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アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

中国四国地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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大山隠岐国立公園 米子

239件の記事があります。

2011年06月13日大山夏山開き祭

大山隠岐国立公園 米子 米田美里

6月の5日、6日に大山夏山開き祭の前夜祭と山頂祭が行われました。
今年は夏山開き祭が始まって65回目。今年もたくさんの人で賑わいました。
大山山開き祭といえば前夜祭のたいまつ行列。
2000人のたいまつ行列は何度みても「すごい」の一言。
大神山神社の石畳がたいまつで火の河のようになります。
真っ暗な中、連なって流れていくたいまつの炎はとても幻想的な光景です。


◎篝火からたいまつに火を移してたいまつ行列のスタートです

◎たいまつ行列

翌日の山頂祭では大山山頂で登山者の安全祈願の神事がありました。
神事では町や県、森林管理署の方々が玉串を奉納し、
米子自然環境事務所も所長が玉串を奉納しました。
この玉串奉納。毎年、我こそは一番の遠方からやってきた!という方を募集し、
一般登山者の方にも奉納してもらうのですが、
今年選ばれた方は埼玉県から来られた方でした。


◎今年の山開きも登山道は牛歩状態でした。

◎神事の様子。プロからアマまでたくさんのカメラマンです。

◎ヘリに向かって。

今年の山開きは前々から雨が心配されていましたが
前夜祭、山頂祭とも天気が持ちました。

いよいよ本格的に始まった大山の夏山シーズン。
これからの季節、大山は暑さが増すとともにたくさんの高山植物が開花します。
ぜひみなさん大山に登山に来てください☆


◎ダイセンクワガタの花。元谷あたりでは今が見頃です。

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2011年06月08日船上山カシナガ生息確認調査の準備作業がありました

大山隠岐国立公園 米子 米田美里

以前ご紹介した船上山のナラ枯れ防除に係る調査試験の検討会
http://c-chushikoku.env.go.jp/blog/2011/05/806.html
を受け、
5月31日に鳥取森林管理署の主催で一般公募ボランティアの方々とともに
実際の調査木に調査資材を設置する活動を行いました。
この日集まったのは県など関係機関を合わせて約30名。
雨の心配をしつつ、試験地である船上山山頂へ!
現地に着き森林管理署の方から
粘着トラップ『かしながホイホイ』の設置方法の説明を聞き、
早速作業に取りかかりました。


◎ホイホイをガンタッカー(ホッチキスの大きいもの)でミズナラに留めていきます。

◎次第にみなさん手慣れてきて、ガンタッカーを打ち込む音もなんだか軽快になっていました。

グループごとに分かれて作業したのですが、
いつの間にやらグループ内の連携もばっちりで1時間半くらいで予定の作業が終わりました。


◎ホイホイにササなどの下層植生が付かないように下草刈りがしてありました。

この日、トラップを設置した樹木は67本。
太いものから細いものまで、さまざまなミズナラに設置しました。
カシノナガキクイムシが発生する6月~7月の間は
森林管理署の方により定期的に調査が行なわれます。
どうか、発生しませんように・・・と保護官や参加されたみなさんと話しつつ
船上山をあとにしました。

◎国際森林年の行事の一環として最後に記念写真を撮りました。
 みなさんお疲れさまでした!

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2011年06月01日大山登山道整備

大山隠岐国立公園 米子 米田美里

6月の4日、5日に大山では夏山開き祭が行われます。
それに先駆け5月25日に鳥取県や大山町などの関係機関による
大山の登山道の整備が行われました。
今回登山道の整備を行ったのは大山夏山登山道、行者登山道と
ユートピア避難小屋までの登山道、通称ユートピア登山道です。
当所も夏山・行者組、ユートピア組の2手に分かれ
それぞれの登山道を整備してきました。


◎ゆるんだ階段の杭を打ち込んだり

◎注意看板をつけたり

◎登山道にかかっていた倒木を除去したり


◎ユートピア登山道は過去の地震の影響で崩壊が進んでいます。歩行には十分な注意を!

ユートピア登山道は夏山登山道より健脚者向けのコースです。
危険箇所にはロープが張ってありますが
ロープを頼りにしすぎて、体重をかけるなどの行為は事故の元です。
一歩一歩安全を確認し、ロープに頼りすぎないよう登山を楽しんでください。

整備の最中、ヤマブキやダイセンキスミレ、ダイセンミツバツツジなどの花を見ることができました。
5日の夏山開き山頂祭はちょうどイワカガミの最盛期になりそうです。


◎ダイセンキスミレの花

登山道も整備され、あとは夏山開きを待つのみ。
4日の前夜祭はたいまつ行列や僧兵太鼓などのイベントも盛りだくさん、
5日の山頂祭も大山が一番人で賑わう日です。
みなさんもぜひ来てくださいね!

