大山隠岐国立公園 隠岐
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2016年09月07日海と山と
大山隠岐国立公園 湯澤孝介
みなさんこんにちは。
先週の1日(木)に都万地区の巡視に行ってきました。
さっそくこちらは都万のお山(津戸から撮影)
高田山(H:315m)
山頂手前の露頭からは都万の田園や海岸の風景、そして島前の島々が見渡せるこのスポット。
私、とても好きです。
道中にて菌さんとこんにちは。
なんとまあ堂々と...。
シロオニタケ?でしょうか。
高田山は、片道40分程度というサクッと行ける距離ではあるのですが、道の所々は急峻で崩れている箇所もありますので、登られる方は十分に注意してくださいね。
降りてくると吸密中のモンキアゲハさんとこんにちは。
続いて海岸線へ。
こちらは奥津戸遊歩道。
高田山から1時間足らずでやってきました。
この距離感...いいですね。
ゆったりとした港の流れに癒やされます。
この日は高潮の影響で歩道へ波が寄っていましたので通り抜けられませんでしたが、
道中には海水浴場や日本では珍しいアルカリ流紋岩の露頭がよく見られるポイントもありますので
ふら~っと散歩してみてくださいね。
おまけ
隠岐に来て初めてカワセミをウォッチしました☆
さてどこだどこだ
ん~、ちょっと遠いな...
2016年09月06日【イベント情報】津戸塩の浜BEACH CLEAN FES
大山隠岐国立公園 久永剛大
こんにちは!隠岐の久永です!今回はイベントの告知です。
隠岐の島町にある塩の浜でビーチクリーンのイベントが開催されます。
このイベントは隠岐の島町が主催となり、大山隠岐国立公園や隠岐世界ユネスコジオパークに認定されている自然環境を保全するために、ユネスコ世界ジオパーク認定月である9月に「ジオの日町内クリーン作戦 隠岐ユネスコ世界ジオパーク認定記念」と称してビーチクリーン活動行います。
かき氷のふるまい、シーカヤックの無料体験もありますので、
みなさんお気軽に遊びに来て下さい!
詳細やお問い合わせは下記のHPまでどうぞ。
http://www.town.okinoshima.shimane.jp/www/contents/1471910096190/index.html
2016年09月02日島津島の巡視へ行ってきました!
大山隠岐国立公園 久永剛大
こんにちは!隠岐の久永です!しばらく更新が滞っていましたので久しぶりの更新です!
今回は知夫村の島津島という無人島についてです。
島津島は国立公園の園地事業として、海水浴のためのトイレやシャワー、海岸植生を探勝する歩道などが整備されています。
無人島ですが、お松橋という橋が架かっているため歩いて渡ることができます。
お松橋からの景色はとてもいいです。海もとってもきれいですね。 海水浴のできるところは遠浅の砂浜になっています。島民からも観光客からも人気の海水浴場です。
海岸植生などを探勝できる歩道は現在島根県によって再整備しているところです。現在整備中の歩道からは牧畑に使われていた段々畑や周辺の無人島なども見られます。
牧畑の遺構である段々畑
牧畑は昭和40年代まで続いた栄養の少ない土地から持続的に作物を得るために行われていた農法です。
浅島、神島、遠くにアカハゲ山なども見える。
その他にも島津島には生痕化石の見られる島津島層や船乗りから信仰されていた渡津神社や知夫の民謡どっさり節と関係のあるお松の碑があります。
島津島の生痕化石 解説はこちら→http://www.geo.shimane-u.ac.jp/geopark/shimazushima.html
2016年08月02日【イベント報告】図書館調べ学習講座!
大山隠岐国立公園 湯澤孝介
少し前のお話になりますが、7月10日(日)に隠岐の島町図書館で行われた、
図書館調べ学習講座「隠岐をとことん調べよう! 2016 in塩浜~夏休みの自由研究はこれだ!~」
(主催:(公財)隠岐の島町教育文化振興財団、共催:隠岐ユネスコ世界ジオパーク推進協議会)
にスタッフとして参加してきましたので、ご紹介します!
この講座は、
・自由研究ちょっと苦手だぜ!
・どうやって調べるか良くわかんないぜ!
・ネタ探し中だぜ!
