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アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

中国四国地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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大山隠岐国立公園 米子

239件の記事があります。

2011年04月07日春が来て

大山隠岐国立公園 米子 米田美里

いよいよ4月。新年度ですね。
米子にも、桜が咲きつつあります。

さて、4月になると大山では冬期閉鎖されていた
大山環状道路や大山スカイラインが規制解除になります。
今年はというと1月初めの大雪のせいか、
まだ一部閉鎖されている区間もありますが、徐々に除雪が進んでいます。
大山一の展望所である鍵掛峠は
伯耆町桝水原からの道路はまだ閉鎖中ですが、江府町御机からは除雪が終わり
規制が解除になりました。


4月5日の鍵掛峠。
カメラを持った人たちがたくさん訪れていました。


弥山頂上につながる斜面に、きれいなシュプールが残っているのがみえました。
この日、登山された方でしょうか。


鍵掛峠から桝水原につながる道はまだ冬期閉鎖中です。

鍵掛峠から、大山を見ていると
遠く、麓のブナ林の方からガガガ、ゴゴゴという除雪の音が。
伯耆町方面の環状道路も近いうちに規制解除になりそうです。

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2011年02月18日雪を知ろう!大山冬の観察会

大山隠岐国立公園 米子 米田美里

13日に大山で冬の観察会を行いました。
例年、スノーシューを使用し樹木の冬芽を見たり、動物の足跡などを探す自然観察会を行っているのですが、
今回は趣向を変えて雪と雪崩をテーマに雪の観察会を行いました。

誰も雪の上を踏んでない場所を探し、
断面が分かるように地面まで雪を掘っていきました。
約30分かけて、深さ2.5m、幅2m、奥行き1.5mの雪穴を掘りました。


◎掘った雪穴。2mは積もっているだろうな、とは話していましたが、実際に見るとやっぱり2mって凄い!

断面をよく見てみると、一度溶けて再び凍った雪と新しく積もった雪が
層になっている様子が分かりました。
また、雪の温度や密度が積雪の深さによってどう変化していくのかを調べたり、
表層雪崩が起こる危険度を把握するための、
層と層の接着の強さ調べる「弱層テスト」の方法を学びました。
その後、室内で雪崩のメカニズムのスライドショーを見ました。


◎雪の温度を計測中

いつもと違い、歩くタイプの観察会ではなかったので
「もう少しスノーシュー歩きたかった」との声も聞かれましたが
普段なかなか知ることの出来ない雪や雪崩について知ることができ、
みなさん喜んでいただけたようでした。

3月12日には奥大山鏡ヶ成で、大山で一番のブナの巨木を見に行く観察会があります。
夏の間はササに阻まれ、たどり着くことができない場所なので
是非この機会にみなさんご参加下さい☆
くわしくはこちら↓↓
http://c-chushikoku.env.go.jp/to_2010/0208a.html

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2010年12月28日いよいよスキーシーズン!

大山隠岐国立公園 米子 米田美里

23日に大山のスキー場開きがありました。
待望のスキーシーズン!今年の大山、積雪状況はどうかというと・・・


雪が・・・ない

今年はスキー場開きの数日前から雨が降り、
雪が溶けてしまい、雪のない中でのスキー場開きとなりました。

しかしご安心を!
スキー場開きではスキー客の安全とともに、豊雪も祈願したのですが
その甲斐あってか、週末から山陰では雪が降り、26日には今シーズン初めてリフトが稼働しました。
スキー場内のすべてのリフトが稼働するには、まだちょっと積雪が足りないようですが
年末年始にかけて、大山の天気予報は雪マークずらりと並んでいます。
いよいよやってきたスキーシーズン!
ぜひ大山で今シーズンの初滑りをしてください☆


◎神事の様子。米子所長も玉串を奉奠しました。

さて、今年ももう残り4日。
2010年に更新するAR日記は今日が最後になります。
今年をふりかえると一番印象に残っているのは
やはり鳥インフルエンザの発生でしょうか。
これからまだ5月末まで冬鳥の越冬は続きます。
これ以上各地で感染が広がらないことを祈りつつ・・・
みなさんよいお年をお迎え下さい!