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2011年05月20日船上山ナラ枯れ検討会

大山隠岐国立公園 米子 米田美里

先日、船上山で鳥取森林管理署が主催した
船上山国有林ナラ枯れ検討会が行われました。
全国各地で問題になっているナラ枯れですが、
鳥取県でも年々被害地域が拡大しています。
大山の国立公園内では今のところ被害は出ていないのですが、
昨年大山町内で飛び火的に被害が発生し、
公園内にいつ被害が出るか予断を許さない状況です。
そこで、大山山系の船上山国有林でナラ枯れ防除活動の検討会が行われました。

ナラ枯れはカシノナガキクイムシという、体長5mm程度の小さな甲虫が
樹木に侵入し、樹木を枯死させる菌を運び込むことで起こります。
ナラ枯れで枯死した樹木の切り株を調べると、
切り株と根だけでおおよそ3000匹のカシノナガキクイムシが確認されたそうです。

船上山国有林ではカシノナガキクイムシの侵入をいち早く察知するために
粘着トラップを樹木の根もとに設置することになっており、
今回の検討会では、どの位置にどのようにトラップを設置するのかということを確認しました。

◎試験地の様子。ミズナラがたくさん生えています。

◎粘着テープをこのように設置。
ちなみにこの粘着テープ、『かしながホイホイ』といいます。

この日はトラップの設置箇所を確認して終了。
本格的なトラップ設置は5月31日に公募ボランティアも受け付けて行われます。
大山はナラ枯れ被害が顕著に表れるナラ類とブナ類が多い場所です。
今後、大山に豊かな森林をナラ枯れから守るために、さまざまな対策が必要になってくると思われます。

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2011年05月11日マガモ・カルガモ・・・マルガモ?

大山隠岐国立公園 米子 米田美里

先日、中海の巡視を行っていた時のことです。
なんだか見たことのないカモを発見しました。


◎なにガモ??

手持ちの図鑑にも載っていないこのカモ。
よく見るとマガモの特徴である頭部の緑色とカルガモの特徴のくちばしの先の黄色の両方持っていることに気がつきました。
どうやら、マガモとカルガモの異種交配児、通称マルガモのようです。
頭部の緑色はマガモのオスの特徴なので、どうやらこのマルガモはオスみたいです。


◎カルガモ(右端と左端)とマガモのペア
マガモの雌(左から2番目)とカルガモはよく似ています。

今回見つけたマルガモは頭部の羽根の色が3色にはっきりと分かれていました。
マルガモのオスは個体によって頭部の緑色の出方が結構違うようなのですが、
この個体はかなりきれいな色の出方をしていました。

マガモは他の種のカモと異種交配をしやすいらしく
オナガガモとの子どもは『オナマガモ』というらしいです。
みなさんもぜひマルガモやオナマガモを探してみてはどうでしょうか?

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2011年05月06日『春到来!奥大山花の観察会』を実施しました。

大山隠岐国立公園 米子 米田美里

みなさん連休はどう過ごされましたか?
米子事務所では5月2日に奥大山鏡ヶ成において
『春到来!奥大山花の観察会』を実施しました。
今回の観察会のメインは鏡ヶ成の擬宝珠山に咲く、カタクリなどの初春の花です。

事前の下見と擬宝珠山登山道の整備時には雪がまだ多く残っていて
カタクリ咲くかな?大丈夫かな?と話していましたが
連休前半の暖かさで雪もずいぶんと溶けていました。
午前10時に集合し、休暇村奥大山から擬宝珠山へ出発しました。


◎擬宝珠山登山道から烏ヶ山。
正面にみえるやまが烏ヶ山(からすがせん)です。由来は鳥が翼を広げているようにみえる+遠くからだとカラスのように真っ黒にみえるから、だそうです。

途中、雪のまだ残っている部分を横目に見つつ、
ゆっくり植物の解説をしながら登っていきました。

登っていくと、イワナシやカタクリの群落につきました。
当日はイワナシの花のピークだったようで、たくさん咲いているところを見ることができました。
肝心のカタクリはどうだったかというと、
なんとか一輪咲いているものを見つけました!


◎イワナシの群落
たくさん咲いていました!

◎イワナシの花
小さくて可愛い花です。果物の梨のような実をつけます。

◎カタクリの花
一輪だけ咲いていました。カタクリは花を咲かすまで7~8年かかります。
カタクリは初春のほんの短い期間に花を咲かせ、6月ごろには葉っぱは枯れ、
光合成も終わり、あとの期間は地下の球根だけの状態になって1年を過ごします。
このように春の短い期間で1年分の地上でのすべての活動を終える植物を
スプリングエフェメラル《春の妖精》といいます。

擬宝珠山山頂はあいにく黄砂などでかすんで見通しは良くなかったのですが、
下り道ではコゲラなどの野鳥も観察できました。


◎擬宝珠山山頂

残雪で少し足下が悪かったのですが、
事故もなく無事終了することができました。
参加者のみなさま、ありがとうございました!

