足摺宇和海国立公園 土佐清水
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2016年09月02日【三崎小学校環境学習③】 川の生きもの学習1日目
足摺宇和海国立公園 谷吉萌
いよいよ学校が始まる9月になりました。
季節の変わり目があまりに暦通りで驚く土佐清水から、こんにちは。
さてさて、三崎小学校の環境学習 第3弾!
前回の海からフィールドを移し、お次は「川」の学習です。
今回は環境省と魚と山の空間生態研究所の共催授業で、 川の生き物を捕まえる仕掛けを一晩置くために2日に分けて行いました。
【1日目】
流れは ①教室で事前学習、ペットボトルトラップ作り
②川で仕掛け設置、定置網の漁獲量予想大会 です。
まずは教室で川の生きものについてのクイズをして、腕だめし。
これが、なかなかに難しい。川で遊んで生きものに興味を持っていないと、分からないんです。
たとえば「ウナギ」と「ドジョウ」と「ナマズ」。
なじみがあるけどよく知らなかったことに気づいたり、見分け方を新しく教えてもらったり。
他にも、魚やエビなど、いろいろな生きものについて、楽しく学びます。
そして工作作業。
2Lペットボトルを使って仕掛け作り。ひとり一つ、自分だけの仕掛け作りです。
カッターやキリを使う作業も危なげなくこなします。
ただ、ペットボトルの底はなかなか穴が空きづらく、子どもたちも大苦戦。
先生が、大人の知恵「ライターで熱したキリ」で次々解決していきます。
驚くべきスムーズさで作業終了。なんたって、みんなすでに水着です。
魚やエビがよくとれる仕掛けの置き方を最終確認して、川へ!
学校の近くを流れる三崎川。5分ほど上流に行ったところが、毎年の調査地点です。
が、今年は川の水が少ない・・いや、むしろ川がない!!
でも、水たまり状に分断された中でも、魚やエビは元気に泳ぎまわっています。
仕掛けを置くときのポイントを確認したら、いっせい放出!
どこに仕掛けを置こうかな・・・、とみんな探し回ります。
流れがほとんど無いため、上流・下流どちらにむけるか、
深いところ・浅いところ、どちらに置いたらたくさん入りそうか、考えながら置いていきます。
無事ペットボトルトラップもすべて仕掛け、つかの間、川遊びタイム。
この日最後のミッションは、上流と下流に仕掛けた2つの定置網、
どちらによりたくさんの種類の生きものが入るか、という予想をたてること。
①10人中2人がペットボトルトラップを仕掛けた下流側、小堰堤直下か。
②10人中8人がペットボトルトラップを仕掛けた上流側か。
みんなでよく観察して、予想します。
どうやら6:4で上流側と予想する子が多いようです。
この結果は、大人も誰も分かりません。
さてさて、どうなることでしょう??
【2日目へ】
2016年08月31日【速報】足摺宇和海のサンゴ白化状況
足摺宇和海国立公園 谷吉萌
先週とは打って変わって過ごしやすい気候になった土佐清水からこんにちは!
すっかりめっきり秋の空で、どうやら早々にクーラーにはお休みしてもらうことになりそうです。
さて、全国規模でニュースになっているサンゴの「白化」、みなさんの耳にも入っているでしょうか?
今年の春先にオーストラリアのグレートバリアリーフで大規模な白化が確認され、
日本でも、沖縄・鹿児島などで大規模な白化が始まっているとの報道がなされています。
そして、ここ足摺宇和海国立公園でも部分的な白化が多く見られるようになりました。
特に、水が温まりやすい内湾での白化が進行しているようです。
8月はじめの竜串モニタリングでは、部分的な白化があったことを紹介しましたが、
20日後、竜串の大碆ではミドリイシの白化が進んでいました。
8月23日、グラスボートから見えるサンゴはこのような状態です。
比較的浅いところにあるミドリイシ(卓状サンゴ)が白化しているのが見えます。
また、大月町の黒潮生物研究所から、大月町西泊の様子を情報提供していただきました。
(写真提供:黒潮生物研究所)
白化がかなり進んでいるのが分かります。
黒潮生物研究所 サンゴ研究者の目崎博士にこれらの白化状況と、今後の見通しについて伺いました。
ーーーーーーーーー以下 目崎博士のコメントーーーーー
先週までは30度近くあった海水温が、台風10号の影響で2度ほど下がり、
白化の進む危険水温ラインは一応脱したものの、
一度白化がある程度進行した群体は、少々水温が下がっても、
死にはしませんが、もう少し白くなることが多いです。
このまま水温が下がった状態が継続すれば、
1-3ヶ月でほとんどの群体はもとに戻ると予想しております。
しかし、また高水温になるようなことがあれば、深刻になるかもしれません。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー以上ーーーー
こういった白化状況など、サンゴの現況について誰でも投稿できるサンゴマップというサイトがあります。
白化情報はもちろんですが、ここは白化してないよ!という情報も重要ですので、
興味がある方、サンゴを見る機会がある方、ぜひこちらをのぞいて、情報発信してみてください!
