2010年10月
15件の記事があります。
2010年10月25日スナメリ観察会を実施します【イベント】
瀬戸内海国立公園 松山 永田清美
こんにちは。行事のご案内です。
11月6日(土)に愛媛県の中島汽船航路にて、中国四国地方環境事務所・
広島工業大学大学院環境学研究科 上嶋英機研究室が主催して
スナメリ観察会を行います。

スナメリは、瀬戸内海などに生息する2m弱の海棲哺乳類(イルカやクジラの
仲間)で、底生生物や小型魚類などを食べ、瀬戸内海の食物連鎖の中でも
頂点にたつ存在です。
このスナメリの瀬戸内海全域の生息状況を把握するため、
市民のみなさまから目撃情報を収集しています。
ちょうど1年前の同様のイベントでは、フェリーの正面から泳いでくる
スナメリの群れを見ることができました。
(昨年の様子 http://c-chushikoku.env.go.jp/blog/2009/11/565.html)
今回は、発見の多い瀬戸を見渡せる野忽那島で下船して、
陸上からもスナメリの姿を探します。
これまでのモニタリングでは、海運業者の方を中心にたくさんの目撃情報が
よせられています。
昨年の結果を見ると、忽那諸島周辺では秋の目撃回数が多いようですが、
今年はどうでしょうか。
また、平成22年11月1日(月)~平成23年3月31日(木)の間は、
集中的にスナメリの目撃情報も募集しています。
11月6日の観察会へのお申し込み、そしてスナメリを発見した!
と言う方はスナメリ検討会事務局までご連絡ください。
イベント申し込みや目撃情報について詳細はこちらのホームページ↓↓
http://c-chushikoku.env.go.jp/to_2010/1022a.html
http://www.denshimap.jp/setouchi/sunameri/index.html
11月6日(土)に愛媛県の中島汽船航路にて、中国四国地方環境事務所・
広島工業大学大学院環境学研究科 上嶋英機研究室が主催して
スナメリ観察会を行います。

スナメリは、瀬戸内海などに生息する2m弱の海棲哺乳類(イルカやクジラの
仲間)で、底生生物や小型魚類などを食べ、瀬戸内海の食物連鎖の中でも
頂点にたつ存在です。
このスナメリの瀬戸内海全域の生息状況を把握するため、
市民のみなさまから目撃情報を収集しています。
ちょうど1年前の同様のイベントでは、フェリーの正面から泳いでくる
スナメリの群れを見ることができました。
(昨年の様子 http://c-chushikoku.env.go.jp/blog/2009/11/565.html)
今回は、発見の多い瀬戸を見渡せる野忽那島で下船して、
陸上からもスナメリの姿を探します。
これまでのモニタリングでは、海運業者の方を中心にたくさんの目撃情報が
よせられています。
昨年の結果を見ると、忽那諸島周辺では秋の目撃回数が多いようですが、
今年はどうでしょうか。
また、平成22年11月1日(月)~平成23年3月31日(木)の間は、
集中的にスナメリの目撃情報も募集しています。
11月6日の観察会へのお申し込み、そしてスナメリを発見した!
と言う方はスナメリ検討会事務局までご連絡ください。
イベント申し込みや目撃情報について詳細はこちらのホームページ↓↓
http://c-chushikoku.env.go.jp/to_2010/1022a.html
http://www.denshimap.jp/setouchi/sunameri/index.html
2010年10月22日湿地植物 花の季節 その3・秋
瀬戸内海国立公園 松山 永田清美
10月も下旬。山々から紅葉の便りが聞こえてきていますね。
名古屋では生物多様性条約のCOP10が開幕し、様々な議論が行われています。
議論の行く末にも注目していきたいところです。
さて、10月19日に定点観測調査箇所である蛇池湿地に行きました。
青々としていた湿地もすっかり秋の様相です。

