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アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

中国四国地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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瀬戸内海国立公園 松山

154件の記事があります。

2011年09月28日『せとうち大三島 台海岸いきもの・自然観察会』が行われました!

瀬戸内海国立公園 松山 齋藤明光

過ごしやすい季節になってきましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
松山AR齋藤です。

9月10日にふれあい行事「せとうち大三島 台海岸 いきもの・自然観察会」を実施しました。
今回は、瀬戸内海に浮かぶ、大三島の台海岸で初の観察会。
参加者が集まるかどうか気になっていたのですが、スタッフあわせて26名、天気も暑いくらいに良く晴れ無事に観察会を行うことが出来ました。

《午前中:台海岸の植物観察》
台海岸周辺には、川や塩性湿地、干潟などの様々な自然があります。
午前中は台海岸とその周辺を散策し様々な植物や生き物を観察しました。

鷲ヶ頭山から台海岸へと流れる台本川は、愛媛県でも大明神川とならんで有名な天井川です。

写真手前のガードレールの下が台本川。水は流れていなかった。
写真右上:鷲ヶ頭山 


台本川から海岸へと進んでいくと淡水と海水が混じり合う汽水域、塩性湿地があります。
そこには環境省潤別滅危惧(NT)に指定されているシバナがひっそりと生えていました。
他にも、アシハラガニやカクベンケイガニなどおおきなカニがいました。
メダカがいることにはみなさん驚かれていました。


塩性湿地 赤で囲んである植物がシバナ

さらに進み台本川河口では干潟の植物と海岸の植物両方が生育しているめずらしい場所だと教えてもらいました。





台本川河口 手前はハマサジなどの干潟の植物が広がり、奥には海浜植物のハマゴウの群落が広がるめずらしい群落


《午後:干潟の生き物観察》
午後からは台本川河口に広がる干潟で生き物観察をしました。
みんなで壁にひっつく貝を見ました。高さによって貝の種類も違い、
上ほど水が嫌いな貝で下の貝は水が平気なのだとか。


みんなで壁に張り付く貝を観察しています。

一見同じようにみえるニナも実は種類が違い・・・。
台海岸には3種類のニナがいるので、自分なりに違いを見つけて3種類探してみました。
今回は3種類見つかりませんでしたが、ここ台海岸にはウミニナ、ホソウミニナ、フトヘナタリがいることを教えてもらいました。


ウミニナとホソウミニナの違いを絵に描いて説明。貝殻の口の内側が白く張り出していたらウミニナ、そうでなかったらホソウミニナ 


8月31日の下見時にて
左:ホソウミニナ 真ん中:ウミニナ 右:フトヘナタリ

みなさん、干潟のいきものを見つけようと一生懸命穴をほっていました!

どんな生き物がいるのかなぁ?

見つかった生き物の種類と名前を分けていきます。

左上:取りまとめの様子 右上:アサリやマテガイなど
左下:ナベカ     右下:オウギガニの一種

最後はチゴガニの観察。
チゴガニは影と震動によって危険を察知して巣穴に身を隠してしまうため、みんなでじっと動かずに巣穴を見つめました。
すると。。。餌を食べたり、けんかをしたり、普段見ることの出来ないチゴガニの生活をじっくり観察できました。


みんなで一列に並んでチゴガニの観察。動かないように!

今回の観察会では、豊かな自然に生きる稀少な植物やいきものをたくさん観察できました。
私たちの身の回りにも普段気づいていないだけでさまざまな植物や自然があります。
ちょっと意識して身の回りを散策してみると稀少な自然やいきものがひょっとしたら見つかるかも知れません。

また、地元の方々にお話やお茶などの差し入れをしていただき、地元の方々の優しさに触れ、大三島の自然を思いっきり楽しめた一日となりました。
ご協力下さったみなさまありがとうございました。

最後に、当日観察できた『生き物リスト』です。興味のある方はご覧下さい。
↓中国四国地方環境事務所HPより
http://c-chushikoku.env.go.jp/to_2011/data/0930c_2.pdf




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2011年08月29日ふれあい行事 「せとうち 大三島 台海岸いきもの・自然観察会

