ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

中国四国地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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足摺宇和海国立公園 土佐清水

298件の記事があります。

2011年10月19日第7回滑床山植生回復現地検討会

足摺宇和海国立公園 土佐清水 新堀麻子

10月18日、快晴。
愛媛と高知の県境に位置する鬼ヶ城山系の滑床山(三本杭)で、シカ食害によるササの喪失の回復に関する現地検討会がありました。



有識者として(独)森林総合研究所四国支所より奥村栄朗氏、関係機関として愛媛県、宇和島市、松野町、四万十市、四国森林管理局、地元関係者として滑床を愛する会、しまんと黒尊むら、森の国ホテル等、総勢約40名。
八面山登山口より防鹿ネット柵設置箇所経由でたるみ、滑床山山頂(三本杭)のササの回復状況を確認していきました。

森林総合研究所の奥村氏による解説
随時、奥村氏などが解説を挟んでくださいます。
防鹿ネット柵設置からの植生回復の経緯やササの種類による回復度の違いとその要因、シカの食さない植物の繁茂など、話は多岐に渡りました。

滑床山には、ミヤコザサとスズタケの2種類のササが生えています。
同じ時期に設置した防鹿柵でも、この2種類の回復スピードは全く違います。

柵内のスズタケ

柵内のミヤコザサ
その理由は生長過程。
地下茎を伸ばし増えていくミヤコザサに対し、スズタケは新芽など地表に出ている部分が食べられてしまうと枯れてしまうからです。
そのため、元々ミヤコザサが生えていたところに設置した柵内とその周辺にはササの回復が見られています。
柵内のササの背丈と葉の大きさが歩道を挟んだ向かい側の林床のササとは明らかに違うのがわかります。

しかし、よく見ると柵外の周りも同じくしてササが背丈を伸ばしています。
これはなぜ?!
そこには、こんな理由があげられていました。
理由その1:シカが柵を警戒して近づいて食べないから
理由その2:柵で囲われたことにより食害圧を受けないササの生長力が発揮され、地下茎により栄養が送られ柵を飛び出し生長している
ということが考えられるようです。

たるみおよび三本杭でもササの生長が見られます。


といっても、まだまだ土が露出している部分も多く残っており、まだまだ経過を見ていかなければなりません。


柵外の林床は、すっからかん

土が露出しすっからかんの林床と柵内の青々と回復してきているササ。
日本全国的な問題でここだけのことではないですが、防鹿柵を増やし続ければきっと林床は青々と戻っていくことでしょう。
しかし、根本的な問題を解決していかなければ柵を外したときにまた同じことを繰り返すことになってしまいます。
シカの頭数管理の方策など課題はつきず、何がベストか一概には言えません。
山でも海でも自然環境は一部だけを考えればよいわけではないゆえ、様々な意見を皆で出し合い進めていくしかないですね。

追記)
秋風気持ちよく林内を散策するも、今年は台風が多かったせいか実りが少ないように感じました。
木によっては朱や黄色に紅葉しているものもありましたが、全体的な色合いは“わびさび”を感じるものでした。

台風の影響か今秋は紅葉も実りもいまひとつ??

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2011年10月17日〔三崎小学校環境学習〕H23-6「グラスボートで見残しへ!・・・」

足摺宇和海国立公園 土佐清水 新堀麻子

10月17日、三崎小5年の環境学習の第6回目「グラスボートで見残しへ!海中と奇岩観察」を実施しました。
グラスボートに乗り、海中のシコロサンゴなどの生きものと、見残し海岸の様々な奇岩を観察していきます。
今回の講師は、毎度おなじみの竜串観光汽船の船長、竹葉さんです。
(竜串観光汽船 http://www.kankosen.ecnet.jp/ )

例年はまだ太陽がギラギラしている頃にこの授業を行っていましたが、今年は天候に妨げられ10月入ってからの実施となりました。
さすがに10月も半ばになると秋の空。
太陽は穏やかな光を照らしてくれました。

今年は西南豪雨災害からちょうど10年。
この5年生児童たちが生まれた年に起きた大きな災害で竜串湾内の生態系にも大きく影響しました。
災害を目の当たりにしその回復のため活動を続けてこられた竹葉船長は、それらも伝えるべく今年は授業内容をさらにひとひねり。
自転車で移動してきた児童を落ち着かせ、まずはお話から。