そしてトンボたちは、恋の季節のようです。

交尾中のトンボたち。お邪魔しましたー…
花々も一ヶ月で随分と変わりました。

ナガボノアカワレモコウ

サワヒヨドリ

キセルアザミ
淡い赤や紫色の花が多いですね。
そういえば、今日着ている服はカーキとピンク色なんですが、
やはり秋らしい色、という感じがあるのでしょうか。なんて。
夏から少雨の傾向にあり、湿地に続く池の水位が下がり、一部底が見えていました。
台風が一つも直撃せず、台風被害がないのはよいのですが、
まとまった雨がほしいところです。
名古屋では生物多様性条約のCOP10が開幕し、様々な議論が行われています。
議論の行く末にも注目していきたいところです。
さて、10月19日に定点観測調査箇所である蛇池湿地に行きました。
青々としていた湿地もすっかり秋の様相です。
そしてトンボたちは、恋の季節のようです。
交尾中のトンボたち。お邪魔しましたー…
花々も一ヶ月で随分と変わりました。
ナガボノアカワレモコウ
サワヒヨドリ
キセルアザミ
淡い赤や紫色の花が多いですね。
そういえば、今日着ている服はカーキとピンク色なんですが、
やはり秋らしい色、という感じがあるのでしょうか。なんて。
夏から少雨の傾向にあり、湿地に続く池の水位が下がり、一部底が見えていました。
台風が一つも直撃せず、台風被害がないのはよいのですが、
まとまった雨がほしいところです。
2010年10月21日第6回滑床山植生回復検討会
足摺宇和海国立公園 土佐清水 新堀麻子
10月20日、第6回目の滑床山植生回復現地検討会が行われました。
これは、裸地化が進んでいる滑床山(三本杭)の植生回復の対策を検討するために開かれています。
地元関係者や関係行政機関、森林総合研究所四国支所等、16団体33名の参加でした。

柵内外のササの現状をみる
国立公園でもあり、鳥獣保護区や水源保安林でもあり、地域にとっては観光資源の場でもあります。
現在、シカ防護ネット柵の設置や、その中でササの移植等が対策として行われています。
様々な立場の参加者。
保護する目的は違えど、滑床山の現状をよしとしている人はいません。
変化していく現場を直接見て感じて、その対策考えていく事が大切。
それぞれの立場からの見解を聞きつつ現地を見ていきました。
新たに設置された柵や対策後の変化(ササ移植の推移等)の説明、意見交換等がありました。
地下茎で生長するミヤコザサは、地上部分がシカ食害の圧力にかかっても、土中で少しずつ茎を伸ばすことができます。
そのため山頂周辺は、柵の効果も出て着実に地表を覆い始めています。
滑床山(三本杭)の防鹿柵内の移植ササの様子

2009年6月

2010年10月
しかし柵を設置することで他のエリアにしわ寄せが行くことは必然です。
根本的な解決のためにどうすればよいのか。
現在の仕組みで実施可能かどうかではなく、川上から川下までを見通して何がより最善かを検討することも新たな解決の道が開けるひとつかもしれませんね。
これは、裸地化が進んでいる滑床山(三本杭)の植生回復の対策を検討するために開かれています。
地元関係者や関係行政機関、森林総合研究所四国支所等、16団体33名の参加でした。
柵内外のササの現状をみる
国立公園でもあり、鳥獣保護区や水源保安林でもあり、地域にとっては観光資源の場でもあります。
現在、シカ防護ネット柵の設置や、その中でササの移植等が対策として行われています。
様々な立場の参加者。
保護する目的は違えど、滑床山の現状をよしとしている人はいません。
変化していく現場を直接見て感じて、その対策考えていく事が大切。
それぞれの立場からの見解を聞きつつ現地を見ていきました。
新たに設置された柵や対策後の変化(ササ移植の推移等)の説明、意見交換等がありました。
地下茎で生長するミヤコザサは、地上部分がシカ食害の圧力にかかっても、土中で少しずつ茎を伸ばすことができます。
そのため山頂周辺は、柵の効果も出て着実に地表を覆い始めています。
滑床山(三本杭)の防鹿柵内の移植ササの様子
2009年6月
2010年10月
しかし柵を設置することで他のエリアにしわ寄せが行くことは必然です。
根本的な解決のためにどうすればよいのか。
現在の仕組みで実施可能かどうかではなく、川上から川下までを見通して何がより最善かを検討することも新たな解決の道が開けるひとつかもしれませんね。
2010年10月20日大山頂上保全作業がありました
大山隠岐国立公園 米子 米田美里
前回の日記で、9月後半には大山の頂上保護活動が立て続けにあったと書きましたが
今回は「大山頂上避難小屋トイレの汚泥キャリーダウン」の数日後に行われた
大山頂上保全作業についてご紹介しようと思います。
この日、朝早く大山寺の博労座には、大山の頂上保全作業をするために
大山頂上を保護する会の構成員をはじめ、関係機関、公募のボランティアの方々70名が集まりました。
山頂では、三角点付近の外来種除去と植生復元のためのコモ伏せ作業、
山頂碑の裏の植栽作業、これまで頂上保全作業で使用してきた土嚢袋の処理などを班に分かれて行いました。

