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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

ミヤジマトンボ初お披露目@宮島

2009年06月11日
広島
いよいよミヤジマトンボの成虫が飛び回る季節となりました。
今回は宮島島内で3箇所の生息地のうち、
もっとも生息状況の安定している湿地へ成虫の現存数調査に同行しました。
(ミヤジマトンボの希少性については5月の日記をご覧ください↓
http://chushikoku.env.go.jp/blog/2009/05/472.html


ミヤジマトンボは雨だと茂みに隠れ、
曇っているとあまり飛び回らず、ヒトモトススキなどに止まっています。
調査日は幸か不幸か曇り。
調査員の方は止まっている方が捕獲しやすいということですが、
私は茂みの中を注視しても、なかなか見つけることはできません。

最初に行う水質調査の折り、
調査員の方が見つけた本日最初のミヤジマトンボ。
初お目見えのトンボは早朝羽化したと思われるテカテカのトンボでした。
じっと動かず羽を乾かしていたので、こちらもそっと写真だけ撮らせて頂きました。


羽化直後のミヤジマトンボ。


その後、若いオスを発見。
初めて近くでミヤジマトンボを見ましたが、
第一印象はほそい・・でした。
しっかり食べてんの!?と思いましたが、
シオカラトンボ属に属するミヤジマトンボとハラボソトンボは元々腹部が細いようです。
飛ぶ姿を見ていてもふわっふわ~っと如何にもきゃしゃというか、弱々しい感じでした。
(成熟したトンボの方が何となく飛び方がうまい?ようにも感じましたが、トンボも鳥と同じように徐々に飛び方がうまくなるもんなんでしょうか??)
ムカシヤンマなど他のトンボに捕食されることもあるようですが、
こんなきゃしゃな飛び方を見ていると、それもうなずけます。

成虫の他に羽化殻(ヤゴの抜け殻)もたくさん見つけることができました。
5月中旬から始まった現存数調査ですが、
今までに確認されていない若いトンボもたくさん見られたことからも、
本格的な羽化の時期がやってきているようです。


それにしてもトンボの一生ってほんとに神秘的ですね。
卵からヤゴになって、
ヤゴから似ても似つかない
尻尾も羽も長く色も鮮やかなトンボになるわけですから。
一年水中で過ごして、初めて空を飛ぶときはどんな気持ちなんでしょうねぇ。



若いオス。身体が黄色ですが、成熟するにつれ青みが増してきます。

羽化殻。この小さな殻の中にどうやって身体がしまってあるんでしょうか。