海の生き物から山と海のつながりを知る

土佐湾のクジラや食物連鎖による生きもののつながり、よさこい節の歌詞内容についてなど話は盛りだくさん。
西南豪雨災害で竜串湾への土砂の流入により海が大変なことになった実体験をふまえ、「森は海の恋人」を題材に“山と海のつながり”についての話もありました。

次は、乗船場へ。
しかしまだまだ船には乗りません。
今度は、現代から地球誕生の46億年前へタイムスリップ。
地球の歴史を50mメジャーの距離で確認しました。

地球の歴史を距離で体感

竜串の不思議な奇岩も長い時間を経て形成されたことを知りながら、待ちに待ったグラスボート乗船!
高知県の天然記念物に指定されている見残し湾のシコロサンゴ。
その周りにいる海の生きものを過去の授業のおさらいをしつつ観察していきました。

落ちんばかりに船底のシコロサンゴ群集に見入る

見残し海岸へ上陸しお昼間近だったため、人魚御殿の奇岩まで直行。
おのおの気に入ったところでお弁当を広げました。
早々に食べ終えた児童には、周りの岩々はアスレチック同然・・・。
蜂の巣城や屏風岩など迫り出したダイナミックな奇岩を楽しんでいました。

見残し奇岩をゆく

途中に見残し展望台へ立ち寄り、竜串湾を一望。

展望台より竜串湾

奇岩に含まれている生きものや波などによって形成された様々な化石探しをして授業は終了となりました。

奇岩の中の化石探し

様々な化石が見られる竜串の奇岩
波の化石(左)と貝の化石(右)

写真の化石や奇岩は竜串のごく一部。
まだまだ未発見の化石が隠れているはずです。
奇岩の化石探しも竜串海岸のツウな楽しみ方の一つですね。

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2011年10月11日〔イベント・シンポジウム〕黒潮生物研究所開所10周年記念

足摺宇和海国立公園 土佐清水 新堀麻子

お世話になっている関係機関の一つ、黒潮生物研究所。
(黒潮生物研究所 http://www.kuroshio.or.jp/)
その研究所が今年で開所10周年を迎えました。
記念イベントとして、10月8日に高知市内にて「黒潮生物研究所開所10周年記念イベント」が開催されました。

題して「歌おう!さわろう!海の生きもの」です。

“歌う生物学者”として有名な本川達雄氏(東京工業大学教授)と久保田信氏(京都大学准教授)がゲストでした。
本川先生の基調講演「海は生命(いのち)のゆりかご」では、ナマコやウニ、サンゴを例に、その生態から生きもの同士の関わりのお話。

左)本川達雄氏(東京工業大学教授)
右)久保田信氏(京都大学准教授)

途中途中に自作の生きものの歌がはさまれ楽しいひととき。
久保田先生も加わりお二方による「歌で知る生きものの世界」。
・サンゴのタンゴ(サンゴについての歌)
・2人は仲間(共生関係についての歌)
・地球の住民(動物門・40門をおぼえる歌)
・ベニクラゲ音頭(ベニクラゲは不老不死についての歌)
・・・他、数曲。

四国の海の生きものを語る

黒潮生物研究所所長の岩瀬氏は、「映像とトークで学ぶ四国の生き物たち」として四国の海の生きものの世界を紹介されました。
危険な生きものから、おいしい生きものまで様々。
とってもきれいな映像をもとに四国の海中を楽しむことができました。

また、講演会場の外では、パネルの展示やタッチングプール、顕微鏡で観察するコーナーがあったり、

海の生きもの観察コーナー

クラフトコーナー

サンゴの粉でとる手型色紙作りやサンゴの骨スタンプ、貝のフォトフレーム作りなどの工作コーナーがありました。
幼児から大人まで体験して学べる場となっていました。


また次の日は、場所を変え研究所のある地元大月町にて4人の研究所員による10年間の研究発表も行われました。それぞれの題材は、
●「サンゴの分布と産卵について」目崎拓真氏
●「移り変わる高知の海藻・藻場について」田中幸記氏
●「サンゴ種苗生産について」岩瀬文人氏
●「環境学習等の教育と保全について」中地シュウ氏
各自が研究されてきたものを地域一般の皆様にも知っていただくため、分かりやすくおもしろい発表でした。

