ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

中国四国地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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足摺宇和海国立公園 土佐清水

298件の記事があります。

2011年06月24日利用者カウンター2号機設置

足摺宇和海国立公園 土佐清水 新堀麻子

通過した人数を把握できる利用者カウンター。
事務所に2台あり、ようやく2台目を設置しました。



コンパクトに設置

設置場所に様々な案は出たものの、最終的にはもう一台足摺岬周辺に設置することになりました。

足摺岬には歩道が枝分かれしておりどこを通っても県道に戻ることができます。
そのため、利用者を把握するのは非常に難しい。
そこで、もう一台を別のルートに設置し、利用者の状態をできる限り整合してみようというものです。

新しく設置された道標の影響も見られ、ジョン万次郎像の前を通らず、旧道を通って展望台まで行く人がいるという情報を受けていたためもありました。

2機目のカウンター

海開きもまもなく。
観光シーズンに向けて2台のカウンターをフル稼働させ、今後の利用者動向を見ていきたいと思います。
みなさん優しく見守りつつ、通った際にはカウントされた!と感じてください(笑)。

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2011年06月22日〔環境月間〕「リサイクル工作教室」

足摺宇和海国立公園 土佐清水 新堀麻子

6月は環境月間です。
今年も図書館と連携させていただき、環境に関するプログラムを行うことになり、18日に「“もったいない”をきわめよう!リサイクル工作教室」と題して行いました。

環境月間プログラム

すぐに何でも買える便利な世の中ですが、ゴミの減量について考え、自宅にあるものを使って工夫して何かを作ってみようというもの。
今回は牛乳パックとペットボトル、空き瓶等を持ってきてもらい、リサイクル工作教室を始めました。
参加者は小学1~6年生とその親の計12名、雨の中足を運んでくださいました。

今回リサイクルの話しとして使った資料は下のパンフレット。


これは、瀬戸内海の海ゴミ教材資料ですが、ここ足摺宇和海国立公園もほとんどが海の公園。土佐清水市に住む参加者にとっては身近な問題なので取り上げました。
(海底ごみに関する補助教材 http://c-chushikoku.env.go.jp/to_2010/1025a.html )

リサイクル工作の一つは、空き瓶にペイントするキャンドルカバー。


もう一つは、ペットボトル虫かごづくり。
※イメージとして折り紙で作ったカブトムシを入れました。



キャンドルカバーは、油性マジックで星やハートや太陽など好きずきに挿絵していきました。

あとは乾かして中に砂を入れてキャンドルをのせればできあがり。

虫かごは、こだわればこだわるほど時間のかけられる工作かもしれません。


ペットボトルや牛乳パックを切って組み合わせ、輪ゴムと竹ひごで止めて首から提げられるようにヒモ(リボン)を通したらできあがり。

今回は時間の関係で何とか形を整えた感じ。

児童作成の虫かご

家で作るときは好きな包装紙や余り布でカバーしたりなどオリジナル虫かごを作って、梅雨明けと同時に元気いっぱい虫採りに駆け回ってほしいですね。

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2011年05月30日竜串湾流域のにごり

足摺宇和海国立公園 土佐清水 新堀麻子

今年はやや早めの梅雨入り。
四国も5月26日に梅雨入りしました。
平年より10日ほど早いようです。

台風2号が接近したこともあり、土佐清水でもまとまった雨が降りました。
しばらく水が不足気味で川に水が流れていなかったので恵みの雨となったところもあるかもしれません。

竜串自然再生事業の関連として、竜串湾へ注がれる川の定点撮影を行っています。

今年(台風2号後、5月30日撮影)

今回の累計降雨量(5月26~29日)は、三崎で185mm。
(国土交通省 川の防災情報参考 http://www.river.go.jp/nrpc0303gDisp.do?mode=&areaCode=88&wtAreaCode=7431&itemKindCode=901&timeAxis=60

先日台風2号が来て、泥土の流入が心配になりましたが、今回の影響はほとんどなかったようです。

平成13年の西南豪雨時が顕著でしたが、大雨が降る度に三崎川を経由し泥土の混じった濁り水が竜串湾へ大量に流入していました。
その泥土が湾内のサンゴや魚など海洋生物の生息に影響を及ぼし危機的な状況に追い込まれたことをきっかけに自然再生事業が始まりました。
地域住民、専門家、関係団体、行政などが協力し竜串湾の自然環境再生を願って現在も活動中です。

