動も難しい場所です。
※潮汐湿地…潮汐の影響を受け、海水と山からの湧水が入り交じる汽水性湿地
また、限られた生息地であるため、場所は非公開です。
環境省や県、専門家等で構成されているミヤジマトンボ保護管理連絡協議会により生息地の保全活動は行っていますが、
このままでは幻のミヤジマトンボになりかねないため、
ミヤジマトンボの出前講座を受講した大竹市立玖波小学校の5・6年生を対象に
現地観察会を行いました。
まず玖波小学校で宮島の歴史や文化について玉置先生より、
ミヤジマトンボの生態について坂本先生より事前学習を行いました。
[玉置先生による事前学習]
バスで塩屋漁港に移動し、ライフジャケットを装着して
いざミヤジマトンボの生息地へ出港!
満潮時刻に近かかったため、
潮汐湿地には海水が入っていました。
[海水の入った潮汐湿地]
この海水の流入によって他種のトンボのヤゴたちが死滅し
ミヤジマトンボのヤゴだけが生きながらえることができます。
満潮時は産卵に適していないため
あまりトンボは出ていませんでしたが
ススキに止まって休んでいるミヤジマトンボを
全員が確認することができました。
[坂本先生による現地学習]
初めて実物を見た感想は
「思ったよりも小さかった」「青くてきれいだった」などでした。
観察後は海と湿地とつなぐ水路を補修したり、
生息地に漂着しているゴミを回収など保全活動も行いました。
漂着ゴミはトンボが産卵するための縄張りを阻害するだけでなく、
宮島に生息するシカの誤飲食を招き、命を奪ってしまうこともあります。
漂着ゴミについて簡単なレクチャーも行いました。
現地観察と保全活動を終え、船とバスを乗り継いで玖波小学校に到着。
希少で常に絶滅と隣り合わせのミヤジマトンボを観察することで
宮島の新たな一面、瀬戸内の自然を肌で感じた1日だったのではないかと思います。
日本では宮島にしか生息しないミヤジマトンボ。
それも道路のない自然海岸の潮汐湿地という特殊な場所であることから
台風や潮流など気象の影響を受けやすく保護活動も難しい場所です。
※潮汐湿地…潮汐の影響を受け、海水と山からの湧水が入り交じる汽水性湿地
また、限られた生息地であるため、場所は非公開です。
環境省や県、専門家等で構成されているミヤジマトンボ保護管理連絡協議会により生息地の保全活動は行っていますが、
このままでは幻のミヤジマトンボになりかねないため、
ミヤジマトンボの出前講座を受講した大竹市立玖波小学校の5・6年生を対象に
現地観察会を行いました。
まず玖波小学校で宮島の歴史や文化について玉置先生より、
ミヤジマトンボの生態について坂本先生より事前学習を行いました。
[玉置先生による事前学習]
バスで塩屋漁港に移動し、ライフジャケットを装着して
いざミヤジマトンボの生息地へ出港!
満潮時刻に近かかったため、
潮汐湿地には海水が入っていました。
[海水の入った潮汐湿地]
この海水の流入によって他種のトンボのヤゴたちが死滅し
ミヤジマトンボのヤゴだけが生きながらえることができます。
満潮時は産卵に適していないため
あまりトンボは出ていませんでしたが
ススキに止まって休んでいるミヤジマトンボを
全員が確認することができました。
[坂本先生による現地学習]
初めて実物を見た感想は
「思ったよりも小さかった」「青くてきれいだった」などでした。
観察後は海と湿地とつなぐ水路を補修したり、
生息地に漂着しているゴミを回収など保全活動も行いました。
漂着ゴミはトンボが産卵するための縄張りを阻害するだけでなく、
宮島に生息するシカの誤飲食を招き、命を奪ってしまうこともあります。
漂着ゴミについて簡単なレクチャーも行いました。
現地観察と保全活動を終え、船とバスを乗り継いで玖波小学校に到着。
希少で常に絶滅と隣り合わせのミヤジマトンボを観察することで
宮島の新たな一面、瀬戸内の自然を肌で感じた1日だったのではないかと思います。
2014年08月17日JPR事業~ぼくのわたしの「宮島子ども自然遺産さがし」~(2日目)
瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵
2日目は前日に仕掛けた虫捕獲用トラップを回収します。
まず設置したライオン、クマ、イノシシ、スイギュウ、シカのフンの中で
どれに多く集まっているか予想します。
「シカのフンを食べる虫が集まってるんじゃないか」
「普段食べ慣れているシカよりたまには他のエサを食べたいんじゃないか」
「スイギュウのフンは水っぽくて食べやすそうだった」
「ライオンの臭いが一番臭いから集まりやすいんじゃないか」
など様々な推察がありました。
[いよいよ回収!]