◎ヤマヤナギ植栽中

◎三角点付近のこも伏せ作業。
大山山頂の厳しい環境下で、飛んできた種が発芽・定着し易いようにコモ伏せを行います。

◎山頂小屋付近の外来種を除去してます。
大山で一番よく目にする外来種はオオバコです。
オオバコは日本というくくりで見ると在来種なのですが、
もともとは大山にはなかった植物なので、大山にとっては外来種といえます。
平地でよく目にするオオバコなどは、
登山者の靴などに種をつけて大山山頂まで運ばれています。
「外来種」と聞くと海外から運ばれてきた動植物を思い浮かべますが
たとえ「日本にとっては在来種」でも
その地域の生態系にもともといるはずのないものは「外来種」なんですね。
初めて頂上保全作業に参加したときに、
「え、オオバコって外来種だったの??」となったのですが
この説明を聞いて納得でした。

◎この日の大山。いまは紅葉が進んでます。

◎タンナトリカブト(ダイセントリカブト)の花がかろうじて残っていました。
今回は「大山頂上避難小屋トイレの汚泥キャリーダウン」の数日後に行われた
大山頂上保全作業についてご紹介しようと思います。
この日、朝早く大山寺の博労座には、大山の頂上保全作業をするために
大山頂上を保護する会の構成員をはじめ、関係機関、公募のボランティアの方々70名が集まりました。
山頂では、三角点付近の外来種除去と植生復元のためのコモ伏せ作業、
山頂碑の裏の植栽作業、これまで頂上保全作業で使用してきた土嚢袋の処理などを班に分かれて行いました。
◎ヤマヤナギ植栽中
◎三角点付近のこも伏せ作業。
大山山頂の厳しい環境下で、飛んできた種が発芽・定着し易いようにコモ伏せを行います。
◎山頂小屋付近の外来種を除去してます。
大山で一番よく目にする外来種はオオバコです。
オオバコは日本というくくりで見ると在来種なのですが、
もともとは大山にはなかった植物なので、大山にとっては外来種といえます。
平地でよく目にするオオバコなどは、
登山者の靴などに種をつけて大山山頂まで運ばれています。
「外来種」と聞くと海外から運ばれてきた動植物を思い浮かべますが
たとえ「日本にとっては在来種」でも
その地域の生態系にもともといるはずのないものは「外来種」なんですね。
初めて頂上保全作業に参加したときに、
「え、オオバコって外来種だったの??」となったのですが
この説明を聞いて納得でした。
◎この日の大山。いまは紅葉が進んでます。
◎タンナトリカブト(ダイセントリカブト)の花がかろうじて残っていました。
2010年10月19日何モミジ?
瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵
残暑も終わり、
野外活動のベストシーズンがやってきました!
宮島にもここぞとばかりに観光客が押し寄せています。
そんな中、宮島パークボランティア(以下PV)では、
年に一度行っている樹木名板の確認・保全作業を行いました。
要害山~うぐいす歩道~もみじ谷コースと
大元公園~アケビ歩道~もみじ谷コースに分かれて出発。
昨年同様、植物と樹木名板の位置確認や、
拭き掃除に取付部分のメンテナンスなどを行いました。

[作業風景]
ですが、今年の猛暑のせいでしょうか、
枯れかけているものや
既に落葉している樹木もちらほら見られました。

[各地で紅葉を前に落葉しているようです]
私が同行した大元コースでは、
樹木名板の紛失などはありませんでしたが、
モミジの同定確認が必要なものがいくつかありました。
私はイロハモミジよりオオモミジの方が大きめくらいしか認識がなかったのですが、
PVの方に違いを聞くと食い込みの深さや、鋸歯の大きさ、種の付き方などが違うとか。

[イロハモミジ]
切れ込みが深く、葉の大きさに比べて鋸歯が大きく不揃い

[オオモミジ]
切れ込みが浅く、鋸歯が小さく揃っている
※鋸歯=葉の縁にあるギザギザの切れ込み
中には切れ込みは深いのに鋸歯が小さいという難解なものもありました。
そうなると素人目には難しいですが、
識別方法を知ると思わず葉っぱを凝視してしまいます。
もうすぐ紅葉シーズン!
これは何モミジ?なんてことを気にとめながら歩くと、
一味違った紅葉狩りを楽しめるかもしれません。