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2011年10月07日〔高茂岬〕サシバの渡り

足摺宇和海国立公園 土佐清水 新堀麻子

毎年、秋時期に猛禽類の一種であるサシバの渡りが見られる場所があります。
愛媛県愛南町の高茂岬を通過し、九州に抜けていく渡りルートがあるそうです。
(愛南町HP 高茂岬 http://www.town.ainan.ehime.jp/sight_spot/1_03_koumo.html )

それを確認すべく高茂岬へ。
しかし、空はなんだか霞んでいました。

高茂岬周辺

現地ではすでに幾人かが双眼鏡を覗き観察されていました。
調査されている日本野鳥の会愛媛支部の方々を講師に、愛南町の公民館主催で小学生対象の観察会が行われていました。
話を伺ってみると、前日は千羽を超すほどのサシバがカウントされたとのこと。
今シーズンの合計としては約3千羽が確認されているようです。
私たちがたどりついたときには、ちらほらと飛んでいる程度。
双眼鏡で覗いてもゴマ粒ほどにしか見えず。
目をこらしてよ~く見れば鳥の形をしています。
これを野鳥の会の皆様は「あれは○○、あっちは△△」など瞬時に見分けられるのだから「さすが!」の一言です。
この日、見られたのはサシバ・ハチクマ・ツミ・ハイタカ等々。
「もう少しはっきりと見たいなぁ。う~ん。。。」とあきらめていたときに低飛行をしてくれた数羽がいました。

何とかカメラに収めたものの望遠レンズでないカメラの限界、シルエットのみ

毎年、ピーク時期はまちまちのよう。
とはいえ、やはり朝一番の時間帯でないとなかなか見られないようです。
来シーズンにちゃんと見ようとするならば、夜明け前の事務所出発になりそうですね。

シルエットのみの報告では申し訳ないので…サシバの模様もちゃんと分かる写真を提供していただきました。
これがシルエットの正体です!

サシバ
楠木憲一氏(日本野鳥の会愛媛支部)撮影・提供


《猛禽類の渡り調査関連HPの紹介》
●日本野鳥の会愛媛支部HP 調査研究 http://ehime-wbsj.com/report/research/ 
●タカの渡り全国ネットワークHP  2011年秋期タカの渡り速報(愛媛県高茂岬・由良半島) http://www.gix.or.jp/~norik/hawknet/hawknet0.html

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2011年09月29日内海中学校でのサンゴ調査 シーカヤックで塩子島へ

足摺宇和海国立公園 土佐清水 新堀麻子

愛媛県愛南町には目の前に須ノ川海岸が広がる内海中学校があります。
そこではシーカヤックやシュノーケリングを用いた海学習を行っています。
平成21年度から周辺海域のサンゴモニタリング活動にも取り組んでおり、その授業に同行してきました。
今回はシーカヤックで塩子島へ向かい、その周辺でのモニタリングです。

塩子島を目指す

シーカヤックの講師は今治にある来島ウォータートレイルの井出さん、そしてサンゴのモニタリング調査の講師は黒潮生物研究所の中地さんです。
3年生19名と教員数名がウェットスーツとライフジャケットを身にまとい授業がはじまりました。
須ノ川公園よりシーカヤックに乗り込み塩子島を目指します。
直線で片道約3kmです。
井出さんの指導のもと航路をとりながらパドルをこいで進んで行きました。

シーカヤックは1人もしくは2人乗り

約1時間半かけて塩子島上陸

塩子島に上陸し、さっそくシュノーケリングによるサンゴのモニタリング調査を行いました。
2~3人一組で約20分間サンゴを調べます。

シュノーケリングによるサンゴ調査

調査記録として写真も残します

この日は宇和海にしては波がありややにごり気味でしたが、
サンゴの優占種や被度、食害生物の有無、白化などの異常が見られるかなどを調べました。

陸に戻ってから調査結果を確認

お昼休憩後、再びシーカヤックにて航路をとり、学校へ戻りました。
学校にてサンゴ調査のまとめです。
班ごとに分かれ調査用紙をまとめて、今年度の調査結果をまとめました。