[ライオンのフンが入ったトラップ]
回収したトラップを除いてみると
姿は見えませんがフンがモゾモゾと動いています。
菊間先生より虫の回収について指導を受け、
いざ回収にチャレンジ!
[フンを水で洗い流して虫を探し出します]
フンをエサにする虫とはどんな虫なのかというと…
エンマコガネやセンチコガネなどのフン虫です。
中にはオオセンチコガネという虹色に輝くきれいなフン虫も見つかりました。
回収したフン虫はフンの種類別に数や種類を調べました。
結果は次のとおり!
意外にも普段食べているシカのフンは全く人気がなくゼロ。
ライオン(肉食)→クマ(雑食)→イノシシ(雑食)→スイギュウ(草食)→シカ(草食)の順にフン虫が多く集まり、
肉食や雑食で臭いの強いフンが人気ということがわかりました。
自然界では水洗トイレのように流して終わり!というわけにはいきません。
どうして地球上がフンだらけにならないのか、
フン虫にはどんなフンが人気なのかを
フン虫トラップ実験を通して学ぶことができました。
そして、2日間で学習したことをふりかえり、
家族や友人に伝えられるようメッセージ付きの絵はがきを作成しました。
「ハクセンシオマネキが住む干潟」や「ウミホタルときれいな海岸」など
ずっと残していきたい自分にとっての「宮島子ども自然遺産」を選定し
レンジャーに認定してもらいました。
[認定証を受け取りました]
[宮島子ども自然遺産]
最後の最後は暑い中、包ヶ浦から桟橋まで1時間近くかけて徒歩移動。
2日間のJPR活動を終え、帰路につきました。
宮島は嚴島神社など歴史的建造物が有名ですが、
多様な生物が生息する豊かな森と海岸があります。
今回の活動で体験し発見した「宮島子ども自然遺産」を
たくさんの人に伝えていってほしいと思います。
まず設置したライオン、クマ、イノシシ、スイギュウ、シカのフンの中で
どれに多く集まっているか予想します。
「シカのフンを食べる虫が集まってるんじゃないか」
「普段食べ慣れているシカよりたまには他のエサを食べたいんじゃないか」
「スイギュウのフンは水っぽくて食べやすそうだった」
「ライオンの臭いが一番臭いから集まりやすいんじゃないか」
など様々な推察がありました。
[いよいよ回収!]
[ライオンのフンが入ったトラップ]
回収したトラップを除いてみると
姿は見えませんがフンがモゾモゾと動いています。
菊間先生より虫の回収について指導を受け、
いざ回収にチャレンジ!
[フンを水で洗い流して虫を探し出します]
フンをエサにする虫とはどんな虫なのかというと…
エンマコガネやセンチコガネなどのフン虫です。
中にはオオセンチコガネという虹色に輝くきれいなフン虫も見つかりました。
回収したフン虫はフンの種類別に数や種類を調べました。
結果は次のとおり!