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2010年12月19日野鳥との接し方

大山隠岐国立公園 米子 米田美里

冬になるとラムサール登録湿地である中海にはたくさんの渡り鳥がやってきます。
米子自然環境事務所では、その渡りの時期に合わせて
野鳥の生息状況調査を行っています。
これは、近年問題になっている鳥インフルエンザに感染した鳥がいないかを監視することを主な目的として調査しています。

11月の終わりに、島根県で高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出されました。
発生した箇所が中海の近くの養鶏場ということで、
米子自然環境事務所では中海での野鳥の監視を強化し、中海に近い宍道湖でも松江事務所が同様に野鳥の監視をしてきましたが
12月18日、米子市内で衰弱して死んだコハクチョウの幼鳥から鳥インフルエンザウイルスが検出されました。


◎中海を一周しながら野鳥の監視を行っています。


◎中海のマガモ

鳥インフルエンザウイルスは、
感染した鳥の羽や粉末状になった糞便を大量に吸い込むなどの
鳥との濃厚接触をしない限りヒトには感染しません。
日本では通常の生活において、前述のような鳥との濃厚接触はあまりないことから、鳥インフルエンザに感染する可能性は極めて低いと考えられます。
野鳥と接する際には、正しい情報に基づいた冷静な行動をお願いします。

◎野鳥との接し方◎
1.死亡した野鳥には素手で触らない。
2.野鳥などの野生動物の排泄物に触ったら、手洗い・うがいをする。
3.野鳥の糞が靴や車に付くと、鳥インフルエンザウイルスが他の地域に運ばれてしまうかもしれません。必要に応じて消毒を行い、野鳥に近づきすぎないようにしてください。

そして。。
もし同じ場所でたくさんの野鳥が死んでいたら、お近くの都道府県、市町村へ連絡してください!

ご協力よろしくお願いします。


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2010年12月15日登山者カウンターを撤去しました

大山隠岐国立公園 米子 米田美里

みなさんの地域はもう雪は降りましたか?
大山では先週末50cmの雪が降り積もりました。
もうすぐ大山でもスキー場開きがあります。
大山博労座に行くまでには融雪道路がありますが、圧雪になっている場所もあります。
これからの時期、大山に来られる際にはスノータイヤ、チェーンの装着をお願いします。

さて、11月の末で、7月から設置し稼働してきた大山の2つのカウンターを撤去しました。
大山では、カウンターが雪に埋もれ、その重さで故障するおそれがあるため
冬山シーズンにはカウンターを撤去することにしています。

カウンターを設置するまで、大山では登山者数を登山届の状況から、
年間約2万人とされていましたが、実際にカウンターで計測してみると
7月~11月の5ヶ月間で約42,000人の人が登っていました。
グリーンシーズンの始まる5月、夏山開きの行われる6月、冬山シーズンはカウントしないことと、大勢が連なって登る際にカウント漏れしてしまうケースがあることが分かっているので
私の推測では年間では60,000人近くの人が登っているのではないかと思います。

今回の計測で一番登山者の多かった月は8月の約12,000人でした。
この月はやはり花の時期、夏休み期間ということもあり平日でも多くの人が登っていました。
また、一番登山者の一番多かった日は9月19日(日)の1,432人で、秋の連休の中日でした。この日は紅葉を期待して登られた方も多かったのではないでしょうか。
ちなみに一番登山者の少なかった日は9月8日の1人。
初め、データの解析をした際、
「えっ?1人??」
と思いましたが、調べてみるとこの日は台風の来た日。。
カウンターの故障ではなかったようです。


◎夏山登山道、行者登山道の5ヶ月間の登山者数変化。やっぱり行者登山道は下り専用として使う人が多いようです。

5ヶ月間故障もなく頑張ってくれた登山者カウンター。
撤去はあっという間。30分でできてしまいました。
今年は準備もあって7月からの稼働でしたが、来年は雪解けを待ってグリーンシーズンに再び登山者カウンターを設置します。
出現したら
「ああ、今年も登山者数を測ってるんだなぁ」
と、ゆっくり一人ずつカウンターの前を通ってもらえたら嬉しいです。

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2010年12月13日国立・国定公園総点検にて保護候補地の三徳山を調査しました

大山隠岐国立公園 米子 米田美里

先日、国立・国定公園の総点検事業における候補地としての調査に
鳥取県三朝町の三徳山に行ってきました。
三徳山は国宝の投入堂があることで知られており、現在世界遺産登録運動を展開しています。

今回の調査は鳥取県の方や町の教育委員会の方々とともに行いました。
本堂の奥にある登山事務所を抜けると、すぐに宿入橋があり、
そこから霊場三徳山へと出発します。
登山事務所の横には、ハイヒールなど登山向きではない靴を履いていた人用にわら草履が売ってあり、遭難防止のために単独行動禁止などの看板が貼ってありました。


◎わらぞうり。実際にこのわら草履を履いている人を何人か見ました。


◎登山口には注意書きがたくさんありました。ここ数年、登山中に滑落事故などがあったことから、単独登山が禁止になったそうです。

木の根を足場に登るカズラ坂、岩塊をクサリを頼りに登るクサリ坂などの難所を通過すると
文殊堂、地蔵堂など次々と重要文化財である史跡が現れました。
この文殊堂と地蔵堂、岩塊の上に建っており、ぐるりと縁の下を歩けるのですが、
水はけをよくするために床はやや傾斜があり、手すりや柵もないので、
高いところが苦手な人にはかなり勇気がいるのではないでしょうか。。