海では海底に沈んだ泥土を除去し処理する作業を続け、山では過密になっているスギヒノキ林の間伐を続け、河川では治山ダムや川にたまった土砂を取り除いたり水質調査などを行い状況を把握しながら、森・川・里・海の竜串湾流域約8100haで広域な取組が地道に行われていました。

その甲斐あってか、100mmを超える累計降雨量があっても、最近ではひどく濁った水が流入することが減ってきているようです。
多少濁っても半日程度で濁りは落ち着いているようです。
まったく同じ条件での比較ではないので明らかなことは言えませんが、
定点撮影より抜粋した経過変化はこんな具合。

2006年

2007年

2008年

2009年

2010年

森川里海でそれぞれの地道で継続的な活動があり、その結果が今日に表れているものと思います。

※正式な水質調査は外部業者により行われていますが、当所でも視覚的な変化観察として定点撮影をして見守っています。

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2011年05月23日〔滑床渓谷〕シャクナゲあたり年

足摺宇和海国立公園 土佐清水 新堀麻子

先日、滑床渓谷から山をぐるっと一周するコースに行ってきました。

今年は雪が多かったので、全体的に春は遅め。
淡い緑を楽しむことができました。

ほんのり淡い新緑の滑床渓谷

鬼ヶ城山系の三本杭周辺は、シカの食害が著しい場所のひとつ。
そのため、ササを回復させるための防鹿柵があります。
ササの回復の様子をおさめるため、定期的に定点撮影を行っています。

三本杭のたるみ(定点撮影位置)

少しずつではありますが、着実に地下茎を伸ばしているのがわかります。
焦らずゆっくりじっくり地表を覆っていってほしいものです。

その帰り、三本杭から御祝山経由で万年橋まで戻るコースにシャクナゲ群生地があります。
時期的に遅いかなと思いましたが、見事満開のシャクナゲを見ることができました。

シャクナゲ満開

赤っぽいのもあれば、白っぽいものも・・・

右も左もピンク色。
目に飛び込んで来ると疲れもふっとびます。

今シーズンこれだけ頑張って花芽をつけ、たくさんの花を咲かせているので来年はどうでしょうか?

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2011年05月12日三崎小学校 平成23年度「みどりの日」自然環境功労者環境大臣表彰

足摺宇和海国立公園 土佐清水 新堀麻子

環境省では、自然環境保全について国民の認識を深めることを目的とし、平成11年度から毎年度、自然環境保全に関して顕著な功績があった方を表彰しています。
保全活動部門、いきもの環境づくり・みどり部門、自然ふれあい部門、調査・学術研究部門、国際貢献部門の5分野です。

平成23年度「みどりの日」自然環境功労者環境大臣表彰は、全部で35件(個人17件、団体18件)が選出。
今年度被表彰者一覧
http://www.env.go.jp/press/files/jp/17308.pdf )

「自然ふれあい部門」で10件の受賞があり、そのうちの1件に土佐清水市立三崎小学校が受賞しました!

表彰状

この学校では平成13年より、地元施設の足摺海洋館協力の下、4学年を対象とし海の生きもの学習が展開されていました。
竜串にて開始された「竜串自然再生事業」の普及啓発のため当所からの協力依頼にも賛同いただき、平成17年より5学年での自然環境学習を開始。
地域の方々を講師に迎え、海・川・山・人・生きもののつながりを学び考えるきっかけを提供しています。
次世代を担う地域の人材育成を目標として現在も継続しています。

本来なら東京にて環境大臣より表彰されますが、今回は東京での表彰式が中止になりました。
そのため大臣代理として中国四国地方環境事務所所長より賞状と記念品を児童に渡すことになりました。
学校にてその表彰状伝達式が行われ、所長挨拶ののち表彰状伝達を行い、三崎小学校校長からもご挨拶をいただきました。