[初めて見つけたサカキカズラの実!なんて芸術的な形!]
もうじきこの中からタンポポのような綿毛が飛んでいきます。
野外活動のベストシーズンがやってきました!
宮島にもここぞとばかりに観光客が押し寄せています。
そんな中、宮島パークボランティア(以下PV)では、
年に一度行っている樹木名板の確認・保全作業を行いました。
要害山~うぐいす歩道~もみじ谷コースと
大元公園~アケビ歩道~もみじ谷コースに分かれて出発。
昨年同様、植物と樹木名板の位置確認や、
拭き掃除に取付部分のメンテナンスなどを行いました。

[作業風景]
ですが、今年の猛暑のせいでしょうか、
枯れかけているものや
既に落葉している樹木もちらほら見られました。
[各地で紅葉を前に落葉しているようです]
私が同行した大元コースでは、
樹木名板の紛失などはありませんでしたが、
モミジの同定確認が必要なものがいくつかありました。
私はイロハモミジよりオオモミジの方が大きめくらいしか認識がなかったのですが、
PVの方に違いを聞くと食い込みの深さや、鋸歯の大きさ、種の付き方などが違うとか。
[イロハモミジ]
切れ込みが深く、葉の大きさに比べて鋸歯が大きく不揃い
[オオモミジ]
切れ込みが浅く、鋸歯が小さく揃っている
※鋸歯=葉の縁にあるギザギザの切れ込み
中には切れ込みは深いのに鋸歯が小さいという難解なものもありました。
そうなると素人目には難しいですが、
識別方法を知ると思わず葉っぱを凝視してしまいます。
もうすぐ紅葉シーズン!
これは何モミジ?なんてことを気にとめながら歩くと、
一味違った紅葉狩りを楽しめるかもしれません。
[初めて見つけたサカキカズラの実!なんて芸術的な形!]
もうじきこの中からタンポポのような綿毛が飛んでいきます。
2010年10月18日大山トイレマナーアップキャンペーン
大山隠岐国立公園 米子 米田美里
9月後半は大山の頂上保護活動が立て続けにありました。
まず一つ目は、今回のタイトルの「大山トイレマナーアップキャンペーン」の一環である頂上トイレの汚泥キャリーダウン運動です。
大山の山頂避難小屋には3つトイレがあります。
このトイレに蓄積した汚泥を
ヘリコプターなどの野生生物に影響を与える方法ではなく人力で山麓まで運搬し、
登山でのトイレマナーについて考えてもらおうと3年前から始まった活動です。
今年の参加者は総勢300人!
今年も県内外から多くの方々が参加されました。
午前8時に博労座駐車場で開会式があり、
参加者の皆さんはリュックや服に参加者シールを貼り付け、続々と山頂へ向けて出発!
山頂で汚泥の詰められた2リットルのペットボトルを受け取り
午後4時頃に最後の参加者の方々が
ペットボトル回収地点である下山駐車場に到着されました。