意外にも普段食べているシカのフンは全く人気がなくゼロ。
ライオン(肉食)→クマ(雑食)→イノシシ(雑食)→スイギュウ(草食)→シカ(草食)の順にフン虫が多く集まり、
肉食や雑食で臭いの強いフンが人気ということがわかりました。
自然界では水洗トイレのように流して終わり!というわけにはいきません。
どうして地球上がフンだらけにならないのか、
フン虫にはどんなフンが人気なのかを
フン虫トラップ実験を通して学ぶことができました。
そして、2日間で学習したことをふりかえり、
家族や友人に伝えられるようメッセージ付きの絵はがきを作成しました。
「ハクセンシオマネキが住む干潟」や「ウミホタルときれいな海岸」など
ずっと残していきたい自分にとっての「宮島子ども自然遺産」を選定し
レンジャーに認定してもらいました。
[認定証を受け取りました]
[宮島子ども自然遺産]
最後の最後は暑い中、包ヶ浦から桟橋まで1時間近くかけて徒歩移動。
2日間のJPR活動を終え、帰路につきました。
宮島は嚴島神社など歴史的建造物が有名ですが、
多様な生物が生息する豊かな森と海岸があります。
今回の活動で体験し発見した「宮島子ども自然遺産」を
たくさんの人に伝えていってほしいと思います。
2014年08月14日JPR事業~ぼくのわたしの「宮島子ども自然遺産さがし」~(1日目)
瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵
環境省では、子どもたちにレンジャー(自然保護官)の仕事を体験し、
自然保護への興味や理解を深めてもらおうと
子どもパークレンジャー事業(以下、JPR)を実施しています。
広島事務所では~ぼくのわたしの「宮島子ども自然遺産さがし」~をテーマに
8月26~27日に宮島で実施しました。
宮島口に集合し、
2日間子どもパークレンジャーとして活動してもらうため任命書を渡します。
[任命式]
船で宮島に渡った後は活動内容を確認し、
2日間でやりたいことや目標を決め、
その後、国立公園やレンジャーのお仕事、
干潟の生きものについて事前学習を行いました。
午後からはいよいよJPRとして活動開始です!
活動場所は大鳥居周辺に広がる干潟です。
近づくとすぐに穴に隠れてしまう干潟の生きものを見るには
ちょっとした工夫や観察する視点、小道具が必要です。
一見何もいない場所も姿勢を低くすると
ウミニナの暑さ対策が見られたり、
じーっと座って待つと
チゴガニのダンス(ウェービング)が見られたり、
穴に塩を入れると
高い塩分濃度に驚いてマテガイが顔を出したり。
今まで知らない観察方法で
たくさんの生きものを発見しました。
包ヶ浦自然公園に移動し、次は明日の準備です。
ある虫を捕まえるためにトラップを作ります。
虫をおびきよせるエサはというと…
なんと動物のフンです!
[スイギュウのフンを缶に入れます]
みんな「くさい~!」と言いながらも
クマやスイギュウ、ライオンのフンをトラップに入れました。
※フンの提供は安佐動物公園にご協力いただきました!ありがとうございました!
夕食や入浴をすませ、就寝…
ではなく、JPRの活動はまだまだ続きます。
昼には見られない夜の海に光る生物調査をしに海辺に出発。
砂浜の水をばしゃばしゃと刺激すると、歓声があがりました。
青白い夜光虫の発光です。
夜光虫が生息する明かりのないきれいな砂浜は本土側には殆どありません。
広島市内の対岸にある宮島には貴重な自然が残っていることがわかりました。
そして、鯛のアラを入れたトラップを仕掛けました。
集まったのは肉食のウミホタルです。
顕微鏡で見たウミホタルはこんな感じ。
[体長3~5mmで肉眼でも見られます]
ケビンに戻ってウミホタルの発光実験を行いました。
電流を流すと驚いて発光物質を出し、水槽が青白くなりました。
[ウミホタルが発光物質を出した水槽]
※夜光虫とウミホタルは別の生きものです。
瀬戸内海のいろいろな生きものを発見した1日目が終わりました。
自然保護への興味や理解を深めてもらおうと
子どもパークレンジャー事業(以下、JPR)を実施しています。
広島事務所では~ぼくのわたしの「宮島子ども自然遺産さがし」~をテーマに
8月26~27日に宮島で実施しました。
宮島口に集合し、
2日間子どもパークレンジャーとして活動してもらうため任命書を渡します。
[任命式]
船で宮島に渡った後は活動内容を確認し、
2日間でやりたいことや目標を決め、
その後、国立公園やレンジャーのお仕事、
干潟の生きものについて事前学習を行いました。
午後からはいよいよJPRとして活動開始です!