瀬戸内海国立公園 松山 齋藤明光

夏が始まりあっという間に8月の終わりとなりました。
暑さもだんだん和らいでいき、次の季節へと移り変わりの準備をしているようです。松山AR齋藤です。

8月は、ふれあい行事の下見や干潟調査など外に出る機会が多かったので、今年もしっかりと焼けました。

本日は、9月に開催を予定しているふれあい行事「せとうち大三島 台(うてな)海岸 いきもの・自然観察会」のお知らせです。

瀬戸内海に浮かぶ大三島。

国立公園としては鷲ヶ頭山が指定されて豊かな自然が数多く存在しています。
台海岸には、山から流れる台本川や干潟、湿地・磯など様々な地形が残されています。そこには環境省や愛媛県指定のレッドデータブックに載っているいきものがたくさんいます。

しかしなぜここ大三島には、そんな稀少な生き物たちが多く生き残っているのでしょうか?


それは、離島であることから、周りの影響を受けにくかったのかも知れませんし、住民の方々が昔から自然を大切に守ってきたからかもしれません。

今回は、そんな大三島の台海岸でいきもの・自然観察会を行います!

さっそく、下見に行き、穴を掘るとスナガニやアナジャコ、ハクセンシオマネキなどとたくさんの生き物を見ることが出来ました。

左上:たくさんの穴 右上:スナガニ
左下:ハサミシャコエビ  右下:ハクセンシオマネキ

今月の10日には、今回の講師である自然公園指導員の小澤さんと一緒に下見に行きました。
ここでは塩性湿地植物といろいろな海浜植物を教えてもらいました。

チャボイ・・・塩性湿地植物の水草の仲間。環境省・愛媛県共にレッドリスト掲載種


ハマゼリ…海浜植物 愛媛県レッドリスト掲載種

見られる場所が少なくなった海浜植物も、ここ大三島ではハマゴウの群落の下層にたくさんの種類の植物が生息していました。


ハマゴウの群落 青紫色の花がとても綺麗に咲いています。

みなさんもぜひ、観察会に参加して大三島の豊かな自然にふれてみませんか?
普段の生活に活かす何かきっかけが見つかるかも知れません。

広島からしまなみ海道を渡って愛媛県に入る最初の島が大三島です。県内の方だけじゃなく、広島からの参加者も募集中です!
是非みなさん参加してみてはいかがでしょうか。

申し込みはこちらを参考にして下さい。締切は9月5日までです。
http://c-chushikoku.env.go.jp/to_2011/0811b.html
中国四国地方環境事務所HP



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2011年07月06日海開き

瀬戸内海国立公園 松山 齋藤明光

すっきりしないお天気が続いていますが、みなさまお変わりありませんか。

7月1日、東予の桜井海岸で海開きの神事に出席してきました。



この日もあいにくの雨でしたが、東予野営場管理棟の通路を利用し、
無事に海開きを行うことが出来ました。
今年も例年並みに暑くなるとの予想。桜井海岸が安全で、行楽客でにぎわうことを祈願しました。

桜井海岸では様々な海浜植物が観察できます。
ハマゴウは砂浜や礫浜に地表を這って群生する落葉低木です。
花を咲かせるときには先端部が立ち上がって、高さ60㎝ほどになります。

囲んである部分:ハマゴウの群落


ハマゴウの花
淡青紫色の小さな花はちょうどこれから7~8月に見ごろを迎えます。

そのほかにも、ハマヒルガオ、ハマボウフウ、コマツヨイグサなどの植物が観察されました。それぞれ、ちょうど開花時期なのできれいな花を見ることが出来ます。
桜井海岸に遊びに来た際は、海水浴と一緒に浜辺の花を探してみてはいかがでしょう。

ハマヒルガオ


こちらは、蛇池湿地の様子です。

蛇越池

湿地植物の特徴でもある、食虫植物のモウセンゴケ科の植物や蛇池湿地に
生息するハラビロトンボなどを観察することが出来ました。

モウセンゴケ科の植物


ハラビロトンボ


梅雨が明けると動植物たちもより一層活発になります。
暑さに負けず、この夏も自然観察を楽しみませんか。






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2011年06月15日瀬戸内海国立公園 東予野営場管理棟 ついに完成!!