徳丸所長より児童へ表彰状伝達

三崎小学校校長、勝間先生よりご挨拶

式には環境学習の講師を務める方々も数名出席されていましたが、3月に行われた校内発表会を基に6年児童が環境学習で1年間学んだことを発表し振り返りました。

6年児童より環境学習について発表

最後に、土佐清水市教育委員会の教育長を務める村上氏よりご挨拶いただき、式は無事終了しました。

市教育委員会教育長、村上氏よりご挨拶

当所が関わり始めて早6年。
これらの環境学習を通して、竜串の自然を含めた地域を熟知し、ふるさとを愛する人に成長していってほしいですね。

全校で受賞を記念して

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2011年05月09日〈篠山〉アケボノツツジ 今年の花は・・・

足摺宇和海国立公園 土佐清水 新堀麻子

毎年、ゴールデンウィークあたりが花の見頃ピークを迎えるアケボノツツジ。今年は全国的にも雪が多かったのは皆さん記憶に新しいかと思いますが、ここ篠山も常緑広葉樹の多い森は雪の重みでくったりと腰を曲げた木々ばかりでした。
(冬の様子 http://c-chushikoku.env.go.jp/blog/2011/01/21/index.html )
そのためか春の訪れが若干遅れており、4月の中旬でみぞれが降る始末。

天気がよいが、まだ蕾がほとんど

今年のアケボノツツジはいかようだったのでしょうか??
開花状況を昨年との比較してみます。

4月29日での花付きの違い(左)今年(右)昨年

5月3日の山頂 (上)今年(下)昨年

こう見ると、昨年はそれなりに花が咲いていたのだなと実感。
2008年の表年を見てしまうと、例年裏年に見えてしまうの良くないですね。
アケボノツツジも強風や乾燥に耐え頑張っているのだから・・・。
(2008年の篠山の様子http://c-chushikoku.env.go.jp/blog/2008/05/03/index.html)

今年は連休の真ん中はあまり天気に恵まれませんでした。
それでも雨の中、雨具を着込んでアケボノツツジを見に足を運ぶ方々が割といらっしゃいました。

5月3日あいにくの雨

登られている方々とお話した印象では、「今年初めて来た」という声が多かったことと、昔の登山道を使ってひたすら徒歩で登ってきたということでした。(大概の人は車で一番上の駐車場から1時間ほどかけて山頂を目指すコースです。)

約30年前までは、腰から胸の高さぐらいまでササがあったと聞いています。
今や山全体が下草の少ない状態。
登山道としては非常に歩きやすく、ササなどがないことに違和感を感じないも無理ありません。

様々な方々と話していて思うことは、やはり今山が置かれている状態を知らないということ。
ササが繁茂していた頃の写真を見せると立ち入り禁止のお願いも納得してご協力していただけるので、今後も何らかの形で繰り返し伝えていく必要があると感じました。

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2011年04月28日滑床山開き式典と記念講演

足摺宇和海国立公園 土佐清水 新堀麻子

ゴールデンウィークを目前に控え、これからシーズンを迎える滑床渓谷は探勝者が増えていきます。
その前に、探勝者の安全と観光振興を祈願し滑床山開き式典が行われます。
今年は4月26日に行われ、宮司さんや報道陣、来賓等々合わせて総勢約70名が出席。

祝詞奏上や玉串奉奠、目黒緑の少年隊による渓魚放流などの神事が滞りなく行われました。




その後、松野町長を始めとし、愛媛南予地方局長、愛媛森林管理署長、宇和島市長の挨拶が続き、自然保護官も国立公園としての滑床渓谷について挨拶をしました。

保護官あいさつ

また、滑床渓谷にある森の国ホテルは、オープンから20周年を迎え、それを記念した式典がホテル内で開催されました。
リクルートのじゃらんリサーチセンターのセンター長による「観光マーケット最新動向と観光地が今すぐ始められること」という題目での講演会です。

20周年記念講演

調査されている各都道府県データを元に分析をされており、全国や四国、各県との比較など興味深い内容ばかり。
2010年最新の愛媛と高知のご当地データ資料もありました。

観光に対する懸案事項や売りなどは県民性や土地柄などで大きく変わります。
どこを強みにし、どこを強化していかなければならないかのヒントがこの講演会の中に隠れているような気がしました。

ゼロをプラスに、またマイナスと思われるところをプラスに変えられるような原石は各地にたくさんあるはず。
それらを発掘してご当地愛でピカピカに磨き上げていきたいですね。


