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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

【日本のいのち、つないでいこう! COP10まであと1日】

2010年10月15日
広島
「干潟のアイドル“チゴガニ”」
  チゴガニ【エビ亜目スナガニ科チゴガニ属】

COP10まであと3日となりました!
MOP5も始まり、新聞やニュースでも「生物多様性」という言葉を
頻繁に見かけるようになりました。
瀬戸内海国立公園で身近で一番多様性があるところ、
それはやっぱり干潟ではないでしょうか?!

瀬戸内海は国内では有明海の次に干満の差があるところ。
つまり、広大な干潟ができるところでもあります。
今回はそんな干潟のアイドル“チゴガニ”をご紹介したいと思います。
チゴガニ(稚児蟹)はその名のとおり、
体長約10㎜の小さなカニです。
集団で巣穴を掘って生活しますが、
河口干潟付近を好むようでハクセンシオマネキなどと混じって生活してところをよく見かけます。
ハクセンシオマネキは体長よりも大きな白いハサミを振りかざしているので
容易に見つけることができるのですが、
その付近をよ~く見てみると、
小さなハサミを振っているチゴガニを見ることができます。

[雄ガニは大抵片手が大きいですが、チゴガニは両手が同じサイズ]

ちっちゃいチゴガニがちっちゃいハサミを一生懸命振っている光景は
滑稽(こっけい)で、愛らしくも見えます。
ウェービングといわれるハサミの上下運動、
夏場の限られた期間に穴から出ればひたすらハサミを振るには
何かきっと大切な意味があるには違いない!
雄しかしないことから求愛行動やほかの雄に対する威嚇?
そんな推測もできますが、目的はよくわかっていません。


[周りのチゴカニと一斉にハサミを振る光景はまさに波(ウェービング)そのもの!
だけど、威嚇にしては仲良すぎ?]

1時間でも2時間でも観察できるチゴガニですが、
とても警戒心が強く、
近くを歩こうものなら直ぐさま巣穴に引っ込んでしまいます。
そんな時は巣穴の近くに座って数分もすれば、
愛らしいウェービングを見せてくれます。

動画を掲載できないのが残念ですが、
チゴガニダンスは是非実際に干潟へ行って見てみてください。

…ただし、夏場の暑い時期が盛んなので今年はもう遅いかも!?
ちなみにシオマネキのウェービングは先週まだ行われていました!

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日本のいのち、つないでいこう!【COP10まで1日前】
生物多様性ホームページ http://www.biodic.go.jp/biodiversity/
COP10支援実行委員会 http://www.cop10.jp/aichi-nagoya/



※COP10 1日前(10月17日)は休日に当たります。そのため、本日10月15日(金)に、10月17日(日)分の記事を掲載しております。ご了承ください。