学校にて今年度の調査結果のまとめ
昨年サンゴの白化が非常に多く発生し、それらのほとんどは回復しましたが、死んだサンゴもあり全体的なサンゴの被度は若干減ったようでした。
この調査も3年目。今後、蓄積していく調査結果によりサンゴの経年変化を知る大きな手掛かりとなることでしょう。

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2011年09月15日【大月PV】第21回Coral&Fishウォッチング

足摺宇和海国立公園 土佐清水 新堀麻子

大月地区パークボランティアの会(以下PV)のみなさんは、日頃オニヒトデ駆除やサンゴモニタリング調査、シュノーケリング指導など、大月地区を中心として多岐にわたり活動されています。

9月10(土)にそのPV主催の「コーラル&フィッシュウォッチング」が開催されました。
大月エコロジーキャンプ場を中心に、大月町沿岸海域(古満目)にてシュノーケリングをし夕方は海山の幸を囲んでの交流会です。

午前中よりみんなで受け入れ体勢を整えるべく照明を取り付けたり、買い出ししたり・・・。



受け入れ準備中

参加者は31名、スタッフ合わせて総勢53名です。

開会式
ウェットスーツに身を包み開会式です。

そして船で古満目海岸のシュノーケリングスポットへ。

船でシュノーケリングスポットへ移動

波はあるけどみんな楽しそうに・・・

足下にはシコロサンゴ群集
やや波があったものの、サンゴや魚の海中景観を各々楽しんだようです。

その間、キャンプ場には交流会準備を続ける面々も。

交流会の下準備

料理班は、シュノーケリングに思いを馳せつつ、様々なメニューを着々と下準備。
夜の交流会の準備は続いています。

シュノーケリングは予定よりも早めに終わり、もうひとつのお楽しみの交流会へと皆で会場、料理共々整えていきます。

薄暗がりになってきた頃、参加者が中央広場に集合しました。
毎年人気のカツオのたたき作りを体験し、交流会がはじまりました。


カツオのワラ焼きたたき体験

交流会

参加者やPVのみなさんとで大月町の郷土料理などを楽しみながら日は暮れていきました。

海も料理も楽しめるPVのこの活動。
参加いただいたみなさんはもちろん、PVのみなさんにも感謝ですね。

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2011年09月13日〔三崎小学校環境学習〕H23-5②「三崎川の生きもの調べ」

足摺宇和海国立公園 土佐清水 新堀麻子

9月9日、三崎小学校5年の環境学習の川の生きもの学習の2日目です。
(1日目はこちら参照 http://c-chushikoku.env.go.jp/blog/2011/09/12/index.html

三崎川中流域

まずは、自分たちで作り仕掛けたペットボトルの確認。
早速引き上げ見てみると、入っています大小様々なテナガエビが・・・。

ペットボトル仕掛けでエビ捕獲!

バットに空けて、よ~く観察すると、テナガエビにも種類があります。
見わけるポイントを講師に伝授していただきました。

テナガエビ2種の見分け方を知る

今回捕れたのは2種類、ミナミテナガエビとヒラテテナガエビ。
隣に並べて見ると違いがよくわかります。

簡単な見分け方のポイントは胸のM模様と手の太さ
上:ミナミテナガエビ 下:ヒラテテナガエビ

そして、その数を数えてみると・・・、13名で捕ったテナガエビ2種は大小まぜこぜで合計90匹。おみごと!!
これには児童も驚いたようで、「ジャンより大きいエビが捕れるから今後も使いたい」と嬉しそうに言っていました。
※ジャン・・・割り箸のゴム鉄砲みたいな形をしたエビや小魚を突く小道具(土佐清水地域での名称)

そしてここからが本番、「三崎川の生きもの調べ」開始です。
前日に予想した班に分かれて小型定置網を引き上げていきます。

小型定置網を班毎に引き上げ

1班:流れが速くて浅いところ、2班:流れがゆるくて深いところ、3班:流れがゆるくて浅いところです。
自分たちの予想が明らかになるので、ドキドキです。
順繰りに引き上げ、それぞれの水槽に捕獲した生きものを移しました。

