アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]
✿足摺ヤブツバキ保全シリーズ③ みどりの手
2016年11月02日連続投稿もいとわない土佐清水からこんにちは!
秋の桜、コスモスが美しく咲き乱れていますね。
各地で紅葉も始まり、ようやく、目で楽しむ秋が始まりました!
さて、ヤブツバキシリーズ第1弾 はじめの一歩でツバキを採取した様子をお届けしましたが、
採取した種はすべて牧野植物園で育てるため、引き取っていただきました。
今回は、地元で育てていく分のヤブツバキの種を採取した様子をお知らせします。
当然のことながら、足摺岬にはツバキとメダケしかないわけではありません。
ツバキとおなじく足摺岬の景観を豊かにしてきた在来種を、
ツバキと共に育苗し足摺岬に植樹し、本来の景観を取り戻すまでが、この保全活動の目的です。
対象は、以下の4種。
シャリンバイ ハマヒサカキ
トベラ マサキ
結実し熟した頃合いを見て、今回採取することになったのが、
ヤブツバキ、ハマヒサカキ、シャリンバイの3種。
左上:ヤブツバキ 右上:ハマヒサカキ
左下:トベラ 右下:シャリンバイ
トベラ、マサキは時期尚早の様子。
果肉に発芽抑制物質(木になっている状態で芽が出ないようにするため)があるので、
それぞれの果実が熟すには時間差があるようです。
採取した実を、それぞれ皮・実からはがしクリーニングします。
ハマヒサカキは「インク」の別名を持つだけあって、青い汁が手に着くとあらっても落ちず、
しかも小さい実の中に、更に小さい種がぎっしり詰まっています!
しかもしかも、シャリンバイもハマヒサカキも、汁が粘性をもっているので、
なかなかうまく種だけを取り出せません。気が遠くなるような作業です。
ハマヒサカキ シャリンバイ
(おわかりいただけるでしょうか、このハマヒサカキの種の小ささを。)
取り出した実を、今度はきれいに洗い、最終クリーニング。
そしてプランターに植えていきます。
牧野植物園直伝の鹿沼土中粒と細粒の二刀流で!
植える! 植える! 植える!!
最終的に、土佐清水自然保護官事務所では
ヤブツバキ365、シャリンバイ235、ハマヒサカキ564を植えました。
足摺岬でも地元の方々や団体が、それぞれ畑やプランターに植え付けを終えています。
これから芽をだし、移植できるようになるまで育てていく、
植物を育てることのできる、「みどりの手」が必要な作業です。
今後、芽吹きまで育てられるか・・
これからのヤブツバキ保全活動の動向とあわせてお知らせしていきますので、
乞うご期待!