活動場所は大鳥居周辺に広がる干潟です。
近づくとすぐに穴に隠れてしまう干潟の生きものを見るには
ちょっとした工夫や観察する視点、小道具が必要です。
一見何もいない場所も姿勢を低くすると
ウミニナの暑さ対策が見られたり、
じーっと座って待つと
チゴガニのダンス(ウェービング)が見られたり、
穴に塩を入れると
高い塩分濃度に驚いてマテガイが顔を出したり。
今まで知らない観察方法で
たくさんの生きものを発見しました。
包ヶ浦自然公園に移動し、次は明日の準備です。
ある虫を捕まえるためにトラップを作ります。
虫をおびきよせるエサはというと…
なんと動物のフンです!
[スイギュウのフンを缶に入れます]
みんな「くさい~!」と言いながらも
クマやスイギュウ、ライオンのフンをトラップに入れました。
※フンの提供は安佐動物公園にご協力いただきました!ありがとうございました!
夕食や入浴をすませ、就寝…
ではなく、JPRの活動はまだまだ続きます。
昼には見られない夜の海に光る生物調査をしに海辺に出発。
砂浜の水をばしゃばしゃと刺激すると、歓声があがりました。
青白い夜光虫の発光です。
夜光虫が生息する明かりのないきれいな砂浜は本土側には殆どありません。
広島市内の対岸にある宮島には貴重な自然が残っていることがわかりました。
そして、鯛のアラを入れたトラップを仕掛けました。
集まったのは肉食のウミホタルです。
顕微鏡で見たウミホタルはこんな感じ。
[体長3~5mmで肉眼でも見られます]
ケビンに戻ってウミホタルの発光実験を行いました。
電流を流すと驚いて発光物質を出し、水槽が青白くなりました。
[ウミホタルが発光物質を出した水槽]
※夜光虫とウミホタルは別の生きものです。
瀬戸内海のいろいろな生きものを発見した1日目が終わりました。
2014年07月22日弥山展望台オープン!!
瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵
お待たせしました!
7月19日に宮島の弥山山頂にある展望台がオープンしました!
[オープンした弥山展望台]
昨年1月から老朽化した展望台の撤去作業が開始され、
建て替え工事を春に着工。
12月に1階・3階が仮オープンとなっていました。
2階の柵の補強工事が終了し、
夏休みを前に無事オープンすることができました。
1階はトイレ、
2階は縁側のように座れるスペースになっており、
3階は360°のパノラマが見渡せる展望フロアになっています。
[2階:景色を眺めながらお弁当を食べるのに最適です]
[3階:床部分に島々の案内図が刻まれています]
伊藤博文が「宮島の真価は弥山山頂の眺めにあり」という言葉を残しているように、
弥山山頂から眺める多島海景観は瀬戸内海国立公園を代表する素晴らしい景観です。
新しくなった弥山展望台からのパノラマをお楽しみください。
※トイレは24時間使用できますが、
2階と3階は4~10月は午前7時~午後6時、
11~3月は午前8時~午後5時の開錠となっていますのでご注意ください。
(12月31日は午前9時から1月1日午後4時)
7月19日に宮島の弥山山頂にある展望台がオープンしました!