瀬戸内海国立公園 松山 齋藤明光

蒸し暑い日が続いていますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
松山のAR齋藤です。

前回のふれあい行事のお知らせをしてから
ずいぶん時間が経ってしまいました。

報告が遅れましたが、先日行われる予定でしたふれあい行事は、
台風の影響で中止になりました。
参加を楽しみにしていた皆さんには残念な気持ちにさせてしまい
申し訳ありませんでした。

私自身も初のふれあい行事が中止になり、気を落としていたのですが、今回うれしい知らせがありました。


ついに!!東予集団施設地区に、東予野営場管理棟が完成しました。

環境省 東予野営場管理棟

老朽化した以前の施設を建て直し、今回の建築には、愛媛県産材を使用し、太陽光発電設備の自然エネルギーを利用しています。

施設には、キャンプの道具などを貸し借りする事務所や倉庫だけでなく、多目的室やオープンデッキもあります。
また、トイレやシャワー室、授乳室なども完備されています。

オープンデッキからの桜井海岸の眺めは良く、のんびりと瀬戸内海景観を楽しむことが出来そうです。

桜井海岸

広々とした多目的室では、イベントのレクチャーや室内イベント、写真展の展示など様々な行事に利用可能です。管理棟を通じて国立公園の情報をより多くの来場者に発信できるように工夫していきたいと思います。

多目的室
次回のふれあい行事は、ここ東予で行いたいと思っています。


東予野営場管理棟完成により、いっそう園地やキャンプ場、桜井海岸などが利用しやすくなりそうです。

梅雨が明けると、いよいよキャンプシーズンの夏到来。
この夏、東予に行ってのんびりと過ごしてみてはいかがでしょう。



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2011年05月10日5月28日(土)「新川河口干潟の自然観察会」のお知らせ

瀬戸内海国立公園 松山 齋藤明光

みなさん、初めまして。
今回初めて、アクティブレンジャー日記を書きます。
ご挨拶が遅くなりました。
4月より松山事務所で働いています、齋藤 明光(さいとう あかね)と申します。出身は兵庫県の豊岡市で、大学生活を愛媛で過ごしました。

松山は今年で5年目となりますが、まだまだ、瀬戸内海国立公園も愛媛のことも知らないことばかりです。
日々学びながら、みなさんに日記を通して自然のすばらしさを伝えられるようがんばります。今後ともよろしくお願いします。


本日は、今月28日(土)愛媛県西条市高田で行われる
「新川河口干潟の自然観察会」のお知らせです。

みなさん、干潟をご存じですか?
干潟とは湾内や河口域にあり、満潮時には海水面に沈み、干潮時には海面上に表れる、泥や砂でできた特殊な場所です。貝やカニをはじめ、たくさんの生き物がすむ場所であり、また川から流れてくる水を浄化する働きもします。

特に、春の干潟にはたくさんの生き物がいます。
今回は干潟でしか見ることの出来ない、春の生き物たちを観察しようという企画になっています。是非ご参加下さい。

こちらは、4月に新川河口干潟にいったときの様子です。
干潮の2時間30分前だったのですが、だいぶ潮が引いています。

新川河口干潟(14:25) この日の干潮は17:19


ゴカイや貝などいろいろな生き物がいました。

上:カニ 真ん中:アサリ 下:マテガイ

アナジャコ


観察会ではまだまだたくさんの生き物を観察することが出来ます。
是非ご参加下さい。
みなさんに会えることを楽しみにお待ちしております。


詳細はこちら↓
中国四国地方環境事務所HP http://c-chushikoku.env.go.jp/to_2011/0427a.html

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2011年03月30日

瀬戸内海国立公園 松山 永田清美



年度の変わり目、たびたび桜の写真の日記を掲載してきましたが、
つい、毎年撮ってしまう桜。
今年も、桜が咲き始めました。

大きな震災があり、未だその影響は大きく、時が止まってしまったような
気持ちになっていましたが、春はかわらずやってくるんですね。

私はというと、松山で最後の春を迎えようとしています。
4年半もの長い間でしたが、なんだかあっという間のことだったように感じます。
様々な方と出会い、未熟な所をたくさん助けていただきました。
色々な生き方、考え方があるのだなぁと知り、
自分自身についてもいろいろ考えるきっかけを与えていただきました。
愛媛での多くの人との繋がりに感謝の気持ちでいっぱいです。

そして瀬戸内海の自然の面白さ、様々な表情を持つ美しさに出会いました。
それをいろいろな方に伝えたいと思って、これまで活動してきましたが、
十分、伝え切れていなかったところもあるかと思います。
松山は離れてしまいますが、そういった自然の魅力を今後も伝えていけたらと
思います。

