ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

中国四国地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2010年5月

14件の記事があります。

2010年05月31日自然観察会「トンボに学ぶ!山と海のつながり」

足摺宇和海国立公園 土佐清水 新堀麻子

5月30日(日)に当所主催のふれあい行事を行いました。
今回の主役は「トンボ」です。
講師を務めてくださったのは、四万十市具同にあるトンボ王国に務める杉村光俊さんです。
(トンボと自然を考える会 http://www.gakuyukan.com/index2.html

四国固有種であるシコクトゲオトンボ(ヤマイトトンボ科)は、足摺岬周辺にも生息しています。
そんなトンボやその生息環境が知らない間に減りつつあるのを地元の方にもぜひ知っていただきたいということもあり開催しました。
参加者は小学1年生~大人、合わせて23名(幼児含む)でした。


まずは、大戸のトンボ公園の池で参加者の皆さんに「トンボ目」になってもらいました。
慣れないうちは、講師が指さしてもどこにいるのかなかなか見えてこない様子。
ある程度、慣れてきたらトンボの幼虫ヤゴの棲む沢へ移動です。
今回は、市の生涯学習課と共催でマイクロバスを出していただきました。

大戸のトンボ公園でまずは目慣らし

次は臼ばえ周辺と足摺岬周辺にて、ざくざくと林内に足を踏み入れ沢で生きもの探し。
参加者の皆さんは、「ほとんどこういった場所へは入ったことがない」とのことでした。
アミでガサガサすると・・・、ヌマエビやサワガニ、ヤゴ数種、ヘビトンボ、カワゲラ、シマアメンボなどなどを発見。
懐かしい遊びに親も夢中、子どもも様々な生きものに大興奮でした。
元気な沢とそうでない沢の2つの沢へ入り、捕れた生きものを比較しました。その時に生きものの少ない「その要因は何か」などの話をしていただきました。

林内へ入って親子で沢の生きもの探し

天気予報は晴れだったのに、なぜか足摺半島の上だけ灰色の雲がかかってしまい、林内にいたときには気づきませんでしたが、雨がシトシト。
観察を予定していたミナミヤンマは、雨が止んだものの湿度が高く飛んでくれませんでした。

午後はシコクトゲオトンボとその生息環境を観察しに行きました。
このトンボは他のものと違ってやや暗いところが好みのトンボ。
今は使われなくなった林道脇の水がしみだすような所にヤゴや成虫はいました。


左:シコクトゲオトンボ観察
右上:成虫  右下:ヤゴ(約1cm)

観察会も終わりが近づきつつある頃、ようやく太陽が顔をだし、閉会式直前に運良くミナミヤンマの飛んでいる姿を見ることが出来ました。

この日一日はなんとも不安定な天気で観察会日和とはいえませんでしたが、参加者の皆さんは天気に気にとめている様子はなく、親子でいろんなトンボの観察や沢の生きもの探しができ楽しかったようです。

次回の要望を受け、またいろんな生きものを題材にした観察会を展開していこうと思います。

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2010年05月26日近頃のお天気事情

瀬戸内海国立公園 松山 永田清美

風薫る五月晴れ!

とはなかなかいかず、今日もお天気どんより曇り空の松山です。
今日も出張予定でしたが、眺望などの写真撮影を伴う調査は、
空のご機嫌を伺いつつなので、今年はなかなか予定通りに進みません。


山ではアジサイが咲き、時雨がちな天気に、カタツムリも活き活き活動してました。
もうすぐ6月。このまま梅雨に入っていくのでしょうか。

昨日出張の際も、朝まで雨が降り続きましたが、
予報の通り、午後から天気は急速に回復。

徐々に雲が薄くなり… 今治市・小島の砂浜


午後にはすっかり青空 今治市・馬島より小島

紫外線対策をすっかり忘れ、帰って鏡を見るとしっかり日焼けしていました。
大気中のチリなどが洗い落とされた雨のあとの特に紫外線は強烈とのこと。
まだ春とはいえ、油断禁物。外出の際はお気をつけください。

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2010年05月21日固有種の保護のあり方

足摺宇和海国立公園 土佐清水 新堀麻子

愛媛新聞(4月25日1面)でも取り上げられた「トキワバイカツツジ」。

この自生地は国立公園からは外れていますが、先日、現物確認のため行ってきました。
近隣である宇和島市の固有種であり分布域が限られている珍しい種です。

花の時期は終わりを迎えている頃でしたが、
新聞掲載後、役場等に問い合わせがいくつかあったようです。
このツツジは、林縁のやや明るいところ、岸壁に自生し固有種で他の場所には生育していない珍しいモノです。
その珍しさ故、すでに数株盗掘されてしまっているとのこと。