といった子と保護者の方が一緒に体験できる、
自由研究の入門講座になっています。
内容は、
自由研究の肝でもある「調べ方」について、図書館の方から優~しく教えてもらったり、
ジオパークや国立公園を絡めた自然について、現地に行って自分の目で見ながら、ちょこちょこ解説も聞きながらテーマの候補を増やしていくものです。
オリエンテーション!
をしてから・・・
いざ塩浜へ!
ざばーんっと青い海!
塩浜は、隠岐の島町(島後)の南側に位置しており、西郷港から一番近い海水浴場でもあります。
はじめは石ころを探しながら海岸をふらふらきょろきょろと。
(こちらは海水浴場から少しはなれたヨットハーバー周辺です)
お、なんかいたぞ!?
普段目にしている植物だけど、実は・・・
砂浜に隠れたものが...!
帰ってからは見てきたものを振り返って見たり
見てきたものクイズなんてしてみたり
さて次は気になったものをどう調べるか!
分野ごとに丁寧に案内してもらって
まとめ方や質問のいろはについても
最後に少し国立公園のお話をさせてもらい、今日行った場所、みんなの住んでいるところ、
実はあそこも!国立公園だったり・・・?^^
さてさてみんなはどんな自由研究をするのかな。
なにかわからないことがあれば、司書さんたちが優しく丁寧に教えてくれるので、
どんどん図書館を使おう!
私も久しぶりに自由研究やってみようかな!
2016年07月04日【隠岐】那久岬が再整備されました!
大山隠岐国立公園 久永剛大
こんにちは!隠岐の久永です。
今回は那久岬というところについてです。
那久岬は隠岐・島後の西側のエリアにあります。園地として整備されており、駐車場やトイレ、展望台の他、岬の先端近くまで降りることのできる園路があります。
ここからの見晴らしはとても良く、天気の良い日はお隣の島前がよく見えます。
この日は少し霞んで見えました。
島前と島後の間は昔から良い漁場として利用されていました。江戸時代には流人として流されてきた人たちによって灯台に火が灯されていたそうです。
そんな那久岬ですが、隠岐が世界ジオパークに認定されたことを受け、H26から3年間かけて島根県と隠岐の島町によって再整備が行われました。展望台やトイレ、園路が新しくなり、より利用しやすくなりました。是非、足を運んでみてください。島前を近くに感じられますよ。
。。。。。。。。。。。その他、那久岬の現地調査で撮影したもの。。。。。。。。。。。。。。。。
西ノ島の通天橋のようなダイナミックな海蝕景観ですね。
青く光って見える海藻。ワツナギソウだと思われる。
2016年06月24日【隠岐】AR国立公園展が開催されます!
大山隠岐国立公園 久永剛大
こんにちは!隠岐の久永です!
今日は毎年開催されている写真展についてです!
中国四国地方のアクティブレンジャーが業務の中で出会った景色や生き物、活動などの写真が1ヶ月程展示されます。写真にはアクティブレンジャーによる解説をつけて展示しています。
隠岐の国立公園やお近くの国立公園について知れる良い機会でもありますので、是非是非、お立ち寄りください!
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期間:2016年6月25日(土)から7月28日(木)まで
時間:午前8時30分から午後5時00分まで
場所:隠岐島文化会館
隠岐の島町西町吉田の二2番地
入場無料、休館日なし
主催:環境省中国四国地方環境事務所
問い合わせ:隠岐自然保護官事務所
Tel:08512-2-0149
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2016年06月22日【環境教育】新聞をつくろう!
大山隠岐国立公園 湯澤孝介
夏至を迎え、その言葉に一層『日』の長さを感じている今日この頃。
徐々に気温も上がってまいりました。アツイ..
(海に飛び込みたくなる瞬間が増えている気がします(汗))
気温が上がってきて、ミゾソバの花もちらほら顔を見せ始めました。
花期:7~10月頃
田んぼの畔(アゼ)や湿った水辺によく出てきます。
さてさて、今回はこの『湿めった場所』が舞台です!
隠岐の島町(島後)の都万中学校(1年生)では、総合学習の中で地元発信をしよう!
ということで、都万地区にある油井の池を取り上げた『新聞』を制作し、情報発信していくようです。
とてもすばらしい取り組みですね!
油井の池は、以前自然観察会を行った場所ですヨ。
http://chushikoku.env.go.jp/blog/2016/05/post-96.html
自然観察会で解説をしていただいた自然公園指導員の田中さんとともに、私も解説補助として参加してきました。
今回は、新聞作りの現地調査ということで、地史のお話から道中見られる植物や昆虫の解説など、実はあまり来たことなくて知らなかった!という油井の池の水辺や周辺の林内をゆっくり観察しながら回りました。
めもめも..