サンゴを含めた生きものや自然に触れる機会を多く提供していくことも、
こういった異変に気づく「目」を養う機会を設けていくことも、
情報を発信し、共有していくことも、
必要だなと痛感するニュースです。
9/10 コーラル&フィッシュウォッチング
高知県大月町で行われるスノーケル体験イベントです。
大月のパークボランティアによるスノーケル指導から海のガイドまで!
たっぷり海で泳いで、サンゴや魚を見てみたい、という方はぜひどうぞ!
第26回CF参加申込書.pdf(詳細、申込方法に関しては上記ファイル参照)
2016年08月03日竜串deサンゴモニタリング!
足摺宇和海国立公園 谷吉萌
朝夕の涼しさが身にしみる夏日が続いていますね。
全国的に局地的な雨が降っていますが、みなさんのところは大丈夫でしょうか?
先週末の7月30日に、竜串でサンゴのモニタリングイベントがありました。
今年で3回目になるこのイベント。
サンゴやモニタリングに関する講習会と、実際に現場に出て行う野外実習を行いました。
まずは講習会。
竜串のサンゴの過去20年ほどの歴史をたどり、今現在の取り組みを伝えます。
こういった歴史になっていくデータをとり続けるひとつの手段がモニタリングです。
モニタリングの重要性を理解してもらったら、次のステップ。
モニタリングの方法です。
黒潮生物研究所でサンゴの研究をしている目崎さんが講師です。
サンゴの種類や異常の見分け方もふくめ、モニタリングについての説明があります。
サンゴの一生のなかで唯一、自分で動き回れる状態の「プラヌラ」も持ってきてくれました。
(写真の茶色い小さな点はすべてプラヌラ)
実際に動く姿をみると、以外と素早くていくらでも見ていられます。
種類、見分け方、被度の出し方、白化や食害の見方などなど・・・
覚えることがたくさんあって、初めての人にはなかなか大変です。
でもベテラン組もいるし、カンニングペーパーも用意されているので、何とかなるはず・・。
講習会は短めにして、着替えたら野外実習へ。
モニタリング地点は、竜串の「ミノコシ」と「爪白」です。
そして今年のモニタリング方法は「スポットチェック法」。
100mのメジャーを1本海底に張って、それを目印に15分かけて観察していきます。
(実際のスポットチェック法を少し簡易的にしたものです。)
ラインを張った状態。
白化が始まっているシコロサンゴ。
参加者の中には、大学生で初めてのフィールドワークであったり、
スノーケル自体初めてだという人もいましたが、
2度のモニタリングを通して、みんなで意見交換をする中で、
自然の変化や異変に気づくための視点が備わったように感じました。
また、今年は台風が少なく、ラニーニャの影響もあって
海水温が高いため、サンゴの白化が懸念されているそうです。
野外実習の後の最後のまとめでは、
そういった情報を得て、自分のフィールドでも注意していきたい、という声もあり、
何かしらの経験や知識を得ていることが伝わってきました。
おまけ
おや??何かが隠れていますよ?
2016年07月29日夏に行きたい国立公園スポット!
足摺宇和海国立公園 谷吉萌
今年は台風の発生数が少なめに予想されていますね。
いつも夏場は天気図とにらめっこしている足摺宇和海からこんにちは!