◎一般登山者の方々と区別するために参加者の皆さんには参加シールが配られました。

◎キャリーダウン参加シールを貼った登山者が目立ってます。

◎山頂で汚泥の詰められたペットボトルを受け取ります。

◎記念にパチリ☆
当日は日曜日ということもあり、一般の登山者の方々も多くおられました。
わたしが参加者の誘導などをしていると
「今日は何か大会があるんですか?」と、多くの方に聞かれました。
趣旨説明をすると、みなさん「すごいね」「ありがとう」「当日参加はできるの?」と言って下さいました。
また、参加者の方には「来年も参加します!」と声をかけて下さる方もいました。
多くの人によって大山の自然環境は守られているんだなぁと実感した1日でした。
まず一つ目は、今回のタイトルの「大山トイレマナーアップキャンペーン」の一環である頂上トイレの汚泥キャリーダウン運動です。
大山の山頂避難小屋には3つトイレがあります。
このトイレに蓄積した汚泥を
ヘリコプターなどの野生生物に影響を与える方法ではなく人力で山麓まで運搬し、
登山でのトイレマナーについて考えてもらおうと3年前から始まった活動です。
今年の参加者は総勢300人!
今年も県内外から多くの方々が参加されました。
午前8時に博労座駐車場で開会式があり、
参加者の皆さんはリュックや服に参加者シールを貼り付け、続々と山頂へ向けて出発!
山頂で汚泥の詰められた2リットルのペットボトルを受け取り
午後4時頃に最後の参加者の方々が
ペットボトル回収地点である下山駐車場に到着されました。
◎一般登山者の方々と区別するために参加者の皆さんには参加シールが配られました。
◎キャリーダウン参加シールを貼った登山者が目立ってます。
◎山頂で汚泥の詰められたペットボトルを受け取ります。
◎記念にパチリ☆
当日は日曜日ということもあり、一般の登山者の方々も多くおられました。
わたしが参加者の誘導などをしていると
「今日は何か大会があるんですか?」と、多くの方に聞かれました。
趣旨説明をすると、みなさん「すごいね」「ありがとう」「当日参加はできるの?」と言って下さいました。
また、参加者の方には「来年も参加します!」と声をかけて下さる方もいました。
多くの人によって大山の自然環境は守られているんだなぁと実感した1日でした。
2010年10月15日〔グリーンワーカー事業〕篠山のアケボノツツジ保全
足摺宇和海国立公園 土佐清水 新堀麻子
篠山にあるアケボノツツジ群落を保全するため、環境省ではこれまで様々な対策を行ってきました。

根返り防止用ワイヤー
アケボノツツジの根返り防止対策としてのチップマットやワイヤー設置も、かれこれ設置から5年ほど経ちます。
ワイヤーは部分的な補修で機能が維持できるのか、撤去する方がよいのかを見直す必要があるだろう。
ということで、今後の対策の確認のため10月13日に篠山へ行ってきました。

秋の篠山
強い雨風の影響を受けやすい篠山。ワイヤーが所々外れていたり、壊れていたり、なくなっていたり・・・。
木の根元のチップマットも今はその痕跡がなんとなく確認できる程度。


場所によっては、ササの生長が見られチップマットが隠れている所もあります。
しかし、「アケボノツツジ群落の保全」のためには引き続き対策が必要です。
そんな篠山を歩いていると、雄シカの雌を呼ぶ声が山の中に響いていました。
シカも生きるために必死です。
今年度の篠山のグリーンワーカー事業では、これまで実施してきた対策を見直すことを中心にして、シカの食害からササを守る柵の維持補修、ワイヤーの整理を行う予定です。
アケボノツツジ満開の時期以外も訪れてみると、また別の篠山が味わえると思いますよ。
根返り防止用ワイヤー
アケボノツツジの根返り防止対策としてのチップマットやワイヤー設置も、かれこれ設置から5年ほど経ちます。
ワイヤーは部分的な補修で機能が維持できるのか、撤去する方がよいのかを見直す必要があるだろう。
ということで、今後の対策の確認のため10月13日に篠山へ行ってきました。
秋の篠山
強い雨風の影響を受けやすい篠山。ワイヤーが所々外れていたり、壊れていたり、なくなっていたり・・・。
木の根元のチップマットも今はその痕跡がなんとなく確認できる程度。
場所によっては、ササの生長が見られチップマットが隠れている所もあります。
しかし、「アケボノツツジ群落の保全」のためには引き続き対策が必要です。
そんな篠山を歩いていると、雄シカの雌を呼ぶ声が山の中に響いていました。
シカも生きるために必死です。
今年度の篠山のグリーンワーカー事業では、これまで実施してきた対策を見直すことを中心にして、シカの食害からササを守る柵の維持補修、ワイヤーの整理を行う予定です。
アケボノツツジ満開の時期以外も訪れてみると、また別の篠山が味わえると思いますよ。
2010年10月15日【日本のいのち、つないでいこう! COP10まであと1日】
瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵
「干潟のアイドル“チゴガニ”」
チゴガニ【エビ亜目スナガニ科チゴガニ属】
COP10まであと3日となりました!
MOP5も始まり、新聞やニュースでも「生物多様性」という言葉を
頻繁に見かけるようになりました。
瀬戸内海国立公園で身近で一番多様性があるところ、
それはやっぱり干潟ではないでしょうか?!
瀬戸内海は国内では有明海の次に干満の差があるところ。
つまり、広大な干潟ができるところでもあります。
今回はそんな干潟のアイドル“チゴガニ”をご紹介したいと思います。
チゴガニ(稚児蟹)はその名のとおり、
体長約10㎜の小さなカニです。
集団で巣穴を掘って生活しますが、
河口干潟付近を好むようでハクセンシオマネキなどと混じって生活してところをよく見かけます。
ハクセンシオマネキは体長よりも大きな白いハサミを振りかざしているので
容易に見つけることができるのですが、
その付近をよ~く見てみると、
小さなハサミを振っているチゴガニを見ることができます。