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2011年04月27日大山登山者カウンター始動!

大山隠岐国立公園 米子 米田美里

冬期撤去していた大山の登山者カウンターですが、
ゴールデンウィークを前に今年度も設置してきました!

大山では夏山登山道、行者登山道の2箇所にカウンターを設置しているのですが
まず、大山登山をするほとんどの方が使用する夏山登山道に設置に行きました。


◎夏山登山道には、まだ雪が残っている箇所があります。

◎現地に着き早速設置開始。
ちょうど設置箇所には雪がありませんでした。

◎約1時間程度で設置完了です。

さて、次は行者登山道に、ということで
設置箇所に行ってみると・・・

◎この標識が、(去年、6月の設置時の写真です)

◎こんな状態でした。(4月27日現在)

行者登山道は多いところで、まだ1.5mくらい積もっていました。
さすがに、この雪を掘って設置するのは無理・・・
ということで、今回は夏山登山道のみの設置となりました。
大山へ登山に来られるみなさま、ご協力よろしくお願いします。


◎今回、マンサクの花を2種類見ることができました。
通常、大山ではマンサクは3月中旬~4月初旬の花です。

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2011年04月26日大山に咲く花《初春》&観察会のお知らせ

大山隠岐国立公園 米子 米田美里

今年、大山では例年より花の開花が最大2週間程度遅いと言われています。
が、寒さにも負けずにきれいな花を見せてくれたものもあります。


◎ユキワリイチゲ

◎ミスミソウ

◎キブシ

◎サンインシロカネソウ

◎ダンコウバイ

春がくるのはもうちょっと先かな、と思っていましたが
大山にも着実に春が来ています。

米子事務所では5月2日に奥大山鏡ヶ成で観察会を行います。
鏡ヶ成にはまだ雪が残っていますが、
2日には雪の下から顔を出したばかりのイワナシやカタクリを見ることができそうです。
みなさんぜひご参加下さい!
くわしくはこちら↓↓
http://c-chushikoku.env.go.jp/to_2011/0419a.html


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2011年04月20日大山春の一斉清掃

大山隠岐国立公園 米子 米田美里

毎年4月の第3日曜日には、大山の春の一斉清掃が行われています。
今年も17日に大山寺、桝水原、鏡ヶ成、奥大山などで一斉に行われました。
68回目となる今回は、全会場合わせて約700人の参加がありました。
いつもは、大山寺の一斉清掃に参加している米子事務所ですが、
今回は一般参加者が少ない地域に、ということで
奥大山会場の一斉清掃に参加してきました。


◎この日の鍵掛峠もたくさん人が来ていました!県外車が多いです。

奥大山会場の担当は
大山一の展望地である鍵掛峠から、奥大山スキー場までの区間です。
車だと約5分でたどり着く道のりですが、ゴミを拾いながら歩くと約2時間かかりました!
意外と距離がありびっくりです。


◎ゴミを拾いつつ環状道路を歩きます。
 煙草の吸い殻やお菓子の包みなどが多かったです。

今回の一斉清掃で回収されたゴミは、活動全体で367袋、1100㎏も集まりました。
今年は珍しく雪の残る中での清掃活動でしたが
大山も恒例の一斉清掃が終わり、いよいよみなさんを迎える準備ができました。


◎大山寺会場の様子

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2011年04月18日3年ぶり。黒い船上山

大山隠岐国立公園 米子 米田美里

船上山は大山山系の東に位置し、
垂直に切り立った通称・屏風岩と呼ばれる岩壁が特徴の山です。
この船上山で、先週14日に3年ぶりとなる山焼きが行われました。
山焼きは主に草原景観の保全、害虫駆除などを目的として行われています。
船上山は大山山系の中でも草本植物の宝庫といわれているのですが、
それは草原環境が維持されることによって
背の低い草本植物にも日の光が届き、たくさんの植物が生育できるためです。


◎山焼き開始。
3年の間に増えたササが、バチバチと大きな音を響かせながら燃えていきました。


◎山焼きの遠景
山全体から煙がもくもくと上がっていました。
見物に訪れていた人もたくさんいました。


◎約5時間後、山焼きが無事終わりました。
真っ黒になった斜面が印象的。

かつて牛馬のための草刈地、茅葺き屋根の材料の採取地として
各地で草原環境が維持されてきました。
しかし現在では草原はその役割を終え、手間や危険が伴う山焼きを行う地域は減少し、多くの草原は雑木林へと遷移しています。
森林になった方が環境にはいいんじゃないの?という人もいますが
森林には森林の、そして草原には草原の生きものがいて
それぞれが豊かな生態系を作っています。
山焼きを行い、草原環境を維持することも大切なことです。

3年ぶりに真っ黒になった船上山を、ぜひ見に来て下さいね。

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