先日、愛南町にある無人島「鹿島」に現地確認に行ってきました。
晴れ晴れとした夏日に島に行くと、夏を強く実感します。
島に渡るには西海観光船の定期船を使います。
(運行期間など詳しくはこちら→西海観光船)
この日は海が凪いでいたので、ほとんど揺れを感じませんでした。
約20分ほどで到着。
鹿島の周辺には海中公園が点在しています。
さっそく、この日のメインのひとつである展望台を目指します。
展望台までの約2kmの道のりはヤブありガレ場ありでなかなかに険しい。
こんな風に足下が悪いところもあるので、
もし行かれる場合はちゃんとしたウェアとシューズを装備してくださいね。
案内してくれた愛南町西海支所の方の説明に耳を傾けながら歩いて行きます。
鹿島から高知県側の沖を見ると、沖ノ島までくっきりと見えます。
灯台のほうをみると「鹿島の瀬戸」が。
潮の干潮で複雑な流れになるのでこの名前がついたんだそうな。
○役場の方の話は地元ならではのネタがいっぱい!○
昔は集落のある周辺の林は薪炭材利用されていて、木が少なかったので
カブトムシなどを捕りに、わざわざ鹿島に来たこともあるそうな。
無人島ならではの自然があったんですね。
1時間強の登りで、みちみちイバラやブヨに悩まされましたが、ようやく到着。
大変だった分、展望台からの眺めは絶景です。
(展望台は手すりの腐食が危険なため、立ち入り禁止のロープがかかっています。)
眺望を堪能して一休みした後は、鹿島自慢のコーラルビーチでスノーケルです。
この鹿島では、シーウォーカーを利用した海遊びがさかんですが、
近年それを使ったサンゴ移植もイベントとして行っています。
(2016年7月14日(愛媛新聞8面)シーウォーカー×サンゴ移植の記事)
こういった保全活動によって、
海中環境がサンゴとそこに住む魚たちによって豊かに育まれていました。
今回は、夏を、島時間を、サンゴを満喫できる鹿島を紹介しました。
ほかにも足摺宇和海国立公園には楽しく遊べる自然が、たっくさんあるんです!
今後も国立公園のおすすめスポットをどんどん紹介していきますので、
ぜひ、旅行や休日の過ごし方の参考にしてみてくださいね~!
おまけ
鹿島にはシカやサルなどの野生動物がいますが、餌付けされているようで、
サルはかなり人になれていて、荷物を放置していると強奪しに来るので注意!
(写真中央・レジャーシートをかじるサル。)
2016年07月27日【三崎小学校環境学習②】 スノーケル体験授業
足摺宇和海国立公園 谷吉萌
夏真っ盛りの土佐清水からこんにちは!
暑くて今にも溶け出しそうな日々ですが、布団が干せてお日様のにおいをかぎながら眠れるのは最高ですね!
さて、7月21日に三崎小学校の環境学習のひとつにして
子どもたちのお待ちかねの授業、スノーケル体験授業がありました。
天気はどうなることかとひやひやしていましたが、夏らしい晴れの日に行うことができました。
今日はその様子をお届けします。
まずは集合して挨拶。
児童は5,6年生合同だったので21名と大所帯。
それに併せて講師も全員で7人!
メイン講師は竜串ダイビングセンターの佐野先生。
先生から、当日のスノーケルスポットで見られるサンゴや生きものについて説明がありました。
大事なことは、色、大きさ、形、泳ぎ方、動き方などをよーく観察すること。
3~4人のグループに分かれて早速海に入ります。
天気も良いし透明度も言うことなしで、まさにスノーケル日和。
講師の先生が、いろんな生きものを見せてくれました。
大丈夫な物は、潜ってとってきて、実際に触らせてもらいます。
トンガリが美しいニシキウズガイ科の貝。
触るとかちかちに固まってしまったナマコ!
他にも、クマノミやタカノハダイ、ソラスズメダイ、
ショウガサンゴ、エダミドリイシ、シコロサンゴなどなど
海の生きものが揃い踏みです。
小休憩を挟んだら、それぞれ自由に海に入ります。
潜る練習をする子もいれば、講師と一緒に再び生きもの観察にいそしむ子も。
中には砂風呂で暖をとる強者もいました。
授業とはいえのびのびと海に入り、生きものに触れる充実した時間が過ごせました。
これから海に川に、水遊びをすることが多くなると思いますが、
夢中になって生きもの探しをするのも、のんびり流れに身を任せてみるのもよい経験になると思います。
ただ、水難事故や熱中症には十分気をつけて遊ぶことを忘れずに!