各網でとれたものは様々

なにやらそれぞれに違った生きものが入っています。
小魚がたくさん、小エビがたくさん、数は少ないけど大物が入ったものなど様々。

まずは、エビを水槽から取り出し種類毎に分類する作業です。
教わったばかりの見分け方。手慣れたものです。
同じ種類をずっと見ているので、子どもたちは小さな違いに敏感になっていました。
講師も教えていなかったスジエビをテナガエビとは種類が違うことを見事に見抜きました。
これは大人一同驚きました。


ソーティング(種類分け)とカウント中

何とかすべてのエビを分類し終えたら、今度は何匹いるかを数える作業です。
続いて魚、カニも調べていきました。
根気のいる作業、子どもたちよく頑張りました。
班毎で数が多かったのは、ミナミテナガエビで231匹。
続いてカワムツの129匹。
まさかの100超え2種でした。その他は、1~80匹程度。


そして、みんなが「お~!!」となったのが、アマゴやウナギが入っていた網もあったこと。
今回確認されたのは、魚6種、エビ4種、カニ2種でした。
これら得られたデータを代々5年生が引き継ぎ調べていくことで、三崎川の生きもの情報が年々蓄積され、三崎川の経年変化を見る貴重なデータになっていくことでしょう。

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2011年09月12日〔三崎小学校環境学習〕H23-5①「仕掛けを作って川へ」

足摺宇和海国立公園 土佐清水 新堀麻子

9月8日の午後、三崎小学校5年の環境学習の第5回目①が行われました。
今回は“川”を2日間にわたり学習します。
2日間にわたる川学習の講師は、魚と山の空間生態研究所の山下慎吾さんです。
山下さんは、昨年度、竜串自然再生協議会会員にもなっていただきました。
児童から「川の生き物を見たい」という声もあり、「この環境学習に川の学習をもっと取り入れていきたい」と相談したところ、講師を快く承諾していただき今回の「三崎川の生きもの調べ」の実施に至りました。
7月の当所主催の自然観察会でも大変お世話になりました。

この日は、教室にてペットボトルの仕掛けを作りました。

ペットボトルの仕掛け作り

作り方は至って簡単。
①2リットルのペットボトルの口から3分の2くらいの位置で切り離す
②頭の方をひっくり返して胴体部分にはめ込む
③はめた部分をホッチキスなどでとめる
④自分の仕掛けに目印として名前を書く
⑤コイの餌等を中に入れ川へ仕掛けに行く
作成時間は片付けを入れても30分程度で完成。

あとは、この作った仕掛けを川のどんなところに、そしてどのように仕掛けるかが鍵です。

仕掛けの向きはいかに??

そんなポイントを講師から聞き、子どもたちは川へ仕掛けるイメージを固めました。
今回はさらに、講師が持ってきてくださった調査用の小型定置網を使って、三崎川に棲む生きものを調べていきます。
主に魚やエビカニ類です。
今から5年児童全員が川の生きもの調査員です。

学校から約1kmほど三崎川を上流方向に自転車を走らせ、中流域へ。
夕方以降に活動を活発にする川の生きたちをとらえるために、この日に設置して次の日の観察や調査に備えます。

まずはペットボトルの仕掛けを各々の思うところに設置。

自分の作った仕掛けを設置

次に小型定置網を3箇所にみんなで設置。
それぞれ条件を変えて設置しました。

①流れが速くて浅いところ

②流れがゆるくて深いところ

③流れが緩くて浅いところ

さてさて、この3箇所の網のうちどれに生きものがたくさんはいるでしょうか。
それを児童みんなで予想。
それぞれに考え予想してバランスよく3班に分かれました。
選んだ理由を聞いてみると…
「草が生えてるから」「陰になっているから」「深いから」などなどの回答。
ちゃんと設置した環境を見ていました。
闇雲に選んだわけではないようです。

網の引き上げは、この予想した班で行います。
各班の予想は、種類がたくさんなのか、数がたくさんなのか・・・。

早速、川にいる小エビが気になっていました

翌日の結果を楽しみに、この日の学習は終了しました。

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2011年09月09日〔三崎小学校環境学習〕H23-4「竜串の海でシュノーケリング」