[雄ガニは大抵片手が大きいですが、チゴガニは両手が同じサイズ]
ちっちゃいチゴガニがちっちゃいハサミを一生懸命振っている光景は
滑稽(こっけい)で、愛らしくも見えます。
ウェービングといわれるハサミの上下運動、
夏場の限られた期間に穴から出ればひたすらハサミを振るには
何かきっと大切な意味があるには違いない!
雄しかしないことから求愛行動やほかの雄に対する威嚇?
そんな推測もできますが、目的はよくわかっていません。

[周りのチゴカニと一斉にハサミを振る光景はまさに波(ウェービング)そのもの!
だけど、威嚇にしては仲良すぎ?]
1時間でも2時間でも観察できるチゴガニですが、
とても警戒心が強く、
近くを歩こうものなら直ぐさま巣穴に引っ込んでしまいます。
そんな時は巣穴の近くに座って数分もすれば、
愛らしいウェービングを見せてくれます。
動画を掲載できないのが残念ですが、
チゴガニダンスは是非実際に干潟へ行って見てみてください。
…ただし、夏場の暑い時期が盛んなので今年はもう遅いかも!?
ちなみにシオマネキのウェービングは先週まだ行われていました!
----------------------------*-**
日本のいのち、つないでいこう!【COP10まで1日前】
生物多様性ホームページ http://www.biodic.go.jp/biodiversity/
COP10支援実行委員会 http://www.cop10.jp/aichi-nagoya/
※COP10 1日前(10月17日)は休日に当たります。そのため、本日10月15日(金)に、10月17日(日)分の記事を掲載しております。ご了承ください。
チゴガニ【エビ亜目スナガニ科チゴガニ属】
COP10まであと3日となりました!
MOP5も始まり、新聞やニュースでも「生物多様性」という言葉を
頻繁に見かけるようになりました。
瀬戸内海国立公園で身近で一番多様性があるところ、
それはやっぱり干潟ではないでしょうか?!
瀬戸内海は国内では有明海の次に干満の差があるところ。
つまり、広大な干潟ができるところでもあります。
今回はそんな干潟のアイドル“チゴガニ”をご紹介したいと思います。
チゴガニ(稚児蟹)はその名のとおり、
体長約10㎜の小さなカニです。
集団で巣穴を掘って生活しますが、
河口干潟付近を好むようでハクセンシオマネキなどと混じって生活してところをよく見かけます。
ハクセンシオマネキは体長よりも大きな白いハサミを振りかざしているので
容易に見つけることができるのですが、
その付近をよ~く見てみると、
小さなハサミを振っているチゴガニを見ることができます。
[雄ガニは大抵片手が大きいですが、チゴガニは両手が同じサイズ]
ちっちゃいチゴガニがちっちゃいハサミを一生懸命振っている光景は
滑稽(こっけい)で、愛らしくも見えます。
ウェービングといわれるハサミの上下運動、
夏場の限られた期間に穴から出ればひたすらハサミを振るには
何かきっと大切な意味があるには違いない!
雄しかしないことから求愛行動やほかの雄に対する威嚇?
そんな推測もできますが、目的はよくわかっていません。
[周りのチゴカニと一斉にハサミを振る光景はまさに波(ウェービング)そのもの!
だけど、威嚇にしては仲良すぎ?]
1時間でも2時間でも観察できるチゴガニですが、
とても警戒心が強く、
近くを歩こうものなら直ぐさま巣穴に引っ込んでしまいます。
そんな時は巣穴の近くに座って数分もすれば、
愛らしいウェービングを見せてくれます。
動画を掲載できないのが残念ですが、
チゴガニダンスは是非実際に干潟へ行って見てみてください。
…ただし、夏場の暑い時期が盛んなので今年はもう遅いかも!?
ちなみにシオマネキのウェービングは先週まだ行われていました!
----------------------------*-**
日本のいのち、つないでいこう!【COP10まで1日前】
生物多様性ホームページ http://www.biodic.go.jp/biodiversity/
COP10支援実行委員会 http://www.cop10.jp/aichi-nagoya/
※COP10 1日前(10月17日)は休日に当たります。そのため、本日10月15日(金)に、10月17日(日)分の記事を掲載しております。ご了承ください。
2010年10月14日【日本のいのち、つないでいこう! COP10まで1日前】
大山隠岐国立公園 松江 太田嘉和
絶滅危惧Ⅰ種(絶滅の危機に瀕している種)「ウスイロヒョウモンモドキ」
【チョウ目 タテハチョウ科 ヒョウモンモドキ属】
みなさんは「ウスイロヒョウモンモドキ」をご存知ですか。
これは蝶の名前です。
翅がヒョウガラ模様「豹紋」のヒョウモン蝶がいます。
そのヒョウモン蝶に似ているからヒョウモンモドキ。
ヒョウモン蝶と直接の仲間ではないんです。
ヒョウガラの好きなお姉さん方もいらっしゃるでしょうが、ちょっと雰囲気は違いますね~。
モンシロチョウより一回り小柄で、草原をゆるやかに舞います。
日本のレッドデータブックでは、絶滅の危機に瀕している「絶滅危惧Ⅰ種」になっているとても希少な蝶です。
主に中国地方のごくごく限られた場所にしかいなく、島根県では国立公園の三瓶山にのみ住んでいます。
7月上・中旬ごろのわずかな時期にのみ蝶になり一生を終えます。
ススキ主体の草原が住みかで、主に幼虫のうちはカノコ草やオミナエシの葉を食べ、成虫はオカトラノオの蜜を吸います。
この草花がなければ生きていけないので、おのずと住むところは限られてきます。