常緑のツツジ「トキワバイカツツジ」かろうじて咲いていました

「珍しければ珍しいほどに希少価値は上がり高く売れる」
そのため乱獲・盗掘が繰り返され、消滅の危機にさらされているのはこの種に限った話ではありません。

危機的状況だからこそ、その種を守るために知ってほしいという願いもあり・・・。
しかし、存在が知られていないから守られることもあり、知られてないが故に気づかず駆除されることもあり・・・

いろんな考え方を持っている人々の中で、それぞれに認識の違う“自然”や“種の保護”について、どのように伝えなければならないのかを問われているような気がしました。

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2010年05月20日大山・中海制札板点検

大山隠岐国立公園 米子 米田美里

みなさん鳥獣保護区という言葉を知っていますか?
鳥獣保護区とは野生生物の保護・管理を目的とした規制区域です。
鳥獣保護区の中では鳥獣の捕獲が禁止されるほか、鳥獣の保護事業が行われています。国指定と都道府県指定の2種類があり、特に重要な地域は特別鳥獣保護区に指定されます。

米子自然環境事務所の管轄には鳥類等の大規模生息地である国指定大山鳥獣保護区、水鳥の集団渡来地である国指定中海鳥獣保護区(中海鳥獣保護区の特別保護地区はラムサール条約湿地に指定されています。)があります。
鳥獣保護区にはその範囲を知らせる制札板があるのですが、
大山の雪も消えたということで、5月に入ってから当所では
大山と中海の制札板の点検・修繕作業を行っています。
入り組んだ場所にあったり、大雪で壊れていたりと
広い鳥獣保護区の中、数多くある制札板を1本1本調査していくのはなかなか大変です。


◎制札板の立て替え作業

ところで下の写真何か気づくところありますか??

◎左が中海、右が大山の制札板です。

よく見ると中海と大山の制札板では材質が違います。
大山の制札板はスチール製ですが、中海ではスチールでは錆びてしまうということで、支柱・板ともに木材でできています。

みなさんも自然豊かなところに行くと、制札板を目にするかもしれませんね。

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2010年05月20日花と青空と遊歩道 ~城山園地~

瀬戸内海国立公園 高松 大林めぐみ

なんだか雨の多い春ですね。
青空の春らしい天気が待ち遠しいです。

先週、晴れの間に香川県東部、東かがわ市にある
城山(しろやま)園地に行ってきました。
昨年夏以来の城山園地内の遊歩道。
今の時期はどうなっているかというと。。。


モチツツジの見事な満開ぶり!

モチツツジの特徴は、葉に起毛がついており触ると
ジャリジャリした音がします。
そして、モチツツジという名前の由来にもなったもう一つの特徴が。
蕾を触ると・・・なんだかネバネバする。。
この餅のように粘ることからモチツツジと名付けられたそう。


左;ネバネバしたつぼみ
右;開花のようす

青空とピンクに咲いたモチツツジの中進むと・・・


引田湾を望む展望ポイントへ
この遊歩道の途中には、展望地のほかに城跡や引田灯台など
見どころいっぱい。


城跡の中にある奉納碑
歴史やお城に興味のある人はぜひ!

他にもここは今まで歩いた遊歩道の中でもシダ植物が多いなぁと。
なんだかシダってカワイイ。人によっては・・・かも?
そして、歩いていると時々上から住民がすーっと下りてきたかと思うとグネグネと踊ってくれました♪


左;シダ植物の群生  右;踊ってくれた住民

巡視の時期を変えることによって、どんどんと新しい発見が。
見つけた時って、やっぱり楽しい!
今月いっぱいはまだ花は見ごろです。
ぜひ、春の彩りの中を歩いてみませんか?

城山園地の遊歩道へは、「田の浦キャンプ場」を目指してください。
案内看板はありますが、道幅は少し狭く、住宅地を通行するのでご注意を。
田の浦キャンプ場には駐車場があり、すぐそばに少し急勾配な階段状の遊歩道入口が見えてきます。もしくは引田港近くにも駐車場があり、そこから遊歩道に入ることもできます。
遊歩道の中には、少し滑るやすくなっている場所や、ヤマウルシやハゼもあるので長袖長ズボン、履き慣れたスニーカーで。