たのしい夏を過ごしましょう~
おまけ
なにかが隠れていますよ?見つけられるかな。
2016年06月30日砂の中の宝物探し in 愛南町!
足摺宇和海国立公園 土佐清水 谷吉萌
先週末は、愛南町生涯学習課主催の「土曜ワクワク体験教室~砂の中のたからものさがし~」に講師として行ってきました。
梅雨まっただ中で天候が不安定なこの時期、雨を気にせずできるプログラムなので安心です。
今回は、愛南町の小さなトレジャーハンターたちのようすをお届けします。
この日のハンターのお目当ては海の砂浜に隠れる宝物。
高知県と愛媛県の砂を4種類用意しました。
浜の見た目は何の変哲もない砂浜です。
ハンターたちには、まだ何が「おたから」なのか分かりません。
もっと近づいて、よぉく目をこらすと見えてくる物。
この日記をご覧になった方はお分かりになったでしょうか?
「おたから」は・・・こちら!
砂粒と同じくらい小さい生きもののカラやかけらです。
自分の爪先と比べてみても、本当に小さいのが分かるかと思います。
これを顕微鏡や自分の目を使って、少しずつ探していきます。
30分という時間が短く感じるほどの集中力をみせるハンターたち。
目を皿にして探していき、ピンセットで器用につまみ、おたからGET。
研究者さながらの様子です。
グループ対抗で、見つけた宝物を使ったビンゴ大会もしました。
1~2年生だけのチームや4年生だけのチームと、学年に偏りがあって心配した物の、
ハンターに年齢は関係ないようで、低学年チームも優勝あらそいにしっかり食い込んできました。
この「砂の中の宝物探し」はただの楽しいトレジャーハンティングではなく、
海の豊かさを感じる遊びでもあるんです。
よく遊びに行く砂浜や近所の浜を、もう一度よーく見てみてください。
もし小さなちいさな生きものの殻やかけらが見つかったら、
それは、その海がとても豊かで、生きものがたくさんいると言うことなんです。
(写真は環境省 足摺宇和海国立公園のフォトアルバムより)
海へ遊びに行ったら、休憩時間にぜひ
トレジャーハンターになりきってみてくださいね。
2016年06月20日大月パークボランティア研修 開催しました
足摺宇和海国立公園 土佐清水 谷吉萌
梅雨前哨戦のような一週間が終わり、今週は本格的な梅雨週間になりそうです。
なんて言いつつ、昨晩の雨から一転、青空澄み渡る夏日の土佐清水からこんにちは!
先週末、18日と19日は足摺宇和海国立公園で活躍する大月パークボランティア(以下PV)向けに研修がありました。
17名の受講者がいた救急法研修。
今年の救急法はひと味違います。なぜなら、水上実習があるから!
大月PVは、スノーケリング指導やオニヒトデ駆除など、海での活動が多いため、
2~3年ごとにこの水上の救急法研修を実施しています。
まずは机上講座。
PV17名+保護官事務所から2名。講師は日本赤十字社高知県支部から2名。
総勢21名。なかなかの大所帯です。
毛布を使った効果的な保温の仕方も習います。
それぞれが3人一組で包み包まれします。蒸し暑い室内で。
午後は水上実習なので、早めのお昼でおなかに負担をかけないようにします。
それぞれが持ち寄ったすももややまももがテーブルに並び、舌鼓をうちました。
そして海へ移動。
まずは水に慣れるために、ゆっくり海に入っていきます。
講師の号令で一斉に左をむいて・・・水掛け~!
童心に返るPVのみなさんです。水に入ったとたん笑顔200%。
ちなみに二列になっているのは、前後でバディを組んでいるからです。
みんなでぷかぷか気持ちよく浮いているだけのように見えますが、
手首を返して水中から出すことで、自然と足が海面に持ち上がることを体験しているところなんです。
レスキューチューブを使った救助方法も。
まずは陸上で練習し、水上でもう一度。これがなかなか水の中では難しい。
戦士たちの休息。
なかなかハードな実習もありましたが、天気に恵まれ海日和だったこともあり、
みなさん喜々として水上訓練に取り組んでいました。
今回の研修と、これまでの経験で得た知識・技術を生かして、
大月PVのみなさんにはこの夏も、安全に、そしてたのしく、活躍してもらえそうです。
また、19日は大月PVへの新規登録希望者に向けて、新規養成講習&スノーケル講習がありました。
今年はなんと、4人の若手が参入です。
大月町役場や鵜来島など、近隣で活躍する若い人たちが入ってくれ、
これからますます賑わいそうな大月PV会になりました!