[オープンした弥山展望台]
昨年1月から老朽化した展望台の撤去作業が開始され、
建て替え工事を春に着工。
12月に1階・3階が仮オープンとなっていました。
2階の柵の補強工事が終了し、
夏休みを前に無事オープンすることができました。
1階はトイレ、
2階は縁側のように座れるスペースになっており、
3階は360°のパノラマが見渡せる展望フロアになっています。
[2階:景色を眺めながらお弁当を食べるのに最適です]
[3階:床部分に島々の案内図が刻まれています]
伊藤博文が「宮島の真価は弥山山頂の眺めにあり」という言葉を残しているように、
弥山山頂から眺める多島海景観は瀬戸内海国立公園を代表する素晴らしい景観です。
新しくなった弥山展望台からのパノラマをお楽しみください。
※トイレは24時間使用できますが、
2階と3階は4~10月は午前7時~午後6時、
11~3月は午前8時~午後5時の開錠となっていますのでご注意ください。
(12月31日は午前9時から1月1日午後4時)
2014年07月11日生きものの活動~クロオオアリ編~
瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵
ご無沙汰しております。
つい最近暖かくなってきたかと思いきや、
もう30度を超える真夏日が続いています。
気温が高くなるにつれ、
海や山では様々な生きものが目を覚まし、にぎやかになってきました。
特に昆虫たちの活動は夏に集中するため、
地面を駆け回る姿や飛ぶ姿をよく目にします。
私が春一番に見つける昆虫はどこにでもいるアリです。
冬眠していたアリが一気に目を覚まし、
忙しそうにエサを運んだり、行列を作っていると
ついつい目をやってしまいます。
すると、こんな姿もよく見かけます。
[クロオオアリ]
何をしているかおわかりでしょうか?
ケンカです。
普段匂いでなわばりを作っているクロオオアリですが、
冬眠の間、なわばりの匂いが消えてしまうため、
しばしば他の巣のアリと鉢合わせケンカになることがあります。
かみついて手足をちぎったり、
お尻にあるギ酸で攻撃することもあり、
見ているとかなり激しい戦いを繰り広げます。
[ギ酸で攻撃するクロオオアリ]
1時間ほど観察しましたが、
どちらも譲らず、
終いには4匹になり乱戦となりました…
小さな生きものにも社会があり、
ケンカがあるのだなとしみじみ。
どこにでもいるアリですが、
目線を下げて観察してみると
おもしろい世界が見えますよ。
※因みにケンカは冬眠明けの春先が一番よく見られます。
つい最近暖かくなってきたかと思いきや、
もう30度を超える真夏日が続いています。
気温が高くなるにつれ、
海や山では様々な生きものが目を覚まし、にぎやかになってきました。
特に昆虫たちの活動は夏に集中するため、
地面を駆け回る姿や飛ぶ姿をよく目にします。
私が春一番に見つける昆虫はどこにでもいるアリです。
冬眠していたアリが一気に目を覚まし、
忙しそうにエサを運んだり、行列を作っていると
ついつい目をやってしまいます。
すると、こんな姿もよく見かけます。
[クロオオアリ]
何をしているかおわかりでしょうか?
ケンカです。
普段匂いでなわばりを作っているクロオオアリですが、
冬眠の間、なわばりの匂いが消えてしまうため、
しばしば他の巣のアリと鉢合わせケンカになることがあります。
かみついて手足をちぎったり、
お尻にあるギ酸で攻撃することもあり、
見ているとかなり激しい戦いを繰り広げます。
[ギ酸で攻撃するクロオオアリ]
1時間ほど観察しましたが、
どちらも譲らず、
終いには4匹になり乱戦となりました…
小さな生きものにも社会があり、
ケンカがあるのだなとしみじみ。
どこにでもいるアリですが、
目線を下げて観察してみると
おもしろい世界が見えますよ。
※因みにケンカは冬眠明けの春先が一番よく見られます。
2014年04月09日毎年恒例!こなきり海岸清掃を実施しました
瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵
新年度となりました!
