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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

虹ヶ浜干潟の生き物観察会を開催しました!

2011年08月05日
広島
広島事務所では今年も自然観察会を開催しました!
広島事務所の管轄は広島県と山口県です。
山口県では虹ヶ浜や室積海岸、笠戸島などが瀬戸内海国立公園に指定されています。
今年の第1回目は川から海に至るまで幅広く研究や観察会をされていらっしゃる奥田賢吾先生をお招きし、虹ヶ浜で干潟の生き物観察会を開催しました。
雷が鳴ったり天気雨がぱらついたりと天気も心配されましたが、
キャンセルもなく11家族32名のみなさんにご参加いただきました。

まずは浜から干潟までの間を植物観察です。
ここにはハマゴウをはじめ、コウボウムギ、ハマボウフウ、オカヒジキやハマナデシコなど今は珍しくなってしまった海浜植物が多く見られます。

[浜一面に広がるハマゴウ]
[中央の黄色い植物は外来種アメリカネナシカズラ]

海浜沿いを歩いていくと、ぽつぽつと何やら穴を発見。
奥田先生指導の下掘ってみると、スナガニが姿を現しました!
広島県では絶滅危惧種に指定されていますが、
砂浜の残る虹ヶ浜では多くみられるようです。
疑似穴もあるため、全部で見つかったのは6、7匹でしょうか。
夜行性なので巣穴で眠っていたスナガニにはいい迷惑だったかもしれませんね。

そして、干潟では至る所でカニダンスが!
ウェービングという動作で
チゴガニやハクセンシオマネキは干潮時一生懸命ハサミを振りかざします。
遠くで見るとただの干潟。
近くに行くとカニが引っ込むため、子ども達も最初は気づかなかったようですが、
じーっとよく見てと促してみると「うわ~」と声をあげていました。


[アシハラガニは横向きに巣穴を掘るんだよ。と奥田先生]

[左上:スナガニ 左下:ハクセンシオマネキ 右上:ヌマチチブ 右下:チゴガニ]

最後に皆が採集した生き物を持ち寄ってみると
アシハラガニ、スナガニ、チゴガニ、ハクセンシオマネキ、オサガニ、ヤマトオアサガニ、モクズガニやキンセンガニなどカニだけでもかなりの種類を見ることができました。
島田川から流れ出る淡水と海水による汽水域という特殊な環境が多様な生き物を育んでいるようです。

[採集したカニを持ってハイチーズ!]


閉会式では画家である奥田先生が描いた
島田川に棲む水生生物の鉛筆画を見せていただきました。
そして!なんとラッキーな2家族には先生より絵がプレゼントされました!
子ども達にとっては一生の思い出となりそうですね。

[頂いた鉛筆画を持って]



チゴガニについてはこちら↓
http://chushikoku.env.go.jp/blog/2010/10/722.html