オカトラノオの蜜を吸うウスイロヒョウモンモドキ
つい30年ほど前まではふもとの草原にもいたそうですが、近年めっきり減って、山頂付近などにわずかに見られるだけになっていました。
この貴重な蝶を守ろうと地元有志・大学教授・自然関係施設・NPO・行政などが連帯して保全・育成活動を進めてきました。
(01).JPG)
オミナエシの花 ススキ草原に生える植物 幼虫はこの葉を食べます
ところが今年、ウスイロヒョウモンモドキが草原を舞う姿はついに1匹も発見されませんでした。
私は今年春から島根にやってきました。
ですからこの蝶が舞っている姿を見た事がありません。
もう三瓶山に舞うウスイロヒョウモンモドキを見る事は二度とできないのでしょうか。
どこかで生き続けている者がいる事を願うばかりです。
一つの生物の種がこの地上に生まれそして消えていく、その時間の流れとはどれほどのものなのでしょう。
三瓶山に限ってではありますが、その種の終焉と言うものを今僕が見届けることになるのでしょうか。

かつて6千5百万年もの昔、地球では種の大絶滅が起こりました。
そう恐竜絶滅として皆さんご存知でしょう。
ですが今の種の絶滅の速度は、実はあの恐竜絶滅時とは比べ物にならないくらいのスピードだそうです。
現在地球上の種の絶滅の速度は、自然に起こる絶滅の1,000倍以上!
しかもその速度は凄いスピードで加速してきています。
皆さん信じられますか?
ですがそれが現実なのです。
今 地球環境はその様な状態に来ているのです。
それなのに私たちは無関心でいいのでしょうか。
無責任でいいのでしょうか。
その原因は、私たち人間によるものなのですから。
そして・・・それは巡り巡って、私たち自身に降りかかってくるものなのですから。
※COP10 1日前(10月17日(日))は休日に当たります。そのため、10月14日(木)に、10月17日(日)分の記事を掲載しております。ご了承ください。
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生物多様性ホームページ http://www.biodic.go.jp/biodiversity/
COP10支援実行委員会 http://www.cop10.jp/aichi-nagoya/
【チョウ目 タテハチョウ科 ヒョウモンモドキ属】
みなさんは「ウスイロヒョウモンモドキ」をご存知ですか。
これは蝶の名前です。
翅がヒョウガラ模様「豹紋」のヒョウモン蝶がいます。
そのヒョウモン蝶に似ているからヒョウモンモドキ。
ヒョウモン蝶と直接の仲間ではないんです。
ヒョウガラの好きなお姉さん方もいらっしゃるでしょうが、ちょっと雰囲気は違いますね~。
モンシロチョウより一回り小柄で、草原をゆるやかに舞います。
日本のレッドデータブックでは、絶滅の危機に瀕している「絶滅危惧Ⅰ種」になっているとても希少な蝶です。
主に中国地方のごくごく限られた場所にしかいなく、島根県では国立公園の三瓶山にのみ住んでいます。
7月上・中旬ごろのわずかな時期にのみ蝶になり一生を終えます。
ススキ主体の草原が住みかで、主に幼虫のうちはカノコ草やオミナエシの葉を食べ、成虫はオカトラノオの蜜を吸います。
この草花がなければ生きていけないので、おのずと住むところは限られてきます。
オカトラノオの蜜を吸うウスイロヒョウモンモドキ
つい30年ほど前まではふもとの草原にもいたそうですが、近年めっきり減って、山頂付近などにわずかに見られるだけになっていました。
この貴重な蝶を守ろうと地元有志・大学教授・自然関係施設・NPO・行政などが連帯して保全・育成活動を進めてきました。