さわってさわって
お!なんかいた!
普段何気なく見ている植物でも、『触ってみる』『嗅いでみる』『囓ってみる!?』など、アクションをひとつ起こすことで、見る世界が変わってきます。
名前の由来も、なぜお前はそんな名前なんだ!って、気にし始めたときから見る目が変わるかもしれないですね。
なんでこんな感触が違うんだろう?
なんでこんなにおいなんどろう?
なんでこんな苦いの!?ウエー...
...
スケールに囚われず、身近な『なんで?』に気づいて、たくさん調べて、100%な答えじゃなくても、自分の中にたくさん"情報"を蓄えて、島内外の人に伝えていってもらえたら素敵だなーっと思います。
観察した油井の池周辺は、大山隠岐国立公園に指定されているとともに、国の重要湿地にも選定されている、とても自然豊かな場所なので、たっぷり観て回ってほしいですね!
次回は生徒がもっと調べたいものを絞って、観察をします!
『 おまけコーナー "別名" 』
今回登場したミゾソバ。
漢字では【溝蕎麦】。
溝に生える、ソバの葉っぱに似たもの、という由来があるとか。
別名を【ウシノヒタイ(牛の額)】、と言うこともあるようで、
ミゾソバの葉っぱが、ウシの顔(額)に似てることからきているのだそうです。
モウ少し絵がうまくなりたい...
2016年06月20日【自然情報 】植物の不思議分布
大山隠岐国立公園 湯澤孝介
梅雨の知らせが隠岐の島にも届いています。
雨が降らない日も、じめじめむしむし。
さてさて、今回はある植物の紹介です♪
以前大満寺山登山の日記でちらっと紹介しましたが、覚えていますでしょうか...?
そう、【オオイワカガミ】です。
イワカガミの変種で、葉が大振りなのが特徴です。
イワカガミよりもやや尖った鋸歯(キョシ:葉の周りのギザギザ)が多くみられるとも言われています。
(写真だけだとイワカガミにも見えますかね^^;)
この植物、東北地方、中部地方の日本海側の特に山地の岩場に広く分布しており、
積雪地でも生育することが知られています。
そんなオオイワカガミ、隠岐ではなんと海岸線、海抜1~2mの場所にも生育しているのです!
低山地で見られることもありますが、海の目の前(字のごとく)は驚きました...。
なんとも不思議な分布をしてますね。スゴイナ隠岐!
現在の見解では、
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○気候要因
最終氷河期に、気温低下に伴い陸続きであった本土から逃げ込んできた。
○地形・地質要因
隠岐(島後)を形成するアルカリ流紋岩に特有の痩せ地で、乾燥傾向にあること。
斜面方位や斜度により気温、地温が抑制されている。
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などの要因から、亜高山性のオオイワカガミが海岸線で生育できているのではないかと考えられています。
加えて地質要因の点からは、岩盤が地表に露出していること(露頭)が土壌の発達を妨げるなど、亜高山性の植物が適応している条件に近いために生き残っているのではないか、裏を返すと、他の植物の侵入や競争が起こりにくい条件になっているのではないか、とも言われています。
隠岐では、オオイワカガミの他にも、海岸線にミズナラ(山地帯/冷温帯)やネズコ〔クロベ〕(亜高山帯/冷温帯)、イタヤカエデ(山地帯/冷温帯)が見られるなど、
これまでの地史、気候、海流といったさまざまな要因が重なることにより、特異的な植物の分布が示されています。
いやいや実におもしろいですね!