入学式や入社式など心機一転スタート!という方も多いのではないでしょうか。
宮島地区パークボランティアの会では、
桜が満開となるこの季節に毎年総会が開催されます。
今年は瀬戸内海国立公園80周年にあたり、
会発足15年目の節目の年でもあります。
会発足当初から活動をされている方も多数おられ、
現在、会員数は49名です。
今年度も盛りだくさんの活動を計画し決議されました。
[8割の会員の方が参加されました]
総会の後は毎年恒例となっているこなきり海岸の清掃作業を実施しました。
毎年きれいにしているはずなのに1年経つとこの状態に逆戻りです…
ペットボトルや靴などの生活用品は本土から川を流れて
自然海岸の多い宮島や無人島に漂着します。
また、牡蠣養殖が盛んな広島湾では
牡蠣筏に使われる竹やパイプ、発泡スチロール製フロートが目立ちます。
天候が悪かったため短時間での清掃作業でしたが、
ゴミ回収、分別、運搬とPVの皆さんにとっては慣れたもの。
あっという間にきれいなこなきり海岸になりました。
毎年清掃していますが、
やめるとどれだけのゴミが溜まるのだろうとぞっとします。
こなきり海岸には大きな湿地があり、
夏至を過ぎた頃にはハンゲショウの群生が見られます。
また、アカテガニが生息していて産卵も見られます。
自然豊かなこなきり海岸が
ゴミの溜まらないきれいな海岸になることを願います。
[清掃前]
[清掃後]
入学式や入社式など心機一転スタート!という方も多いのではないでしょうか。
宮島地区パークボランティアの会では、
桜が満開となるこの季節に毎年総会が開催されます。
今年は瀬戸内海国立公園80周年にあたり、
会発足15年目の節目の年でもあります。
会発足当初から活動をされている方も多数おられ、
現在、会員数は49名です。
今年度も盛りだくさんの活動を計画し決議されました。
[8割の会員の方が参加されました]
総会の後は毎年恒例となっているこなきり海岸の清掃作業を実施しました。
毎年きれいにしているはずなのに1年経つとこの状態に逆戻りです…
ペットボトルや靴などの生活用品は本土から川を流れて
自然海岸の多い宮島や無人島に漂着します。
また、牡蠣養殖が盛んな広島湾では
牡蠣筏に使われる竹やパイプ、発泡スチロール製フロートが目立ちます。
天候が悪かったため短時間での清掃作業でしたが、
ゴミ回収、分別、運搬とPVの皆さんにとっては慣れたもの。
あっという間にきれいなこなきり海岸になりました。
毎年清掃していますが、
やめるとどれだけのゴミが溜まるのだろうとぞっとします。
こなきり海岸には大きな湿地があり、
夏至を過ぎた頃にはハンゲショウの群生が見られます。
また、アカテガニが生息していて産卵も見られます。
自然豊かなこなきり海岸が
ゴミの溜まらないきれいな海岸になることを願います。
[清掃前]
[清掃後]
2014年03月04日オススメ展望地その④「竜王山」
瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵
オススメ展望地第4弾は竜王山(りゅうおうざん)です。
実は竜王山という山は全国にたくさんあるようで、
広島県内だけでも
福山市1山、
神石高原町2山、
東広島市3山、
尾道市3山、
三原市3山、
計12山あるとってもメジャーな名前です。
今回ご紹介するのは三原駅南部に位置し、
筆影山に隣接する竜王山(445m)です。
ここも筆影山に勝るとも劣らない桜の名所で
何より山頂展望台からの景観は最高です!
[山頂展望台]
この日は空気が澄んでおり、
遠く岡山や愛媛の島々まで見渡せました。
[桜の木が景色とかぶらず写真もきれいに撮れました]
[手前の小佐木島、奥に見える橋が因島大橋です]
冬は木々の葉が落ちてあまり山にはいかない時期ですが、
実は空気が澄んでいてしまなみを見るには絶好の季節です。
春は霞むためどうしてもきれいな景色は見えづらくなりますので
美しいしまなみが見たいという方は冬の季節がオススメです。
実は竜王山という山は全国にたくさんあるようで、
広島県内だけでも
福山市1山、
神石高原町2山、
東広島市3山、
尾道市3山、
三原市3山、
計12山あるとってもメジャーな名前です。
今回ご紹介するのは三原駅南部に位置し、
筆影山に隣接する竜王山(445m)です。
ここも筆影山に勝るとも劣らない桜の名所で
何より山頂展望台からの景観は最高です!
