アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]
✿足摺ヤブツバキ保全シリーズ⑯ 足摺岬の人の歴史
2018年07月09日今回は、足摺岬小学校の2回目の授業。
本来であれば、足摺岬の裏の番長ともいえるメダケを
現地に赴いて収穫する予定でしたが、生憎の雨・・。
そこで、足摺岬のツバキと人の歴史を紐解く・・
クイズ大会を行いました。
クイズ挑戦者は、足摺三崎小の5,6年生たち。
いくつか紹介するので、皆さんもチャレンジしてみてください。
まずはこちら。
ヤブツバキ再生プロジェクトの主力でもある「足摺岬の自然を守る会」。
小学生たちの先生として、よく足を運んでくれています。
このクイズ、答えは②!足摺宇和海国立公園は今年46歳。
結成45年目の「自然を守る会」は公園誕生後から、
ずっと足摺岬を見つめ続けてきました。
そんな「守る会」の驚きの歴史は次の問題。
画像と共に、答えを見てみましょう。
(ぜひ、画像を拡大して目をこらしながら見てください)
左は1994年の写真、右は最近の写真です。
こうして、足摺岬のあちこちにツバキの苗を植えては、
長い長い時間をかけて、大切に育ててくれているので、①は正解!
ツワブキ(田舎料理でよく使いますよね)や、
桜の木などを植樹して、育ててもいるので、②も正解。
他にも、細々した枝払いや草刈りもしてくださっています。
さて・・・おわかりになったでしょうか。
すべての作業写真の日付が「20日」であることに・・。
そう!守る会のみなさんは、約30年近くは、
毎月20日に、足摺岬の自然を守る活動を続けているんです。
人が自然に関わり続ける年月というのは、圧倒されるような歴史になりますね。
次は、復習のメダケクイズ。(他のクイズは割愛)
ヤブツバキ再生プロジェクトを1年通して学んだ6年生は分かるはず
と思いきや、まさかの6年生3人中たったの1人正解。
ネックになったのは③でしたが・・・
昨年のメダケ授業で、今の6年生は食べているのに!!
もちろん、このクイズも、足摺ならではのメダケの活用方法を知るもの。
先生役の守る会会長さんも、
「他の地域は違う竹を使うけど、足摺はメダケを壁に入れよった」
「宗田節のせいろにメダケをよう使いよったよ」
と、実体験を交えて、足摺の文化と自然の繋がりを教えてくれました。
というわけで、食文化に触れたからには実際に食べるべし!
メダケの採り時、採ったメダケの処理の仕方を教えてもらいます。
ちょっとかけらを口にいれると、顔がくしゃくしゃになるほどの苦み。
さすが「ニガタケ」の異名をもつメダケ。
こんなの食べられるの・・?と不安になりながら、いよいよ食卓に。
料理は足摺岬の婦人会の皆さんが、朝から腕によりをかけて作ってくれました。
献立は、メダケ入りちらし寿司(ばら寿司)とポテトサラダ、
メダケと切り干し大根の煮物に、メダケとアオリイカ入りのかき揚げ。
田舎料理らしい、足摺岬のちょっと甘めの味付け!
とびっきりの「おいしい」を顔に貼り付けている下級生の横では
はしがあちこちから飛び込んでくる熾烈な争い。
作り手も満足してしまう、気持ちのよい食べっぷりでした。
ツバキ再生プロジェクトの視点から、足摺岬の文化を掘り下げた今回。
足摺の自然と共に歩んできた人々の暮らしの中には、
建材として、食材として、道具としてのメダケの価値がありました。
次世代に、しっかりとその文化を、知識と、体験と、味覚で伝えられた1日でした!
次は、秋のツバキ種とり合戦!
実がいっぱいなればいいなあ~