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2010年05月19日花いっぱい 鏡ヶ成

大山隠岐国立公園 米子 米田美里

先日、鏡ヶ成へ現地調査に行ってきました。
鏡ヶ成は草原・湿原・樹林と様々な自然環境を一度に見ることの出来る
大変貴重な場所です。
今回は擬宝珠山と象山の登山道、鏡ヶ成湿原の植生変化を見てまわりました。
鏡ヶ成は標高約900mの地点に位置しますが、湿地が形成されるだけあって
雨や霧などが多い場所です。
調査を行ったこの日も鏡ヶ成に到着時は(??雨が降るかも・・・)というお天気。
しかし、擬宝珠山を登っている途中にだんだんとお天気が良くなり、
象山に登る時にはカンカン照りになっていました。


◎登っているうちにすっかり雲が無くなりました。

前回ご紹介した毛無山同様、擬宝珠山にもカタクリの群落があり、
カタクリの他にもイワナシやタムシバ、サンカヨウ、エンレイソウなどのたくさんの花が見ることが出来ました。
いま挙げた花はすでに時期がほぼ終わっていますが、
これからの時期イワカガミやアカモノの花が見ることが出来ます。
是非見に行ってみて下さい!


◎サンカヨウの花と烏ヶ山

ところで、鏡ヶ成のスキーリフトの下にバイケイソウの群落がありました。
このバイケイソウ、食べることのできるオオバギボウシと葉っぱがよく似ているといわれるのですが、
バイケイソウには毒性の強いアルカロイドが含まれており重傷の場合は死に至ります。
鏡ヶ成は国立公園内なのでもちろん植物採取をする人はいないと思いますが、
みなさん公園外でオオバギボウシ(ウルイ)を採取する際には十分注意して下さい。


◎バイケイソウ

◎オオバギボウシとバイケイソウの簡単な見分け方。オオバギボウシはバイケイソウよりも遅く葉が出るということで、実際に実物を同時期に見比べるのは困難とか。

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2010年05月19日仙酔島海岸線歩道開通式

瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵

大変ご報告が遅くなってしましましたが、
先月9日、福山市鞆の浦沖合にある仙酔島の海岸線歩道が
6年ぶりに開通しました!

2004年の台風で大打撃を受け、
海岸線歩道一帯が崩壊したため、通行止めとなっていました。
当日、開通式を実施。
今後事故などがないよう、安全祈願をしました。

[安全祈願祭]

田ノ浦~彦浦の海岸線歩道は
世界的にも珍しい五色岩や県指定天然記念物仙酔層などを見ることができます。
(私は三色くらいしか見つけられないのですが・・)
また、彦浦の先には島の最南端烏ノ口岬に続く遊歩道があります。
この遊歩道の入り口も崩壊していましたが、同時に開通!
外洋に面した岬では朝日、夕日を臨む絶景スポットとなっています。

今まで山側の遊歩道のみで
仙酔島の見所が半分となっていましたが、
これから行楽シーズンです。
是非砂浜や磯など海側の遊歩道を通って
仙酔島を満喫してください!



[渡り初め]


[五色岩:日本で見られるのはここだけだそうです]


[彦浦:閃きの門と言われています]

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2010年05月18日クリーン三瓶

大山隠岐国立公園 松江 太田嘉和

こんにちは。新緑がまぶしい季節になってきましたね。

さて先日(16日)日曜日、島根県中部にあります国立公園 三瓶山(さんべさん)におきまして「クリーン三瓶」が開催されました。
これは美しい三瓶山の自然を維持する為に、皆でゴミ拾いをおこなう催しです。
私たち国立公園レンジャーも参加してきました。

昨年はけっこうな雨降りだったとの事ですが、今年は最高の青空に恵まれ、沢山の人達が参加されました。
この催し毎年おこなわれていて、今年でなんと31回目!
これも地元の方々の三瓶山を愛する現れでしょう。


それぞれの場所に移動してクリーン大作戦スタート!

われらレンジャーは山頂をめざすコース(登山道のゴミ拾い)へ、いざ出陣!
ですが登山道はゴミが全くありませんでした。
これも日頃清掃活動をしてくださっているボランティアの方々、そして三瓶山を訪れる方々1人1人の心がけの賜物でしょう。