[山頂展望台]
この日は空気が澄んでおり、
遠く岡山や愛媛の島々まで見渡せました。
[桜の木が景色とかぶらず写真もきれいに撮れました]
[手前の小佐木島、奥に見える橋が因島大橋です]
冬は木々の葉が落ちてあまり山にはいかない時期ですが、
実は空気が澄んでいてしまなみを見るには絶好の季節です。
春は霞むためどうしてもきれいな景色は見えづらくなりますので
美しいしまなみが見たいという方は冬の季節がオススメです。
国立公園や天然記念物に指定されるなど宮島には自然溢れる森があります。
今回は森でアニマルトラッキング(動物の痕跡探し)をし、
シカ本来の生活を垣間見よう!ということで
秋の自然体験教室「森を探検しよう!足跡標本を作ろう!親子でシカ調査隊」を開催しました。
台風18号が西日本に接近し開催できるか心配でしたが、
当日は雨もなく風もなく無事開催することができました。
開会式を行った桟橋では、
シカやサルの生態に詳しい菊間先生から早速「これは何の跡?」と質問。
どこかでこすっているということは分かるけど…
足?鼻?頭?出だしから子どもたちの頭を悩ませましたが答えは角!
成長している角は皮に覆われておるため、
皮を剥ぐときは樹にこすりつけます。
普段全く気づかない小さな痕跡からもシカの生態が読み取れます。
続いて歩いていくとトラッキング定番の“フン”がありました。
シカのフンであることには間違いないですが、
何やら様子が違うフンを発見。
[左:健康なフン 右:不健康なフン]
消化がうまくできなかったフンは柔らかかったり固まったりしますので
シカの健康チェックもできます。
そして、いよいよ宮島の森へ!
ここはシカが通るけもの道です。
しばらく登るとシカを発見!
どこどこ?と目の前にいるのに気づきません。
敵に見つからない保護色なので目立ちませんが、
山にいる姿はやはり自然です。
[山林のシカは人が来ると逃げていきました]
ほかには繁殖期に体に臭いをつけるため、
自分のおしっこをして体にこすりつけるためのぬた場や寝床を観察したり、
シカに食べられない宮島の植物や頭蓋骨を見ながらエサの食べ方などを学びました。
[シカに食べられ盆栽型のアカマツ]
トラッキングを終えたら次は足跡標本作りです。
足跡があるか心配でしたが、運良く見つけることができました。
石膏を水に溶かして足跡に流し込み、30分ほど待ちます。
初めての型どりでしたが、
皆さんきれいな足跡標本ができました!
[固まった石膏を取り出す]
最後は菊間先生からシカのお腹から出てきたビニール袋の塊を見せてもらいました。
どうしてシカはビニールを食べてしまったんでしょうか??
[死んだシカの胃袋にあったビニールの塊]
人からエサをもらうことに慣れたため、
人が持っているお菓子もビニールも全部食べてしまうようになってしまったんですね。
その結果、胃袋に消化できないビニールが溜まり栄養失調で死ぬシカもいました。
人と野生生物が共存していくために私たちにできることはなにか?
かわいいからといってエサをあげてしまうと、
自力でエサを探すことができなくなったり、
ビニールなどを食べたりと不幸な結果を招きかねません。
「ゴミを捨てず、エサを与えない。」
動物たちと距離を持つことが動物の保護につながるんですね。
「シカ=かわいい、触りたい」から
シカを見る目、接し方が少し変わったのではないでしょうか。
これからも身近な自然に出かけ、色々な発見をしてもらえればと思います。