足摺宇和海国立公園 土佐清水 新堀麻子

三崎小学校の環境学習第4回目は、爪白海岸でのシュノーケリング体験。
当初、小学校の夏休み中に開催を予定していましたが、雷雨や台風のうねりなどのコンディションのため延びにのびて、2学期突入。
相次ぐ台風に悩まされましたが、ジリジリと照りつける太陽とべた凪のシュノーケリング日和になった9月7日にようやく実施することができました。

爪白海岸でシュノーケリング

7月末から1ヶ月半もじらされた児童達は、時間よりも早く集合完了。
1時間目の授業もあまり身が入らなかったようです(担任教諭談)。
後々の授業に影響がないと良いのですが・・・。

今回の講師は、海中の素敵スポットを熟知している竜串ダイビングセンターの佐野美月さんです。
また、同じくダイビングセンターの浜口さんや海の生きもの学習を受け持ってくださった足摺海洋館の京谷さんにサブ講師として入っていただきました。

泳ぎが達者な三崎の子どもたちですが、「海でのシュノーケリングは初めて」という子が半分以上。
まずはしっかり道具の使い方を伝授してもらい、フローティングベストを着て海へでる準備を万全に。

シュノーケルの使い方を教わります

3班に分かれて、それぞれの講師の指導の下、フロートにつかまって海中を見ながら沖を目指します。
講師に海底からとってもらった大きなヒトデや折れたサンゴのかけら、ナマコなどにも触れたりしながら約1時間の海中観察。

海底にいたヒトデをおっかなびっくり掴んでみる


足下に広がるサンゴ群集やナマコ、ヒトデ、魚など様々な生きものを観察していきました。
海に入る前は、台風の残した濁りがやや心配でしたが、透明度はほとんど回復しておりサンゴの間に隠れる小魚もはっきり見ることができました。

残りの時間を自由時間とし、講師と共に素潜りしながらヒトデやウニ、貝や折れた枝サンゴのかけらを拾ったりしていました。
中には、海底にゴロゴロいるナマコにやや引いてしまった子、ナマコに内臓をかけられ取り除くのに苦戦した子もいました。

素潜りで自分でとったサンゴのかけら

水槽ではない実際の海でサンゴやヒトデ、ナマコなど、いろんな生きものを見られたことや触れたことが印象に残っているようでした。
目の前を横切るボラの群れや鮮やかな小魚、深く潜れたことなどなど。

天気は良かったものの水着姿の子どもたちは少し寒かったようでした。
それでもまだまだ泳いでいたいという表情を残しつつ、今回の海の体験学習は終了しました。

自然環境が揃っていながらも、体験できる機会がまだまだ少ない現状を今回の子どもたちの感想で再認識。地域の皆さんと協力して身近な自然を体験する場を継続して作っていかなければならないと改めて強く感じた日でした。

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2011年09月07日ウミガメ旅立ち

足摺宇和海国立公園 土佐清水 新堀麻子

毎年、四国の浜辺に産卵のためにやってきているアカウミガメ。
今期もたくさんウミガメの産卵跡が浜に残されていたものの、度重なる台風の荒波に浜の砂ごと呑まれてしまったものも多かったようです。

今年は各浜で30匹以上の産卵が確認されたようですが、残念ながら下ノ加江海岸では今回産卵が確認されませんでした。
そのためNPO日本ウミガメ協議会員協力の下、今年は大岐ノ浜で産卵されたウミガメの卵の一部を下ノ加江中学校の孵化場へ持ち帰り、同中学校の児童が飼育管理をしていました。
その卵が無事孵化し、131匹が体長約7cmほどの子ガメへと成長しました。

孵化場で成長した子ガメ

その成長した子ガメの放流が、9月5日に下ノ加江海岸にて行われました。
下ノ加江中学校の児童や同地区の保育園児、大岐地区の幡陽小学校の児童、その他多くの方が集まり、浜に放った子ガメが海を目指す姿を見守りました。

ウミガメ放流

約7cmサイズのアカウミガメ

この土佐清水の浜に戻ってくるのは何年先の事かはわかりませんが、無事成長し、次なる命をつなげていってほしいものですね。

波立つ海を目指して進む

※高知県ではウミガメの捕獲等には知事の許可が必要です。
「高知県うみがめ保護条例」(http://www.pref.kochi.lg.jp/~junkan/umigame/umigame.htm)
下ノ加江中学校さんが許可申請をされています。

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