アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]
【速報】足摺宇和海のサンゴ白化状況
2016年08月31日先週とは打って変わって過ごしやすい気候になった土佐清水からこんにちは!
すっかりめっきり秋の空で、どうやら早々にクーラーにはお休みしてもらうことになりそうです。
さて、全国規模でニュースになっているサンゴの「白化」、みなさんの耳にも入っているでしょうか?
今年の春先にオーストラリアのグレートバリアリーフで大規模な白化が確認され、
日本でも、沖縄・鹿児島などで大規模な白化が始まっているとの報道がなされています。
そして、ここ足摺宇和海国立公園でも部分的な白化が多く見られるようになりました。
特に、水が温まりやすい内湾での白化が進行しているようです。
8月はじめの竜串モニタリングでは、部分的な白化があったことを紹介しましたが、
20日後、竜串の大碆ではミドリイシの白化が進んでいました。
8月23日、グラスボートから見えるサンゴはこのような状態です。
比較的浅いところにあるミドリイシ(卓状サンゴ)が白化しているのが見えます。
また、大月町の黒潮生物研究所から、大月町西泊の様子を情報提供していただきました。
(写真提供:黒潮生物研究所)
白化がかなり進んでいるのが分かります。
黒潮生物研究所 サンゴ研究者の目崎博士にこれらの白化状況と、今後の見通しについて伺いました。
ーーーーーーーーー以下 目崎博士のコメントーーーーー
先週までは30度近くあった海水温が、台風10号の影響で2度ほど下がり、
白化の進む危険水温ラインは一応脱したものの、
一度白化がある程度進行した群体は、少々水温が下がっても、
死にはしませんが、もう少し白くなることが多いです。
このまま水温が下がった状態が継続すれば、
1-3ヶ月でほとんどの群体はもとに戻ると予想しております。
しかし、また高水温になるようなことがあれば、深刻になるかもしれません。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー以上ーーーー
こういった白化状況など、サンゴの現況について誰でも投稿できるサンゴマップというサイトがあります。
白化情報はもちろんですが、ここは白化してないよ!という情報も重要ですので、
興味がある方、サンゴを見る機会がある方、ぜひこちらをのぞいて、情報発信してみてください!
サンゴを含めた生きものや自然に触れる機会を多く提供していくことも、
こういった異変に気づく「目」を養う機会を設けていくことも、
情報を発信し、共有していくことも、
必要だなと痛感するニュースです。
9/10 コーラル&フィッシュウォッチング
高知県大月町で行われるスノーケル体験イベントです。
大月のパークボランティアによるスノーケル指導から海のガイドまで!
たっぷり海で泳いで、サンゴや魚を見てみたい、という方はぜひどうぞ!
第26回CF参加申込書.pdf(詳細、申込方法に関しては上記ファイル参照)