この日は初夏を思わせるほどの陽気となりました。
防寒対策をしっかりしてきた私は衣類でパンパンになったリックを背負って大汗です。

中腹までは歩きやすく、豊かな新緑の森の中を歩きます。
緑と木漏れ日がやさしいです。
終盤は見通しの良い急こう配。胸突き八丁です。その分展望はなかなかです。

そしてがんばって登ってきた私たちを、小さな花たちが迎えてくれました。


ちょこんと咲くリンドウ

山頂にはキンポウゲの花がそこここに咲き散らばっていました

これらの草花はちょっとしたダメージで、消滅してしまうか弱いものです。
この先もずっとずっと豊かな自然を後世に残していきたいものです。


ついに三瓶山(男三瓶山)山頂に到着。
展望はパノラマ。「い~眺めだ~!」



この日消防隊の救援ヘリが飛びました。
下山途中に登山道で怪我をされ、歩けなくなった方がいらっしゃったのです。
険しい山道の為、なかなか運ぶ事も出来ない状態です。
ヘリで救助する事もままならないようです。
消防隊の方々が担架を背負って救援に向かいます。
これから登り本番だというのに既に汗びっしょりです。

皆さん。自然は危険な面も常に潜んでいます。
普段の生活圏とは全く違います。
小さな怪我でも動けなくなる場合もあります。
自然の厳しさをしっかりと心に留め、十二分に注意して安全第一で野外活動をおこなってください。

それでは皆さん。余裕のある計画で、新緑の日本の自然を感じてみてください。

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2010年05月18日AR写真展開催中 *会場から足を伸ばして

瀬戸内海国立公園 松山 永田清美

現在、愛媛にてアクティブレンジャー写真展~中国四国地方の自然~を開催中です。

展示場所をお借りしている休暇村瀬戸内東予周辺は散策スポットも満載です。
気候のいい5月、おでかけに来られませんか?

休暇村からの眺望も、すばらしいです。


写真上:休暇村瀬戸内東予(写真展会場)からの眺め
写真下:桜井海岸

そして会場から足を伸ばすと、気持ちの良い自然海岸や遊歩道があります。
海岸ではハマエンドウの花盛り。コウボウムギの穂も見られます。


写真上:桐の花
写真下:フジの花
もう花は終盤の様ですが、園地の中に咲くフジや桐の花も美しかったです
(5月13日撮影)。
春は紫色の花が多いんでしょうか?

また、国道から休暇村瀬戸内東予へ向かう途中には愛媛県天然記念物に
指定されている蛇池湿地植物群が見られます。夏にかけて様々な湿地植物が
花をつけますのでぜひのぞいてみて下さい。


上:蛇池湿地
下:河原津海岸 (背景には石鎚山(右奥)がくっきりと見える良い天気でした)

13日に会場設営を終えて帰る頃、隣接した場所にある河原津海岸の干潟が
干出していました。ちょうど大潮の干潮時だったようです。
人影が見えましたが潮干狩りでしょうか。干潟の人々をうらやましげに
見ながら帰りました。

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2010年05月17日AR写真展開催中 -愛媛会場-

瀬戸内海国立公園 松山 永田清美

肌寒い日が多かった4月。
5月に入り松山はずいぶん気温もあがり、
初夏の眩しい日差しが降り注いでいます。

さて、中国四国地方環境事務所では3月より中国四国地方の6名のARが
撮影した写真や、それぞれが活動する国立公園等を紹介するパネルを
展示した巡回写真展を実施しています。
愛媛では休暇村瀬戸内東予の一角をお借りして、現在開催中です!

同じ中国四国管内のARとはいえ、普段ほとんどお互いに顔を合わす機会も
ないことから、メールや電話で意見交換し構想を練りながら、
約半年の準備期間を経て開催に至りました。

ついに愛媛会場の展示期間がやってきましたが、
私は、展示作業も不慣れで四苦八苦。
なんとか無事に会場作りを終えました。
それぞれの公園の雰囲気や、活動の様子が少しでもお伝えできれば
よいのですが。

お近くへお越しの際は、ぜひお立ち寄りください!

【AR写真展 愛媛会場】
・日程 5月14日 金曜日~6月6日 日曜日(期間中無休)
・場所 休暇村瀬戸内東予(愛媛県西条市河原津)
・入場無料(自由に観覧できます)


写真展会場の様子
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詳細はこちら↓↓
●アクティブレンジャー写真展~中国四国地方の自然~の開催(愛媛会場)について
http://www.env.go.jp/park/setonaikai/topics/100420a.html

*他会場の情報*
【高松会場】(終了) http://c-chushikoku.env.go.jp/blog/2010/03/603.html
【高知会場】(終了) http://c-chushikoku.env.go.jp/blog/2010/04/630.html
【広島会場】 6月17日(木)~7月11日(日)  大久野島ビジターセンター
【鳥取会場】 7月22日(木)~8月16日(月)  大山参道ギャラリー
【島根会場】 8月20日(金)~9月14日(火)  三瓶自然館サヒメル

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