アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]
シコロサンゴに異変が・・!
2018年01月26日今年一番の寒波とも言われる今週は、雪舞い、山白む一週間でした。
どうせなら積もればいいのにと思う土佐清水からこんにちは!
草木も凍る寒さ!
さて。
昨年2月にもすこしだけ紹介しましたが、冬は海の透明度が高い季節!
海に入らなくても、息をのむような青さを楽しめるのが冬の醍醐味です。
12月の大月町(柏島) 1月の竜串湾(グラスボートから)
グラスボートでも、いつになく深いところまで見通せる機会が多いので、
水に濡れずに海を楽しむには持って来いです。
しかし!そんな美しい冬の海で異変がありました。
発見したのは1月中旬。グラスボートの船頭さんとお話ししながら、
日本で最大規模と言われる見残しシコロサンゴ群集を観察したときのことです。
そのときの様子がこちら↓
なんだか、茶色っぽい部分があります。
船頭さん曰く、年末の大潮で水位が下がり、水面から出てしまった部分で、
その部分だけ死んでしまって、藻がついている状態なんです。
「えっ!?死んじゃったの?大丈夫??」と思いますよね。
2016年夏のサンゴ白化記事でも解説いただいた
黒潮生物研究所のサンゴ研究者 目崎博士に聞いたところ、
すでに現地調査済みで、以下のような回答をいただきました。
ーーーーーーーーーーーーーーー以下 目崎博士のコメントーーーーーーーーーーーーーーー
藻が付着したところは残念ながら斃死しております。
ですが、水面付近までシコロサンゴが成長したため、仕方のないことです。
一部のシコロサンゴの上部の凹んだところは、そのようにしてできたものです。
水面付近まで立派に成長した証と思ってください。
先端から3-4cmより下は全く問題なく生きておりますので、ご心配なく。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー以上ーーーー
今回の異変、一瞬驚いてしまいましたが、
いい意味での変化だったようで、胸をなで下ろしました。
写真のように、小魚やウツボのゆりかごになっている見残しのシコロサンゴ。
グラスボートの船頭さんのように、自然の変化にいち早く気づける「目」があることや
目崎博士のような専門家にすぐに尋ねられることなど、
日々のモニタリング環境が整っている素晴らしさを感じる一面でした!