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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

清水小学校のサンゴ学習

2016年09月07日
足摺宇和海国立公園 谷吉萌

まだまだ麦茶がおいしい土佐清水からこんにちは!

台風のおかげで海水温が下がりましたが、まだまだ予断を許さない状態です。

(サンゴ白化記事は【速報】足摺宇和海のサンゴ白化状況をご覧ください。)


今日は、土佐清水自然保護官事務所からあるいて5分の清水小学校のサンゴ学習のようすをお届けします。

1学期から、サンゴの生態や竜串のサンゴをグラスボートで見学してきた4年生。

まとめ授業として、「土佐清水のサンゴ いまとこれから」をテーマにお話ししました。


最初は、レンジャーという仕事や国立公園についての、簡単な説明から。

写真や地図を使いながら、国立公園が日本にどれだけあるか、

国立公園やレンジャーがどういった役割をもっているのかを説明していきます。

先生からは、サンゴのことだけじゃなく、レンジャーという普段かかわりのない仕事を知る、良い機会になったというお言葉をいただきました。


そして本題のサンゴについて。

まずは、清水のサンゴが今いい状態なのか、悪い状態なのか、

実際の状況を知ってもらう前に、考えてもらいました。

良いと思う子は、1学期にグラスボートから自分の目で見たサンゴがきれいだったことを挙げ、

悪いと思う子は、ゴミをよく見かけることや、オニヒトデがいることを挙げていました。

どちらの意見も正しくて、ものごとの見方がひとつでは無いことが分かります。


自分たちで考えてもらった上で、実際に起こっていることを

サンゴが直面する3つの危機として知ってもらいます。

サンゴを食べるオニヒトデや巻き貝や、

西南豪雨などで問題になった泥をはじめとする、上流部の自然の弱体化による影響、

(冒頭でも話題に挙げた)白化についてを取り上げて、詳しく話します。

オニヒトデ駆除で使用されている酢酸注射がドリルに見えたようで、

意外にも食いつきがよく、印象に残った話のひとつに上がっていました。


最後に、サンゴのこれからをみんなで考える上で、

サンゴがないとどうなるかを考えてみました。

サンゴのまわりに暮らす生きものがいなくなること、

観光や漁業など、人の暮らしにも影響が出ることを挙げてくれ、

これまでの授業がしっかり吸収されていることが分かりました。



事務所から歩いて5分、ご近所さんの清水小学校。

こうしてお話をしたことで、子どもたちも身近に感じてくれたようで、

さっそく放課後、習い事の帰りにあそびに来てくれた子がいました。

これまでに無いことなので戸惑ってしまいましたが、

こんなふうにあそびに来てもらうと、やはりうれしいものです。

これからもこどもたちが気軽にあそびにきて、

自然について新しく発見できる機会を提供していけたらいいなと思います。