オミナエシの花 ススキ草原に生える植物 幼虫はこの葉を食べます
ところが今年、ウスイロヒョウモンモドキが草原を舞う姿はついに1匹も発見されませんでした。
私は今年春から島根にやってきました。
ですからこの蝶が舞っている姿を見た事がありません。
もう三瓶山に舞うウスイロヒョウモンモドキを見る事は二度とできないのでしょうか。
どこかで生き続けている者がいる事を願うばかりです。
一つの生物の種がこの地上に生まれそして消えていく、その時間の流れとはどれほどのものなのでしょう。
三瓶山に限ってではありますが、その種の終焉と言うものを今僕が見届けることになるのでしょうか。
かつて6千5百万年もの昔、地球では種の大絶滅が起こりました。
そう恐竜絶滅として皆さんご存知でしょう。
ですが今の種の絶滅の速度は、実はあの恐竜絶滅時とは比べ物にならないくらいのスピードだそうです。
現在地球上の種の絶滅の速度は、自然に起こる絶滅の1,000倍以上!
しかもその速度は凄いスピードで加速してきています。
皆さん信じられますか?
ですがそれが現実なのです。
今 地球環境はその様な状態に来ているのです。
それなのに私たちは無関心でいいのでしょうか。
無責任でいいのでしょうか。
その原因は、私たち人間によるものなのですから。
そして・・・それは巡り巡って、私たち自身に降りかかってくるものなのですから。
※COP10 1日前(10月17日(日))は休日に当たります。そのため、10月14日(木)に、10月17日(日)分の記事を掲載しております。ご了承ください。
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COP10支援実行委員会 http://www.cop10.jp/aichi-nagoya/


でもそれで手をこまねいているわけにはいきません。
蝶たちが生きていたとき、そこに食べ物が無かったらどうでしょう。
この蝶の幼虫はオミナエシと言う草を食べますが、そのオミナエシは減っていました。
そこで三瓶山では長年、オミナエシを植える活動を続けてきました。
近年は地元の志学(しがく)小学校の子ども達と、保全を続けてきた皆さんとでオミナエシの苗を植えています。
この日は気持ちのいい青空。
子どもたちと苗や道具を持って三瓶山を登ります。
現場に着くと今まで植え続けてきたオミナエシが花を咲かせ、実を結んでいました。
オミナエシの花が子どもたちを迎えてくれました
今回植える所は草刈りや枝払いなどして整備してきました。
そうやって少しづつ環境を作ってきたのです。
現場は斜面。そして根っ子が張り巡らされていて、なかなかスコップが地面に入って行きません。
大人でも大変な作業です。皆さん額に汗しながら耕しました。
歯が立たない地面に立ちつくす子、飛び上がって掘ろうとする子、さまざまです
そして持ってきた苗を植えます。
かなり密集しているようですが、自然界で定着してくれるのはわずか。
集団で対抗しないと藪の中に呑みこまれてしまうんですね。
自然界の厳しさを感じさせます。
皆さんの力でオミナエシの畑ができました
これでオミナエシが根付いてくれて、そしてウスイロヒョウモンモドキが舞う姿を見たいものです。
どんな命もそれ単独では生きていけません。
全ては繋がって係わりあって生きています。
ウスイロヒョウモンモドキにはオミナエシが。オミナエシには日当たりのいいススキ草原が、と言った具合に。
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