お世話になったみなさま、本当にありがとうございました。
4月からは、後任のARが新たな風を吹かしてくれることかと思います。
後任ともども、今後ともどうぞよろしくお願いします。




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2011年03月09日笠松山・世田山 ハイキング実施しました【イベント】

瀬戸内海国立公園 松山 永田清美

3月5日土曜日に「春をさがして 笠松山・世田山ハイキング」を
開催し、32名の方の参加をいただきました。
山登りブーム(?)も手伝ってか、たくさんの参加希望のご連絡を
いただき、多数お断りすることになってしまいました。
ご参加いただけなかった皆様、申し訳ありません。
また今後の行事でぜひ!

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3月5日、この日のために用意しました!というくらいの
絶好のお天気の中、ハイキングをすることができました。
みなさんの準備も元気もバッチリ。
準備体操をしてゆったりスタートです。

まずは、山の麓にある古墳群を、講師の解説を聞きながら見学です。


たくさんの古墳群が点在する野々瀬古墳群

狭い入口の古墳の石室にも、みなさん興味津々です。
(中には結構大きな空間があります)

そして、笠松山の遊歩道に入り、歩を進めると火災の跡地に
入っていきます。


火災から2年半経った笠松山。
まだまだ再生半ばです。
赤ちゃんマツなどを見つけながら、また、
植林の様子や火災が燃え広がらないように作った防火帯、
周囲の植物などの話を聞きながら、頂上へ向けて歩きます。

お昼ご飯は笠松山の広場で。
小休憩して世田山へ向けて出発です。

笠松山からは今治市の街並みや瀬戸内海の島々

世田山と笠松山の一帯は南北朝時代の「世田山城趾」だったという解説も
聞きながら景色を眺め、当時の様子に思いを馳せました。



笠松山から一度谷へ下りて、また急な階段を登る!

世田山からは西条市の街や田園風景、背景には石鎚連峰が。

笠松山357m、世田山339mと、そんなに高い山ではないのですが、
瀬戸内海、周囲の街並み、田園風景、石鎚連峰を見渡せる絶景に
みなさん感嘆の声が。
好天も手伝って、本当に気持ちがよかったです。

急な寒の戻りもあり、開催前は天候を心配しましたが、
朝は少し寒かったものの本当に良い天気になり、
またケガなどもなく、参加者全員の皆様に
約7kmのハイキングを楽しんでいただくことができました。

みなさま、おつかれさまでした!

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2011年02月09日春をさがして 笠松山・世田山 ハイキング【イベント】

瀬戸内海国立公園 松山 永田清美

先日は、雪雲に追いつ追われつ、風が吹き荒れる今年一番の
寒気と言われるなか、講師の方と行事の下見に行ってきました…!
いつも下見のときは、新たな発見や思わぬ見所を見つけるのが
楽しいものなんですが、ひじょーーに寒く、なんだか申し訳なかったです。
(そんな中でも、熱心にお付き合いいただきありがとうございました。)


迫り来る雪雲…


さて、前回の日記でも触れたように、この笠松山の周辺には
歴史的な見所もあります。
その一つ、笠松山麓の野々瀬地区には、ひっそりと(?)
たくさんの古墳が点在しており、歩いていると、畑の中に、
あまりにも当たり前のように古墳が現れます。

6~7世紀頃のもので、1人ではなく、家族など数人が埋葬されていたのだとか。

中でも五間塚古墳と呼ばれる古墳には、大人が立って入れるほどの
空間がありました。
(自然の専門家は、つい別のところに目がいくようですが…)




上:五間塚古墳の外観
下:五間塚古墳の内部

私自身は歴史には疎いのですが…、詳しい方のお話を聞きながら
見てみると、なるほど~!と感心しきりです。
歴史と自然と双方の視点から見ていると、当然のことですが、
人と自然と、ずっと関わりあいながら現在があるんだぁと思います。

古墳の残る景色を見て、1000年以上も前から、ここで人が暮らしを
営んでいたんだなぁ、同じような景色を見ていたのかなぁと
しみじみ感じられました。
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松山自然保護官事務所では3月5日に自然と歴史を楽しむハイキングを
行います。ぜひご参加ください!