冬に雪が多く今年は遅めの春となりましたが、この日は晴れて青空が広がり、暖かく穏やかな日でした。

芽吹きの滑床渓谷

春を感じさせてくれる芽吹きや様々な花、オタマジャクシやカナヘビなどの生きものも活動開始です。

足下に春の訪れ

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2011年04月13日足摺岬リニューアル

足摺宇和海国立公園 土佐清水 新堀麻子

すでに夏が始まりつつあるような紫外線の強さを感じる土佐清水です。
足摺岬周辺では、ウバメガシの花が満開です。

足摺岬周辺はウバメガシの花が満開

紹介が遅くなりましたが、
足摺岬の歩道や園地がリニューアルしています。

目立つものをいくつか紹介。
1つめ。
天狗の鼻にあったあずまやが一新しました。
以前のものは、老朽化が進み、コンクリート製の擬木の柱は風化しつつあり、柱の中の鉄筋がむき出しになったりしていました。

写真上:以前の老朽化したあずまや
写真下:現在リニューアルしたあずまや

それを撤去し、高知県産杉材を使った木製のあずまやに一新。
足摺岬を眺めながら、ここでお弁当を広げてもよいかもしれません。

また、現在の擬木製の手すりの外側に見えていた昔の手すりの残骸や、現在使われなくなった水場も撤去。
全体的にすっきりとした天狗の鼻の休憩所になりました。

2つめ。
鳩山一郎氏直筆の石碑のある広場にも、あずまやがありました。
これも老朽化により撤去され、今はベンチが設置してあります。

撤去された四阿の変わりに木製ベンチ
ひなたぼっこに良さそうです

そして、3つめ。
夜になると真っ暗な足摺岬先端部の道路は、懐中電灯なしでは出歩くことが難しい状態でした。
周辺に宿泊している方々に夕方も散歩してもらいたいという思いから、道路脇の歩道沿いに足元を照らす石明かりが設置されました。

歩道沿いに点々と並ぶ石明かり


足摺岬の夜の様子は、また別の機会に紹介したいと思います。

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2011年03月18日〔グリーンワーカー事業〕篠山の防鹿試験柵設置

足摺宇和海国立公園 土佐清水 新堀麻子

毎年行われている篠山のグリーンワーカー事業。
なかなかササの回復が進みません。
ササが地表を覆っているものの、未だに背丈が伸びていない篠山です。

今年度は、防鹿試験柵を設置しました。
柵の囲いサイズは、4m×4m。

防鹿試験柵設置作業中の様子





アケボノツツジをぐるっと囲んだところや斜面、尾根などの環境の違う3箇所に設置しました。

また地元団体により、お馴染みの歩道のコモ敷きも行われています。

コモ敷き

微量ではありますが着実にササは地表を覆いつつあります。
まだ基礎の基礎といったところでしょうか。
焦らずじっくりゆっくり生長し、以前のような姿になることを期待したいですね。

とはいえ、少しでも早い回復はうれしい限りです。
そのためにも地元の方々とも協力して防鹿柵の見回り等の強化をする必要があると感じます。

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2011年03月07日第10回環境学習「校内発表で伝える!」三崎小学校

足摺宇和海国立公園 土佐清水 新堀麻子

3月3日(木)に三崎小学校の校内発表会がありました。
総合学習などで一年間学んできたことを他の学年や保護者の前で発表するというものです。

各学年約15分間、練習の成果を発揮します。
1年生から順に発表していき、朗読や劇、縄跳びなど様々な発表がありました。
個性あふれる発表に会場からは笑いも多々あり。

当方が環境学習で関わっている5年生は、「ミソ造りで学んだダイズについて」と「環境学習について」の2部構成での発表でした。

一人一人堂々と発表

10回の環境学習を終え、各回で様々な講師との出会いの中で学んだことを
児童一人一人が写真や絵を見せながら発表しました。
お世話になった講師の方々に見ていただきたいものの、平日ゆえ出席が難しいのが残念なところです。
校長先生から成長したな~とコメントがでるほどの堂々とした姿でした!

この発表でひとまず今年度の環境学習のしめとなりますが、天候や諸事情により予定していた授業で幾つか実施できていないものがあります。
学年が変わるまでの残りわずかな隙間をねらって、補習授業ができるように調整していこうと思います。

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