◎カズラ坂。ジャングルジムみたいでした。なかなかの難所です。


◎文殊堂。下は崖、土足厳禁のため靴下で。さらに怖さが増しました。

鐘楼堂、納経堂、観音堂などを過ぎ、角を曲がると
とうとう国宝の投入堂が目の前に現れました!
平安時代の後期に建立された投入堂は断崖の洞窟の中に建ち、
千年もの間風雪、地震などに耐えてきました。


◎投入堂
名前の由来は修験道の開祖・役行者(えんのぎょうじゃ)が麓で造ったお堂を、法力によって断崖絶壁の岩窟に投げ入れた、という伝説からついたそうです。
現在でも、どうやって建立したのかわかっていません。

登山口から投入堂まで約1時間。
この短い時間の調査でたくさんの史跡、
植生もツバキなどの照葉樹からブナなどの落葉樹に変化を感じることができました。

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2010年10月20日大山頂上保全作業がありました

大山隠岐国立公園 米子 米田美里

前回の日記で、9月後半には大山の頂上保護活動が立て続けにあったと書きましたが
今回は「大山頂上避難小屋トイレの汚泥キャリーダウン」の数日後に行われた
大山頂上保全作業についてご紹介しようと思います。

この日、朝早く大山寺の博労座には、大山の頂上保全作業をするために
大山頂上を保護する会の構成員をはじめ、関係機関、公募のボランティアの方々70名が集まりました。

山頂では、三角点付近の外来種除去と植生復元のためのコモ伏せ作業、
山頂碑の裏の植栽作業、これまで頂上保全作業で使用してきた土嚢袋の処理などを班に分かれて行いました。


◎ヤマヤナギ植栽中


◎三角点付近のこも伏せ作業。
大山山頂の厳しい環境下で、飛んできた種が発芽・定着し易いようにコモ伏せを行います。


◎山頂小屋付近の外来種を除去してます。

大山で一番よく目にする外来種はオオバコです。
オオバコは日本というくくりで見ると在来種なのですが、
もともとは大山にはなかった植物なので、大山にとっては外来種といえます。
平地でよく目にするオオバコなどは、
登山者の靴などに種をつけて大山山頂まで運ばれています。

「外来種」と聞くと海外から運ばれてきた動植物を思い浮かべますが
たとえ「日本にとっては在来種」でも
その地域の生態系にもともといるはずのないものは「外来種」なんですね。
初めて頂上保全作業に参加したときに、
「え、オオバコって外来種だったの??」となったのですが
この説明を聞いて納得でした。


◎この日の大山。いまは紅葉が進んでます。


◎タンナトリカブト(ダイセントリカブト)の花がかろうじて残っていました。

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2010年10月18日大山トイレマナーアップキャンペーン

大山隠岐国立公園 米子 米田美里

9月後半は大山の頂上保護活動が立て続けにありました。
まず一つ目は、今回のタイトルの「大山トイレマナーアップキャンペーン」の一環である頂上トイレの汚泥キャリーダウン運動です。

大山の山頂避難小屋には3つトイレがあります。
このトイレに蓄積した汚泥を
ヘリコプターなどの野生生物に影響を与える方法ではなく人力で山麓まで運搬し、
登山でのトイレマナーについて考えてもらおうと3年前から始まった活動です。
今年の参加者は総勢300人!
今年も県内外から多くの方々が参加されました。

午前8時に博労座駐車場で開会式があり、
参加者の皆さんはリュックや服に参加者シールを貼り付け、続々と山頂へ向けて出発!
山頂で汚泥の詰められた2リットルのペットボトルを受け取り
午後4時頃に最後の参加者の方々が
ペットボトル回収地点である下山駐車場に到着されました。


◎一般登山者の方々と区別するために参加者の皆さんには参加シールが配られました。


◎キャリーダウン参加シールを貼った登山者が目立ってます。


◎山頂で汚泥の詰められたペットボトルを受け取ります。


◎記念にパチリ☆

当日は日曜日ということもあり、一般の登山者の方々も多くおられました。
わたしが参加者の誘導などをしていると
「今日は何か大会があるんですか?」と、多くの方に聞かれました。
趣旨説明をすると、みなさん「すごいね」「ありがとう」「当日参加はできるの?」と言って下さいました。
また、参加者の方には「来年も参加します!」と声をかけて下さる方もいました。