おまけ
今回の救急法研修で個人的に印象的だった、選り抜きの搬送方法を紹介します。
水中から陸上への搬送方法の一つ。
座学で見たとき、まさか実習ではやらないだろうと思っていたファイアマンズキャリー。
やりました。体格や筋力的に、女性には厳しいものでした。
一度潜って肩にうつぶせにさせるのは、かなりこつがいりますし、
何とか持ち上げても、波にあおられ前後移動ではなく左右移動のみだったり・・・。
「消防士担ぎ」とでも訳すのか、まさに心技体そろえてこそできる搬送です。
2016年06月06日【三崎小学校環境学習①】 竜串の海と生きものについて
足摺宇和海国立公園 土佐清水 谷吉萌
平成17年度から行われている三崎小学校の環境学習も、今年で12年目になりました。
この授業は、三崎地区などで自然を守る活動に取り組む人たちを先生に、
子どもたちに、自分の周りにある自然をもっと知ってもらおう、という取り組みです。
今日のブログは、5年生の第一回授業の様子をお届けします。
最初に5分程度のオリエンテーリング。
なぜこの授業が行われるようになったか、どういうことを知ってほしいかを簡単に説明しました。
そのあと、今日のテーマである、竜串の海と生きものについてのお話。
講師は黒潮生物研究所の中地シュウ先生。
授業は、土佐清水や竜串周辺の海の生きものに関するクイズとともに進みます。
全18問で、なかなか難しい問題もありましたが、おわってみるとほとんどの子が15問以上の正解!約83%の正答率です。驚異的な数字です。
クイズの他にも、生きたヒトデを実際に触れる時間もあり、
喜々としてすべてのヒトデに触ろうとする子もいれば、
クモヒトデの動きの早さにおののく子もいました。
ヒトデと一口にいっても、柔らかくて動きの速いものや、堅くてほとんど動かないものなど、いろいろな種類がいることがわかり、しかもゆっくり観察できるので、いろいろな発見がある時間でした。
もうひとつ大人気だったのが、サンゴ占い。
選択チャート式の占いで、自分が16種類のうち、どのサンゴになるかを占います。
この占いの狙いは、竜串周辺の海にいる約80種類のうち、少しでも身近に感じて覚えられることで、なんと中地先生の手作りです!
これが想像以上に当てはまるようで、子どもたちも夢中で自分が何サンゴかを見ていました。
環境学習第一回は、自分たちの周りの自然についての基本と、そこに住む生きものとの関わり方を学ぶ時間でした。
これで川・海・山、それぞれのフィールドに行くための準備はOK!
次の授業は、川の生きもの調べ。梅雨時で、天候に左右される授業ですが、はてさて無事授業はできるでしょうか・・・?
最後に、この授業で私が学んだことのひとつをご紹介します。
(地元の人にとっては常識かもしれませんが)
みなさん、土佐清水の市の魚ってなにかご存じですか?
土佐清水といえば、清水サバのサバ寿司!だと思ってたんですが・・・
「メジカ」だったんですね。別名ソウダガツオといわれ、特産品の宗田節もこのメジカから作られています。そう考えると納得の人選・・・ならぬ魚選ですね。
2016年05月30日とさしみず しぜんほごかん じむしょ について。
足摺宇和海国立公園 土佐清水 谷吉萌
みなさん、四国のはしっこからこんにちは!
土佐清水は、週末の雨から一転、からりと晴れた空模様の週明けとなりました。
足摺岬のヤブツバキの下には色とりどりのアジサイが咲き始めています。からりと晴れていても、週末の雨のせいか、大気中の湿度のせいか、少し汗ばみやすい気候です。
さてさて、梅雨の雨音がはやくも聞こえてきそうな足摺宇和海国立公園ですが、高知県と愛媛県にまたがるこの国立公園を管理するのが「土佐清水自然保護官事務所」です。
メンバーは、自然保護官(レンジャー)と自然保護官補佐(アクティブ・レンジャー)の2名が常駐。
前回の記事で予告したとおり、今回は土佐清水のメンバー紹介をしたいと思います。
まずは山下レンジャー
山下淳一[Junichi Yamashita]
前任地・小笠原諸島からやってきた新婚さんです。GWには挙式という人生の一大イベントを迎えました。出身は徳島県で、超高速長距離ランナーです。めがねを外すと年齢不詳な頼れる保護官です!