身近にある植物も、もしかしたら特異的かもしれないですヨッ(笑)
そんなオオイワカガミの紹介でした。
『 ☆ おまけコーナー ☆ "生きもの"の名前 』
今回登場した【オオイワカガミ】は【イワカガミ】の変種です。
和名(日本名)の由来は、
岩場に生える、葉がテカテカで光沢がある鏡のような・・・なんてところからきているそうです。
【イワカガミ】の学名は【Schizocodon(属名) soldanelloides(種小名)】で、
属名は、scizein(裂ける)と kodon(鐘)を足し、Schizocodon(イワカガミ属)になります。
鐘形の花冠(カカン:花びらの集まり)は縁が細かく切れ込んでいるという意味ですね。
種小名は、 Soldanella(イワカガミダマシ属)+ oides(~のような)で、Soldanelloides
とあり、イワカガミダマシ(ヨーロッパ原産)に似ているやつ!という名前になっています。
イワカガミダマシは英名で、【Alpine snowbell】とされるように、ヨーロッパアルプスの高山に生えるサクラソウ科の植物です。
生育地はやはり似るのですね。
(それにしたら余計隠岐の分布って・・・)
ちなみに、オオイワカガミには、var.magnus がさらにくっつきます。
Var. → 変種
Magnus → 大きい
という意味です。
植物に限らず、生きものには全世界共通の【学名】がつけられています。
例えば、最近野生復帰で注目されている「トキ」の学名は、Nipponia nipponであり、19世紀まで東アジアで広く分布したトキが、日本を象徴する鳥であったことに由来するとされています。
【にっぽにあ にっぽん】 が世界共通なんてすごいですね~。
いやはや...興味が尽きません!
身近な自然はたくさんの情報を持っているんですね!
おもしろい!
2016年06月10日特定外来生物・オオキンケイギクの抜き取り
大山隠岐国立公園 久永剛大
こんにちは!隠岐の久永です!
特定外来生物に指定されているオオキンケイギクという植物をご存じでしょうか。
オオキンケイギクはきれいな花を咲かせますが、北アメリカが原産で、5から7月ごろに花を咲かせます。隠岐には道路の法面の緑化植物として持ち込まれたのがはじまりと考えられています。外来生物法に基づき特定外来生物として指定され、栽培・譲渡・販売・輸出入などが禁止されています。
環境省では大山隠岐国立公園である隠岐の風致景観を特徴づける特異な植生を保護するため、移入初期と考えられるオオキンケイギクの集中的な抜き取り事業を行っています。
オオキンケイギクの抜き取りの際には気を付けていただきたいことがあります。
一つ目は根を残さないことです。根がのこってしまうと来年も同じ場所から生えてきます。刈り取りではなく抜き取るようにしてください。
二つ目は種を落とさないことです。抜き取った後、袋を2重にするなどし、枯れさせてから運ぶようにしてください。
大山隠岐国立公園やユネスコ世界ジオパークである隠岐の植生を守るために、オオキンケイギクの抜き取りにご協力ください!よろしくお願いいたします!
************抜き取りイベント情報**************
日時:6/13から6/17までの7:30から8:00
※オオキンケイギクがなくなった日以降は実施しません。
※荒天時(雨天等)は実施しません。
場所:隠岐の島町西町吉田の日吉橋(隠岐の島町役場前の橋)からかっぱ公園までの川沿いの道
服装:草抜きのできる格好でご参集ください。
呼びかけ人:隠岐自然保護官事務所
※初日(6/13)だけは駆除方法の説明などを行いますので日吉橋(吉田地区側)に集合してください。
昨年の実施の様子
こんにちは!隠岐の久永です。隠岐の風も秋になりつつあることを感じさせるようになりました。
今日は西ノ島の高崎山についてです。高崎山は島前で2番目に高い標高434mの山です。
高崎山は昭和30年頃まで続いた牧畑に使われていました。牧畑は放牧と大豆・小豆、麦、粟・稗を輪転しながら栄養の少ない土地でも持続的に作物を得る農法です。現在ではほとんど人の立ち入らない山ですので、道も整備されていません。
別府港から高崎山登山口までは車で40分ほど、登山口から山頂までは2.8㎞の道のりを1時間30分ほど歩きます。
歩道は尾根沿いに上ったり下ったりが続きます。途中には花期をを狙ったわけではありませんがあたり一面のヤブランの大群落や、ヤドリギのたくさんついたアスナロに出会えました。
ヤブランの大群落
ヤドリギのついたアスナロ(ピントのずれた写真しかなく。。。)20個程はついていました。
高崎山からは島前カルデラが見渡せます。中央火口丘の焼火山や外輪山の海士、知夫もきれいに見えます。(写真は国賀やイザナギ浦の方角)
高崎山のビューポイントはかなり分かりづらいところにあり、知っている人と行かないと中々たどり着けないです。毎年西ノ島町教育委員会主催の自然観察会が4月に開催されています。問い合わせてみたところ来年も企画する予定だそうですので、その機会に是非お申し込み下さい。