多くの人によって大山の自然環境は守られているんだなぁと実感した1日でした。

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2010年10月08日日本のいのち、つないでいこう! COP10まで10日前

大山隠岐国立公園 米子 米田美里

大山の秋の花“マツムシソウ”
【マツムシソウ目 マツムシソウ科 マツムシソウ属】

この時期、大山にたくさん咲いているかわいらしい薄紫の花があります。
大山周辺では特に桝水原と鏡ヶ成で見ることができます。
マツムシソウは山野の草原に生える2年草です。
名前の由来はマツムシの鳴く頃に咲くので『マツムシソウ』になった、というのが一般的です。
花の形を見てみると、キク科の花のように小さな花がたくさん集まって咲いています。


◎マツムシソウ:つぼみ状態。プツプツしたのはすべてつぼみです。

◎外側のつぼみから咲いていきます。

◎満開状態。外側についている花が大きく、特徴的です。

このマツムシソウ、かつて桝水原が牧草地として利用されていた頃には
多くの群落があったそうです。
しかし、戦後になり牧草地利用がされなくなると
それまで採草によって維持されてきた生態系が変わり、
さらには心ない人たちによる盗掘が絶えず数が激減してしまいました。
そのため、マツムシソウがたくさん咲いていたかつての風景に戻そうと
桝水原では毎年、地元の学校、自治会によるマツムシソウの植栽活動が行われています。


◎地元の高校生による今年の植栽作業の様子(10月8日)。雨の中みなさん丁寧に作業していました。

草原から森林へと環境や生態系が変化していくことはある意味自然の流れです。
でも、やはり昔から草原に親しんできた、そしてその風景を知っている人たちにとっては
草原の生態系こそが未来に残していきたい環境です。
森林には森林の生物多様性が、草原には草原の生物多様性が形成されています。
いろいろな環境、生態系が維持されることによってさまざまな生物多様性も維持されていくんですね。

生物多様性ホームページ 
http://www.biodic.go.jp/biodiversity/
COP10日本政府公式ウェブサイト
http://www.cop10.go.jp/
COP10支援実行委員会公式ウェブサイト
http://www.cop10.jp/aichi-nagoya/

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2010年09月28日「遊ぼう!学ぼう!鏡ヶ成自然体験とクラフト教室」を実施しました

大山隠岐国立公園 米子 米田美里

9月25日に「遊ぼう!学ぼう!鏡ヶ成自然体験とクラフト教室」を開催しました。
今回の観察会は鏡ヶ成の自然の中でゲームやクラフト作成などを通じ生きもののつながりを知ってもらおうと企画したものです。
さて当日、鏡ヶ成は大雨、強風、気温11℃と野外活動を行うには絶望的・・・。
そのため、野外での自然観察は中止にし、もともと室内プログラムだったクラフト教室を行いました。


◎クラフト作成に入る前に、簡単なゲームで生物多様性について学習しました。

さて、いよいよクラフト作成!
今回は鏡ヶ成に多く生えているススキを使ってフクロウを作りました。

◎みんな真剣!

その後はお昼ごはん作りです。この日のお昼ごはんはカレーライス!
みんなでキャンプ場の炊事棟へ移動し、飯ごうを使ってごはんを炊きました!お子さんたちはもちろんのこと、保護者の方も飯ごうを使うのは初めて、という方もおられました。
ごはんが炊きあがる間、笹を火であぶり笹茶を作ったり
簡単なゲームをしながら炊きあがりを待ちました。
飯ごうから泡が吹き出すともうすぐ炊きあがり!
うまく炊けたかどうか、気になります。

◎お米とぎは子どもたちに。ひ~冷たい~!といいながら研いでいました。
でもそのうち、お水につけていた方が手が温かく。。。

さていよいよごはんが炊きあがり、
室内に戻り、みんなで飯ごうを開いてみると、初心者とは思えない上手な炊きあがり!


◎自分で炊いたごはんはやっぱりおいしい!みんなたくさん食べていました。

ごはんを食べた後、まつぼっくりやどんぐりの木の実を使ったクラフトを行いました。
みんなアイデア満点!色々なものを作っていました。


◎同じ材料で作ったのにみんな顔つきが違います

最後に米子事務所の所長から命のつながり、生物多様性のお話があり
今回の企画は終了しました。
雨で予定していた野外活動ができなかったのは残念でしたが
寒い中のお米とぎなど、それもまた良い思い出になってくれたんじゃないかと思います。

日本のいのち、つないでいこう!【COP10まで20日前】
生物多様性ホームページ 
http://www.biodic.go.jp/biodiversity/
COP10支援実行委員会公式ウェブサイト
http://www.cop10.jp/aichi-nagoya/


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