そんな山下保護官から一言
4年ぶりに内地に復帰しました。「土佐清水、不便でしょ?」
といわれますが、スーパー、ホームセンター、コンビニ・・・
何でもあってすごく便利です(笑)
この国立公園のよさを、もっとたくさんの人に知ってもらえるように、
いまはまだ、自分の目で見て勉強中です。ダイビングのライセンスもとりました。
早く慣れて、「この人にきてもらえてよかった」
そんな仕事ができるようがんばりたいと思います。
続いてわたくしアクティブ・レンジャー
谷吉萌[Moe Taniyoshi]
出身は四万十市、ルーツは土佐清水にさかのぼるジモティー。大学時代から国内外をふらふらして戻ってきた元ワンダーフォーゲル【独:渡り鳥】部です。
地元とはいえ知らないことばかり。これからスポンジになって、専門知識・技術を身につけていきます!
このフレッシュなメンバーで、足摺宇和海国立公園を駆け回りますので、
どうぞよろしくお願いします!
どうやら台風12号が「この季節らしい」経路で北上するようです。(おもしろい表現です)
まだ一度も台風上陸のない土佐清水から、こんにちは。
さてさて、三崎小学校の環境学習 第3弾!「川の学習」2日目です!
1日目は、川の生きものクイズをして、ペットボトルトラップを作り、実際に三崎川に仕掛けをおきました。
(前回記事はこちら)
今回は、一晩たって、仕掛けをあげた結果をお送りします。
(1日目同様、環境省と魚と山の空間生態研究所の共催で実施しました。
※なお、この授業は魚と山の空間生態研究所が受領している高知県特別採捕許可を用いて実施しており、観察後は魚類・エビ・カニ類をすべて再放流しています。)
【2日目】
流れは ①ペットボトルトラップをあげ、捕獲した生きものを調査
②定置網をそれぞれあげ、捕獲した生きものを調査 です。
さっそくペットボトルトラップを引き上げます。
空気と水抜きの穴から水がこぼれ落ちるので、慌ててバットに向かいます。
今年のペットボトルトラップは98%くらいエビでした。
早速昨日教えてもらった知識を生かし、ヒラテやミナミ(ともに、テナガエビ)を見分け。種類や数を記していきます。
そのあとは小型定置網引き上げ。
水が静かだったから、一晩おいたとは言え、入っているかは分かりません・・。
それぞれ、前日予想した方の網をあげていきます。
別々の水槽に出して、種類を分けていきます。
まずは子どもたちだけで、見た目で分類していきます。
「これヒラテ」「ミナミさんどこ入れるー?」
と、かなり慣れた様子で分けていきます。
最終的には、少数派の①に10種類、②に9種類という結果で、
数を数えてみると、②に2倍以上のいきものが入っていたことが分かりました。
また、それぞれに共通するものや片方にしかいないもの、
両方にいるけど、圧倒的に①に多い生きもの、など
興味深い生きもの分布が見えてきます。
最後にまとめと一人ずつ簡単に感想を。
みんな、初めてのペットボトルトラップや定置網で、意外と魚が捕れることに驚いていました。
また、設置した場所によって生きものの種類が違うことなどを挙げている子もいました。
授業始めに、山下先生が「日本の川だけを抽出しても、大体の日本地図が見えてくる」ということを、図解してくれました。
今の暮らしは、川そのものが生活に直結していることは少なくなってしまいましたが、
この授業を通して、川にすむ生きものや、山から海へと繋がる生きもののすみかとしての川を、
すこしでも自分の目で見て、考えてもららいい機会になったのではと思いました。
次の環境学習は、グラスボートで海へと乗り出します!
サンゴを取り巻く自然環境の変化は、まさに山・川・海そして里の移り変わりそのもの。
自分たちの暮らす地域の自然を知る、良い機会になる授業です。