詳細はコチラ
中国四国地方環境事務所HP http://c-chushikoku.env.go.jp/to_2010/0209a.html

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2011年01月25日笠松山・世田山 遊歩道(今治市、西条市)

瀬戸内海国立公園 松山 永田清美

暑い暑い、と言っていた夏から一転、寒い日が続きますね。
愛媛の管内でも、近年は年に一度くらい、山間部に積雪し、車が通れない!
なんてことはありましたが、今年は12月から早くもそんな状況です。

さて、2008年8月に山林火災に見舞われた今治市の笠松山。
火災後、定点観測調査で山容は記録していたものの、
なかなか遊歩道を歩く機会がありませんでしたが、
この度久しぶりに現地調査で訪れました。

世田山・笠松山の縦走路は300m強の山が並んだ、ちょっと運動・散策、には
もってこいの遊歩道で、今回歩いていると平日でも何人もの方と
すれ違いました。


日陰には先週末の寒波の雪がうっすら。


世田山からの眺め、なかなかの絶景!
瀬戸内海や雪化粧した石鎚山系、西条、今治の町や田畑が一望できます。


笠松山に入ると、まだまだ火災の跡が色濃く残ります。


焼け残った緑と、焼け跡がパッチ状に並んでいます。


笠松山山頂部の緑化事業の様子。
白いネットの下には種や肥料が施され、緑の回復を図っているところ
だそうです。

寒い!日でしたが、歩いているうち、体はホカホカに。
冬の低山は空気が澄んでいて見通しはいいし、なかなかいいものです。
しかし、笠松山の山頂付近の火災跡は、木々がなくなってしまって
見通しはいいのですが、風はまともに浴びるし・・・
木々が「ある」環境と、「ない」環境というのは、
人が感じる以上に、本当に大きな環境変化なんだろうなぁと思いました。

次回の3月初旬予定の主催行事では、この笠松山・世田山の遊歩道を散策する予定です。
抜群の眺めや火災跡の植物たちの様子の観察も見所ですが、
周囲にはいろいろと歴史的なスポットも。
また日記上でご紹介していきたいと思います。


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2010年12月02日定点観測調査【愛媛 桜井海岸】

瀬戸内海国立公園 松山 永田清美

こんにちは、松山ARです。
いつの間にやらもう師走。猛暑だった夏には、秋や冬は来るのかな、と
漠然とした不安に駆られていましたが、めっきり寒くなりました。

さて、今年度より、始めた定点観測調査の調査地でもある今治の桜井海岸。
休暇村瀬戸内東予という宿泊施設があり、白砂青松の桜井海岸は海水浴や
釣り、散歩など、地元の方にも愛される気持ちのいい砂浜が続いています。
集団施設地区という、瀬戸内海国立公園の利用拠点として整備されている
所でもあるので、色々な業務で出向くことが多い所です。

最近、この海岸で気になっていた現象。
こんなに、マツ枯れしてたかなぁ?

写真を見比べてみると一目瞭然の変化が。

これは、今年の夏(2010年7月22日)撮影した写真。
まだ青々とした木々が見えます。


2010年10月19日に撮影。
先の写真と見比べて3ヶ月の間にすっかり枯れてしまったマツが目に付きます。
(※写真をクリックすると大きく表示されます。)

この中四国のAR日記の中でも今年、松枯れの話題がいくつかありました。
休暇村の園地の管理をしてくださっている方に聞くと、
この夏、猛暑に加えて雨がずっと降らなかったので、
広葉樹も葉が縮れるなど木々がとても弱っていたそうです。
マツも弱ってしまった所にマツ枯れの原因と言われるマツノザイセンチュウが
入り込んで、たくさん枯れてしまったのではとのことでした。

先日出張の際は、ちょうど枯れてしまったマツの伐採作業をしていました。
枯れてしまったマツは倒木の危険もありますし、枯れたマツの中で幼虫が
成長するマツノマダラカミキリ(マツノザイセンチュウを運ぶ昆虫)の繁殖を
防ぐために処分しなければいけません。

マツ枯れが問題視されるようになってから長い年月が経ち、
薬剤散布や抵抗性のマツを植えるなどの対策がとられていきていますが、
根本的な解決策は見つかっていないようです。

マツ枯れという嬉しくない変化ではありますが、定点観測地点として、
今後の変化を記録していきたいと思います。


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