大山の保全のための受益者負担の仕組み（入山料等）の検討に向けた社会実験の結果速報について　

１．背景・目的

　大山隠岐国立公園内の大山は、年間約6万人が登山する、西日本を代表する山岳です。この登山利用に関連して、山中の避難小屋やトイレ、登山道・木道の維持管理・補修、トイレ不足によるし尿廃棄への対応、植生保護・外来植物除去の取組等を、公費により行ってきていますが、公費のみではこれらの取組の継続的な実施や追加的な取組を新たに行うことが難しくなってきています。

　これを踏まえて、大山の山岳環境保全と持続可能な利用の充実を目指して、受益者負担による仕組みを検討するとともに、そのような仕組みの導入がもたらし得る影響について分析することを目的として、８月24日から11月4日までの休祝日（一部の日を除く）に、環境省、鳥取県及び大山町により、登山者に対して任意の協力金を募る社会実験を実施しました。社会実験の結果の一部について、簡素な集計を行いましたので、速報としてお知らせします。なお、詳細な分析結果については、分析が完了次第、別途お知らせする予定です。

２．社会実験の結果速報概要

　（１）トイレチップ調査

・８月24日（土）から９月16日（月）までの休祝日（合計９日間）に山頂仮設トイレ周辺において、登山者に対して調査票への回答と任意の額のトイレチップの募金を依頼した。

・調査票への回答については849人の協力が得られた。非協力者は277人だった。

・調査票回答者の91.2％がトイレチップ制度の導入について賛成と回答した。

・849人の調査票回答者とその同行者98人を合わせた計947人のうち、761人が募金し、186人は募金しなかった。

・募金しなかった人を含めて、一人あたりの募金額は最低0円、最高1,000円、中央値100円、平均値140円となった。募金した人のみで算出する場合は、一人あたりの募金額は、最低10円、中央値100円、平均値174円となった。収受金総額は132,750円となった。

※上記文中の太字の数値については、当初発表した数値を令和２年１月８日付で修正したものになります。

　（２）入山協力金調査

・10月13日（日）～14日（月）、19日（土）～20日（日）、22日（火）、26日（土）～27日（日）、11月２日（土）～４日（月）の合計10日間の休祝日に、夏山登山口（阿弥陀堂横）において、登山者に対して調査票への回答と任意の額の入山協力金の募金を依頼した。

・調査票への回答については1,713人の協力が得られ、その同行者は455人だった。調査票への回答はせず、募金のみ行った人は22人で、その同行者は26人だった。非協力者は1,305人だった。

・調査票回答者の78.6％が入山協力金制度の導入に賛成と回答した。

・調査票への回答者1,713人と募金のみの22人とこれらの同行者441人を合わせた計2,216人のうち、1,612人が募金し、604人は募金しなかった。

・募金しなかった人を含めて、一人あたりの募金額は最低0円、最高3,000円、中央値250円、平均値283円となった。募金した人のみで算出する場合は、一人あたりの募金額は、最低5円、中央値333円、平均値390円となった。収受金総額は628,036円となった。

※上記文中の太字の数値については、当初発表した数値を令和２年１月８日付で修正したものになります。

　（３）駐車場利用者アンケート調査

・9月28日（土）、29日（日）、10月6日（日）の３日間、博労座駐車場において、駐車場利用者に計1,025票の調査票を配布し、回答と返送を依頼し、計369票を回収した。

・訪問目的については、登山・ハイキングが45.0％と最多となり、ドライブ（16.8％）、寺社参詣（14.9％）等がこれに続いた。

・大山の環境保全や山岳施設の維持管理のために協力金を支払ってもよいと答えた人は95.1％だった。選択肢として提示した金額別の内訳は、0円2.2%、100円13.8％、300円27.1％、500円35.5％、700円1.4％、1,000円16.3％、1,500円0.3％、2,000円0.3％、3,000円0.5％、3,000円以上0%、無回答2.7％となり、中央値500円、平均値484円となった。

３．問い合わせ先

環境省大山隠岐国立公園管理事務所　辻田・中山

電話：０８５９－３４－９３３１　ファックス：０８５９－３４－９３３０

４．添付資料

トイレチップ調査結果（速報）（令和２年１月８日修正）［PDF：144KB］

入山協力金調査結果（速報）（令和２年１月８日修正）［PDF：183KB］

駐車場利用者アンケート調査結果（速報）［PDF：162KB］

５．過去の報道発表資料

2019年08月20日

大山の保全のための受益者負担の仕組み（入山料等）の検討に向けた社会実験の実施について https://chushikoku.env.go.jp/pre_2019/post_95.html

2019年06月21日

大山の自然環境保全に関する登山者アンケート結果について http://chushikoku..env.go.jp/pre_2019/post_89.html